2015-03-04
参議院
湯元健治
国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会
湯元健治の発言 (国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会)
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○参考人(湯元健治君) こういう公的なマネーで株式相場を支えるということの弊害について、あるいはリスクについて御質問いただいたというふうに認識しております。
この異次元緩和というものの捉え方というか認識の仕方ということで申し上げますと、そもそもこれだけの異次元緩和をやるかどうかということについて賛否両論が元々ありました。私の認識は、やらないで済むならやらない方が良かったと思っておりますが、今もう踏み込んでしまっている状況だということであります。
こういう異次元緩和というのは、当然大きな効果というのは特に市場を中心に出ていて、それが日本経済にプラスになっていることも事実であります。そのプラスというのは、将来の何かリスクや弊害を先取りしてプラスを享受している可能性もあるわけであります。つまり、この株価が本当に公的マネーで支えられている状況であれば、そして日本企業の収益力とかそういうものが全然高まらないと、あるいは成長戦略の実行によってその効果が現れて日本企業の国際競争力が非常に強まるとか、そういうポジティブな効果がもし現れないということになりますと、これは公的な資金で底上げしたものはいずれ元に戻るというのが理屈の上では考えられることであります。
今おっしゃったようなゆがみが大きくなるというのはもう当然理屈の上では起きるわけでありまして、そういう意味では、この政策というのは、もう清濁併せのむといいますか、プラスも大きいけどマイナスも大きいことを覚悟して踏み込んだと、そして、プラスをどんどん大きくしていってマイナスをのみ込めるぐらいにプラスを大きくするにはこの金融政策だけでは不可能でありまして、やはり第三の矢の成長戦略でまず成長力を底上げしていかないといけないということかと思います。それまでにマイナスの影響が顕在化してこないかどうかというところは非常に懸念されるところでありますけれども。
それと、ちょっと今御指摘の話と少し趣旨がずれる部分もありますが、日本の株式市場そのものの問題点として、やはり外国人投資家の存在感が極めて大きいと。売買比率においても保有比率においてもそうですけれども。
したがいまして、特にこの安倍政権の成長戦略も、株式市場の投資家に対してインパクトを与えるような政策が多いということなんですが、特に外国人投資家を意識したものが多いと思うんですけれども。外国人投資家の中で、長期的に株を買う年金資金等はどんどん入ってきていただいた方がいいと思っておりますけれども、短期的に利ざやを稼ぐようなヘッジファンドのような投資が今のところ多いと。そういうところは当然もうかれば売るという形になりますので、非常に不安定な相場形成がなされる。上がるときには急激に上がりますけれども、下がるときも大きく下がると、かなりこのアベノミクス相場の中でも下がった局面も相当あったわけでありまして。
そういう意味では、大事なことは、この官製相場、やむを得ず官製相場の形で支えるなり上げるなりしていますけれども、それで時間を稼いでいる間に、やっぱり日本人の一般の普通の投資家が、短期的にお金をもうけようということではなくて、長期的に資産形成をしたいと思っていらっしゃる投資家が地道に株を買っていくと。
例えば、今の家計部門の株式保有比率というのは一割強ぐらいでありまして、欧米の三割から五割とかそういうところと比べると相当低いわけでありまして、こういうところを地道に拡大していくところが、例えば日本版NISAとかそういうことでいい政策が打たれ始めていると思いますけれども、それ以外にも、四〇一k年金の非課税枠の拡大とか、それから利子配当、キャピタルゲインの損益通算拡大とか、あるいはより長期の投資、長く持っているということに対して税制の優遇措置を与えていくとか、そういった、日本人の投資家が長く持って、それが自分の資産の増加につながっていくと、そういう対策を早く打ってこの官製相場で支えなくて済むような状況というものをつくっていくことが非常に重要だと思っております。