野村哲郎の発言 (農林水産委員会)
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○野村哲郎君 私は、農協の今の中央会の監査が公認会計士の監査よりも優れているというところまでは申し上げませんが、ただ、やっぱり認識として持っていただきたいのは、やはり監査士の皆さん方が、今おっしゃった自己資本ルール八%の比率のところだけではなくて、その中の資産から負債、全ての資本までチェックを、財務諸表監査をして、そしてこれが適正であるということをやっている、これは一番精通をしているというふうに私は思っているんです。
ただ、もう一点申し上げたいのは、JAの場合は信用事業だけをやっているわけじゃありません。ですから、信用事業をこれからも安定的に継続が、今の中央会監査だけでは継続してやっていくことはなかなか難しいですよと言われても、じゃ、信用事業だけをやっている農協ならばいいですけれども、むしろ多いのは経済事業であります。ですから、そういう意味では、他の金融機関とのイコールフッティングの話も先ほど出ましたけれども、それだけでは農協の事業はくくれないのであって、特に経済事業の問題というのが私は一番大きな問題になってくるんだろうと。
先ほど山田太郎先生の話をしましたが、着服の問題も、中央会監査で見付けたり、あるいはまた内部監査で見付けたり、あるいは監事監査で見付かったりということを、念のために申し上げておきますが、これはきちっと県に報告する義務があります。ですから、県に報告しますと、県は情報開示を求められて、そしてこれを開示してしまいます。それが新聞記事になるので、私は、農協だけが着服が多いということじゃなくて、一般の金融機関は表に出てこないから、農協だけがこうして着服が多いんだ、多いんだという話が新聞紙上載るものですから、これは、我々JA出身者としては是非とも皆さん方にも是非知っておいていただきたいと。これはもう県が発表してしまいますので、全て新聞に載ってしまうということであります。その証拠に、余り金融機関の不正事件あるいは横領事件というのはほとんど載らないんです。それは絶対に外に出しませんから。ですから、農協だけが何か悪いことばかりしているというふうに見えがちなんですけれども、そういうこともありますので、やはり全体像というか、真偽のほども是非分かっていただきたいなと思います。
それともう一点、ちょっと横道にそれましたけれども、先ほど来申し上げたように、信用事業だけじゃなくて、農協は経済事業をやっぱり中心にやれと、これからもやれということの御指摘も受けているわけですが、この経済事業の監査というのはなかなかこれは難しいというか、自分でもやってみておるんですが、多分、私は、全国の今監査機構の皆さん方が各県の監査をやるときも、地元の中央会の職員が多分経済事業を見ていると思うんですね。それはなぜかといいますと、信用事業、共済事業システム化されて、これはもうほぼ日本全国統一的なシステムでありますが、経済事業は県によって違うわけです。宮崎は宮崎のシステム、鹿児島は鹿児島のシステムですから、監査マニュアルが幾らあっても、これは県別に違うと公認会計士の皆さん方は大変戸惑うんじゃないのかなと、こんなふうに思っております。
ですから、私は、この経済事業をどう見ていただくのかというのはこれからやっていかなきゃならないんですが、一番やっぱり公認会計士の皆さん方が難儀をされていくというのはこの経済事業だろうなと、こんなふうには思っております。それはまた今後のことですからいいんですが、ただ、何を申し上げたいかといいますと、私はやっぱり、公認会計士の監査よりも中央会が優れているとは言いませんけれども、公認会計士の監査も万能ではないと、万全ではない、こういうことを申し上げたいわけであります。
その証拠に、委員の先生方も御承知のように、最近新聞をにぎわしておりますのが東芝の粉飾決算疑惑であります。こういったことを公認会計士がきちっと財務諸表を見て監査をしているわけでありますけれども、これすら見抜けなかった。その以前はオリンパスだとかあるいはまた大王製紙だとか、いろんな大手の一流の上場会社の粉飾決算がありましたが、これも全て公認会計士が見ているわけでありますが、これが多額の粉飾になってくるわけであります。
ですから、経済事業の場合は、大変、一回こういった不正をやられますと非常に金額が大きくなってくるんです。ですから、先ほど信用事業の場合は、破綻未然防止のこのJAバンク法がありますので、このルールにのっとってチェックを掛けていますから、信用事業で今大きく資本を毀損するような状況は余り出てこなくなったと。一部は少々あるかもしれませんが、ただ一番怖いのは、やっぱりこの経済事業だと、こんなふうに思います。
したがいまして、中央会監査が外部監査じゃない、外観性に乏しいよというだけの理由で中央会監査の義務化を廃止をする、こういうことになっているわけでありますが、もう一遍、奥原局長、ここの積極的な理由をお聞かせいただきたいと思うんです。でなければ、やっぱり中央会監査で本当に駄目なのかということを、どうしてもまだ納得がいかない点が多々ありますので、この義務化を外した積極的な理由というものを教えていただきたいと思います。