神本美恵子の発言 (文教科学委員会)
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○神本美恵子君 おはようございます。民主党・新緑風会の神本美恵子でございます。
私も小学校の教員を二十一年間やってまいりました。しかし、既に学校現場を離れて、数えてみますと三十年、いや、三十年もないかな、二十年ほどたっております。一九七〇年からでした。離れたのが九六年ですので、二十年ぐらいですね。
学校教育法の改正ということで、この前、十日町市の下条小・中学校に視察に行かせてもらいまして、先生方や子供たちの姿を見ながら、本当に、一緒にやっていくというか、子供の育ちをずっと見られるというのはいいなということは正直感じました。
ただ、私自身の経験から言いましても、戦後、私自身の経験は小学校六年生、中学校三年生、その小学校の間子供に寄り添ってきたという経験なんですが、この六三制しか経験がないんですね。今回の小中一貫教育を行うための義務教育学校をこの一条校に加える、新しい学校種をつくるということについて、見てはきましたけれども、制度的にこれをしていくということは本当に新しい経験ですので、非常に不安とか懸念がございます。
その前に、私、小学校の三、四年生を受け持った子が、もう三十年ほど前になるんですけれども、この間、この資料を読みながら思い出したことがございます。中学校二年生になった女の子の御両親から電話があって、私はもちろん隣の市にもう異動して、子供とも離れて長かったんですが、子供が学校に行けなくなりそうだということで、先生に会いたいという御両親からの電話がありまして、じゃ、いついつの日曜日どうぞということで、御両親に連れられて中学二年生にもうなっている女の子が私のアパートに参りました。先生と二人っきりで話したいと言うからということで、御両親は下で車で待っていらしたんですけれども。
その子の話によると、中学校に行って一年生のときは良かったんだけれども、二年生になって急に授業の中で、その子はとても活発な女の子だったんです、小学校のときは。授業中でも何でも質問をしたり、友達と交流をしたりができたんですけれども、そのまんま上がっていったら、おまえ質問するなよ、授業が進まないじゃないかと周りの子から言われると。それで、お掃除とかいろんな活動の中で活発に友達、男女を問わず注意したり、こうやろうよというようなことをやるリーダー的な女の子だったんですが、それが出しゃばりだと言われるというようなことがどんどん重なっていって、あんなに元気だった子が本当に沈んで、表情も全くもう消えてしまうような状態になっておりました。部活動においても、テニスに入っていたけれども、ペアを組んでくれる人がいない、おまえは駄目だと言われて、女の子からも排除されるというようなことで、本当に精神的に参ってしまって、御両親は何度も会社休んで担任の先生と話をしたりしてきたけれども、もうこれ以上学校に行けないというふうになっているから、先生に会いたいというその一言にすがって連れてこられたわけですね。
私もどうしていいか分からなくて、もうその子と世間話というか、その後どうだったとか、あの子はどうしているかなとかいう話をしながら二時間ほど話をして、ただ、私としては、あなたが三、四年生のときにあんなにきらきら輝いて、あなたが授業中に質問することも友達を注意することも、それはとても大事なことだと、その個性を責める方が悪いんだということで、私はもうそのことだけをその子に伝えたんですね。
それから、それが終わった後、もう高校を卒業した頃、もう一度ほかの教え子とも一緒に会ったんですが、そのときはもうすっかり元気になっていて、何がどうなって変わったのか分かりませんけれども、そういう意味では、私はその話を受けて中学校の先生にどなり込みに行こうかと本当に気持ちがはやったんですけれども、いやいや、それは中学校は中学校のやり方があるという思いで、小学校のやり方、文化と、中学校の文化のギャップをとても感じました。
ですから、小学校と中学校の教職員の意識改革というようなものありますけれども、そういったものを本当に連携、交流しながらお互いの良さと、それからお互いの行き過ぎた指導の在り方というものを、何というか、見直していくということはとても重要だと思います。
ですから、小中一貫教育ということで連携を強めていくということは、私は本当に、九年間あるいは高校に行って十二年間、子供の育ちをずっと見守り、寄り添っていくということは大事だとは思いつつ、先ほど言いましたように、義務教育の六三制という、戦後七十年間、日本はその制度でやってきたわけですし、諸外国からも日本の義務教育というのは高く評価をされているということがあります。ほかの国で五四三とか五三四とか五四四とか様々な学制を取っているところも、今、六三三に行き着いているというようなことも読んだことがございます。
そこで、大臣に質問したいんですけれども、この戦後の日本の教育というのは、新しい憲法ができて、教育基本法ができて、その下で、平和と民主主義の国家建設のためにということでこの義務教育が果たしてきた役割というのはとても大きいものだというふうに私は思っております。
その義務教育の中でも、先ほど二之湯先生もおっしゃっていましたように、日本全国どこに生まれ育っても、どんな地域でどんな家庭に生まれ育っても、全ての子がひとしく教育を受ける機会が与えられる、教育を受ける権利を行使できる、しかも、一定水準以上のものが受けられるというようなこの単線型と教育の機会均等というのが私は世界に冠たる日本の義務教育制度だと思いますけれども、今回、新たな学校種を設けるということはその根幹が変わるのではないかというような懸念も持ちつつなんですが、大臣にまず、この戦後の日本の教育制度、特に学制が果たしてきた役割についてどのように評価されているか、お伺いしたいと思います。