古賀友一郎の発言 (農林水産委員会)
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○古賀友一郎君 ありがとうございました。
これは当然のことでありますけれども、今の科学的知見に基づいたもので、今後新しい知見が出てくればという話でありまして、そのとおりだと思います。それは裏を返せば、将来どうなるか分からぬという要素も含んでいるというわけであります。
先ほど、外務省さんの答弁の中でも、商品選択のための情報提供だというのが主な目的というような表現をされまして、もちろんそのとおりなんですけれども、それ以外の書かれざる目的、その背景にあるものというものもやはりこれは制度が負っている使命ではないのかなと、このように思うわけであります。
それでは、今の消費者庁と厚生労働省の答弁を踏まえまして、このTBT協定の解釈を考えてみたいと思うわけでありますが、まず、我が国の遺伝子組換え食品の表示制度は、消費者庁の言うように、商品選択のための情報提供を目的にしているということは、それを避けたいと思う消費者は避けられるようにするということを目的にしていると言えるわけでありますから、あえて遺伝子組換え食品であることを隠して販売することは詐欺的な行為であり、それを防止するのは表示制度の目的と言えるとこれは思われるわけであります。
さらに、厚生労働省も先ほど答弁いただきましたけれども、これは現在の知見に基づく安全性であるということを踏まえますと、私もさっき申し上げたとおり、将来にわたる安全性というものは今後の知見次第というわけでありますから、遺伝子組換え食品を商品選択によって避けることができるということは、これは少なくとも人の健康の保護に関連する制度であると、このように言えると思うわけであります。
したがって、我が国のこの表示制度というのは詐欺的な行為の防止、これはTBT協定に一つの例示として挙げられているわけですが、詐欺的な行為の防止を目的とするとともに、少なくとも人の健康の保護にも関連する制度だということは、これは言えると思うわけであります。したがって、このTBT協定二・二条に言う正当な目的のための制度だと、私はこのように思っておりますけれども、この点に関するTBT協定をめぐる紛争、今私が申し上げたことを補強するような実は判断が近年相次いで出ております。
資料の四ページ以降にそれを載せているわけでございますけれども、逐一の事案の内容の説明は割愛をいたしますが、まずこの正当な目的に関する判断としては、四ページの真ん中でありますけれども、米国マグロラベリング事件における第一審判決とでも言うべきパネルという小委員会において、マグロ製品がイルカに悪影響を与える方法で捕獲されているマグロを使用しているかどうかについて間違った情報を消費者に与えないようにすることは、TBT協定二・二条に列挙されている詐欺的な行為の防止に当たるという判断が示されております。また別の、これは米国COOL事件ということで、この四ページの下の方ですけれども、これにおける第二審かつ最終審判決とでも言うべき上級委員会においては、消費者に原産地の情報を与えるという目的は詐欺的行為の禁止という目的と関連しているという判断が示されております。
これらの判断からしても、我が国の遺伝子組換え食品の表示制度の目的の正当性というものは、私はこれは補強されているというふうに、国際的にも認められていると、このように思うところであります。
そしてまた、他方、必要以上に貿易制限的であってはならないという要件もあるわけですが、これについても、これは資料の五ページに載せておりますけれども、マグロラベリング事件の上級委員会によりますと、提訴した国が提案する代替措置が提訴された国の措置と同程度にその目的を達するものであったかどうかというのがこれは判断基準であると、こういう考えが示されているわけでありまして、したがいまして、この要件をクリアするかどうかというのは実際にどのような代替措置が提案をされるかによるということで、これは実際に紛争が発生してみないと分からないというわけでありますけれども。
この遺伝子組換え食品の表示制度について申し上げると、端的に遺伝子組換えであるかどうか、その有無を表示をするということ以外の方法で同程度に目的を達し得る、そういう手段があるのかどうか。もちろんその表示の水準についての議論はあるかも分かりませんけれども、少なくともこの表示が全否定されるということは私は考えにくいのではないかと、このように思っております。
以上を総合いたしますと、我が国の遺伝子組換え食品の表示制度はTBT協定上容認される規制と、このように考えておりますけれども、この点を確認しておきたいということと、もう一つは、したがいまして、最終的な確認事項として、ISD条項によって海外投資家から訴えられてもこれは十分勝てると、こういうふうに思うわけでありますけれども、これは外務省の御見解をいただきたいと思います。