湯元健治の発言 (国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会)

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○参考人(湯元健治君) 財政健全化に関しましては、私の資料の一番最後の参考五の方にちょっと図を載せさせていただいておりますけれども、基本的に、今、二〇二〇年度プライマリー黒字目標、極めて厳しいというか困難であるという状況にあるかと思います。ただ、このグラフを御覧いただいても、二〇〇〇年代前半の景気がいい局面というのはプライマリーバランス赤字が縮小してきていて、リーマン・ショックの後大幅に悪化し、それが景気回復とともに少しずつまた縮小してきていると。
 そういう意味では、経済成長と財政健全化というのはそれなりに整合性が取れる部分がある。つまり、経済成長が損なわれるようなことが起きますと、幾ら増税、歳出削減で赤字を減らそうとしても結果的には赤字が減らない、これは厳然たる事実であります。
 ただし、全て経済成長が持続すれば赤字も順調に減っていくのかということでいえば、内閣府が今出しておりますプライマリーバランスの試算も、名目経済成長率が二〇二〇年までの平均値で三・四%というかなり高い前提で計算をしていますが、それでも二〇二〇年は九兆四千億円ぐらいのプライマリーバランス赤字が残ると。もし経済成長率が低くなるとということで、低いケースも計算されていますけれども、それでも十六兆円以上残るわけでありまして、これは消費税率換算にして、高いケースでも四%、低いケースでは六%ということになろうかと思います。
 つまり、財政再建を実現していくためには、経済成長は大前提で必要なことなんですが、経済成長だけでは難しいというのが現実だろうと思っています。
 私の考えておりますのは、例えば、マクロ経済予測というものは常に政府も出しているわけでありまして、それに基づいて財政健全化のルールを一つ作ってしまうというのが、これは法律にしてやるのがいいのかルールとしてやっていくのがいいのかというのは議論のあるところだと思いますが。
 例えば、経済成長率あるいは名目経済成長率というのはほぼ税収の伸びというふうに考えますと、これを上回るような歳出の伸びというのは、やはり何らかの財源手当てをしていかないと財政赤字が悪化していきますということで、消費税がいいんではないかと、その財源としてはですね、そういう議論がありますけれども、仮に消費税で賄うということであれば、少なくとも経済成長率を上回る社会保障の伸びの部分については増税で手当てしていく。それを一回一回増税すべきかどうかというのを大きな議論をしてやっていくというのは非常に大変なので、経済が悪化した場合にはもちろん止めるということが必要ですけれども、なるべくそれがある程度、必要財源の増加に合わせて税率が上がっていくような仕組みというのをまずつくってしまうというのが非常に重要なんじゃないかなと思っております。というのは、社会保障の財源として増税をするということであれば、その取った税金は国民にまた還元されるわけですので、理論的にはそれほど経済成長に大きな影響が及ぶわけではないというふうに思っております。
 社会保障以外の歳出については、これも一定のルール化が必要で、少なくとも名目経済成長率あるいは税収の伸び率以下に伸びを抑制するというルールが設定されるべきだろうと思います。
 この二つのルールが設定されると、時期はともかく、方向性は間違いなく財政が徐々に健全化していく方向に向かっていくということでありまして、それは、どれだけ名目成長率よりも低い伸びに抑えるかというのは、どの時点に目標を設定しているかということにも大きく依存しますので、二〇二〇年というとあと五年ぐらいしかない話ですので、かなり、伸び率としてはゼロ%とか物価上昇並みとか、それくらいに抑えていかないといけないということだろうと思いますが。
 いずれにしても、この右側にスウェーデンの予算設定の仕組みを載せておりますけれども、中期で歳出をキャップをはめて抑制していくということなんですが、これは日本でも導入されているわけですが、個別の歳出項目二十七分野に分けて、省庁別ではなくて政策分野別に分けまして、そこでもキャップをはめます。個別の合計が全体の合計に一致しなくなりますので、当然個別歳出項目の優先順位を決めていかないといけないと。この優先順位は、当然、役人にやってくれといっても、各省庁、うちが一番欲しいということになりますので、これは政治の力で優先順位を決めていくと。そして、個別のキャップが全体のキャップの中に入っていくようにしていくと。
 そして、あと一つ大事なことは、日本の場合は当初予算で厳格に財政健全化をやろうとしていますけれども、補正予算については特に法律で縛るものは何もないという状況になっておりますので、もちろん景気が悪化したときには一定の経済対策はしないといけないんですが、スウェーデンでは、補正予算そのものも、向こう三年間のバジェットマージンというものを、一定のマージンを設けまして、そのマージンの範囲内で補正予算をやっていくというような仕組みを取っておりまして、こういうところも変えていかないと、経済成長するとともに自律的に財政が健全化していくというのは、放っておくと必ずしもそうならないおそれがあるというふうに私自身思っております。
 以上です。

発言情報

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発言者: 湯元健治

speaker_id: 18883

日付: 2015-03-04

院: 参議院

会議名: 国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会