2015-02-25
参議院
菅野雅明
国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会
菅野雅明の発言 (国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会)
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○参考人(菅野雅明君) この問題もいろいろな切り口があると思いますけれども、まず、岩田参考人がおっしゃられたことはもうまさにそのとおりでして、日本の問題は高所得者層の問題よりも低所得者層の、この問題だということはもうそのとおりかと思います。
ただ一点、ちょっと脚注という意味で付けさせていただきますと、ただ、いわゆる高齢化が進むとある意味で自動的にそれが起きるわけですよね。当然のことながら、年金だけで生活している方がどんどん増えるわけですから、統計を取ると低所得者層がどんどん増えてくるという形になりますので、そういう人口構造に伴う低所得者層の増加というのはまず分けて考える必要があると。これは、たしか阪大の大竹先生が指摘されたことです。
あと同時に、実は所得格差がそういう意味では統計的には開いています。それから資産格差も開いています。ただ、じゃ、その低所得者が必ず資産が少ないかというと必ずしもそうじゃないわけで、高齢者の人は、所得は少ないけれども金融資産とか資産は多いという人たちがありますので、実はこの問題はもう少し丁寧な議論じゃないとちょっと結論が誤るんではないかと思います。
あと、日本の場合に重要なのは、単なる所得格差だけではなくて世代間格差の問題があるんですね。もちろん、これまでデフレだったという面もあるんですが、やはり硬直的な社会保障制度の下ですと、高齢者の方にどうしても相対的に所得が移転してしまうと。特に、後期高齢者の場合は例えば医療費が一割でずっと据え置かれているとか、これはもう非常に多くの補助金が現役世代から高齢者の方にシフトしているわけです。なかなかこれは高齢者の既得権なので変えにくいという問題がありますので、こういう制度的な硬直性というのもそういう格差を生んでいると思います。
そして世代間、むしろ、あとは、もう一つは世代内格差ですが、これは岩田参考人がおっしゃられたような、正規と非正規、非常に悲しい現実がこれまでありました。そして、非正規雇用の方の未婚率は非常に高いです。
ということで、日本の少子化の原因の一つにもなっていますので、ここは本当に何とかしないといけないわけですけれども、ただ、これも一つの面は、正規雇用が余りに過保護になって、過度に保護されていると。そうすると、企業としては正規雇用で雇うと解雇できないということがありますので、おのずから新しく採る人は非正規雇用になってしまうと。そして、日本の場合には新卒のところが一番流動性のある労働市場ですので、その結果として、その新卒の人が非正規で雇用されるとなかなか正規になれないと。むしろ、問題は正規雇用が保護され過ぎているからだということかと思います。
それと、最後にもう一点。事前の格差と事後の格差というのをちょっと分けて考える必要があると思います。
重要なのは、やはり教育だと思うんですね。やはり十分に教育が与えられ、機会が与えられないで将来が決まってしまうというのは、これは絶対に避けないといけないと思います。ただ、それなりに教育の機会があって、いろいろな結果として出てくる格差、これは健全な格差であって、むしろどうしたら、誰でも所得は増えたい、増えた方がいいというふうに思っていると思うんですが、そのためには何をやればいいかと。ある意味でインセンティブにもなるわけですので、一概に格差が悪いわけではないと、健全な格差というのもあると思います。
ただ、残念ながら教育の機会が不十分だと、もうそもそもレースに参加する前に落後してしまう人が出てきますので、ここのところだけは、国が何とかしてそういう落後者をつくらないような教育の機会を全ての若者に与えると、ここは極めて重要な点だと思います。