湯元健治の発言 (国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会)

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○参考人(湯元健治君) やはり出口に関するプロセスというのが非常に大事で、アメリカのQE3の終了、それから利上げを今見込んでいるというような状況から推定しますと、まずは量的拡大をどこかの時点で止めるという判断が必要になってきます。その次に、次のプロセスで短期の政策金利を引き上げるというプロセスに入ってきます。そして、第三段階でバランスシートそのものを縮小する、資金を市場から吸収するというオペレーション、この三つのプロセスがありまして、アメリカの経験を見ましても、まず最初のプロセスで、量を止めるといった段階で経済に対して懸念なり不安が残っていますと非常にマーケットに大きな影響が及んだりしているわけですので、やはり経済が完全にデフレを脱却して非常に安定的な経済成長が持続できる、そういうことが判断できるまではなかなかそう簡単に止めることも難しい状況になっていると。特に二%インフレが仮に目標として達成されたとしても、実質賃金はマイナスというような状況であれば経済は良くなっているわけでは決してないわけでありますので、べき論として早く終わらせて出口に向かうべきだという議論は当然私もそう思っていますけれども、現実論としてはなかなかそう簡単に終わらせることはできないんじゃないか、踏み込んでしまった以上できないんじゃないかというふうに思っております。
 それから、次のプロセスで、その止めるということを何とかやったとして、今度は金利を引き上げる、これは技術的にはアメリカでもいろんな議論はされていて、ある程度の金利引上げはできるということになっておりますけれども、これもどこまで引き上げられるかというところもありまして、恐らくそんなに一%も二%も政策金利を上げるというようなところまではそう簡単にはできないというふうに思います。
 ただ、政策金利が上がる状況になってきますと当然それ以外の期間の長い金利も上昇してきますので、例えば日銀だけではなくて金融機関などが当然評価損等を被るおそれというのも出てくるわけであります。もちろん、金融機関が持っている国債を全て日銀が買ってしまっているという状況であればその評価損は全部日銀の方に回ってくるということなので、多分このペースでどんどん買っていくと、例えば日銀の保有比率は四割とか、場合によってはそれが長期化していくともっと比率が上がっていくということになりますので、そこのところの評価損というのをどうするのかという問題があろうかと思います。
 そして、最終的にバランスシート縮小に着手した段階では、当然、更に債券が売られ、国債、債券が売られますので更に評価損が拡大すると。これはちょっと私もシミュレーションとか計算していませんのでどれぐらい大きな規模なのかというのは分かりませんけれども、恐らく兆円単位ということは間違いないと思います。
 したがいまして、それはもうある意味、そういうものが発生した場合には、例えば日銀の納付金の縮小とか、あるいは、それがもうそれだけでは足りないということであれば当然財政資金で穴埋めするということになるかと思いますので、これは、そういうことがあるので今すぐやめるべきだというべき論の世界はあるんですけれども、もう当然ここに踏み込んで、期待に働きかける政策をやってしまい、これを途中で目標を変更する、あるいは途中でやめるといったようなアナウンスをしますと逆のアナウンスメント効果も生じかねないという状況にありますので、私は、ここまで来た以上は、ある程度デフレ脱却が見通せるまでやるべきだと思うんですが。
 ただ、二年間で二%という目標にこだわり過ぎて、とにかく二%行きそうもないので更に緩和だ、更に緩和だということになると、出口に近づくどころか、もう出口がどんどん遠のいていき、出口戦略の実行がどんどん難しくなっていくということがありますので、ここはもう、第一の矢、第二の矢はそれなりの効果を果たしてきたわけでありまして、第三の矢を主軸に経済再生を進めていくということがやっぱり望まれる方向性だろうというふうに思っております。

発言情報

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発言者: 湯元健治

speaker_id: 18883

日付: 2015-03-04

院: 参議院

会議名: 国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会