2015-02-25
参議院
菅野雅明
国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会
菅野雅明の発言 (国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会)
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○参考人(菅野雅明君) まず、第一点目の御質問ですが、確かに貸出しが余り増えていません。そして、設備投資にも余り勢いが感じられていません。それに対する対策という御質問ですけれども、実は私は、アベノミクスの第三、成長戦略というのは極めてよくできている内容だと思いますので、実はもう答えは出そろっているんです。ただ、それをなかなか実行できていないと。それは当然です。全てのいろいろな改革案について世論がほとんどフィフティー・フィフティー、場合によっては反対の方が多いです。むしろ、それぞれについてよくこれだけ課題として取り上げたなというところに私は高く評価しておりますが、残念ながらその進み方というのは遅々として進んでいないということですので、もうむしろ、これまで何度となく政府は成長戦略出してきました。その中でも今回の成長戦略はかなり優れていると思いますが、残念ながら進み方が非常に遅いということでやや失望感がありますので、むしろそこを是非早く進めていただきたいということです。
その中であえて一つ申し上げると、やはりまず大企業においてはコーポレートガバナンスですね。すなわち、貸出しが増えない一つの理由は企業が、今年も多分そうだと思いますけれども、出た収益をみんなため込んでしまっていると。それを使わないと。賃金にも、もちろん賃金に、人件費を増やし、それから設備投資を増やしですね、ればいいんですけれども、それは企業が決める話です。ですから、企業がそれ、使わないお金をどうするかといえば、今は銀行預金にほとんどなってしまう。銀行は貸出しがないんで、そうすると国債買っていると。その国債は日銀が持っていってしまうという、もうここでお金が全然動かなくなってしまっているわけですね。
ただ、海外にこういうことはほとんどあり得ないんですね。なぜかといえば、株主がそういう、そこにあなたが持っているキャッシュは私のものだから配当かあるいは自社株買いで返してくださいよと。戻ってくればその人たちは消費しますので、ぐるぐる回るんですね。したがって、日本はお金がブラックホールに吸い込まれていますので、それを直すためにもコーポレートガバナンスは重要です。
ただ、これは大企業の話ですので、中小企業になってくると、特に地方の場合にはこれまた全然別の対策が必要ですが。
私も、今年年初に幾つか地方をお邪魔して、いろいろ地方創生の話とかに関わったり、少しお話しさせていただいたことありますけれども、私はやはり地方に危機感が余りないんではないかというふうに思いますので、皆さんおっしゃるんですけれども、本気になって例えばコンパクトシティーをやろうとしているところがありますが、皆さん非常に御苦労されていらっしゃいます。それは、なかなか地方の住民の方々、総論賛成各論反対ということで余り協力的じゃない方々もいらっしゃるように思いますので、ここは、それこそ地方にもっと分権を進めて、霞が関がやろうとすると大変ですけれども、地方にもっと頑張ってもらうということしかないと思います。
それから、二番目の点ですけれども、これは、まず、私も言ったこと、ちょっと冒頭、繰り返しますが、まず出口戦略の封印をもう直ちに解いていただきたいと。これは、赤字になることは、先ほど早川参考人の話にもありましたように、結局国民のお金を使うことになるわけですので、それを国民に知らせずにやるというのはいかがなものかなと。それから、確かにこの話をすると期待インフレ率下がるかもしれませんけれども、ただ、国民に真実を知らせないで、そして期待インフレ率を上げようという政策は、私は何かちょっと違うのではないかなというふうに思っております。
そして、最後に一点申し上げたいのは、先ほどちょっと岩田参考人の方から、私が赤字になるリスクを小さくするというふうに申し上げたというふうに言われて私もびっくりしたんですが、そう言ったつもりは全くありませんので。仮に永久国債を日銀が持っても、利上げのときにはこれは赤字になりますので、これは二つ全然違うものなんですね。長期金利の急騰というのは、日銀は満期まで保有すれば赤字の原因にはなりませんので、ここは民間銀行の問題です。日銀の問題は、利上げしたときに赤字が発生するという、これは避けてもう通れないと思いますので。ですので、私が申し上げたリスクの最小化というのはそこではなくて、そのときに起きる混乱、これを最小化するにはどうしたらいいかということを議論すべきだということです。
そして、私も仕事柄海外の投資家との接点というのはいろいろありますけれども、やはり去年の消費税の増税延期を決めた後、やはり非常に海外の投資家から日本の財政に関する基本的な質問が急激に増えてきました。これは、もし日本が出口ないしはその近辺で財政の持続性にクエスチョンマークが付くようになれば、当然マーケットは注目いたします。長期金利が上がり出します。そこに一つの彼らは投資のチャンスを多分見出そうとしているんだと思いますので、今はデフレ、まだ二%よりはるかに下ですので、日銀に誰も手向かう人はいません。ところが、出口が近づくと海外の投資家が動き出しますので、そういう意味で、今は目に見えませんけれども、その辺の動きというのはかなり注意しないといけないということは今のうちに申し上げておいた方がいいのではないかと思っています。