菅原淳一の発言 (国際経済・外交に関する調査会)

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○参考人(菅原淳一君) ありがとうございます。
 私も、この通商政策を担当して二十年になるんですが、TPPが始まる前は比較的安穏な生活を送れていたんですけれども、日本がTPPに参加するのではないかと菅総理が所信表明でおっしゃった以降は、年間に数十件の講演をこなすとか、話が聞きたいという方にブリーフィングするということで、かなり状況が変わってきているという状況でございます。
 そうした活動を通じて中小企業の経営者の皆様とお話しする機会が増えているわけですけれども、二つのパターンがあるかと思います。
 一つは、やはり中小企業、零細企業の経営者の方々は、特に年齢的にも私よりかなり上の経営者の方々は、自分の経営にかなり自信を持っていらっしゃる。特に戦後復興の中で腕一本でたたき上げでやってきた自分という強い自負を持っていらっしゃる方は、TPP何するものぞと、そんなものはもう吹き飛ばしてやるし、むしろそれを活用してやるんだという意気込みで私に非常に勇ましいお話をしてくださるという方が多くいらっしゃいます。
 一方で、やはり、TPPって何なのかよく分からない、自分の事業が立ち行かなくなるのではないかという非常に強い不安を持っていらっしゃる方もいらっしゃいます。ただ、その方に、じゃ、どんな仕事、どんなものを作っていらっしゃるんですかと聞くと、うちは自動車部品工場なんだけれどもと、その三次下請なんだなんというお話を伺うわけですけれども。で、何が御心配ですかと聞くと、海外の自動車部品が安く入ってきて、うちの製品なんかもう使ってもらえなくなるんじゃないかとか、中国から大量に労働者が入ってきて、うちより低価格で物を作られちゃうんじゃないかなんという心配を打ち明けられるわけです。
 ところが、この認識というのは二つとも間違っているわけで、自動車部品に関しては日本はもう既に関税ゼロでございますし、先ほど申し上げたように、TPPによって中国、まあまだ中国はそもそも入っておりませんし、単純労働者がたくさん入ってくるということもないわけです。
 したがって、中小企業の経営者の方々が御心配なさっているのは、経営者としての御心配というのは、それは多く誤解に基づくものであるということが私の経験上は多いです。ただ、もちろん一般市民としての御不安というのは、先ほどの食の安全等も含めて、お持ちであるということはあるんですが、中小企業、零細企業の経営者としての御不安というところに関しては今言った二つのパターンが多いかなというところがあります。
 その中で、皆さんからよく伺うのは、やっぱりとにかくアルファベット三文字のものというのは難しい、なかなか手が付かぬということで、やっぱりどうやったら自分たちにメリットがあるのか、どうやったら使えるのかということについてしっかり教えてほしいという声が多くあります。したがって、政府としても、これまで二国間EPAについては中小企業の方々に使っていただけるような施策というのを取ってはいますけれども、やはりアンケート調査なんかを取ると、なぜEPAの優遇関税率使わないのかと聞くと、EPAというのがそもそもよく分からない、使い方が分からないという答えが過半を占めるというのがまだ現状でございます。
 したがって、やはりTPPについても、そのメリットというのがどこにあるのかというのをしっかり分かりやすく説明して使い方をアドバイスするというところまでやっていかなきゃいけない。韓国なんかはもう既にこういうシステムが整っていますので、日本としてもやはりそういったことはやっていかなきゃいけないということだと思います。

発言情報

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発言者: 菅原淳一

speaker_id: 34860

日付: 2015-06-10

院: 参議院

会議名: 国際経済・外交に関する調査会