藤原帰一の発言 (国際経済・外交に関する調査会)

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○参考人(藤原帰一君) 今は、まさに核心をつく御指摘でした。難民の支援が日本の比較優位だと申し上げたときに、間違っても現在の難民キャンプのままで大丈夫と考えていません。
 第一のポイントは、何よりも破綻しているんですね。もう全くキャパシティーを超えた規模に広がっていて、それ自体が問題。まあ、もうヨルダンの場合にはそちらの方が先というぐらいでしょうが。その次が、今おっしゃった、これは難民キャンプでは一般的に出てくる問題なんですけれども、紛争再発の原因になります。武装勢力が、その活動する拠点を難民キャンプにつくってしまう可能性があります。これは古くもカンボジア難民の時代から我々は何度も見てきた事例です。
 そして、ここで面倒な問題があるのは、自治とそれから治安のバランスなんですね。難民キャンプにおいては、自治を認めないことは基本的に不可能です。ごく少数のグループで難民キャンプを維持するときに、その住民の自治を受け入れないということはできない。しかし、それをすることがもし権力の移譲になってしまうとすれば、まさにおっしゃった問題、紛争再発の根をつくってしまうことになる。
 ここでポイントになるのは、治安と自治の分業なんですね。ところが、この問題をよく自覚されていて随分経験もあるんですけれども、キャパシティーを超えた難民を引き受けた場合には自治と治安の分業をすることができなくなって、結果的には全部丸投げになっていきます。丸投げになってくると、紛争再発の拠点という悪い方向が強まることになってしまう。
 そうしますと、今いろいろ空爆やっていたりするわけなんですが、ポイントは、むしろ難民キャンプにおけるロブストなパワーをどう確保するかということなんです。これは、国連ということでできるのかというのが第一。国連の難民キャンプは各国の政府の管轄を基本的に外れますから、各国政府は嫌がるわけですね。トルコはそれを嫌がって、そして国連のキャンプを受け入れないという基本的な問題があります。
 それをしていくための一つの方法は、既に幾つか事例があるんですけれども、長くなりますからやめますけれども、軍事力について、国連の枠組みの中での軍事力という形にしないということなんですね。恐らくNATOが中心になると思いますが、NATO中心の兵力の配置を求めて、ユーゴスラビアは一部これやりました、そして一方では、難民支援の枠組みについても国連のような排他性をつくらない。それによってホスト国との関係は安定するとともに、十分な資本と人、軍隊の流れを確保していくということです。これをしない限りは、難民キャンプが言わば二次災害をもたらすということを阻止できない。
 これくらいにしておきましょう。

発言情報

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発言者: 藤原帰一

speaker_id: 15403

日付: 2015-05-13

院: 参議院

会議名: 国際経済・外交に関する調査会