湯元健治の発言 (国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会)

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○参考人(湯元健治君) 為替につきましては、まず基本認識として、今回、アベノミクスによって確かに円安に振れたことは間違いないと思いますが、政府の経済政策あるいは中央銀行の金融政策によって自由に為替相場をコントロールするということはかなり難しいのではないかというふうに思っています。百二十円より百五十円の方がいい、あるいは二百円の方がいいと思ってその方向に持っていけるかというと、これは非常に難しい問題だと思います。
 今回のアベノミクスによる円安も、ある意味アベノミクスで今までにない金融緩和が行われそうだといったような情報を基に海外の投機筋がかなり大きな仕掛けをして円安になってきたというようなことも実際にはありますし、それから二回目の金融緩和をした後は余り逆に円安が進んでいないと。ほかの要因があるわけでありまして、日本の要因以外にアメリカの要因とかあるいは原油価格ですとか国際的なグローバルな要因も関わってきますので、かなりコントロールすること自体が難しいというふうに思います。
 そして、過去のデフレの根因が円高であるという御指摘、私は円高も非常に大きな要因の一つだというふうに思っております。これは、円高というのは、本来あり得べき水準から行き過ぎた円高が生じる結果、こういったデフレ的な圧力が掛かってくると。それに加えまして、やっぱり韓国、台湾、中国といったような人件費の非常に安い国がどんどん日本製品に近いようなレベルの品質のものを作れるようになって価格競争を強いられるようになったと。それに対して、日本企業ができるだけ良いものを安く作っていくというのが日本企業のこれまでの美徳でありビジネスモデルであったということなんで、そういう円高に対応するために、よりコストを削減してより良いものを更に作っていこうと、そういう努力をしてきたということだろうと思います。あるいは、円高に対応していろんな、海外に生産拠点を移すとか、そういうことも努力として実施してきたんだろうと思います。
 そういう中で、確かにアベノミクスによって円安、まあ百円程度の円安に振れたというのは、行き過ぎた部分がかなり是正されたというふうに私は思っておりますし、それから一方で、これが百二十円近くになってきますと、もちろん上場企業の中の輸出にかなり依存しているような企業は引き続き円安は有り難いということだろうと思いますけれども、例えば非製造業関係ですとか素材関係ですとか、そういうところはやはり原材料コストや仕入れコストが上がってきて厳しいという声が、いろんなアンケート調査で見ても出てきておりますので、貿易収支が円安の影響によって赤字になるということ自体は、日本全体で所得が海外に流出しているということだと思います。
 もちろん、日本経済が円安によって良くなったというのは、この円安に伴って株価も上昇したためでありまして、一年目五七%も株が上昇したわけで、この資産効果が大きく効いたと思います。ただ、二年目の株価上昇率は約七%ぐらいということで、円安に行くに従って比例的に株価が上昇するのであれば、これはプラス効果が持続するというふうに見ることもできるかと思いますが、現実にはなかなか、それは日本企業の収益力が基本的に高まっていくということが確認されないと持続的な株価上昇というのは難しいということだろうと思っておりまして、円安でダメージを受ける企業も出てくるというところを見ますと、それは即また従来と同じようなペースで株価上昇に結び付かないというのもマーケットの判断としては当然なんだろうなと思っておりまして、基本的に、何といいますか、私自身の考え方は、この百二十円レベルから更に円安が進みますと、先ほど言いましたような貿易収支の赤字、これは基本的には輸入インフレの増加を通じてコストプッシュ型のインフレを招来してくるということが昨年の実績でも判明していますので、できれば、もちろん株式市場というところを考えると、この辺りのレベルというのはいいレベルだという判断もできますけれども、円は少なくとも安定をすると、やや円高に振れた方がむしろいいかなというふうに個人的には思っておりますけれども、それが日本経済全体にとっては一番サステーナブルだというふうに考えております。
 以上です。

発言情報

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発言者: 湯元健治

speaker_id: 18883

日付: 2015-03-04

院: 参議院

会議名: 国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会