川田龍平の発言 (本会議)

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○川田龍平君 維新の党の川田龍平です。
 会派を代表し、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 今回のISIL、いわゆるイスラム国による邦人人質事件は、許し難い暴挙であり、一刻も早く無事に解放されることを切に望みます。
 増え続けるテロ被害から国民を守る安全対策が急がれると同時に、国民生活も苦しくなる一方です。
 所得再分配機能は予算の重要な機能の一つですが、昨年四月の消費税の八%への引上げで一番苦しんでいる低所得者層や障害者や難病患者など社会的弱者と言われる方々に対して、今回の補正予算は所得再分配機能を十分に果たしているとは思えません。我が党が常々主張しているように、まずは徹底した規制改革と地方分権、そして歳出削減を行うことで、国民生活と中小企業を苦しめ、税収を減らす結果になる消費税増税をこのタイミングでやらずとも済むはずです。
 そしてもう一つ、日本では命の安全保障である社会保障もまた危機に瀕している状態です。
 国家の急務として、例えば持続可能な国民皆保険の維持、賃上げ、原発事故後の健康被害対策など、法整備や予算にもっと力を集中すべきではないでしょうか。予算を大胆に組み替えて、必要なところに必要な予算を確保するべきです。総理のお考えをお聞かせください。
 今年は薬害エイズ裁判の結審から二十年になります。十九歳だった私は、原告として厚生大臣と真正面から向き合い、政治が動くことの大きさ、動けば変わるということを身をもって知りました。
 国会議員八年目を迎えますが、HIV治療薬の進歩や妻の支えのおかげで、先日三十九歳の誕生日を迎えることができました。十歳で感染告知を受けてから、大人になるまで、成人になるまで生きられるとは思っていませんでした。誕生日が来るたびに感じる感謝の気持ちを今生きている子供たちにも感じてほしい。命が最優先される社会の実現のためにこれからも全力を尽くします。
 命の安全保障について質問いたします。
 政府は、ドラッグラグに苦しむ患者を救うという名目で患者申出療養制度を新設し、保険外併用療養を拡充する法案を提出予定ですが、救われるターゲットであるはずの国内最大の患者団体、日本難病・疾病団体協議会が強く反対をしています。なぜでしょうか。我が国の国民皆保険制度が形骸化する危険があるからです。
 保険証一枚あれば全国の医療機関で平均水準以上の医療を安価で受けられる日本の皆保険制度は、世界から高く評価をされています。我が国では、医療は憲法二十五条に基づいた社会保障であって、政府には国民の命を守る責任があります。しかし、医療を商品として市場に委ねている米国では、政府は薬価交渉権を持たず、企業が自由に値段を付けるために、医療費も医療保険もびっくりするほど高額です。医療費が国家財政を圧迫し、医師の自殺が多く、医師不足が深刻化しています。日本を決してこのようなことにしてはなりません。
 患者申出療養制度が自由診療を増やし公的保険医療の範囲を狭めれば、治療費が払えなくなる国民は民間保険との二本立てにせざるを得なくなるでしょう。新薬も保険適用外となれば製薬会社の言い値で全額自己負担となり、米国同様に医療費がどんどん高くなるおそれがあります。
 国民皆保険制度で命を救われている当事者の一人として申し上げたい。経済成長も国の発展も、国民の命と健康があってこそです。憲法二十五条を基盤にしたこの制度を決して形骸化させることのないよう、その大きな責任を負う政府のトップとしてしっかり守っていただきたい。総理、お約束していただけますでしょうか。
 次に、震災以降、命の安全保障の一つとして成立したにもかかわらず棚上げにされている子ども・被災者支援法について伺います。
 福島県の健康調査で見付かった甲状腺がん又は疑いの子供たち百十二人のうち、手術した八十五人は悪性度の高い症例がほとんどでした。二回目の検査では、さらに甲状腺がんの疑いが四人出ています。この現状にもかかわらず、最初八割以上あった受診率が二回目は四割以下に激減しており、被災者の健康支援という本来の目的から遠ざかってしまっています。
 政府はこの国の医療費増大に警鐘を鳴らしていますが、ならば、医療費削減政策の最重要事項である予防医療としてこの健康調査受診率をもっと上げ、子供たちの甲状腺がん調査を長期にわたり続けるよう働きかけるべきではないでしょうか。
 被災者の苦しみと将来への不安、それを救済しようとする議員たちが全党一致で成立させた子ども・被災者支援法を決して風化させてはなりません。総理の見解をお聞かせください。
 国連科学委員会の評価では、福島県外でも同等の汚染が広がっているとされています。子ども・被災者支援法十三条の二にも、子どもである間に一定基準以上の放射線量が計測される地域に居住したことがある者の健康診断は生涯にわたって実施すると明記されています。安倍総理、一体福島県外での子供の甲状腺検査はいつになったら国の責任で行われるのでしょうか。
 次に、この国において命に関する大きな問題の一つ、自殺対策について伺います。
 自殺対策推進予算は毎回補正で計上されていますが、予算が打ち切られる懸念があると、自治体が本腰を入れません。厚生労働省に移管する二〇一六年度以降は、今回の補正と基金残額を合わせた予算三十六億円分を是非本予算で確保していただきたいと思います。総理大臣に決意を伺います。
 また、今回の補正による交付金は、年度をまたぎ新年度においても活用してもらうべきと考えますが、麻生財務大臣、いかがでしょうか。
 次に、私のライフワークである薬害問題に関連する質問をいたします。
 臨床研究推進予算が合計二十三・三億円計上されていることは、新薬を待ち望む難病患者の一人として大変期待するところです。しかし、その一方で、ここ数年、ディオバン事件など、研究現場と製薬業界の癒着による臨床研究の不正が相次いで発覚しています。私は、薬害被害者の一人として、臨床研究における被験者の権利保護と製薬企業の資金提供を透明化する法整備が急務と考えます。
 昨年、政府の検討会でも法制化方針が直言されているにもかかわらず、今国会への提出を見送る可能性が高いと聞いていますが、本当でしょうか。この問題は日本の臨床研究の信憑性を著しく傷つけており、放置すればするほど悪化していきます。今国会で是非法案提出をお願いいたします。塩崎厚生労働大臣、お答えください。
 私のような難病患者の長年の願いであった難病法が昨年成立し、消費増税分の使途として難病対策の予算が法定化されています。この夏には医療費助成を開始するとのことですが、前にもそう言ってずるずると延期されたという記憶があり、今回も先送りされるのではないかと患者は不安になっています。病気と闘う難病患者にとっては一日一日が非常に貴重です。全面施行を何月に行うのか、難病対策に熱心に取り組んでくださっている安倍総理の口から是非この場ではっきりとお答えいただけますでしょうか。
 新年早々、障害者福祉、報酬減額へという報道が流れました。政府内で検討の結果、現状維持との方針が内定したようですが、これは物価上昇分を勘案すると実質マイナスです。
 現場の実態を御存じでしょうか。高齢者介護と同様、障害福祉の現場でも人不足が深刻化しています。この状況で報酬を上げることなしに障害福祉サービスに携わる人材をいかに確保していくおつもりなのか、塩崎厚労大臣、お答えください。
 学校での性教育も不十分な小学校高学年から子宮頸がんワクチンを勧奨する倫理的問題については、かねてより山谷大臣と私は強い懸念を共有し、全国で深刻な副反応事例が起きている問題について共闘してきたところです。
 厚労省は、B型肝炎ワクチンの定期接種化も検討しているようですが、どちらのワクチンもアジュバントという免疫増強剤にアルミニウムを使っており、更なる副反応被害が心配されます。ワクチンに副反応は付き物ですが、子宮頸がんワクチンの場合は、その発生率がこれまでの子供向け定期接種の約七倍、インフルエンザワクチンの約四十倍と非常に高いことを見ても、今も強い懸念を拭えません。B型肝炎についても同様です。定期接種化に踏み切る前に、その安全性と必要性についてもっと慎重かつ長期の検証が必要です。
 命の問題は被害が起きてしまってからでは取り返しが付きません。塩崎厚労大臣、いかがでしょうか。
 最後に、安倍政権になってから国会審議がおろそかにされることが目に余ります。今国会はいまだに提出法案が決まっておりませんが、現時点で予想される法案は、どれもこの国の制度や根幹、国民生活を大きく変える重要なものばかりです。
 繰り返すようですが、命の安全保障については、取り返しの付かないことを引き起こさないためにも、特にしっかりやっていただきたい。丁寧な議論なしで拙速に法案を通してしまうことは有権者への背信行為です。参議院は良識の府、再考の府です。国政選挙のない今年は、是非ともしっかり時間を取り、充実し徹底した国会審議を行うよう強く求め、私の代表質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 川田龍平

speaker_id: 22154

日付: 2015-01-28

院: 参議院

会議名: 本会議