菅原淳一の発言 (国際経済・外交に関する調査会)
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○参考人(菅原淳一君) ありがとうございます。
二点御質問いただきました。
まず、交渉力ということなんですけれども、今回のTPPに関しては、通商交渉の中ではこれまでになかったことですけれども、TPP政府対策本部というものをしっかりつくったと。これは、今まで各省別に行われていたものを統合して、意思決定もそこに集中して行うという意味においては非常に画期的であったというところで、このTPP政府対策本部に一本化した交渉を行ったというのは、日本の交渉力を高める上で非常に有益であったというふうに考えております。
私自身は、TPPだけではなくて、RCEP、日中韓、日・EUといったようなメガFTAはそうした形にすべきだし、それらのものを一つに見ることによって、やっと全部を整合的に見て日本の通商戦略のあるべき姿というのが見えてくるのではないかというふうに考えておりますので、まだまだ交渉力というところについては、先ほどおっしゃったように、経験というところでもまだ不足しているのかもしれませんが、日本政府の交渉力というのは上がっているということかとは思います。
ただ、交渉力というのとは別に、日本は交渉が難しいのは、やはり、特に通商交渉に関しては日本はこれまでもう真面目に身ぎれいだというところが非常に交渉が難しいと。例えば関税だけを取ってみても、日本はもう鉱工業関税というのはほとんどゼロに近いわけですね。本当にセンシティブな部分しか残していないという状況の中で交渉しなければなりませんから、相手はまだまだ切るカードがいっぱいあるという中で、日本は本当に切れるか切れないかというカードしか持っていないという中で交渉しなければならないと。これは交渉力というよりも、交渉環境の段階で日本はもう難しい立場に立たされているということがあるということは一つ指摘しておきたいと思います。
それから、食の安全に関してですが、これは国民の皆さんが非常に心配されているところで、政府としても繰り返し説明をしているところで、政府の説明というのは主に三点あって、一つはWTOのSPS協定にのっとってやっている、その権利は侵されないんだということ。それから、食品添加物とかBSE問題とか、個別の食品安全基準の緩和の議論はTPPにおいてはしていないということ。それから、今後TPP交渉を進めていくにおいても、国際基準や科学的な根拠を踏まえて対応して国民の安心の確保に努めるということを主に言っているわけであります。
我々は、テキストが見れない以上、これがそのとおりになっているというふうに信じるしかないわけですが、先ほど金子参考人の方からも、TPPだけではなくて、それに伴うというお話がありましたが、例えば一緒に行われている日米並行協議の方は、最初にSPSもここで議論するなんてことが書かれていたわけですね。ところが、そこについては何ら情報が開示されていなくて、この間のTPPの一般説明会においても、フロアからその質問があった際に、担当の交渉官は、それは外務省の管轄であるということで明確な答えはしなかった、ただし、まあ問題はないでしょうということだけをおっしゃったということでありました。
したがって、政府の言葉を信じて、この食の安心、安全については問題がないというふうに思っていたいところではありますが、やはりここについては国民の心配が集中しているところでもありますので、しっかりと政府の説明を受け、情報が開示された際には、本当にそれが確保されているのかというのをしっかり見極める必要があるというところだと思います。
以上です。