農林水産委員会

2015-07-07 参議院 全160発言

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会議録情報#0
平成二十七年七月七日(火曜日)
   午前十時六分開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十五日
    辞任         補欠選任
     山田 太郎君     行田 邦子君
 五月二十六日
    辞任         補欠選任
     中泉 松司君     山東 昭子君
     行田 邦子君     山田 太郎君
 五月二十七日
    辞任         補欠選任
     山東 昭子君     中泉 松司君
 六月一日
    辞任         補欠選任
     堀井  巌君     世耕 弘成君
     舞立 昇治君     鴻池 祥肇君
 六月二日
    辞任         補欠選任
     古賀友一郎君     堀井  巌君
     鴻池 祥肇君     舞立 昇治君
     中泉 松司君     小坂 憲次君
 六月三日
    辞任         補欠選任
     小坂 憲次君     中泉 松司君
     世耕 弘成君     古賀友一郎君
 六月十五日
    辞任         補欠選任
     古賀友一郎君     松山 政司君
     中泉 松司君     林  芳正君
     馬場 成志君     宇都 隆史君
 六月十六日
    辞任         補欠選任
     堀井  巌君     中泉 松司君
     舞立 昇治君     馬場 成志君
     松山 政司君     古賀友一郎君
 六月十七日
    辞任         補欠選任
     宇都 隆史君     舞立 昇治君
     林  芳正君     堀井  巌君
     柳澤 光美君     小林 正夫君
 六月十八日
    辞任         補欠選任
     小林 正夫君     柳澤 光美君
 六月三十日
    辞任         補欠選任
     中泉 松司君     山下 雄平君
 七月一日
    辞任         補欠選任
     山下 雄平君     中泉 松司君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山田 俊男君
    理 事
                野村 哲郎君
                山田 修路君
                徳永 エリ君
                紙  智子君
    委 員
                金子原二郎君
                小泉 昭男君
                古賀友一郎君
                中泉 松司君
                馬場 成志君
                堀井  巌君
                舞立 昇治君
                小川 勝也君
                郡司  彰君
                柳澤 光美君
                柳田  稔君
                平木 大作君
                山口那津男君
                儀間 光男君
                山田 太郎君
   国務大臣
       農林水産大臣   林  芳正君
   副大臣
       内閣府副大臣   平  将明君
       内閣府副大臣   西村 康稔君
       総務副大臣    二之湯 智君
       農林水産副大臣  小泉 昭男君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  あかま二郎君
       外務大臣政務官  薗浦健太郎君
       厚生労働大臣政
       務官       橋本  岳君
       農林水産大臣政
       務官       佐藤 英道君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        稲熊 利和君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       澁谷 和久君
       内閣官房総合海
       洋政策本部事務
       局長       加藤由起夫君
       消費者庁審議官  岡田 憲和君
       総務省自治行政
       局選挙部長    稲山 博司君
       法務大臣官房審
       議官       金子  修君
       外務大臣官房審
       議官       佐藤 達夫君
       厚生労働省医薬
       食品局食品安全
       部長       三宅  智君
       農林水産大臣官
       房総括審議官   荒川  隆君
       農林水産省消費
       ・安全局長    小風  茂君
       農林水産省食料
       産業局長     櫻庭 英悦君
       農林水産省経営
       局長       奥原 正明君
       水産庁長官    本川 一善君
       経済産業省貿易
       経済協力局貿易
       管理部長     坂口 利彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農林水産に関する調査
 (環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交
 渉に関する件)
 (異物混入事案における食品事業者の対応に関
 する件)
 (遊休農地対策に関する件)
 (ロシア連邦の二百海里水域における流し網漁
 を禁止する法律成立への対応に関する件)
 (太平洋クロマグロの資源管理に関する件)
 (政治資金規正法の実効性に関する件)
    ─────────────
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山田俊男#1
○委員長(山田俊男君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮り申し上げます。
 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官澁谷和久君外十二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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山田俊男#2
○委員長(山田俊男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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山田俊男#3
○委員長(山田俊男君) 農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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古賀友一郎#4
○古賀友一郎君 おはようございます。自由民主党の古賀友一郎でございます。
 今日は七夕ということでございますが、これは国民の願いが通じたとでもいうんでしょうか、日本時間の一昨日、五日深夜、明治日本の産業革命遺産が世界文化遺産として登録されることが決定をされました。明日八日に正式登録ということでございますけれども、この慶事を国中皆で喜び合いたいと、このように思っております。この世界遺産は八県十一市にまたがる二十三の資産で構成されておりますけれども、特に私の地元長崎市に三分の一以上の八つの資産が集中をいたしておりまして、これは一長崎市民といたしましても大変うれしく思っているところでございます。
 今回の世界遺産登録は韓国の問題がございまして、難産の末の登録であったというだけにその喜びもひとしおというところでありますけれども、今回の事件は外国との交渉の難しさを改めて実感する契機になったと思います。今日、質問で幾つかのテーマを取り上げますけれども、これはいずれも外交交渉にまつわるテーマでございまして、我が国は今後ますますタフな外交力を発揮していかねばならないと、そういう思いを持ちながら質問に入っていきたいと思います。
 まず、日ロサケ・マス問題についてであります。
 これまで、ロシアの排他的経済水域、これはお手元資料の黄色の部分でございますけれども、この水域においては日ロ政府間協議の枠組みの下で我が国の漁船が操業をいたしておりまして、昨年は約三十三億円のサケ・マス類が水揚げをされておりますけれども、この度、ロシア連邦議会は来年一月からロシア水域での流し網漁業を禁止する法案を可決し、先月二十九日にはプーチン大統領がこれに署名し、正式に法律が成立をしてしまいました。
 この問題については、安倍総理が直接大統領に働きかけるなど様々なレベルでロシア側に訴えてきただけに、極めて残念なことでございます。これによって事実上ロシア水域でのサケ・マス漁ができなくなったということで、それを基幹産業としてきた北海道東部を中心とする地域は大打撃を受けるということでございます。根室市によりますと、その影響は約二百五十億円にも上ると、このように試算をされているようです。
 かくなる上は、これは自民党の水産部会でも決議をいたしましたが、サケ・マス漁業者を始め影響を被る関係者に対する対策、これを万全に講じる必要があると考えるところでございますけれども、ここはひとつ林大臣の御決意をいただきたいと思います。
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林芳正#5
○国務大臣(林芳正君) ロシア水域におけるサケ・マス流し網漁業の禁止につきましては、我が国漁業者が操業を継続できるよう安倍総理からプーチン大統領に対して再三にわたって働きかけを行うなど、あらゆるレベルで強く働きかけてまいりましたが、結果的に法案が成立したことは極めて残念でございます。
 日本漁船によるロシア水域サケ・マス流し網漁業については、北海道の道東地域を中心に地域経済の中核を担う重要な漁業の一つでありますので、地元関連産業への大きな影響も懸念されるところであります。このため、昨日から担当官を現地、根室市、厚岸町、釧路市ですが、派遣をいたしまして、意見交換等を既に始めております。現地の状況と関係者の意向を把握しまして、関係府省とも連携しながら万全の対策を講じてまいりたいと、そういうふうに考えております。
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古賀友一郎#6
○古賀友一郎君 ありがとうございました。万全の対策ということでございまして、ここは地元の要望をしっかりと受け止めていただいて、この道東を中心とする関係者の皆さんが望みをつなぐことができるように、政府としてもしっかりサポートをしていただきたいと思います。
 次に、今回の法案成立によって、ロシア水域での操業が事実上できなくなってしまうということに加えまして、日ロサケ・マス協定の行方も心配されるところでございます。
 この協定は、ロシア生まれのサケ・マスを日本の排他的経済水域、これは資料のピンクで色が塗っておりますけれども、この部分で漁獲する場合の法的根拠となっておりまして、仮にこれが失効してしまいますと、国連海洋法条約ではサケ・マスのような溯河性資源、川を遡る資源でありますが、そういった資源の保存、管理はその生まれ故郷の国と協力をする必要があるということで、日本の水域でありながら我が国が捕れなくなることもあり得るというようでございます。先日の本会議では、引き続き有効との認識である旨の菅官房長官の御答弁がありましたけれども、今回の法案採択の際には、協定の失効を求める、そういった意見書が付されていたという経緯もあるだけに、これは心配であります。
 そこで、この協定が今後どうなっていくのか、その見通しをお教えいただきたいと思います。
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本川一善#7
○政府参考人(本川一善君) 御指摘のとおり、下院に提出をされました法案の附属書には、その法案の採択に伴って日ロ漁業協力協定の失効を必要とするという記述がございました。それが失効すると、先ほど御指摘のような日本の二百海里水域での漁獲も困難になるということでございます。
 ただ、四月二十一日に公表されたロシア政府の公式見解では、流し網漁業禁止法案の採択は日ロサケ・マス協定の破棄のための前提条件を創出しないというふうに言われております。それから、今御指摘ありました六月二十四日の上院における審議の際に、マトビエンコ連邦院議長が、日ロサケ・マス協定は引き続き有効であり、破棄されない旨を述べておられます。
 日ロ間では、日ロサケ・マス協定は引き続き有効であるとの認識でありまして、この協定に基づく我が国二百海里水域内におけるロシア系サケ・マス操業はこれまでと同様に継続されるというふうに認識しております。
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古賀友一郎#8
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 現段階においては、ロシア政府も、それからマトビエンコ議長さんでしたか、いずれも有効であるという認識を示しておられるようでありますけれども、元々この意見書が付いてきたということなので、その底流にはやはりそういった圧力があるのではないかと、このように心配するところでございますので、是非ともこういった点、これからもしっかりとウオッチをしていただいて、状況が悪化しないようによろしくお願いをしたいと思います。
 また、私は、今回のこの事例を教訓といたしまして、ロシア水域における他の魚種、あるいはロシア以外の国の水域で今回のような事態が発生しないのかということも少し心配になります。政府におかれては、その辺の注意を是非怠らないように、しっかりとアンテナを高く張ってウオッチをして対策を考えていただきますようによろしくお願いを申し上げて、次の質問に移りたいと思います。
 次のテーマは、TPPと食の安全、安心でございます。
 このTPPについては、先日、米国議会でTPA法案が可決をされたということでございまして、今月中にも基本合意がなされるのではないかというような話もありますけれども、この食の安全、安心の問題については、ISD条項との関係で国民の間に根強い不信、不安感があるようであります。このISD条項は、外国企業が投資先の国の措置によって損害を受けた場合に投資家がその国を訴えることができるという制度でありますけれども、これがTPPに盛り込まれることによりまして外国企業に不都合な我が国の食品安全規制が撤廃に追い込まれてしまうのではないかというわけであります。
 この点は、衆参の国会決議でも、「国の主権を損なうようなISD条項には合意しないこと。」と、これはくぎを刺しているわけでありますけれども、実際のところ一体どうなのかということで、交渉が決着する前に掘り下げて検証しておきたいと思ったのが今回の質問の動機でございます。
 そこで、今日は、この問題の言わば典型事例とも言える遺伝子組換え食品に対する規制を題材に検証してみたいと、このように考えております。
 まず、一般論から伺ってまいりますけれども、このISD条項というのは、投資家の予見可能性を確保することによって投資家が不測の損害を被らないようにするための制度でございますので、国際的に認められた投資、貿易ルールに従った規制によって仮にその投資家が損害を受けたとしても、これはその訴えは認められないという理解でよいのかどうか、これは一般論として外務省にちょっとお尋ねをしたいと思います。
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佐藤達夫#9
○政府参考人(佐藤達夫君) お答えいたします。
 投資協定や投資章を含む経済連携協定におけるISDS条項でございますが、締約国の正当な規制目的のために、必要かつ合理的な規制を差別的でない態様で行うことを妨げるものではございません。その上で、我が国がこうした投資関連協定を締結するに当たりましては、国内法との整合性の観点から、必要な場合にはその範囲で留保や例外規定を置いているところでございます。
 したがいまして、国際的に認められた投資、貿易ルールに従った国内規制につきましては、必要かつ合理的な規制を差別的でない態様で行っている限り、投資関連協定の違反が認められるようなことは想定されないと考えております。
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古賀友一郎#10
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 差別的でなくてそして合理的な規制であれば、これは国際ルールにのっとって規制ができるということであります。だとするならば、我が国の遺伝子組換え食品に対する規制が国際的に認められた、そういう合理的で差別的でない、そういうルールかどうかということが問われるというわけでございます。
 それを前提に伺ってまいりますが、我が国のこの遺伝子組換え食品に対する規制としては、食品衛生法に基づく安全審査、それから食品表示法に基づく表示制度の二つに分けられるところでございます。
 そのうち、まず、安全審査についてでございますけれども、この食の安全に関する現行の国際的なルールとしては、これは資料の三ページに条文を載せておりますが、WTO協定の一つであります衛生植物検疫措置の適用に関する協定、SPS協定によって規律されているところでございまして、その二条一項及び三条一項によりますと、加盟国は、人の健康を保護するために必要な衛生植物検疫措置をとる権利を有するとともに、その措置は、国際的な基準、指針又は勧告がある場合には、それに基づいてとることが求められているというわけでございます。
 我が国の安全審査は、FAOとWHOが設立をいたしましたコーデックス委員会、これは二ページにちょっと概要を載せておりますけれども、このコーデックス委員会という国際機関が定めた基準にのっとって行われているようでございますので、このSPS協定という国際ルールにのっとった規制措置であると、我が国の安全審査はですね。そういう理解でよいのか、これは厚生労働省に確認をしておきたいと思います。
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三宅智#11
○政府参考人(三宅智君) 我が国の遺伝子組換え食品に対する安全審査の基準は、議員今御指摘のとおり、国際連合食糧農業機関、FAOとWHO、世界保健機関が設立しましたコーデックス委員会が定めた国際基準の指針に基づいて設定されております。
 したがいまして、我が国の遺伝子組換え食品に対する安全性審査の制度は、SPS協定の規定に則したものであると認識しております。
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古賀友一郎#12
○古賀友一郎君 ありがとうございました。SPS協定にのっとってやっているということでございます。
 それでは次に、これを踏まえて外務省に確認をいたしますけれども、我が国の遺伝子組換え食品に対する安全審査はISD条項に基づいて海外の投資家から訴えられても負けることはないと、こういう理解でよいでしょうか。
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佐藤達夫#13
○政府参考人(佐藤達夫君) 我が国における遺伝子組換え食品の安全審査については、必要かつ合理的な規制を差別的でない態様で行っており、投資協定や投資章を含む経済連携協定の違反となるようなことは想定されないと考えております。
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古賀友一郎#14
○古賀友一郎君 想定されないということで、私もそう思います。今のその答弁をもって、まずは安全審査については守れるだろうというような心証を私は確信をいたしました。
 次に、表示制度について伺ってまいりたいと思います。
 これについては、まず、適用されるルールについて確認をしておきたいと思うわけでありますが、食の安全に関する国際ルールとしては今取り上げたSPS協定があるわけですけれども、別に、貿易障害を除去しようとするWTOルールとして貿易の技術的障害に関する協定、TBT協定というのがございます。
 そこで、この二つの協定のいずれかあるいは両方が適用されるかどうかという点でありますけれども、このSPS協定を読みますと、資料の中ほどに、三ページに書いておきましたけれども、食品の安全に直接関係をするものが対象とされておりまして、我が国の場合は安全性審査を経て安全が確認をされたものに表示される制度でありますから、このSPS協定は適用されずにTBT協定のみが適用されるという、こういう理解でよろしいでしょうか。外務省にお願いします。
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佐藤達夫#15
○政府参考人(佐藤達夫君) 一般的に食品の表示規制につきましては、食品の安全に直接関連する規制措置はWTOのSPS協定が、それ以外のものにつきましてはWTO・TBT協定が適用されます。この点に関しまして、TBT協定の第一・五条は、SPS協定が適用される措置についてはTBT協定は適用されない旨規定しておりまして、両協定は適用対象となる措置の観点からは相互に排他的な関係にあると言えます。
 我が国の遺伝子組換え食品の表示義務につきましては、その主たる目的が消費者の商品選択のための情報提供であることを踏まえれば、TBT協定のみが適用されるものと認識してございます。
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古賀友一郎#16
○古賀友一郎君 ありがとうございました。この二つの協定は排他的関係にあるのでということで、結局のところTBT協定だけが適用されるという答弁でありました。
 それでは、それを踏まえまして、中身の検証に入りたいと思います。
 このTBT協定の二・二条ですね、これは資料の三ページに載せておりますけれども、これによりますと、加盟国は国際貿易に対する不必要な障害となる強制規格を設けてはいけないということになっておりますけれども、他方で、正当な目的の達成のために必要な貿易制限的な措置については容認をされているというわけでございます。
 したがいまして、まずは我が国の表示制度がこの正当な目的に該当するかどうかが問題となると思われますけれども、この点、我が国の遺伝子組換え食品の表示制度の目的については、これは資料の四ページに国会答弁を載せておりますけれども、平成十二年三月二十八日の当委員会における金田勝年当時の農水政務次官の答弁がありますが、要するところ、当該食品が遺伝子組換え食品であるか否かを知りたいという国民の関心に応えるために商品選択の情報を提供する制度だと、このような趣旨であるようでございますが、そういった理解でよいのかどうか。これは消費者庁の方に確認をさせていただきたいと思います。
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岡田憲和#17
○政府参考人(岡田憲和君) お答えいたします。
 遺伝子組換え食品の表示制度につきましては、平成十二年に当時のJAS法に基づく品質表示基準として創設されたものであり、消費者の商品選択のために必要な情報として遺伝子組換え技術の使用、不使用に関する情報を提供するものであるというふうに承知しておるわけでございます。
 このJAS法の食品表示に関する規定を引き継ぎました現行の食品表示法に基づく食品表示制度におきましても、同様の考え方に基づき遺伝子組換え表示を義務付けているところでございます。
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古賀友一郎#18
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 消費者庁が考えておられるこの目的というのは商品選択のための情報提供だと、要するにそういうことであるということであります。ただ、私は、もちろんそれもメーンとしてあると思いますが、私はここに書かれざる目的として、国民の健康保全というものもあると、このように思っております。
 確かに、我が国に輸入、流通する遺伝子組換え食品は安全性の確認されたものに限られているというわけでございますけれども、それはあくまでも現在の科学的知見に基づくものであって、今後将来にわたって保証されたものでもないというわけでありますから、その限りにおいては、今後とも国民の健康に与える影響に注意を払っていく必要があると思うわけであります。
 この点について、厚生労働省にそうした理解でよいかどうか、この点を確認させていただきたいと思います。
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三宅智#19
○政府参考人(三宅智君) 遺伝子組換え食品につきましては、品目ごとに厚生労働大臣による安全性審査を受けることが義務付けられており、この審査は最新の科学的知見に基づく食品安全委員会の食品健康影響評価の結果を踏まえて行っております。また、安全性審査を終えた遺伝子組換え食品についても、新たな科学的知見が生じたとき、その他必要があると認めるときは、食品安全委員会の意見を聞いて再評価を行うこととしております。
 厚生労働省としましては、厚生労働科学研究等により科学的知見の収集に努めており、引き続き遺伝子組換え食品の安全性の確保に万全を期してまいりたいと考えております。
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古賀友一郎#20
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 これは当然のことでありますけれども、今の科学的知見に基づいたもので、今後新しい知見が出てくればという話でありまして、そのとおりだと思います。それは裏を返せば、将来どうなるか分からぬという要素も含んでいるというわけであります。
 先ほど、外務省さんの答弁の中でも、商品選択のための情報提供だというのが主な目的というような表現をされまして、もちろんそのとおりなんですけれども、それ以外の書かれざる目的、その背景にあるものというものもやはりこれは制度が負っている使命ではないのかなと、このように思うわけであります。
 それでは、今の消費者庁と厚生労働省の答弁を踏まえまして、このTBT協定の解釈を考えてみたいと思うわけでありますが、まず、我が国の遺伝子組換え食品の表示制度は、消費者庁の言うように、商品選択のための情報提供を目的にしているということは、それを避けたいと思う消費者は避けられるようにするということを目的にしていると言えるわけでありますから、あえて遺伝子組換え食品であることを隠して販売することは詐欺的な行為であり、それを防止するのは表示制度の目的と言えるとこれは思われるわけであります。
 さらに、厚生労働省も先ほど答弁いただきましたけれども、これは現在の知見に基づく安全性であるということを踏まえますと、私もさっき申し上げたとおり、将来にわたる安全性というものは今後の知見次第というわけでありますから、遺伝子組換え食品を商品選択によって避けることができるということは、これは少なくとも人の健康の保護に関連する制度であると、このように言えると思うわけであります。
 したがって、我が国のこの表示制度というのは詐欺的な行為の防止、これはTBT協定に一つの例示として挙げられているわけですが、詐欺的な行為の防止を目的とするとともに、少なくとも人の健康の保護にも関連する制度だということは、これは言えると思うわけであります。したがって、このTBT協定二・二条に言う正当な目的のための制度だと、私はこのように思っておりますけれども、この点に関するTBT協定をめぐる紛争、今私が申し上げたことを補強するような実は判断が近年相次いで出ております。
 資料の四ページ以降にそれを載せているわけでございますけれども、逐一の事案の内容の説明は割愛をいたしますが、まずこの正当な目的に関する判断としては、四ページの真ん中でありますけれども、米国マグロラベリング事件における第一審判決とでも言うべきパネルという小委員会において、マグロ製品がイルカに悪影響を与える方法で捕獲されているマグロを使用しているかどうかについて間違った情報を消費者に与えないようにすることは、TBT協定二・二条に列挙されている詐欺的な行為の防止に当たるという判断が示されております。また別の、これは米国COOL事件ということで、この四ページの下の方ですけれども、これにおける第二審かつ最終審判決とでも言うべき上級委員会においては、消費者に原産地の情報を与えるという目的は詐欺的行為の禁止という目的と関連しているという判断が示されております。
 これらの判断からしても、我が国の遺伝子組換え食品の表示制度の目的の正当性というものは、私はこれは補強されているというふうに、国際的にも認められていると、このように思うところであります。
 そしてまた、他方、必要以上に貿易制限的であってはならないという要件もあるわけですが、これについても、これは資料の五ページに載せておりますけれども、マグロラベリング事件の上級委員会によりますと、提訴した国が提案する代替措置が提訴された国の措置と同程度にその目的を達するものであったかどうかというのがこれは判断基準であると、こういう考えが示されているわけでありまして、したがいまして、この要件をクリアするかどうかというのは実際にどのような代替措置が提案をされるかによるということで、これは実際に紛争が発生してみないと分からないというわけでありますけれども。
 この遺伝子組換え食品の表示制度について申し上げると、端的に遺伝子組換えであるかどうか、その有無を表示をするということ以外の方法で同程度に目的を達し得る、そういう手段があるのかどうか。もちろんその表示の水準についての議論はあるかも分かりませんけれども、少なくともこの表示が全否定されるということは私は考えにくいのではないかと、このように思っております。
 以上を総合いたしますと、我が国の遺伝子組換え食品の表示制度はTBT協定上容認される規制と、このように考えておりますけれども、この点を確認しておきたいということと、もう一つは、したがいまして、最終的な確認事項として、ISD条項によって海外投資家から訴えられてもこれは十分勝てると、こういうふうに思うわけでありますけれども、これは外務省の御見解をいただきたいと思います。
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佐藤達夫#21
○政府参考人(佐藤達夫君) お答えいたします。
 一般的に食品表示義務を課すことは、TBT協定上は、正当な目的の達成に必要である以上に貿易制限的ではなく、かつ内外の差別に適用される場合に認められてございます。我が国の遺伝子組換え食品の表示制度についてはこうしたTBT協定の規定に整合的であると考えてございます。
 TBT協定を含むWTO協定とISDS条項を含む投資協定や投資章を含む経済連携協定、これはそれぞれ別の協定でございます。したがいまして、本件表示制度に関してもこうした投資関連協定との整合性については別途協定の具体的規定に照らして判断することとなりますが、申し上げましたとおり、本件表示制度が正当な目的のために差別的でない態様で適用されている以上、投資関連協定との関係においても違反に当たることはおおよそ想定し難いと考えてございます。
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古賀友一郎#22
○古賀友一郎君 済みません、今最後のところ、批判に値するものではないと、そういった表現でしたか、ちょっと聞き漏らしました。
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佐藤達夫#23
○政府参考人(佐藤達夫君) 違反に値するものではないと。
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古賀友一郎#24
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 このTBT協定とまず整合的であると、したがってISDも違反に当たることはなかろうという御見解でありました。私もそう思うんですよ。だから、普通に闘えばこれは恐らく負けることはないだろうと、このように思うわけであります。
 非常にそういう意味では、今回外務省さんにその条約の解釈として今言った御見解を述べていただいたというのは大変いい答弁だったと思います。国民の皆さんも、これを聞いて、不安に思っていらっしゃる方、安心された方も結構いらっしゃるんじゃないかと、このように思うわけであります。是非そういう理論武装をしっかりとしていただいて、守るべきものはきちっと守っていただきたいと、このように思うわけであります。
 今回このテーマを検証させてもらったのは、TPPに対する国民の不安がある中で、政府が本当に万全の備えをやっていただいているのかどうかということを心配に思ったからであります。国会決議を守りますという気合だけでは守れないわけでありまして、どういうロジックで守るのか、取りあえず今は交渉の俎上にのっていないから大丈夫ですということではなかろうと思います。訴えられたときのことを想定をして備えておくということが必要だと思います。それで守れると思えば、交渉で現状から後退しないようにするし、もし逆に危ないようであれば、それを交渉でカバーするような、そういったものが必要になるのではないかと、このように思います。
 今回、遺伝子組換え食品に対する規制については、私は守れそうだという心証を持つことができました。しかし、事はこれだけではないわけでありまして、本当に国会決議を守れるのかどうか、政府は各項目について念には念を入れてしっかりと検証をしておいていただきたいと思います。
 そこで、このテーマの最後、締めくくりといたしまして、今日は西村副大臣にお越しをいただいておりますので、今申し上げたことについての決意をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
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西
西村康稔#25
○副大臣(西村康稔君) お答えを申し上げます。
 TPP交渉におきましては、政府一体となりまして、御指摘のありました衆参の農林水産委員会の決議、これをしっかりと受け止めまして、いずれは国会で御承認いただかなければいけませんので、そういただけるような内容となるように、これは我々、粘り強く交渉に当たっているところでございます。
 今日御指摘のありました決議の中には、食の安全、安心、あるいはISDSに係る項目が盛り込まれているところでございます。食の安全、安心について、TPPの今交渉しておりますSPSの章、あるいはTBTの章、これは既存のWTOのSPS協定あるいはTBT協定にほぼ準拠しているものになっておりまして、食の安全、又は御指摘のありました遺伝子組換え食品の表示義務などについて、我が国の制度を変えるような規定は入ってございません。
 御指摘のISDSにつきましても、私ども国の主権を損なうような形でISDSが導入されることがないように、またISDSの手続が濫用されることがないように、これまでしっかりと交渉に臨んでいるところでございまして、この点、昨年十一月に開催されました北京での会合で最後まとめられました貿易閣僚による首脳への報告書、この中でもこのように記載がございまして、公共の利益のための政府の規制権限を維持することとそれから投資の保護基準と、これを両立させると、この旨が記載されているところでございます。
 私どもとしましては、引き続き、この決議も踏まえながら、しっかりと交渉してまいりたいと思います。守るべきは守り、攻めるべきは攻めて、国益にかなう最善の道を追求していきたいというふうに思います。
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古賀友一郎#26
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 改めて副大臣の決意をいただきまして、交渉はもう本当、最終局面だということも伺ってはいるところでありますけれども、しかし、やっぱり最後の最後まで詰めをしっかりと行っていただきたいという思いでございます。今の副大臣の御決意を私、信用いたしますので、是非とも、これは各省に対しても、しっかりと作業をやらせていただくようにお願い申し上げておきたいと思います。
 副大臣の答弁は以上でございますので、委員長の差配にお任せいたしたいと思います。
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山田俊男#27
○委員長(山田俊男君) 西村副大臣、結構でございます。
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古賀友一郎#28
○古賀友一郎君 それでは、次のテーマに移りたいと思います。次は、捕鯨問題についてお伺いをいたします。
 先月、政府は、アメリカ・サンディエゴで開催されましたIWC、国際捕鯨委員会科学委員会の検討結果を発表をいたしました。これは、昨年三月、国際司法裁判所の判決で、我が国が南極海での調査捕鯨停止を命じられたところでありますけれども、それを受けまして我が国が新たに策定した新南極海鯨類科学調査計画案に対してIWC科学委員会が検討をした結果ということであります。
 その報告書によりますと、我が国が行った調査捕鯨の必要性を立証するための追加作業について、その意義を認めつつも不完全だと指摘を受けておりまして、結局、日本の調査捕鯨再開について正当化されないという意見と延期する理由はないという意見の両論が併記をされたということであります。
 これを受けまして、政府は科学委員会の主な指摘事項について必要な作業を継続していく方針であると聞いておりまして、できる限り誠実に対応していこうという政府の姿勢も私支持いたしますけれども、一方で、このIWCの状況を見ておりますと、捕鯨反対国というのは果たして道理が通用する相手なのかどうかということも疑わしく思えてくるわけでございます。
 そこで、まず伺いたいことでありますけれども、この科学委員会の指摘事項に対して誠実に回答していったとして、果たして意見の一致を見ることができるのかどうかということでありますが、この辺の政府の見通しをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
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本川一善#29
○政府参考人(本川一善君) 我が国は、これまでもIWC科学委員会とあらゆる場を捉えて、新しい計画案について相手国、関係国の理解を得るために丁寧に説明を行ってきたところであります。
 御指摘のように、先般の科学委員会におきましては、追加的な作業が必要であるといったような指摘事項を受けまして、私どもとして、国際法及び科学の観点から必要な作業、検討を誠実に継続してまいりたいと思っております。一方で、このような対応に対しても更なる指摘あるいは反対意見が出てくる可能性は決して否定できないところでございます。
 いずれにしましても、私どもとして、我が国としてでき得る努力を継続し、調査計画の内容などの最終化を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
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