山田俊男の発言 (国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○山田俊男君 大変難しい勉強をさせていただいたというふうに思っております。的を得ているかどうか心配でありますけれども、率直に申し上げたいと思います。
 今、金融、財政、成長のアベノミクスの推進は、株高、円安、輸出増加、税収の増大、そして社会保障経費への財政支出、雇用の改善、所得の増加等、一定の効果が出ていると、こんなふうにまあまあ評価、一定の評価できるのかと思います。ところが、どうしても波及が遅れている分野があります。例えば国土に張り付いた第一次産業がそうでありまして、この点は、先日の本調査会でも、日銀の黒田総裁は、アジア開発銀行総裁としての経験からしても、農地基盤の整備とインフラの整備の必要性について言及されていたかと、こんなふうに思います。
 私は、デフレ脱却、財政再建、そして成長への歩みというときに、弱者や、金融、財政が行き届かないところへの一定のセーフティーネットが準備されなくてはならないと、こんなふうに思います。それが十分であるのかどうかは、財政対策や成長戦略に乗れるのかどうかのバランスで決まりますし、業種ごとに決まりますし、それから、その地域や産業が抱えている事情にもよるんだと思います。その議論がしっかり位置付けられることが必要だというふうに思っておりまして、先般、前回の本調査会におきます財務省や内閣府の資料にはその視点はそれなりに盛り込まれていたのかとは思います。
 私がこの当たり前のことをあえて言いますのは、どうも、例えば農業の分野について、TPP等の市場開放や岩盤規制を打ち破る等の激しい言い方で、我が国の歴史的な所産でもある農地の所有に踏み込んだ規制改革や、ややもすると、個々の地域の中で、個々の農地に張り付いた農業者の農地利用を墨守するJAや農業委員会等の改革があれだけ激しく打ち出されたり、それから、企業の農地所有による農業参入が成長の目玉戦略として国家戦略特区等の推進で喧伝されているということ等々について大変心配しているからであります。その一方で、生産者の米価は、四十年来です、まさに四十年来、過去四十年来最低の米価水準に今なっているわけでありまして、まさに、米作農家を中心にして農業者はデフレそのものの中であえいでいるんじゃないかと、こんなふうに思います。
 家族農業が地域の安定や国の安定を維持していることについての国民的な合意があるのかないのかとも関係するかというふうに思いますけれども、農地の農業者による所有の形態は、ヨーロッパでも米国でも極めてこれは、農地は農業者が所有するという形で一般的でありまして、守るべき基本事項として国民的に合意されているわけであります。そして、その形を維持するために、農業者に対するセーフティーネットが措置されています。
 例えば、農業者に対する直接支払や交付金、不足払い等の措置が、国民的な合意の下にヨーロッパや米国では講じられているわけであります。我が国も講じられてはいる、最近になってですね、講じられてはいるが、極めて対象も含めて限定的でしかないというふうに思います。農産物の販売額、農業者の所得、国の予算に占める農業予算の割合においても、我が国はEUにも米国にも劣っているわけであります。
 金融、財政、成長戦略で一定の前進があるというときに、それを評価しつつも、国土や条件が十分整っていないという地域に対するセーフティーネットが講じられなければならないと、このことを、どうも若干的外れの側面もあるかというふうに思いますけれども、強く申し上げたいというふうに思います。
 以上です。

発言情報

speech_id: 118914332X00520150520_019

発言者: 山田俊男

speaker_id: 31991

日付: 2015-05-20

院: 参議院

会議名: 国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会