天笠淳家の発言 (農林水産委員会)

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○参考人(天笠淳家君) 本日は、こうした機会をいただき感謝申し上げさせていただきたいと思います。
 これからのJAグループを担うのはやはり我々若手青年部だというふうに我々としても認識しております。先日、富山の地方公聴会に続きまして、その青年部の意見を今回聞いてくださるような立場をいただき、重ねて感謝申し上げます。本当にありがとうございます。
 本日は、青年組織の会長、そしてJAの理事としての立場として意見を述べさせていただきたいというふうに思います。
 まず、私自身の経営の概況から御説明申し上げます。
 私は、水稲三十二ヘク、うちWCSが十二ヘク、飼料米六ヘクということで、それから裏作として大麦、小麦を二十八ヘク栽培しております。それプラス、受託作業として、今は二十三ヘクの受託作業を年間通じて行っております。
 それから、JAとしての立場として言わせていただければ、私、地元のJA太田市というところの理事も兼ね合わせてさせていただいております。昨年、米価の大きな下落がありまして、今年、農業生産額、販売額からして約三億円の米は減額ということになりました。また二月には、群馬県、本当に非常に大きな大雪が降りまして、それも重ねて今回の打撃に重なっているというふうに思います。
 続きまして、全青協の概要について御説明申し上げさせていただきたいと思います。
 今現在、全国で六百七十九のJAがあります。その中でこの青年部、あくまでも担い手というものを、きちんと受皿として担い手育成を一生懸命やっているというか、この組織に入っている組織が五百十ほどあります。盟友数にすると今六万七百十五名です。これ毎年千名以上の減少傾向にあります。なおかつ、これだけの人数が減ったとしても、生産量はどんどんどんどん増えていっている、それが現状だというふうに認識していただきたいというふうに思います。強いて言えば、国民の皆さんに対して安定供給を図るだけの農地を持って常日頃やっているというふうに思っていただければというふうに思います。
 二年前に規制改革会議の農協改革が動き出して以降、若手正組合員としてやはり一から農協を改めて見詰め直さなければならないということがありまして、組合員、JA、連合会、それから中央会、これは今後どうあるべきなのかということを我々として議論しました。そして、我々は今何をすべきなのかということについても重ねて協議いたしました。
 今回の改革の主役というのは農協というふうに言われておりますが、いつでもやはり主役というのは、次世代を担う若い正組合員だというふうに我々は思っております。農業生産の担い手であるとともにJAのオーナーたる正組合員で、かつ将来のJAの経営層、これになるべく、最も改革の影響を受けるのがやはりこの農業者だというふうに思っております。だからこそ、やはり全国の青年部長等に今回この改革が起きたときに意見を聞いて、我々がこのJAグループをどうすれば自己改革に対するうまく意見を言えるのかということで、昨年の六月に皆さん、全部のJAの青年部長に対して、この意見書を作るために検討させていただきました。そして、上がってきたものが、皆さん方のお手元にある我々の意見書という形になっております。
 それは、十一月の段階で、それから六月の段階でももう一冊出させていただきました。それぞれのタイミングで、JAグループの自己改革の取りまとめの座長をされている香川会長にも本当にお骨折りをいただきながら特段の御配慮をいただき、我々の意見をほとんどというぐらい反映させていただくことができたというふうに思います。
 我々の意見のポイントを説明させていただきたいと思います。
 今回のこの自己改革のポイントについては、基本的に大きく二つです。それが全国の若手農業者から出た意見ですね。一つ目が、担い手の農業者のJA事業利用の拡大。それから二つ目が、やはり、誰がいつまでにどこまで取り組むかということを明確にした計画設定、それから進捗管理というものが必要だろうということで、その辺に関しては若手から相当出ました。やはり、そういったことを、いつ誰がどこまで何をするのかということをきちんと明記しない限り、各JAが同じスタンスではできないだろう、そして、ある程度目標を持ってやることこそが次の時代につなぐためのいいパイプになるだろうということで、そういった大きな二つの観点に絞らさせていただきました。
 具体的な事項のやはり一丁目一番地は、営農指導体制の強化、これは本法案の中にも出されておりますが、農協改革、営農指導員、弱体化しているということもあります。そういった観点で、我々若手農業者もその辺については十分理解していました。だからこそ、ここに相当力を入れていただきたいと、やはり正組合員は販売や購買以上に営農指導に一番期待しているということであります。
 営農指導について一番よく聞く声というのは、営農指導員の来る回数が減ってしまった、又はよく担当者が替わるといったような、体制と専門性をやはり拡充してほしいということが大きく言われております。それには、やはり今後を考えるに当たっては、信用、共済事業の協力ももちろん必要です。また、JAの対応し切れない部分については、中央会それから連合会で高度な担い手サポートセンターを、体制をきちんと整えていただいて、その中で対応していただきたいという、そこまでの若手農業者も観点があります。やはり、この先々の十年、二十年という長いスパンを経た中での考え方なんだろうというふうに思います。
 販売事業については、品質別に部会を設置するなど、やはり正組合員が生産、販売の選択肢を増やせるようにしていただきたいという若者からの意見は相当出ました。買取り販売等によってJAはリスクを取って高く売る努力をしろというお話もありますが、やはり組合員とJAは一体の存在だというふうに思います。
 やはり販売の責任は、JAだけでなくて、組合員もきちんと共通の責任を負わなければならない、それこそがやはり我々の目指すべき先々なのじゃないのかなというふうに認識しております。やはり高く売るには、正組合員も生産それから販売で相当な負担が必要となります。JAだけに販売の責任を押し付けた議論はやはり疑問があるというふうに我々としても認識しております。
 購買についてですが、生産資材が高いというような不満、それから誤解を払拭できるようにやはり努力していただきたいというふうに思います。価格を下げなくても、しっかりとなぜこの価格なのか、それからホームセンターとどう品質が違うのかということを一つ一つ丁寧に説明すれば、やはり組合員さん、利用者の方々は分かってくれる、理解してくれるというふうに思います。
 そのほかの具体的な事項の一つについては、やはり担い手の声を確実に反映できるJAの事業運営体制の構築、これこそが一番大事なんじゃないのかという声も非常に多く上がっております。
 JAの理事になっている青年部の代表というのは、JAの女性参画ということで女性理事の枠ということはある程度数字で明記されておりますが、青年部というのはそこまでのあれはなくて、やはり自分たちの度量で地域から勝ち取るということも強く言っているところもありますが、やはり経営者としての育成期間中ということもあって、その辺はまだ前のめりになれないというところもあるのではないかというふうに思いますが、やはり多様な意見を聞いてもらえるだけのことも各JAにとっては非常に重要なのではないかというふうに思います。
 自己改革のときのように、やはり若い人の意見をどんどんどんどん反映してもらってガバナンスを構築してほしい、それから部員も、青年組織の活動を通じてJAの組織、事業を勉強して適切な意見を発言してもらう、それぐらいのスキルに今一生懸命担い手は育っているのかなというふうにも思います。
 後ほど御説明申し上げますが、今日出させていただいたポリシーブックというのがあります。これは、本当に現場の意見を全部洗い出して、それを我々全青協の方でまとめた我々の政策提言集ということになっておりますので、これ、後ほど時間があればお話しさせていただきたいというふうに思います。
 先ほどまでに申し上げました青年部の声というのが、やはりこの法案の中にきちんと後押しされる部分もあると思いますが、我々の声を是非とも踏まえた法改正になるのかということが、我々、実際、農業者としてよく分かっていないところというのが実際あります。その辺のことに関しても、今後、我々も勉強はしますが、是非とも、我々が今後未来形成するに当たって、ほとんど日本のほぼ九割方が家族農業が中心です。その辺は十二分に理解していただきたいというふうに思います。
 それから、若い農業者の中には、今回の法案作りまでが、進むまでの間の過程に根強い不満が本当にありました。現場は、それだけやはり不安ないし不満というものがかなり高ぶったのかなというふうにも思います。
 青年部の意見を聞かずに規制改革会議で議論されたことというのが、やはりこの農協というところを一つ旗の下、我々一生懸命勉強しているところでもありますが、一本JAという旗の下、来ている以上は、そこになぜ我々の意見を無視して勝手に進めてしまうのかということもありましたが、その辺に関しては、やはりマスコミ報道が一番これ効いていたのかなというふうに思っております。毎日のようにいろんな報道が出ると、やはり現場は混乱するということも認識されたのかなというふうに思います。報道のこともあって、やはり現場は、この農協改革というのがTPPを推したいがための方策になっているのではないのかということは、言うまでもなく皆さん方も理解されていると思いますが、そういうふうにしか理解できなかった部分というのがあるんです。自己改革を後押しする内容に法案がなっているとしても、このような経過によってやはり現場に不満だとか不安だとかが染み付いているということは、やはり簡単には法改正の内容が今現在浸透していないというふうに理解していただきたいかなというふうに思います。
 まずは、この現場の不満それから不安を徹底的に払拭されるような国会審議や、やはり省令の政策などにおいてJAグループやそれから現場の意向を十分に踏まえた対応をお願い申し上げたいと思います。そのときには是非とも全国の青年部の意見を特に尊重していただいて、これが前向きに進めるようにしていただきたいというふうに思います。
 法案の内容について幾つか申し上げると、まず理事の構成であります。担い手の意向を反映できるガバナンスの構築を進めるというのは、大変我々青年部としても評価しているところであります。しかしながら、やはり担い手は認定農業者ばかりではありません。現場と合っていない部分もありますので、この点はやはり省令等で十分御配慮いただければというふうに思います。
 続いて、中央会のことですね。やはり大きな論点となった中央会についてですが、青年部にとっても、中央会は青年組織の育成それから普及を担ってもらっておって、やはり欠かせない組織だというふうにもう全国盟友は思っております。
 また、中央会は、農業者の声を、事業連はもとよりやはり政府、国会に届ける代表、調整機能を担っているんですが、青年部の中央会に関する意見ではこの機能の強化を求める声が一番多かったです。今回の法改正でこうした機能に支障を来さないのか、その辺は大変懸念しているところであります。やはり組織の変更後、全中、県中、それから農政や事業、事業間の調整問題等、この活動においてJAグループはやはり先頭に立ってどんどん取り組むべきだというのは我々若手農業者の中からも出ております。
 本当に、時間も押してまいりましたが、もう最後の方にですが、青年部も含めて、今般の経緯の不満などから、法案についても納得、理解が十分に得られていないというところもあります。それから、JAや連合会、それから中央会が、青年農業者の期待に十分応えているという自己改革をやはりこうなったときは進めるべきではないのかと。それを法改正というものが後押しできるような状態にしていただきたい、あらゆる手を尽くして、やはり我々若手農業者が前に立てるような法改正になれるように後押しをしていただきたいというふうに思います。今後、五年後の検証のときを始め、農協改革に関してやはりこのような現場が混乱するようなことがないようにしてほしいというのが我々若手農業者の意見でもあります。その意見をやはり十二分に反映できるようなことを強くお願い申し上げたいというふうに思います。
 青年農業者は、次の時代、これからの農業、農協を背負う世代でもありますから、やはりTPP、それから昨年の米価下落、あれ、ナラシでどうにかなるというお話もありましたが、その中でも、やはり米価がこういうふうに下がってきてしまうと非常に厳しいこともあります。これではやはりこの先、未来を想定して現場が頑張れるだけのあれがありませんので、それもしっかり後押しするような制度、政策にしていただきたいと重ね重ねお願い申し上げたいと思います。
 是非、青年農業者が将来展望を描けるようにしていただくだけの力強いお言葉、それから法案を作っていただいて、私からの意見陳述とさせていただきます。
 本当にありがとうございました。

発言情報

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発言者: 天笠淳家

speaker_id: 5011

日付: 2015-08-18

院: 参議院

会議名: 農林水産委員会