菅原淳一の発言 (国際経済・外交に関する調査会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○参考人(菅原淳一君) ありがとうございます。
 まず、今の御質問ですが、前提としてTPP参加によって安い労働力が入るということが言われているわけですが、私自身、なぜTPPによって安い労働力が入ることになるのかというのは若干理解できておりません。
 と申しますのは、そもそもTPPにおいては、単純労働を認めるといったような条項は入らないということになっております。基本的に、雇用に関するというか労働に関するものといえば、例えばサービス貿易分野でそのサービスを提供する方を一時的の入国を認めるということでございますが、これらに関しては、基本的には例えば弁護士とか会計士とかの専門職業サービスを中心とするというものでありまして、単純労働者を受け入れるものではないということであります。ただ、一部、看護師、介護士等で二国間EPAで受け入れているというケースがございますが、これらについても、賃金についてはしっかり国内で国内並みということが確保されているというふうに理解しております。
 それから、あと労働というチャプターがあるわけですが、これは一部誤解を受けているところですけれども、これについては、基本的には労働基準をしっかり守りましょうという章でありまして、要は、外資を誘致する際に、労働基準を引き下げるからうちに投資をしてくれというようなことはしてはいけないと。ILO等の国際的な機関で守るべきとされている労働基準をしっかり守りましょうというものでありますので、こうしたことから考えると、安い労働力が入ってくるということはなかなか考えにくいのではないかというふうに考えております。
 雇用に関しては、当然のことながら、先ほど内田参考人の方から、アメリカはTAAというのは雇用が失われる前提だよというふうにおっしゃっていましたけれども、これは雇用が失われる前提ではなくて雇用調整が行われる、つまり、ある産業は当然TPPによって打撃を受ける、ところがある分野は伸びる、その打撃を受けるところから伸びる分野へと雇用が円滑に移動するようにという形で行われるのがTAA等の調整でありますので、そういった意味で、ある分野は当然雇用が失われる、賃金が引き下げられるということが起こると思います。ただ、それに代わる雇用が伸びる分野というものをしっかり育てていくということが必要であるということであります。
 これらについては、TPPというと何かTPPが万能薬のように語られることが多いんですが、TPPというのはあくまでも政策の一手段にすぎないわけで、TPPで何でもかんでもできるわけではない。TPPのような通商協定がしっかりとその効力を国民一人一人、また大都市だけじゃなくて地域、地方へとメリットがあるようにしていくためには、適切な国内政策が伴わなければできないというのはもうこれは明らかなことでありますので、そうしたことに関しては、TPPだけではなくて、先ほど最後に申し上げましたが、適切な国内対策、政策が伴う必要があるということだと思っております。

発言情報

speech_id: 118914305X00720150610_018

発言者: 菅原淳一

speaker_id: 34860

日付: 2015-06-10

院: 参議院

会議名: 国際経済・外交に関する調査会