2015-02-25
参議院
菅野雅明
国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会
菅野雅明の発言 (国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○参考人(菅野雅明君) 先ほどの御質問にお答えいたします。
御質問の趣旨は、どこで信認が崩れるかということだと思うんですが、先ほど私が日銀が債務超過になった場合のことというのをお話しいたしましたけれども、当然、市場はもうそこまで待ちません。ただ、そこまでお話ししたのは、要は、最終的になると、そこまで行ってしまうということを市場がもうあらかじめ予測するので、もうその前から市場に異変が起こりますよということを申し上げたかったので、その例を使わせていただきました。
これももう言わずもがなのことですけれども、私どもが持っている日銀券ですね、千円札とか一万円札というのは、その昔、金本位制の場合は兌換券で後ろに金があったので、そして日銀ないしは政府がそれを金といつでも換えてくれるというので信用して持っていたわけです。その後、さすがに、もっと知恵を使いましょうということで管理通貨制度になりましたけれども、その後ろにあるのは今ほとんど国債です。昔は少し貸出しというのもありましたけれども、基本的には国債を、その後ろにある。その国債というのが将来の日本の成長で償還されるというふうにみんな暗黙のうちに思っているから私どもは一万円札や千円札を持っているわけですね。
ですから、これが、日銀が債務超過になるということは、資産が何もなくなってしまう、それは現実の問題としてあり得ないので、政府が何らかの自動的に保証をしてくれると。これって国債なんですよね、政府の保証というのは。国債というのは、言うまでもなく将来の世代から来る税金で賄われるわけですから、そこがちゃんと担保されていれば何とかコンフィデンスというのは守られます、維持されます。
ところが、そのコンフィデンスが、どうもこのゲームを続けているとどこかで崩れてしまうのではないか。今は日銀は大量に国債を買うことによって長期金利を下げ、政府の財政負担を大幅に下げています。今度、日銀が困ったらその政府に助けてもらうというのは、誰が考えてもこれおかしいですよね。これは外人の投資家に言わせると、ポンジーゲームというふうに言っています。これネズミ講じゃないかということを言っている人たちが結構います。ただ、今はまだ日本が二%より下のインフレ率なので誰もここに刃向かう人はいないというだけの話なんですね。
今、日銀はバランスシートが大きくなっていますので、しかもETF等を買っていますから国債の金利が下がっているんですけれども、それでもかなり収益が出ます、黒字になります。それは年度末に国庫納付金として政府に戻ります。ですので、今の財政は実はまやかしでかなり良くなっています。
すなわち、予算のときには多分余り日銀の納付金って、ちょっと私も詳しくは見ていませんが、それほど前提にされていないと思いますけど、終わってみるとかなり日銀の納付金は出ます。今、日銀の持っている国債だけでも、二五%が大体日銀持っています。それから、このまま行くと、二〇一七年、一八年ぐらいには五〇%の国債を日銀が持つようになります、追加緩和なしでも。そうすると、大体年間十兆円強ぐらいの今利払い費というのが予算計上されていると思いますけれども、今ですと二五%、一八年ぐらいですと半分。それは日銀に払うわけで、年度末に戻ってくるので、政府としては金利ゼロで実は資金調達しているという状態なんですね。ですから、その分財政は良くなります。ただ、それはその分、後にツケが回ってくるだけの話です。
それを国庫納付金として返さないのか、自分で持っているかというのはそんな大きな話ではなくて、その後に来る事態に果たして備えられるのか、これは誰も、どこの時点でコンフィデンスが崩れるかというのは、我々の段階で今あらかじめ言うことはできません。
先ほど、私、プロジェクトチームのお話をしましたけれども、まさにそれは国家的なリスク管理が必要なんですね。これだけ、ある意味でそのリスクが来るかもしれない、テールリスクといってもかなり実は確率が高いかもしれない。これは我々がマネージできるリスクなんですが、マネージできなくなればそういうリスクが来るわけですので、それを事前に検討しない、ちゃんと対策を打たないということ自体がやはり大きな問題なんだろうと思います。