農林水産委員会

2015-08-18 参議院 全175発言

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会議録情報#0
平成二十七年八月十八日(火曜日)
   午前十時七分開会
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   委員の異動
 八月四日
    辞任         補欠選任
     長峯  誠君     馬場 成志君
     吉川ゆうみ君     堀井  巌君
 八月五日
    辞任         補欠選任
     石上 俊雄君     小川 勝也君
 八月十七日
    辞任         補欠選任
     馬場 成志君     酒井 庸行君
     堀井  巌君     井原  巧君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山田 俊男君
    理 事
                野村 哲郎君
                山田 修路君
                徳永 エリ君
                紙  智子君
    委 員
                井原  巧君
                金子原二郎君
                小泉 昭男君
                古賀友一郎君
                酒井 庸行君
                中泉 松司君
                舞立 昇治君
                小川 勝也君
                郡司  彰君
                柳澤 光美君
                柳田  稔君
                平木 大作君
                山口那津男君
                儀間 光男君
                山田 太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        稲熊 利和君
   参考人
       広島県農業協同
       組合中央会会長  香川洋之助君
       龍谷大学農学部
       教授       石田 正昭君
       全国農協青年組
       織協議会会長   天笠 淳家君
       元明治大学農学
       部教授      北出 俊昭君
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  本日の会議に付した案件
○農業協同組合法等の一部を改正する等の法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○派遣委員の報告
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山田俊男#1
○委員長(山田俊男君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、長峯誠君、吉川ゆうみ君及び石上俊雄君が委員を辞任され、その補欠として酒井庸行君、井原巧君及び小川勝也君が選任されました。
    ─────────────
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山田俊男#2
○委員長(山田俊男君) 農業協同組合法等の一部を改正する等の法律案を議題といたします。
 本日は、参考人として広島県農業協同組合中央会会長香川洋之助君、龍谷大学農学部教授石田正昭君、全国農協青年組織協議会会長天笠淳家君及び元明治大学農学部教授北出俊昭君に御出席いただいております。
 この際、参考人の皆さんに御挨拶を申し上げさせていただきます。
 本当に、お忙しいところ本委員会に御出席いただきまして、大変ありがとうございました。
 忌憚のない御意見を賜りまして、そして我々としても対処してまいりたいと、このように思っております。本日はどうも大変ありがとうございます。
 それでは、本日の議事の進め方について御説明いたします。
 まず、香川参考人、石田参考人、天笠参考人、北出参考人の順序でお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答え願いたいと存じます。
 なお、御発言の際は、その都度、委員長の許可を得ることになっております。
 また、参考人の皆様の御発言は着席のままで結構でございますが、質疑者は、慣例により、起立の上発言することとしておりますので、よろしくお願いします。
 それでは、香川参考人からお願いいたします。香川参考人。
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香川洋之助#3
○参考人(香川洋之助君) ただいま御指名いただきました、広島県中央会の会長をしております香川でございます。本日は、このような機会を与えていただき、大変光栄に存じております。
 今回お呼びいただけたのは、私が、今、JAグループ自己改革をまとめております全中総合審議会や、あるいは全国大会議案審議委員会の下での専門委員会の座長を務めさせていただいているからだと思っております。したがいまして、今日はそのような立場で発言をさせていただきたいと思います。
 また、私は、広島県と島根県の県境にあり、高齢化と過疎化が進んでおります地域にある単位農協、JA広島北部の組合長も務めております。農業を基幹産業としている中山間地帯の農協であります。本日はその立場も踏まえて発言をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず、今回の農協改革であります。
 今回、政府から、国の農政改革の一環として、農協の事業、組織について抜本的な見直しをするという方針が打ち出されました。私たちJAグループは、これまでも農家組合員の組織として、時代時代の変化に対応し、政府の指導をいただきながら、事業、組織の見直し、また改革も行ってきたと思っております。しかし、地域農業、さらには日本農業の現状を見るとき、まだまだ対応が不十分で、JAグループの力量不足もあったのではないかと率直に反省をしているところでもございます。
 私は、これまで四十数年間、系統組織の職員として、また役員として農協事業、農協運営に携わってまいりました。農協組織の使命は、地域農業の振興、すなわち農家組合員と一緒になって地域農業が将来にわたり継続、発展できるよう取組をすることだということで今日まで至っているわけでありますが、全国の多くの農協、JAの特に中山間地を抱えたJAの組合長は、多かれ少なかれ私と同じ考えを持ってJA運営をしているのではないかと思います。
 しかし、地域の現状は、農業従事者の高齢化や担い手不足は年々深刻化しており、今日では、加えて農業の国際化が進んでいる中、一段と厳しさを増してきております。これに対応できる地域農業の再構築は喫緊の課題であると思っております。
 今回、政府から提起のあった農協改革は、農業を成長産業化し、自立できる足腰の強い農業を目指すため、JAグループもそれに対応するよう事業、組織の在り方を見直しせよという内容になったと理解をしております。国内農業、また地域農業を強化していくことにつきましては私たちも全く同様であり、そのための事業、組織改革は必要であるとも認識をしております。
 ただ、当初、規制改革会議等から提起された農協改革の考え方につきましては、国内農業を強化するという目的は余り見えず、単に中央会制度の廃止や連合会の分離、准組合員の利用規制等、JA組織の解体にもつながりかねないような内容に見え、私自身もそのように受け止めてまいりました。その後、与党の先生方の御尽力によりまして、政府との話合いを続ける中で、今回の農協改革はあくまで農業者の所得向上を目指すもので、JAグループの自己改革を尊重していくということが確認されたと思っております。これによりまして、私たちJAグループの自己改革の最大のテーマは、あるいは目標は、農業者の所得増大と農業生産の拡大、これをいかに実現するか、そのためJAグループとして事業や組織をどのように見直していくか等について検討を深めることといたしました。
 私が座長を務めさせていただいております専門委員会におきましても、これらについていろいろと検討をしてまいりましたが、JAあるいは連合会役員、また青年部、女性部の代表者から様々な意見が出されました。検討の結果、系統組織を挙げて農業者の所得増大や地域の活性化に向けて事業を見直していこうという共通の目的は確認されましたが、ただ、具体的な取組、課題は、JAの置かれている地域環境が様々でありますことから、それぞれのJAが更に地域の実情を踏まえて検討することとし、私たちの専門委員会では改革の基本的な方向性を整理し、組織討議に付していこうということになったわけであります。また、この改革の方向性について、本年の十月、JA全国大会、これで決議する今後三か年のJAグループの中期方針の組織協議案に盛り込んでいく、そして組織討議を徹底して行うということにしているところであります。
 したがいまして、本日、自己改革あるいはJAの大会の組織討議案等につきましては、皆様方のお手元の方にこういうパンフレットを今日お配りをさせていただいております。この資料につきまして若干説明をさせていただきたいと思っております。
 まず、JAの自己改革、これは基本的には政府の農協改革の目的と同じ、農業所得の増大を最重点として取り組んでいくこととしております。農業も地域も大変厳しく、今までどおりではこの状況を打破することはできません。魅力ある農業、地域づくりのために所得の増大と農業生産の拡大に集中し、挑戦をしていくということとしております。
 その具体策は、先ほど言いましたように、それぞれの農協がここに掲げている組織討議案で示した内容を参考に、組合員と徹底して討議し、創意工夫して独自に、それぞれ農協独自にひとつ策定していこうということになっております。ここの表紙の中に「創造的自己改革への挑戦」というのを書いてございますが、これは二十七回JA大会のテーマにしております。これはこのことを意味して、とにかくそれぞれのJAでいろいろと創意工夫をしていこうではないか、組合員、農家の皆さんと一緒になってやっていこうではないかということであります。
 四ページを御覧いただきたいと思います。ちょっと飛ばすようでございますが、ここで、第二十七回JA大会で私たちJAグループの目指すことについて、この下の方に、食と農を基軸として地域に根差した協同組合の確立ということを掲げております。農業者と地域住民が結集し、営農、生活を支える総合事業を今後とも展開し、持続可能な農業の実現、二として豊かで暮らしやすい地域社会の実現、これを目指しながら協同組合としての役割を発揮していこうではないかということにしております。
 JAの総合事業や地域に果たす役割につきましては、これまでもこの参議院の審議においても先生方あるいは政府も認めていただいていると聞いております。ただ、農協改革の議論で、農協は職能組合に純化すべきだというような意見も出てまいってきていることも確かであります。総合農協の果たしている役割がなかなか必ずしも理解されていないのではないかというように思っております。
 したがいまして、現場では、今回の事業目的規定の見直しさえも、職能組合純化を目指したもので、准組合員の利用規制につながるのではないかというような非常に懸念をしているところでもございます。先生方におかれましても、地方における総合農協の役割、十分御承知していただいているとは思いますが、今後ともJAが地域に根差した協同組合として積極的に事業展開あるいは活動ができるよう御支援を賜りたいと思います。
 続きまして、六ページをちょっとめくっていただきたいと思います。ここに農業者の所得増大、農業生産の拡大について記しております。まず、JAの総合力の強みを発揮した担い手経営体のニーズに応える個別対応、従来にも増してそれぞれの個別対応をひとつ強化をしていこうではないかということであります。
 基本的には多様な担い手に対応するわけでありますが、特に今回は地域の中核となる担い手に重点的にひとつ当たっていこうではないかというような取組をしていきたいと思っております。また、販売事業につきましても、実需者のニーズに合ったマーケットインに基づく生産・販売事業方式への転換を進めていく、単なる共販というのでなく、いろんな販売手法を考えていくということにしております。さらに、付加価値の増大と新たな需要拡大についても今後積極的に挑戦をしていく。
 さらに、裏のページになるんですが、生産資材の取扱等につきましては、やはり柔軟な価格対応、これも一律的でなく、やっぱりそれぞれ階層別に柔軟な価格対応もしていくし、また低コストを目指した生産技術の確立や普及にも取り組むというようなことで整理をしています。
 そして、新たな担い手の育成や担い手のレベルアップを支援をすると同時に、さらに、農協の事業の中で特に今回は営農、経済事業、これに人事配置など経営資源をシフトをするということとしております。
 なお、私どもの広島県におきましては、既に大規模担い手等の農業経営を含め、幅広い指導、相談に対応するために、県段階において中央会あるいは各連合会から職員を集め、広島県JA営農支援センター、これを既に四月には新設し、担い手、農業集団あるいは新規就農者に対して濃密な支援体制を構築するということで、これは今回の大会の中でも、県段階においてもやはり連合会もそういう格好で一丸となって農協の営農、経済事業体制を支援をするという方向付けをしているところであります。
 次に、八ページの地域活性化の貢献であります。これにつきましても総合農協としてしっかりと今後とも取り組んでいきたいと思います。そのため、総合事業を通じた生活インフラ機能の発揮とJAくらしの活動を通じた地域コミュニティーの活性化を進め、地方創生へも積極的に参加をするということでございます。
 なお、先ほど申しましたが、准組合員の利用規制につきましては、今後五年間の調査を経て検討することになっておりますが、是非こうした様々なJAの役割をしっかりと御理解いただき、実態に基づいた適切な判断がされるよう、強くお願いをするところであります。
 次に、九ページの組合員対策でありますが、協同組合は株式会社とは違い、メンバーシップの組織であります。協同組合組織としての原点に立ち返り、組合員の参画、意思反映を強化するための取組を充実してまいります。具体的には、それぞれJAの支店など組合員と近いところを拠点をつくり、様々な協同活動を展開していこうということとしております。
 また、准組合員については、農協の組合員として、農業や地域経済の発展を共に支えるパートナーとしてしっかりと位置付け、農業に係る取組も今以上に関わっていただく。例えば、産直出荷者、どんどん准組合員にも奨励してひとつやっていただくという取組もそれぞれの農協でやっていきたい。各農協とも、組合員あるいは准組合員を問わず、単なる利用者からJAの様々な活動へ参加していただくような取組を今後強化していきたいという内容にしております。
 続いて、十ページでございます。国民理解の醸成であります。
 今回のJA改革をめぐり、JAの事業やあるいは組織が否定されるような大変遺憾な報道が多くなされました。現場では、この一方的な報道に基づいて今回農協改革がされているんだというような見方をしている組合員もおります。私も、今回の報道内容につきましては大変不満で、一面では怒りを感じた局面もあったわけでありますが、そのような報道になった原因は、我々JAグループ自体にもあるんではないかと反省もしております。
 したがって、JA組織としてしっかり伝わる情報発信ができるよう、今後あらゆる局面、媒体を使って協同組合運動の意義などについて正しい情報を発信をしてまいりたいと思います。
 最後に、中央会改革でありますが、これにつきましては、今後、新しい中央会ということで今組織を挙げていろいろな立場から検討をしているところであります。組織の協議の結果を踏まえて具体的な新たな中央会を構築をしていくこととしています。
 以上、自己改革の内容につきまして全国大会組織協議案により説明させていただきましたが、基本は、農協は農業者がつくった組織で、また連合会、中央会はその農協がつくった組織であり、その改革はやはり我々自らが行うべきだというように考えております。そのために役職員の意識改革が特に重要になっておりますので、今後、JAグループの役職員の意識改革を十分に進めながら、JAグループ一体となって今回の自己改革、ひいては農協改革について邁進をしてまいりたいと思います。
 なお、政府におかれましては、政省令の決定など今後の法改正に伴う対応につきましては、この自己改革を後押しするものとして適切な対応を強くお願いを申し上げまして、私からの意見陳述にさせていただきます。ひとつ皆さん方よろしくお願いを申し上げます。
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山田俊男#4
○委員長(山田俊男君) ありがとうございました。
 次に、石田参考人にお願いいたします。石田参考人。
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石田正昭#5
○参考人(石田正昭君) 私は、五月二十七日の衆議院の参考人質疑に呼ばれました。その冒頭、根拠のない未来志向の改正案だと、こういう発言をいたしました。ここでもう一度その意味を確認させていただきたい。
 まず第一に、根拠のないという意味は、これはマックス・ウェーバーの言葉を使っておるわけですけれども、普遍的存在、これは協同組合、歴史的個体、これは戦後農協、この二つとも配慮ないという意味でございます。それから、未来志向という点は、戦後の総合農協の在り方を大きく変える未来志向だと。もっと言えば、戦後の総合農協にとって未来のない未来志向だと、こういう意味でございます。
 それを踏まえて、私は二つの点の修正を求めました。これは准組合員に関連する問題でありますが、法的安定性の観点から申し上げたんですけれども、まず第一は、第一条の目的を、もって国民経済の発展に寄与するという表現がございますけれども、地域の農協というJAの目指すそういう観点を支援する立場からすれば、もって地域の発展に寄与するというふうに改めるのが適当だと、こういうふうに発言しました。
 それから、第七条第二項、事業運営原則でありますけれども、これが准組合員の事業利用規制の根拠となるおそれがあるということで、農業所得増大への最大配慮を削除願いたいと、こう発言いたしました。十分ではございませんけれども、これまでの衆議院あるいは参議院のやり取りを聞いておりましたけれども、擦れ違いというか議論が煮詰まっていないと、こういうふうに思っております。参議院においても更なる議論を求めたいと、こういうふうに思っております。
 その関連で、二でございますけれども、今度の附則第五十一条第二項、いわゆる准組合員事業利用調査、この規定がございますけれども、この削除を求めたいというふうに思います。なぜならば、根拠がないというふうに思うからでございます。
 以下、①からいきますと、そもそもこの本調査に係る行政庁権限、この根拠規定はどこにあるのかということでございます。
 やり取りを聞いていまして、第一条にあるかのごとき答弁があったかと思いますが、仮に第一条によるものであれば、従来からも第一条があったわけでございまして、急に准組合員の事業利用調査をすると言い出すのはこれまでの流れとは整合しないというふうに思っております。第七条第二項によるものだと私は思っておりますけれども、これまでの答弁を聞くと、第七条第二項はそういう意図はないと、こういうふうに答えられておりますが、じゃ、なぜこの第二項は第一項とダブっているわけですから残すのかと、こういう疑問がございます。
 ちなみに、これまで、現在もそうですけれども、監督指針では、准組合員の事業利用はJAの事業分量を増大することからも望ましいと、こう書いてございます。現在、この監督指針が生きているにもかかわらず、なぜそれを調査しなきゃいけないんだというのがまず①であります。
 それから②は、何の目的でやるのかと。附則第五十一条二項によりますと、規制の在り方について検討を加えると、こう書いてあります。規制の在り方の検討をする、何をすればオーケーなんだということが分かりません。いっぱい努力、先ほど自己改革をすると、こういうふうにおっしゃっていたけど、いっぱいやって、それをいいよとも悪いよとも、どのようにでも解釈し得る、そういう立て付けになっているというふうに思っています。
 それから、地域の競争事業体の有無を調査するということであります。これは、地域で行う協同組合の事業を全く理解していないというふうに思っています。協同組合の事業は組合員の求めに応じて行っているものでありまして、競争事業体があるから要らないじゃないかという議論にはならないというふうに思ってございます。
 それから、根拠のない事業利用調査をする。恐らく県の検査のときに書類の提出を求められるんでしょうけれども、これを整えるのに大変な負担になるというふうに思っております。やるなら行政庁自身がやればいいという、例えばガソリンスタンドでやるんなら、利用者を聞き出して、役人がやればいいと、こういうふうに思っております。
 次に、八月四日、野村議員の質問に奥原局長が答えた、中央会は本則で規定されていると、こういう答弁があったと思いますが、このことの妥当性も問いたいというふうに思います。
 まず①は、中央会の事業に対するこれは意図的かつ差別的な扱いだと考えております。と申しますのは、仮に改正法案の中で中央会の本則規定があるとすれば、事業はどうだと、こういうことでございますが、今の附則の中に入っている経営相談、監査、代表、総合調整、これは入っているとすれば、現在の十条、事業の中では全て附帯事業扱い、まま子扱いですよね、簡単に言えば、ということになります。さらに、現在の現行法では、教育、情報とか調査研究、これは現在の附則の中でもこれが消えておりますので、附則の中でも附帯事業、中央会の事業全てが附帯事業と、こういう位置付けでいいのかというふうに思います。
 それから、②ですが、中央会の名称付与は附則第十八条と第二十六条による特例措置によると、こういうことになるかと思います。
 都道府県中央会が農業協同組合連合会であると、こういうふうな規定でございますが、農業協同組合連合会である者は農業協同組合連合会と名のらなければいけないと、こういう法律が改正法案第三条第一項に書いてございますが、それを無視して、何々県中央会と、こういうふうに呼ばせる、これは特例で認めると、こういう立て付けになってございます。反対に、全国中央会でございますが、農業協同組合連合会でない者は農協とか農協連合会と名のってはならないと、こういうことでありますが、全国農協中央会と、農協という名称はいいよと、こう言っておるわけです。これも、要するに、本則ではこう書いてあるんだけど、附則の特例措置として認めてやるよと、これは行政庁の余りの強い規制ではないかなと、こういうふうに思っています。
 このように考えていきますと、全国中央会を一社にすると、こういうふうに言っています。都道府県中央会は連合会だと、こう言っていますが、実質的に何の違いもないということであります。じゃ、なぜ全国中央会は一社にしたのかと、この辺りの意味が分かりません。これまでの政府の答弁を聞いていますと、そのことの立法事実も示されていないと、こういうふうに思っています。農協の事業を絞っているから一社にするんだという理由は全然立証されていないと、こういうふうに考えてございます。
 最後でございますが、現場では今回の中央会改革は地域農協には影響はないんだという理解が広がっているようでありますが、大変な誤解だということを申し上げておきたいと思います。これが、会計士監査導入に伴う私の懸念という、この第四の項でございます。
 会計士監査を入れるんですけれど、これは、今までの答弁を聞くと、会計士の監査の独立性とか透明性とかという議論はあったんだけれど、これをどういう形で監査していくのかという議論が全くなされていないんじゃないかというふうに思います。
 私に言わせれば、農協ルールが適用されるのか、信金、信組並みの金融機関ルールが適用されるのか、そのことを全然議論していないというふうに思います。これは、附則第五十条二項、これから農水省と金融庁と公認会計士協会と全中、この四者が協議して決めると、こういうふうになっていますけど、一番重要な農林中金が入っていませんという問題がございます。会計士監査が入ってもルールは変わらない、現行どおりだというのが本来あるべきだと、そういう協議になるというふうにすべきだと私は思うんだけど、そうなるかどうかはこれはやってみなきゃ分からないと、こういうことではないかなと思います。
 まず、幾つか問題はあると思いますが、監査費用が増えます。これは、附則五十条第一項の第三号で、農協の実質的な負担は増やさないようにすると、こういうふうな書き方をしています。じゃ、これは誰がどのように負担するのか。さらに、総額としては負担は増えなくても、個々の農協から見れば必ず凸凹が出てくるはずです。だから、今払っている、これは現実には都道府県中央会の賦課金として払っているわけですけれども、そのうちの幾らかというのが明示されていませんが、凸凹が必ず発生するはずだというふうに思っています。この増えたのを絶対増やさないと、こういう意味でございましょうかということでございます。
 ②は減損処理の厳密化でございまして、現在の農水省が作っている監督指針では、緩やかな減損処理を許すような共用資産の扱いというのが出てございます。しかし、これがどこまで通用するのか、金融機関ルールでいくとかなり厳しくなると、こういうふうに考えております。
 それから、もし金融機関ルールが適用されたら、そもそも総合農協、金融事業等ほかの事業を営んでいるわけですから、どういう監査というんですか、会計帳簿というんですか、資料というのを作っていくのかよく分かりません。仮に信用事業部門というものを独立させたような考え方でいくとすれば、他部門運用という問題が必ず出てくると思います。現行の監督指針では、他部門運用はこれも多少緩い条件が加わってございますけれども、これがどうなるのかということがあります。これは必ずしも会計士監査で指摘されるような問題ではないかも分かりませんが、当然この協議の中では議論されなければならない問題だというふうに私は理解しております。
 それから、改正法案第五条、旧の六条ですけれども、事業利用分量配当は損金扱いだと、こういうふうな扱いになっている。剰余金からこの事業分量配当した場合でも税金は掛かりませんよと、こうなっておりますが、今度それはどういう扱いになるんですかと。恐らく、それは売上げから引いた形で計算しなさいと、こういうことになるんじゃないかなと思います。そうしますと、今までの利益よりその分は減るはずだと、こういうふうに考えてございます。
 それから⑤は、これは直ちには問題にならないと思いますけれども、協同組合の出資金は資本か負債かという、国際会計基準というものを適用するのかどうかという問題も今後生まれてくると思います。仮に出資金は負債だということになれば資本金は減るわけでございまして、経営が脆弱だと、こういう指摘が出てくるかと思います。
 以上、①、②、③、④、⑤を書きましたが、この協議の中でどういうルールで監査が行われるのか、場合によっては信用事業譲渡、准組合員事業利用規制ではない形で迫られる農協が発生するおそれがあるよということ、現実に、都道府県中央会が監査をやる二百億円以下の貯金量を持つ農協は、今農水は多分これを信用事業譲渡するように県だとか県の中央会を通じて迫っている実態があるわけでございますので、この④のような方法を使いながら分離を迫る可能性があると、こういうふうに思ってございます。
 いずれにいたしましても、私の立場からいえば根拠のない未来志向の改正案でございますので、これを徹底、皆様方の御議論に付して問題点をえぐっていただきたいと、こんなふうに思っております。
 私からは以上です。
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山田俊男#6
○委員長(山田俊男君) ありがとうございました。
 次に、天笠参考人にお願いいたします。天笠参考人。
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天笠淳家#7
○参考人(天笠淳家君) 本日は、こうした機会をいただき感謝申し上げさせていただきたいと思います。
 これからのJAグループを担うのはやはり我々若手青年部だというふうに我々としても認識しております。先日、富山の地方公聴会に続きまして、その青年部の意見を今回聞いてくださるような立場をいただき、重ねて感謝申し上げます。本当にありがとうございます。
 本日は、青年組織の会長、そしてJAの理事としての立場として意見を述べさせていただきたいというふうに思います。
 まず、私自身の経営の概況から御説明申し上げます。
 私は、水稲三十二ヘク、うちWCSが十二ヘク、飼料米六ヘクということで、それから裏作として大麦、小麦を二十八ヘク栽培しております。それプラス、受託作業として、今は二十三ヘクの受託作業を年間通じて行っております。
 それから、JAとしての立場として言わせていただければ、私、地元のJA太田市というところの理事も兼ね合わせてさせていただいております。昨年、米価の大きな下落がありまして、今年、農業生産額、販売額からして約三億円の米は減額ということになりました。また二月には、群馬県、本当に非常に大きな大雪が降りまして、それも重ねて今回の打撃に重なっているというふうに思います。
 続きまして、全青協の概要について御説明申し上げさせていただきたいと思います。
 今現在、全国で六百七十九のJAがあります。その中でこの青年部、あくまでも担い手というものを、きちんと受皿として担い手育成を一生懸命やっているというか、この組織に入っている組織が五百十ほどあります。盟友数にすると今六万七百十五名です。これ毎年千名以上の減少傾向にあります。なおかつ、これだけの人数が減ったとしても、生産量はどんどんどんどん増えていっている、それが現状だというふうに認識していただきたいというふうに思います。強いて言えば、国民の皆さんに対して安定供給を図るだけの農地を持って常日頃やっているというふうに思っていただければというふうに思います。
 二年前に規制改革会議の農協改革が動き出して以降、若手正組合員としてやはり一から農協を改めて見詰め直さなければならないということがありまして、組合員、JA、連合会、それから中央会、これは今後どうあるべきなのかということを我々として議論しました。そして、我々は今何をすべきなのかということについても重ねて協議いたしました。
 今回の改革の主役というのは農協というふうに言われておりますが、いつでもやはり主役というのは、次世代を担う若い正組合員だというふうに我々は思っております。農業生産の担い手であるとともにJAのオーナーたる正組合員で、かつ将来のJAの経営層、これになるべく、最も改革の影響を受けるのがやはりこの農業者だというふうに思っております。だからこそ、やはり全国の青年部長等に今回この改革が起きたときに意見を聞いて、我々がこのJAグループをどうすれば自己改革に対するうまく意見を言えるのかということで、昨年の六月に皆さん、全部のJAの青年部長に対して、この意見書を作るために検討させていただきました。そして、上がってきたものが、皆さん方のお手元にある我々の意見書という形になっております。
 それは、十一月の段階で、それから六月の段階でももう一冊出させていただきました。それぞれのタイミングで、JAグループの自己改革の取りまとめの座長をされている香川会長にも本当にお骨折りをいただきながら特段の御配慮をいただき、我々の意見をほとんどというぐらい反映させていただくことができたというふうに思います。
 我々の意見のポイントを説明させていただきたいと思います。
 今回のこの自己改革のポイントについては、基本的に大きく二つです。それが全国の若手農業者から出た意見ですね。一つ目が、担い手の農業者のJA事業利用の拡大。それから二つ目が、やはり、誰がいつまでにどこまで取り組むかということを明確にした計画設定、それから進捗管理というものが必要だろうということで、その辺に関しては若手から相当出ました。やはり、そういったことを、いつ誰がどこまで何をするのかということをきちんと明記しない限り、各JAが同じスタンスではできないだろう、そして、ある程度目標を持ってやることこそが次の時代につなぐためのいいパイプになるだろうということで、そういった大きな二つの観点に絞らさせていただきました。
 具体的な事項のやはり一丁目一番地は、営農指導体制の強化、これは本法案の中にも出されておりますが、農協改革、営農指導員、弱体化しているということもあります。そういった観点で、我々若手農業者もその辺については十分理解していました。だからこそ、ここに相当力を入れていただきたいと、やはり正組合員は販売や購買以上に営農指導に一番期待しているということであります。
 営農指導について一番よく聞く声というのは、営農指導員の来る回数が減ってしまった、又はよく担当者が替わるといったような、体制と専門性をやはり拡充してほしいということが大きく言われております。それには、やはり今後を考えるに当たっては、信用、共済事業の協力ももちろん必要です。また、JAの対応し切れない部分については、中央会それから連合会で高度な担い手サポートセンターを、体制をきちんと整えていただいて、その中で対応していただきたいという、そこまでの若手農業者も観点があります。やはり、この先々の十年、二十年という長いスパンを経た中での考え方なんだろうというふうに思います。
 販売事業については、品質別に部会を設置するなど、やはり正組合員が生産、販売の選択肢を増やせるようにしていただきたいという若者からの意見は相当出ました。買取り販売等によってJAはリスクを取って高く売る努力をしろというお話もありますが、やはり組合員とJAは一体の存在だというふうに思います。
 やはり販売の責任は、JAだけでなくて、組合員もきちんと共通の責任を負わなければならない、それこそがやはり我々の目指すべき先々なのじゃないのかなというふうに認識しております。やはり高く売るには、正組合員も生産それから販売で相当な負担が必要となります。JAだけに販売の責任を押し付けた議論はやはり疑問があるというふうに我々としても認識しております。
 購買についてですが、生産資材が高いというような不満、それから誤解を払拭できるようにやはり努力していただきたいというふうに思います。価格を下げなくても、しっかりとなぜこの価格なのか、それからホームセンターとどう品質が違うのかということを一つ一つ丁寧に説明すれば、やはり組合員さん、利用者の方々は分かってくれる、理解してくれるというふうに思います。
 そのほかの具体的な事項の一つについては、やはり担い手の声を確実に反映できるJAの事業運営体制の構築、これこそが一番大事なんじゃないのかという声も非常に多く上がっております。
 JAの理事になっている青年部の代表というのは、JAの女性参画ということで女性理事の枠ということはある程度数字で明記されておりますが、青年部というのはそこまでのあれはなくて、やはり自分たちの度量で地域から勝ち取るということも強く言っているところもありますが、やはり経営者としての育成期間中ということもあって、その辺はまだ前のめりになれないというところもあるのではないかというふうに思いますが、やはり多様な意見を聞いてもらえるだけのことも各JAにとっては非常に重要なのではないかというふうに思います。
 自己改革のときのように、やはり若い人の意見をどんどんどんどん反映してもらってガバナンスを構築してほしい、それから部員も、青年組織の活動を通じてJAの組織、事業を勉強して適切な意見を発言してもらう、それぐらいのスキルに今一生懸命担い手は育っているのかなというふうにも思います。
 後ほど御説明申し上げますが、今日出させていただいたポリシーブックというのがあります。これは、本当に現場の意見を全部洗い出して、それを我々全青協の方でまとめた我々の政策提言集ということになっておりますので、これ、後ほど時間があればお話しさせていただきたいというふうに思います。
 先ほどまでに申し上げました青年部の声というのが、やはりこの法案の中にきちんと後押しされる部分もあると思いますが、我々の声を是非とも踏まえた法改正になるのかということが、我々、実際、農業者としてよく分かっていないところというのが実際あります。その辺のことに関しても、今後、我々も勉強はしますが、是非とも、我々が今後未来形成するに当たって、ほとんど日本のほぼ九割方が家族農業が中心です。その辺は十二分に理解していただきたいというふうに思います。
 それから、若い農業者の中には、今回の法案作りまでが、進むまでの間の過程に根強い不満が本当にありました。現場は、それだけやはり不安ないし不満というものがかなり高ぶったのかなというふうにも思います。
 青年部の意見を聞かずに規制改革会議で議論されたことというのが、やはりこの農協というところを一つ旗の下、我々一生懸命勉強しているところでもありますが、一本JAという旗の下、来ている以上は、そこになぜ我々の意見を無視して勝手に進めてしまうのかということもありましたが、その辺に関しては、やはりマスコミ報道が一番これ効いていたのかなというふうに思っております。毎日のようにいろんな報道が出ると、やはり現場は混乱するということも認識されたのかなというふうに思います。報道のこともあって、やはり現場は、この農協改革というのがTPPを推したいがための方策になっているのではないのかということは、言うまでもなく皆さん方も理解されていると思いますが、そういうふうにしか理解できなかった部分というのがあるんです。自己改革を後押しする内容に法案がなっているとしても、このような経過によってやはり現場に不満だとか不安だとかが染み付いているということは、やはり簡単には法改正の内容が今現在浸透していないというふうに理解していただきたいかなというふうに思います。
 まずは、この現場の不満それから不安を徹底的に払拭されるような国会審議や、やはり省令の政策などにおいてJAグループやそれから現場の意向を十分に踏まえた対応をお願い申し上げたいと思います。そのときには是非とも全国の青年部の意見を特に尊重していただいて、これが前向きに進めるようにしていただきたいというふうに思います。
 法案の内容について幾つか申し上げると、まず理事の構成であります。担い手の意向を反映できるガバナンスの構築を進めるというのは、大変我々青年部としても評価しているところであります。しかしながら、やはり担い手は認定農業者ばかりではありません。現場と合っていない部分もありますので、この点はやはり省令等で十分御配慮いただければというふうに思います。
 続いて、中央会のことですね。やはり大きな論点となった中央会についてですが、青年部にとっても、中央会は青年組織の育成それから普及を担ってもらっておって、やはり欠かせない組織だというふうにもう全国盟友は思っております。
 また、中央会は、農業者の声を、事業連はもとよりやはり政府、国会に届ける代表、調整機能を担っているんですが、青年部の中央会に関する意見ではこの機能の強化を求める声が一番多かったです。今回の法改正でこうした機能に支障を来さないのか、その辺は大変懸念しているところであります。やはり組織の変更後、全中、県中、それから農政や事業、事業間の調整問題等、この活動においてJAグループはやはり先頭に立ってどんどん取り組むべきだというのは我々若手農業者の中からも出ております。
 本当に、時間も押してまいりましたが、もう最後の方にですが、青年部も含めて、今般の経緯の不満などから、法案についても納得、理解が十分に得られていないというところもあります。それから、JAや連合会、それから中央会が、青年農業者の期待に十分応えているという自己改革をやはりこうなったときは進めるべきではないのかと。それを法改正というものが後押しできるような状態にしていただきたい、あらゆる手を尽くして、やはり我々若手農業者が前に立てるような法改正になれるように後押しをしていただきたいというふうに思います。今後、五年後の検証のときを始め、農協改革に関してやはりこのような現場が混乱するようなことがないようにしてほしいというのが我々若手農業者の意見でもあります。その意見をやはり十二分に反映できるようなことを強くお願い申し上げたいというふうに思います。
 青年農業者は、次の時代、これからの農業、農協を背負う世代でもありますから、やはりTPP、それから昨年の米価下落、あれ、ナラシでどうにかなるというお話もありましたが、その中でも、やはり米価がこういうふうに下がってきてしまうと非常に厳しいこともあります。これではやはりこの先、未来を想定して現場が頑張れるだけのあれがありませんので、それもしっかり後押しするような制度、政策にしていただきたいと重ね重ねお願い申し上げたいと思います。
 是非、青年農業者が将来展望を描けるようにしていただくだけの力強いお言葉、それから法案を作っていただいて、私からの意見陳述とさせていただきます。
 本当にありがとうございました。
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山田俊男#8
○委員長(山田俊男君) ありがとうございました。
 次に、北出参考人にお願いいたします。北出参考人。
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北出俊昭#9
○参考人(北出俊昭君) お手元に資料があると思いますけど、それに従って報告をしたいと思います。
 私は、農協が、困難な非常に長い道のりだとは思いますが、協同組合の価値と原則に基づいた本来の協同組合として発展することを強く望むものです。したがいまして、今度の改正案についても、どういう立場から意見を述べるかということは、この価値と原則に基づいた対応をいかに強めるかという立場で私は意見を述べたいというように思います。もちろん、個々の情勢変化に応じた対応はあると思いますけれど、この価値と原則に基づいて何が大事なのかと、そこについて述べたいと思います。
 まず第一は、農協の目的についてです。
 諸先生も御存じのように、今回の政府案は、現行法の営利を目的として事業を行ってはならない、これを削除して、事業での高い収益を実現して、投資又は事業利用分量配当に充てることを明記しています。また、私企業とのイコールフッティングの観点から、極めて制限的に採用されている専属利用契約や回転出資金を廃止して、それから理事構成についても、地域内外を問わず民間経営経験のある者の登用を重視しています。
 こうした、そのほかも含めて一連の改定は、一般企業の論理と経営管理手法の農協への導入強化で、この措置は当然、独禁法適用除外にも絡んでくる問題だと思います。参考人に送られた資料の追補の中でもそれが明記されていることは先生御承知のとおりです。
 しかし、私は、農協は協同組合であり、組合員は、御存じのように、出資者、利用者、運営者なので、高い収益を上げて配当金を増額するということに関心のある組合員は見られません。
 このことについて、この協同組合と企業論理との関係について、一九九五年のICA宣言はどういうことを言っているのか。協同組合も私企業が採用している様々な技術、手法を利用することができるが、私的セクターをまねることが全てだとするならば、それは悲劇であるというように述べています。これは当然です。協同組合そのものの否定につながるわけですから、当然なことを強調して、その後、協同組合の競争力と効率性はその価値と原則の適用にあるということを述べているわけです。
 私は、農協も組織体と同時に経営体でもあることから、当然、一定の利益確保は必要なんですが、問題は、そのためにどうするかということなんです。私はやっぱりICA宣言のこの趣旨に基づいた対応が求められているというように思います。
 しかし、今回の政府案では、従来いろいろ言われていた全農の株式会社化や、信用、共済事業の分離に加えて、組合の新設分割による設立なども示されています。私は、この措置により、先ほども御意見があったような総合農協の解体だけではなく、協同組合の企業論理による改組、解体、再編が促進されることを非常に危惧するものです。現在求められているのは、そういう方向ではなくて、ICA宣言も強調しているような、協同組合の価値と原則の徹底により、自らの胎内に持っている成功の鍵について本当に創意工夫を発揮することではないかと、私はそういうように思っています。
 第二番目は、農業者重視と地域課題への取組問題です。
 これはいろいろ問題になっている准組合員問題とも関係することなんですけれど、これも先ほども報告がありましたように、政府が示されている政府案では、第一条の農業生産力の増進規定とは別に、新たに農業所得の増大に最大限に配慮することを追加されています。農協としてこれはある意味では当然なことが改めて強調されているということは、諸先生も御存じのように、農協は農民主体の組織であるべきであるという考えからだと判断されます。
 しかし、私は、この農協の農民主体問題、これは我が国の協同組合の歴史と実態、それから戦後農協のやっぱり経過を踏まえて対応する必要があるように思います。
 御承知のように、戦後の農協は農地改革とともに車の両輪と位置付けされて、GHQの覚書で示された非農民的勢力の支配から脱した協同組合運動を目指し、農民主体を原則として発足したことは、先生方御存じのとおりです。
 しかし、それにもかかわらず、農林省が当時GHQに提出した農協法第一次案では既に、地区内に住む一般町村民も権利義務を制限された准組合員としての任意加入を明記しているわけです。これは、戦前の産業組合が農村協同組合と言われたように、農業者以外の中産以下の小商業者や小工業者なども農民と権利上の差別なく組合員とされていた歴史があったからだと思います。
 したがって、ここで強調したいことは、戦後農協は農民主体が重視されて権利上区別されてはいましたが、最初から地域住民も組合員として発足をしていたことであります。これは、総合経営形態とともに、我が国の農業、農村の社会的、風土的実態を反映した欧米とは異なる日本の特徴で、御承知のように、ICAモスクワ大会のレイドロウ報告でも高く評価されたことです。
 しかも、近年、農業は農協発足時とは根本的に変化して、兼業化、高齢化が進むと同時に、農村の混住化も深化して、農業生産以外の高齢者介護とか児童教育、あるいは災害、環境などの多様な課題が存在しています。そのため、農協が地域の生活インフラとしての役割を果たすことが強く期待され、准組合員も単なる利用者ではなく、農協運動の参加者、パートナーとしている農協も多くなってきています。これは、東日本大震災で農協がおにぎりの配達とかいろんなことをやったことによって特に最近強調されていることであります。しかも、こうした地域住民も含めた准組合員対策を講じている農協は農業生産にも積極的に取り組んでいるわけです。いろんな、今日は全青協の会長もいらっしゃいますけれど、青年部や婦人部あるいは作物生産組織などの組合員組織を多様につくり上げて民主的な運営にも努力しているという特徴が指摘できます。
 つまり、正組合員と准組合員など地域住民に対する事業あるいは取組は、二律背反ではなく相乗効果を発揮して農協運動を発展させていると、これが農協をめぐる現在の状況の私は重要な特徴だと思います。こうした活動が魅力ある農村を建設して、若者の移住を促進することになるのは言うまでもありません。
 それにもかかわらず、農協を専業的農業者の組織として純化すれば、当然、組合員が極めて少数になるわけですね。それだけではなくて、先ほど言ったような地域住民との協同活動が弱体化されて、多様な課題が果たせなくなります。これは、やっぱり現在の農業、農村の健全な発展を阻害する危険性があると私は思っています。そういうような考え方から、私は、今後は、農協が目指す方向は、農を基軸とした職能的地域組合であるというように考えています。
 第三は、非農民的支配と農業、農村改革問題です。
 政府案には、企業論理だけではなく、農業、農村、農協の非農民的支配が総体的に強化される危険性が指摘できます。これは、農業委員の選挙制度廃止、あるいは市町村長による選任、農業団体などからの推薦制の廃止のほか、農業生産法人の事業、役員、構成員要件の緩和などが農協理事構成の改変と一体に進められていることに示されていると思います。
 戦前の産業組合、農業団体は、非農民的勢力の支配により、農民の利益が無視され経済的向上も阻まれたため、戦後の農協は農民主体を基本理念として出発したことはさっき既に述べましたが、私は、ここで言われている非農民的勢力の支配というのは、具体的には政府による権力的な支配というように換言できると思います。先生方も御承知のように、産業組合が昭和十八年に皇軍感謝決議をして農業団体法による統合農業団体となって幕を閉じ、さらに、昭和二十年になっては、勅令として公布された、示された戦時農業団令によって戦争遂行組織となったことは御承知のとおりであります。
 こうした歴史を繰り返さないためにも、私は、政府の農業政策と農協政策で重要なことは、協同組合の価値と原則に基づいた法的枠組みとその支援を講ずることです。これは二〇〇二年のILO勧告が言っていることで、そうした立場でこれからの対応を是非お願いをしたいと。もちろん、そのためには農協人の意識改革も不可欠なのは言うまでもありません。
 第四は、中央会制度廃止と全国統一活動の重要性です。
 政府案は、中央会廃止と全国監査機構を外出しする理由として単協の自主的な取組を阻害していることを強調しています。しかし、歴史的に見ますと、中央会が発足をした一九五〇年代前半は食料需給がまだまだ逼迫していたため、農協、農業団体による技術指導の徹底による農業生産の増大が重要な課題だったわけですね。したがって、政府としても財務処理基準令や再建整備法、整備促進法などを制定して、政府と中央会が一体になって農協経営の改善に図ったわけですね。それがやっぱり農協に対する中央会の指導の徹底ということになったわけですけど、それが今阻害していると言われているのは私は事実に反すると、そういうように思っています。
 また、全中の全国監査機構外出し問題でも、二〇〇七年十二月開催のこの農林水産委員会で当時の若林農相は、農協監査は事業に精通した中央会が行っていると強調され、中央会監査は農協指導と車の両輪となり有効に機能している、及び、指導と結び付かない公認会計士監査は全中監査に置き換えることができないと、こういうことを明言されていたわけですね。しかも、これは、農協監査は非常に長い歴史があって、当然な私は意見だと思います。
 もちろん、農協をめぐる情勢はその後大きく変化して、中央会、農協監査にも改善すべきことはあると思いますが、私は、こうした歴史的な経過と自らの拙い体験を踏まえて、次の理由から農協の健全な発展には全国的総合指導組織が不可欠だと考えています。
 第一は、農協で協同組合の価値と原則に基づいた取組が重要になっていることから、そのためにも組合員が参加した全国の全農協の協同活動が不可欠です。これは全国の総合指導組織があって初めて可能なことです。
 第二は、農協には、事業に関連しない制度、税制問題とか、あるいは事業に関係していても協同で取り組むべき問題があります。そのほかに地域や国政に関わる政策問題があります。従来これらの課題は行政庁への建議に基づき中央会主導でやってきましたが、このことについてこの条文に規制されず広く考える必要があると、これは当時の中央会発足のときの小倉さんが政府委員として言われていたことなんですけれど、こういう観点に立った政策課題への取組は非常に今重要になっています。
 第三は、これも中央会発足のときの国会審議で強調されたことなんですけれど、全国、都道府県の指導組織は一体で、共に協同組合であるべきことです。これは、指導対象が農協であること、もう一つは、地域には多様な農協があるのでそれを指導するためには全国、都道府県組織は一体であることにあると思います。
 以上、非常に抽象的な理屈っぽい話もいたしましたけれど、私は、現在示されている政府案については、協同組合の価値と原則及び戦後の農協の歴史から見て極めて重大な問題が指摘できると思います。協同組合として発展する方向から再検討を諸先生方に是非お願いをしたいと。
 以上で私の発言を終わります。
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山田俊男#10
○委員長(山田俊男君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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山田修路#11
○山田修路君 ありがとうございます。自由民主党の山田修路です。
 参考人の皆様には大変貴重な御意見をお伺いすることができました。ありがとうございます。
 早速ですけれども、質問に入りたいと思います。まず、香川参考人にお伺いをいたします。
 お話にありましたように、全中の中のJA改革の専門委員会の座長として、単協の在り方についてもいろいろ御議論をされてきたということでございます。また、香川さんはJAの広島北部の組合長さんとして、いろいろ資料を見させていただきましたけれども、職員の意識改革にも随分取り組まれてきたということでございます。
 そこで、JAの組合長さんとして、農業者の所得の増大が一つの鍵だというようなお話がありましたけれども、組合長さんとしてどのように取り組んでいかれるつもりなのかということ。それから、お話にもありましたけれども、広島県、中山間の地帯が多くて、あるいはJA広島北部では過疎化や高齢化も進んでいるということなんですけれども、地域振興という意味でやはり単協が果たす役割というのも重要だと思いますけれども、単協の組合長さんとしてどのようなお考えをお持ちなのか、お伺いしたいと思います。
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香川洋之助#12
○参考人(香川洋之助君) まず、農業者の所得の拡大であります。それぞれの農協でどういうように取り組んでいるか、また、私どもの農協でどういうふうに取り組むかということであったのではないかと思います。
 これまでも、農業者の所得拡大と申しますか、農業者が、生産資材の購買あるいは販売についても、極力、他業者と比較しても、それに負けないような価格を出すとか、販売も努力するということはやってきたわけでありますが、ただ、今考えてみますと、まだまだやはり販売等についてはJAとしてやるべきことがあるのではないかというように思っております。
 米等につきましては、私どもは今でもやはりある程度県域等の共同計算方式がいいとは思っておりますが、やはり、それぞれできるところについては、買取り販売、あるいは、高付加価値米といいますか、そういう農産物を作っていただく、それを有利に販売をしていくということ。また、生産資材等につきましては、いろいろな多様な農業者がおるわけでありますが、やはり大きい農業者については、それだけ一遍に量を取ってもらうということになりますと、当然のこととしてから、運賃、コスト辺りも有利になるわけでありますが、それらのことについてはもう少し細やかな対応をして、農業者にある程度やっぱり少しでも利益が残るということ。ですから、所得の拡大なり農業者に利益が残るということをやっぱり考えてからやっていかなかったらいけないのではないかと思います。
 ただ、この農業所得の増大ということになりますと、やはり今、コスト、あるいはそういう努力をしてもなかなか、やっぱり米価でも下がるとか、あるいは今後輸入農産物がどんどん入ってくるということになりますと相対的に、農業といいますか、農産物の価格は低迷するということになりますと、努力しても努力しても所得の向上、上がらないという面がありますので、この辺につきましてはやはり国の施策としても多大な配慮をいただかなかったらいけないのではないかというように思っております。
 もう一点、地域と農協というか、農協の関わりでありますが、中山間地につきましては、地域が元気になるためにはやはり農業が元気にならなかったらいけないということですね。地域と農業は一体のものがあります。したがいまして、今、准組合員問題辺りも提起されていますので、地域の住民を踏まえた中での事業展開をしながらやっぱり地域の農業をみんなで支えていただくというような仕組みづくりがもう是非必要なのではないかというように思っております。
 私ども小さい農協でありますが、そういう意味では、もちろん組合員、准組合員、さらには地域の住民も巻き込んだ格好でJAに結集していただき、地域の活性化あるいは農業振興も支えていただくような取組をしているところでございます。
 よろしゅうございますか。
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山田修路#13
○山田修路君 はい。ありがとうございました。
 香川さん、広島の県の中央会の関係も、これ会長ですかね、今やられておりますけれども、県の中央会も今後組織の見直しが必要になりますけれども、中央会が今度組織替えをするということに伴って、こういうところがちょっと要注意だとか、こういうところについて注意をしていきたいというようなことがありましたらちょっとお伺いしたいと思います。
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香川洋之助#14
○参考人(香川洋之助君) 今、たちまち大規模農家辺りの対応はそれぞれの個別のJAでやっておりますが、やはり個別のJAだけではなかなか対応できないということにつきましては、今年の四月から県域で、これは、信連も、共済連あるいは全農も含めた中で営農支援センターということを連合会を挙げて、もちろん中央会の職員もおります、連合会を挙げてそういう大規模農家については対応していこうではないかということで、今スタッフ十一名おるわけでありますが、もう毎日のように、そういう大規模農家といいますか、これを今登録しておるのが二百ちょっとありますが、それにもう波状的に行って、いろいろと販売も、必ずしもJAと事業が今までつながらなかったところについても行って、どういうような格好で今後、将来とも、その組織が生きる、農業者が生きるためにはどうしたらいいかということについては対応しております。
 ただ、組織問題につきましては、今、広島県のJA、十三JAあります。これは大から小までありまして、貯金の規模からいいますと二十倍も格差があるところでございます。農産物の取扱いにつきましても本当これも一千万もないようなJAもあるわけでありますが、もう一度、やはり農業者の組織として、組織の再編、これも今検討しております。組織の再編というのは、俗に言うやっぱり合併ということも視野に入れて今取り組んでいるところであります。
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山田修路#15
○山田修路君 どうもありがとうございました。
 単協そして県の中央会の立場からのいろんな取組についてお話をお伺いしました。
 天笠さんにお伺いしたいと思います。
 天笠さんは全青協の会長としていろんな活動をされており、また米麦作地帯の大規模農家ということで、そういった農業の面でも大変活動されて、活躍されておられるんですけれども、お話をお伺いしていて、一つ、まだ法案の内容が十分に理解をされていないというようなお話がありました。
 これから施行していくということになりますと、やはり十分理解してもらいながら実施していくことが必要になるんですけれども、この理解をしていただけるように今後どのようなことをしていったらいいんだろうか、これはもちろん政府なりが取り組むべきことでもあろうと思うんですけれども、農業者として、あるいは青年の組織の観点から、こういうことをやったらいいんじゃないかというようなアイデアがあればひとつお伺いをしたいということです。
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天笠淳家#16
○参考人(天笠淳家君) やはり農業という産業は、私も先ほど言いましたけど、およそ九割が家族農業なんですね。それで中山間地守っているのが現状だと思います。この法改正によっていい方に傾くのか悪い方に傾くのか、正直、我々農業者の現場、今分からないのが現状だと思うんですね。だから、先ほど私も言ったように、一人でも多くの青年農業者とできればいろんな意見交換をしていただきたいというふうに思います。
 完全にこの法案こそが、百年たっても農業というものはきちんと残るよ、残せるよ、そしてきちんと守るよと言われるぐらいのものになることが一番意味合いが強いことであって、できればやはりなるべく多くの生産農家の方々と対話をすることがいいんじゃないのかなというふうに思います。
 我々としても、こういう場を提供されていろんな意見を聞いていただけるだけでも感謝申し上げますが、これが実際に法案となって持続可能な農業というのがこれから百年先まで続けるような法案になっていただけることを期待しております。
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山田修路#17
○山田修路君 ありがとうございました。
 対話が大事ということで、本当によく中身を理解をしてもらう、そのことが基本なんだろうというお話でございました。ありがとうございました。
 もう一つ、今日は農業委員会の関係の方がおられないので、天笠さんに。
 大規模農業経営をやっておられるわけですけれども、特に土地利用型ですね。そうすると、規模拡大をするとか、あるいは周りに耕作放棄地があってこれを何とかしようとか、いろんな問題点というんでしょうか、があろうかと思うんですけれども、農業委員会に対して今後こういうことを是非重点的にやってほしいとか、そういうことについて大規模米麦農家としての希望というのか期待というのか、お伺いしたいと思います。
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天笠淳家#18
○参考人(天笠淳家君) 先ほど言われたように、農地中間管理機構というのができました。私、群馬なんですけど、群馬、非常に数字が低いです。やはり耕作放棄地と言われるところもあるんですが、そこは核家族化がどんどん進んでいって、元々おじいさん、おばあさんでやられていたところもあります。そういった方の御子息がみんな地方に分散していってしまって結局管理できないような状況にもなっています。
 私としても、農地中間管理機構がもっと十二分に発揮して、私も土地利用型なんですが、まだまだ大きな面的に集約ができていないのが現状です。私もこの先を狙ってブロックローテーションとかして所得を増やしていきたいというのは当然のことながら考えておりますが、やはり基盤整備がまだまだそこまでは行っていないのも現状なのかなというふうにも思います。
 それから、一つだけお願いしたかったのは、もっと農業委員さんに権限を与えてほしかったんですね。耕作放棄地に対する権限をもっと的確に与えれば、例えば空き缶のポイ捨てであるとか罰則規定であるとか、そういったものも農業委員さんが徹底的に見回ることによって地域はもっともっときれいにもなるし、耕作放棄地もなくなると思います。
 それから、自然というか、中山間地に無理やり造ったようなところでは、やはりもう自然に返した方がいい農地も実際問題ありますので、その辺じっくり検証していただければというふうに私は思っております。
 以上です。
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山田修路#19
○山田修路君 ありがとうございました。
 続きまして、石田先生と北出参考人、両先生にお伺いをしたいと思います。
 それぞれ、法的な観点あるいは協同組合の価値と原則という観点から御意見をお伺いをいたしました。大変貴重な御意見、ありがとうございました。
 現在の農業、農村をめぐる状況を見ますと、そういった法的な、あるいは協同組合としての価値、原則という点からしても、なかなか憂うべき状態にあるんではないかと思います。高齢化が進み、あるいは担い手が不足している、耕作放棄地が生じている、様々な問題が生じていると思います。
 先ほどお話がありました法的な観点あるいは協同組合としての価値、原則という観点から見て、単協が本来あるいは今の現状を踏まえてこういうやっぱり役割を果たしていくことが重要なんじゃないか、ちょっとその法的な側面あるいは協同組合の側面から離れる、あるいは既に御説明のあった部分に含まれていることもあろうかと思いますけれども、そういう現状を踏まえた単協の役割、あるべき活動について、何か御意見があればお伺いをしたいと思います。
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石田正昭#20
○参考人(石田正昭君) 今日はあえて申し上げませんでしたけれども、現在の農協法、これまでの農協法は職能組合かつ地域組合という枠組みで動いてきたわけです。私は、それを忠実にやってきたと、こういうふうに理解しております。
 職能組合というのが、現時点でその組合の、何というんですか、経済的分化、一方では農業法人になる家族経営もございましょうし、また他方のあれでは土地持ち非農家と、こういう現実がございます。
 それで、単協がやるべきことという御質問でございますが、今度の農協法改正案は、いわゆる農業法人だとか担い手層ですか、これに焦点を当てよと、こういう職能組合純化路線を言っているわけです。
 しかし、戦後農協の生い立ちは、戦後自作農を守ると、こういうことでございます。この戦後自作農の中には現在の土地持ち非農家も含まれるわけです。この人たちのことを無視していいのかと。この人たちがこれまでの農協の発展を支えてきたんです。全体の人たちが、簡単に言えば、今までの内部留保とかいうのもそういう人たちの積み上げの下で行われてきたわけですから、農業をやめたら、はい、あなた方、今度、農協法の役割は職能組合純化路線になりましたからそれは満たせませんよということなどはできるはずがない、私はそう思っています。それを強制するというのは何事だと。
 私から言わせれば、戦後の自作農を丸ごと守るというのが本来の単協の趣旨であり、今度の自己改革ではJAグループはその辺りを明確に出していると思います。そのことを理解できない農水省というのは農水省なのかと、本当にそう思います。中小企業庁に行ったらいいというふうに思います。
 以上です。
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北出俊昭#21
○参考人(北出俊昭君) ある立派な農協の組合長をやっていながら県の中央会の会長さんがいらっしゃるわけですけれど、その方に少し前会ったら、その農協ですら協同ではなくて競争なんだと、競争が組合員の人がみんな重視をしていると、みんな協同じゃなくて競争なんですよということになっていると言われたんです。私は、その農協ですらそうだとすれば、これは全国で今言われていることがかなり隅々まで行っているというように感じたわけです。
 御承知のように、戦前は、村落共同体があって、やっぱりみんな助け合う、何だかんだ言いながら助け合うというのがあったわけですね。それが崩れちゃって、それで、それに代わる新しい協同がまだできていないだけじゃなくて、非常に最近崩壊をしてきているという感じがするわけです。
 したがって、私は、非常に抽象的な言い方ですけれど、どこをどうするということではなくて、農協としてやっぱり農村において非常に協同を強化をしていくという役割が一層重要になっているんじゃないかと、だから事業も様々なものもやっぱりそういう視点から取り組む必要があるんじゃないかと、そういうふうに思っています。
 以上です。
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山田修路#22
○山田修路君 どうもありがとうございました。大変貴重な御意見をお伺いさせていただきました。また法案の審議に反映をさせていきたいと思っております。
 どうもありがとうございました。
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郡司彰#23
○郡司彰君 民主党の郡司でございます。
 今日は、貴重な御意見をそれぞれの方からいただき、ありがとうございました。
 時間の関係で簡潔に質問を始めさせていただきたいと思います。
 まず、香川参考人にお尋ねをいたしたいと思います。
 先ほど来から、御自分の単協も大変有数なところだというふうに聞いておりますし、全体の農協としての改革への挑戦をおまとめになられたということでございまして、大変御苦労だなというふうな感じがしております。
 今回の農協法の審議全体に遡って、例えば二〇〇〇年の頃には食料・農業・農村基本法という新しい基本法が作られました。農業団体というのは、食料の安定供給、多面的機能の発揮、農業の持続的な発展のほかに、農村の振興に主体的に取り組むよう努めるというような文言が入っていたわけであります。
 そこで二つほどお尋ねをしたいと思いますが、今回の改正というのはこの基本法の趣旨に沿ったものだというふうに理解をされているのかどうかを簡潔にお聞きをしたいのと、あわせて、これまでいろいろな見方、評価はあろうかと思いますが、一面に例えば農政のことに関して猫の目のようだと、こういうような評価もあったことも事実だと思っております。したがって、これまでの農政を振り返ってみて、今後のことを考えて、今回の法の改正というものは、農家の方々、農協の皆さん方にどういうふうに受け止められていらっしゃるのか、簡潔にお答えをいただければというふうに思っております。
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香川洋之助#24
○参考人(香川洋之助君) 新たな農業・農村基本法と今回の改革がどのようなつながりがあるかということだと思いますが、今回の改革も我々としたら、当初、規制改革会議が出されたときも、非常に、これにつきましては、我々自身も全く農業振興とどこまで関わりがあるかということを思っていたわけでありますが、政府等と十分話をする中でやはり農業所得を増大していこうということを、我々はその方針で今自己改革をやっております。
 ただ、この法案が今から検討されるわけでありますが、やっぱり純化ということになりますと、食料・農業・農村基本計画、やはり農村をどうするかということになると、若干そこら辺りが地域と農業の一体の問題がありますが、農業を産業としてだけ見るということに走ることになりますと、若干そこらがどういうふうに整合性が出てくるのかということは思います。
 それともう一つは、いろいろと六十年間、七十年間、農政は変わってきたわけでありますが、JAも基本的には政府あるいは今の農林水産省の施策に応じて今日まで改革すべきことは改革をしてきたというふうに思っておりますが、今回は出し方、経過が若干違っていたのではないか。
 本来、もし農政が大転換するんだったら、あらかじめ、我々中央会というものがありますし、ひとつ日本の農業はこういうような方向に行くので、あなたの農協組織もこういうふうにしたらどうですかという話合いがあってしかるべきが、だまし討ちのように、突如として規制改革会議の中で、中央会は廃止、あるいは株式会社組織、連合会はしなさいとか、准組合員の問題辺りがぽつんと出された。何か戸惑いを感じております。
 ですから、今回はもう、一応我々は、こういう方向で国の方も行くということが決まったら、そのような格好の中で組合員、農家の農業振興、所得をどうするかということをやっていきますが、せっかく我々JAグループ、組織をきちっとつくってやっていこうと思うんだったら、やっぱり事前に十分な話合いをしていただくようにお願いをするところであります。正直に言いまして、今回はこの導入のところで何かまだまだ不信というのは残っていることも確かであります。
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郡司彰#25
○郡司彰君 次に、石田参考人にお尋ねをしたいというふうに思います。
 今日は時間の制約もあっていろいろとお述べになれないこともあったんだというふうに思いますが、先年、協同組合年というのがございました。私どもも、できれば国会として、基本的な憲章でありますとか、また、更に進んでは、これまでの戦後の生い立ちの中で各省庁ごとに管理をされてまいりました協同組合というものを、基本法的なものを作るということも必要なのではないかという思いを持ってまいりましたけれども、そのことについて御意見があれば伺いたいと思います。
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石田正昭#26
○参考人(石田正昭君) 今回の農協法改正案を見て、協同組合原理、原則等をほとんど無視というのですか、答弁聞いていますと、我々の関知しない、配慮はするけどというような表現だったと思いますが、やっぱりそれは、基本的に省庁横断的な枠組みを持っていない日本の協同組合法の限界がそこに出てきているというふうに思います。韓国なんかは、今の法、それぞれの分立した協同組合法を否定するんじゃなくて、その上にブリッジを架けるような協同組合共通法みたいな、こういうものが作られております。
 そういう形でこれからも、これまでも協同組合学会ではそういう取組をしていると思いますが、そういう方向を支援するような政府であるというのが本来の在り方であって、今回のは全く正反対。更に言えば、現場から見れば、農林水産省の枠内だけでも農協、漁協、森林組合と、こうございますから、この枠内のブリッジ架けるような発想がなければ、次のステップで、協同組合憲章というのはその次のステップに行くぐらいのレベルだと、こんなふうに思っています。
 以上です。
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郡司彰#27
○郡司彰君 重ねてお尋ねをしたいというふうに思います。
 八条について言及をされておりました。私もこの八条は、結果としては分離、分割、分社、解体につながるようなおそれがあるのではないかなということをさきの質問のときにもさせていただきました。農水省は財務省の方にお任せをするんですかと、こんな質問もさせていただきましたけれども、この一連の八条の行き着く先ということについて、私からすると、農水省、何に屈服をしているのかなという感じがするんでありますけれども、お考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
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石田正昭#28
○参考人(石田正昭君) 基本は総合農協でございますので、信用事業を営む、あるいは共済事業を営む、それで信金、信組ですか、これと同等の経営力というか、そういう社会的責任を負うんだと、こういうことだと思いますが。株式会社等々も含めてやはり、あるいはここで申し上げた会計士監査も含めて、将来的に例えばTPPというような問題でISD条項等々出てくるわけでございますけれども、そういうところで攻められないような体制づくりを急いでいると、良く言えばそういうことなんだろうなと。農水省をここまで、今議員が御質問になったことについてあえて考えればそういうことがあるのかなと、こんなふうに思います。
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郡司彰#29
○郡司彰君 私どもが今口にしていることが杞憂になればそれはそれで結構なんでありますけれども、例えば大坂の夏の陣、冬の陣、外堀等が埋められまして、その次に関ケ原の合戦で結局はというような歴史も私どもは知っているわけでありまして、こういうような一連の流れ、今回で終わるのではなくて、本丸はこの次また改革という名前であり得るんだということが予測されますでしょうか。石田参考人、お願いします。
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