本会議

2015-01-28 参議院 全64発言

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会議録情報#0
平成二十七年一月二十八日(水曜日)
   午前十時一分開議
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○議事日程 第二号
  平成二十七年一月二十八日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
 第二 国務大臣の報告に関する件(平成二十五
  年度決算の概要について)
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○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
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山崎正昭#1
○議長(山崎正昭君) これより会議を開きます。
 日程第一 国務大臣の演説に関する件(第二日)
 去る二十六日の国務大臣の演説に対し、これより順次質疑を許します。柳田稔君。
   〔柳田稔君登壇、拍手〕
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柳田稔#2
○柳田稔君 民主党・新緑風会の柳田稔です。
 会派を代表しまして、財政演説に対し、質問をいたします。
 民主党は、年末の衆議院選挙において改選前より多い議席を獲得させていただきましたが、いまだ党勢の回復途上にあり、国民の皆様から十分な信任を得られているとは言い難い状況と痛感しました。
 民主党においては、党員、サポーター、地方議員、国会議員により開かれた代表選挙を行い、岡田新代表の下、本格的な活動を開始いたしました。民主党が二大政党制の一翼を担い得る政党として再生できるよう、私もその一員として全力を尽くしていく決意です。
 個別政策の議論は重要ですが、よって立つ理念、主義主張を明確にすることこそ政党政治の基本であると考えます。民主党は、いま一度結党時の原点に立ち返り、二年前に決定した綱領に基づいて今後の党活動、政策立案に取り組んでいきます。
 民主党は、生活者、納税者、消費者、働く者の立場に立ち、政治改革、行財政改革、地域主権改革、規制改革など、政治、社会の大胆な変革に取り組みます。
 一人一人がかけがえのない個人として尊重され、多様性を認めつつ互いに支え合い、全ての人に居場所と出番がある、強くてしなやかな共に生きる社会をつくること、国を守り国際社会の平和と繁栄に貢献すること、憲法の基本精神を具現化すること、国民とともに歩むことに力を注いでいきます。
 それでは質問に入ります。
 まず、平和と外交についてお尋ねします。
 いわゆるイスラム国により日本人が拘束されるという事案が発生しました。罪のない人命を盾に取り、脅迫、要求する残虐で卑劣なテロ行為は絶対に許されるものではありません。非常に厳しい情勢ではありますが、民主党としても、政府の外交努力をしっかり後押ししていきたいと考えています。
 中東やイスラム諸国においては、戦後日本の驚異的な経済発展に対する評価と併せて、西洋とは異なる文化や価値観を持ち、また唯一の被爆国として、国際平和に積極的に貢献する日本の姿に対し、好意的な感情を持つ人々が少なくありません。憲法九条に基づく平和主義国家としての日本の外交姿勢が国際的にも高く評価されてきたことがその要因の一つです。
 これら日本に対する好意的イメージこそが、日本の有するアドバンテージであり、西欧諸国にはない強みです。これを維持することが今後の対応にとって非常に重要であると私は思いますが、この点、安倍総理の御見解をお伺いします。
 さらに、日本の戦後一貫してきた平和主義が安倍内閣で変わるのではないかという点について質問します。
 今年は太平洋戦争終結から七十年の節目の年に当たります。安倍総理は、戦後七十年に当たっての談話について、村山談話を含め、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継ぐとしつつも、日本としてアジア太平洋地域や世界のために更にどのような貢献を果たしていくのか、世界に発信できるようなものを英知を結集して考え、新たな談話に書き込んでいく考えであることを表明されました。
 しかしながら、総理の考える積極的平和主義が、これまで以上に自衛隊の海外での活動範囲を広げ、武力による日本のプレゼンスを国際社会に示すことで国際社会にアピールすることが目的だとしたら、それはこれまでの歴代内閣や民主党の立場とは異なるものだと言わざるを得ません。
 皆様御存じのとおり、日本国憲法第九条第一項には、「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」と記されています。すなわち、国際紛争の解決のために武力を用いないことを明確にしているのです。であるからこそ、戦後五十年における村山談話では、責任ある国際社会の一員として国際協調を促進する方針を示すとともに、それだけではなく、武力を用いない国際平和を希求する観点から、国際的な軍縮を積極的に推進していくことが肝要と記されているのです。国際協調と軍縮、これこそが憲法九条の理念に基づいた日本独自の国際貢献策ではないでしょうか。
 安倍総理の言う積極的平和主義からは、この観点、すなわち憲法九条に基づく日本独自の国際平和への貢献策に関してオリジナリティーが見えてきません。安倍総理の言うように、歴代内閣の立場を踏襲した談話とするのであれば、この点の有無が重要なポイントです。予定される七十年談話について、総理のお考えをお尋ねします。
 次に、核兵器廃絶についてです。
 世界唯一の被爆国である我が国は、核兵器廃絶に向けた国際社会の取組において大きなプレゼンスを有しているとともに、多くの国々からの期待を背負っています。我が国は、日本国憲法の根本規範である平和主義を基調にして、戦争による惨禍がこの世界に繰り返されることがないよう、国際社会の平和と安定に全力で取り組んでいかなければなりません。
 特に民主党政権時代においては、日本、オーストラリアを主導とする有志国グループにて、軍縮・不拡散ネットワーク、略称NPDIを発足させ、国家横断的なネットワークにて、核兵器や核保有国を増やさない取組に着手しました。NPDIは自民党政権においても引き継がれ、昨年四月には広島にて第八回のNPDI外相会議が開催され、広島宣言が採択されました。また、今年は、五年に一度開催されるNPT再検討会議が開催される予定です。
 しかしながら、核兵器廃絶に向けての安倍内閣の取組と意欲は希薄であるとの感を禁じ得ません。総理の掲げる積極的平和主義においては、抑止力強化や防衛体制構築、日米同盟強化、防衛装備等における技術協力などが中心となっています。本来ならば、積極的平和主義とは、唯一の被爆国としてのプレゼンスを生かす等、これら核兵器廃絶の取組こそ中心となるべきではないでしょうか。
 そこで、総理にお尋ねいたします。
 今年開催予定のNPT再検討会議を始めとして、核軍縮、核兵器廃絶への取組についてどのようにお考えになっておられるのでしょうか。総理の掲げる積極的平和主義における位置付けも含め、総理のお考えをお尋ねします。
 次に、自然災害についてお尋ねします。
 昨年は、広島市の土砂災害や御嶽山の噴火でも多くの方々が犠牲となりました。亡くなられた皆様に改めて心からお悔やみを申し上げます。
 我が国は、地震を始めとする様々な自然災害に常に襲われる国であるという厳しい認識を持たなければならないという思いを新たにしました。政府と地方自治体においても、個々の災害を決して想定外だったということで終わらせるのではなく、従来の想定、行動基準、マニュアルなど、詳細に点検し直す必要があります。
 国会でも、昨年、土砂災害防止法の改正案を成立させました。この改正法だけで十分というわけではありません。住民の皆様の理解と協力なくして防災は成り立ちません。
 政府においては、国土強靱化の言葉ばかりが躍り、災害対策を地方自治体任せにするのではなく、ソフト面での体制づくりにも力を入れていただき、国と地方自治体、そして住民の皆様が密接に連携できる災害対策こそが求められているところだと考えます。
 総理大臣の御見解と、多発する災害に立ち向かう御決意を改めてお聞きいたします。
 去る一月十七日は、あの阪神・淡路大震災から二十年という節目の日となりました。天皇皇后両陛下にも神戸にお越しいただき、追悼式典が開かれました。あの震災で犠牲となられた皆様の御冥福を改めてお祈りするとともに、被災地の真の復興とは何なのかを改めて問い直される一日となりました。外遊されていた総理は、陛下御出席の追悼式典を御欠席されました。なぜ二十年という節目の追悼式典を欠席し、外遊されたのでしょうか、お答えください。
 戦後最大の都市直下型地震となった阪神・淡路大震災から二十年がたち、国の最高責任者として、この大災害を受けた教訓は一体何だったのか、国としてこうした都市直下型地震災害にどう立ち向かっていくのか、御決意、御見解をお聞きいたします。
 東日本大震災から、はや四年の月日が流れようとしています。震災からの復興を進めるに当たっては、もちろん与党も野党もありませんし、党派的対立を持ち込むなどもってのほかでございます。安倍総理は、内閣の基本方針として、復興の加速化を第一に掲げ、まず何よりも閣僚全員が復興大臣であるとの認識を共有し、省庁の縦割りを厳に排し、現場主義を徹底するとしていることは素直に評価いたします。
 しかし、被災者の心に寄り添いながら、東日本大震災からの復興、そして福島の再生を更に加速していくと言いながら、あの原発事故以降に福島県に行ったこともない政治家を経済産業大臣に任命したのには驚きました。復興道半ばの昨年の冬、被災各市町村が最も多忙な時期に平然と解散・総選挙を行ったことも理解に苦しみます。
 この国会では地方創生なる言葉が躍るのでしょう。以前は成長戦略実現という言葉も躍っていました。被災地の皆様から見れば、こうした躍る言葉の陰で被災地が忘れ去られてしまうのが不安なのであり、地方創生ができれば復興も進む、成長戦略が実現すれば復興も進むでは、いかにも他人行儀に聞こえます。
 総理、被災地の皆様に声が届くよう、被災地、そして福島の復興なくして日本の再生はない、震災復興が第一であるとの御決意を改めてお聞かせください。
 また、被災各地から聞こえてくる声として、来年度で区切りとなる集中復興期間が延長されるのかどうかという問題があります。先ほども申し上げたように、被災地が忘れ去られるのではないかという漠然とした不安感は日々広がっているように思います。集中復興期間の延長について政府ではどのように検討が進んでいるのか、被災地の皆様に安心して生活の再生に取り組んでいただけるよう、総理大臣の見解をお伺いします。
 次に、格差拡大についてお尋ねします。
 さきの総選挙においてアベノミクスが争点になりましたが、自民党の、大都市、大企業、富裕層だけが発展して、下にはおこぼれが行けばいいとするトリクルダウンに対して、私たち自身が民主党の経済政策の基本理念をしっかりお伝えすることができなかったと思います。
 民主党は、個人の自立を尊重しつつも、格差を是正して、一人一人が能力を発揮しやすい社会をつくっていくことに全力を注ぎます。各地域、中小企業が経済を引っ張っていけるよう、とりわけ若者、女性、高齢者へのきめ細かい支援を行い、厚みのあるボトムアップ経済への転換を図ることが民主党の経済政策の大原則であります。
 様々な格差の一つとして、まず都市と地方の格差についてお尋ねします。
 都市と地方の格差は、地方都市におけるシャッター街が象徴するように、以前から課題として提起され、これから進む高齢化と人口減によって将来的に全国の地方自治体の半分が消滅する可能性があると指摘されています。都市部との格差が更に広がりかねない地方の活性化は急ぐ必要があります。
 しかし、政府の掲げる地方創生は、これまでと同様の国主導の経済中心の視点になっていないでしょうか。国のまち・ひと・しごと総合戦略を見ると、二〇二〇年までの五年間累計で東京圏から地方への十万人の人材還流や地域若者雇用の三十万人創出などの数値目標ばかりが並び、それを実現するための具体的な処方箋は見受けられません。そればかりか、政府の戦略を地方も倣えと地方版の総合戦略の策定を要請し、それに沿ったところに交付金を支給するとすれば、単なる国主導の経済対策にしかなりません。
 あくまでも地方創生は、地方の考えで、眠っていた知恵と地域独自の居場所感が十分発揮される仕組みづくりを進めるとともに、それを推し進めるため資金面で国が支えるというスタンスで構築すべきです。
 地方創生はどのようにあるべきか、総理に理念をお聞きいたします。
 また、二十六年度補正予算案で千七百億円の地方創生先行型新交付金の配分が盛り込まれていますが、二十七年度当初予算ではこのような新交付金は計上されていません。恐らく補正予算で二十七年度も乗り切るということでしょうが、そうした一回限りのような交付金で五年にわたる地方版総合戦略の実施を見通すことは地方にとっても不安な要素です。
 自由度の高い一括交付金のような制度を恒久化していく所存があるかどうか、総理にお聞きいたします。
 また、補正予算案では、消費喚起や生活支援を目的とした二千五百億円の交付金が新設されました。地元の商店街で使う商品券や、ふるさと名物の購入に使う商品券の発行などの事業が消費喚起効果の高いものとして挙げられていますが、果たして即効性はあるのでしょうか。
 二〇〇九年には、経済不安や物価高騰に直面する家計への緊急支援策として定額給付金約二兆円が家計に給付されましたが、内閣府の調査によると受給額の二五%しか消費が増えなかったとされており、効果は限定的であったと見られております。
 今回の交付金について、過去の反省は生かされているのでしょうか。総理の見解をお伺いします。
 次に、世代間の格差についてです。
 社会保障の支出が高齢者に手厚く、子供や子育て世帯には手薄であることなどから、社会保障の世代間格差が指摘されています。そのため、年齢にかかわらず、支える余力がある人がそうでない人を支える観点も取り入れて格差是正を図ることが必要だと考えております。
 しかし、安倍政権では、支える余力がない人にも負担を求めることになりかねない検討が進んでいます。例えば、安倍政権は、現在の高齢者の年金と現在の若い世代が将来受け取る年金を調整するため、年金のマクロ経済スライドを物価、賃金の伸びが小さい場合でもフルに発動できるようにすることなどを検討しています。現在の若い世代が将来受け取る年金を確保する、そのことは大変重要な課題でありますが、やり方によっては今の高齢者の年金の目減りが大きくなり、年金受給者の生活が立ち行かなくなってしまうおそれがあります。
 マクロ経済スライドを見直すに当たって、具体的にどのような制度設計をお考えなのでしょうか。総理の答弁を求めます。
 子供の貧困は特に深刻です。
 十七歳以下の子供の貧困率は、二〇一二年に一六・三%と過去最悪を記録し、子供六人に一人が貧困の状態にあると言われています。貧困問題は深刻な社会問題です。
 民主党は、中学生までの子ども手当、高校の実質的授業料無償化を実現しました。その結果、高校中退者が激減しました。一方で、昨年八月に子供の貧困対策に関する大綱が閣議決定されましたが、この大綱では貧困削減に向けた具体的な数値目標は示されず、即効性のある経済支援もありませんでした。
 私は、子供の貧困対策こそ早急な対応が必要だと考えております。対策を一年、二年と遅らせるうちに子供は大きくなってしまいます。日本の未来をつくる子供たちの貧困問題について、総理はどう対応するお考えでしょうか。お聞かせください。
 働く人の格差も深刻です。
 二〇一二年に千八百十三万人であった非正規雇用の人数は、二〇一四年十一月時点で二千十二万人になり、安倍政権で約二百万人増えたことになります。
 平成二十五年分の国税庁の民間給与実態統計調査によれば、正規雇用の平均給与が年収ベースで四百七十三万円であるのに対して、非正規雇用の平均給与は何と百六十八万円と、約三百万も格差があります。にもかかわらず、安倍政権は昨年、二度にわたって、正社員と派遣労働者の均等待遇の確保がないまま、派遣労働者を増やす労働者派遣改悪法案を提出しました。低い処遇の非正規雇用労働者が更に増えてしまいます。
 労働法制の改悪によって潤うのは、働く人を都合よく使うことばかりを考えている企業なのではありませんか。総理の答弁を求めます。
 最後に、民主党は、全ての人に居場所と出番がある、強くてしなやかな共に生きる社会をつくるために、今国会でも精いっぱい努力していく所存でございます。ここに決意を表明し、私の代表質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。拍手
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
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安倍晋三#3
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 柳田稔議員にお答えいたします。
 中東・イスラム諸国の対日感情及び我が国のイメージについてお尋ねがありました。
 政権発足以来、この二年間で多くの中東・イスラム諸国を訪問してきましたが、中東・イスラム諸国には日本に対して好意的な感情を抱いている人々が多いことを実感しています。これは、日本が長い歴史と伝統を守りつつ近代化に成功したこと、自由で民主的で、人権を守り、法の支配を尊重する国としてアジアや世界の平和や発展に貢献してきたこと、世界有数の経済力と科学技術力を有し、伝統文化やクールジャパン、おもてなしの心にあふれていることなどによるものであり、今後もこのような好意的なイメージを維持し、強化していくことが重要であると考えています。
 戦後七十年の談話についてお尋ねがありました。
 我が国は、戦後七十年の間、さきの大戦の深い反省とともに、ひたすらに自由で民主的で、人権を守り、法を尊重する国をつくり上げ、アジアや世界の友人たちの平和と発展のためにできる限りの貢献を行ってまいりました。
 戦後七十年の談話については、さきの大戦への反省、戦後の平和国家としての歩み、今後、日本としてアジア太平洋地域や世界のために更にどのような貢献を果たしていくのか、次の八十年、九十年、百年に向けて日本はどのような国になっていくのかについて、世界に発信できるようなものを英知を結集して考え、新たな談話に書き込んでいく考えであります。具体的な内容は、今後、有識者の御意見を伺いながら政府として検討していきます。
 これまで申し上げているとおり、安倍政権としては、村山談話を始め、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでおり、今後も引き継いでいくとの立場であります。
 核軍縮、核兵器廃絶に向けた我が国の取組についてお尋ねがありました。
 世界で唯一の被爆国として、核兵器のない世界の実現に向け、国際社会の核軍縮・不拡散に関する取組を積極的に主導することは我が国の重要な使命です。
 四月からニューヨークで開催される二〇一五年NPT運用検討会議などを通じ、我が国は、国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から、核兵器のない世界の実現に向け、引き続き積極的に取り組んでまいります。
 行政と住民が連携した災害対策についてのお尋ねがありました。
 災害から国民の生命と財産を守るためには、国と地方自治体、地域住民の方々など、関係者全てが連携して災害に備え、対応することが重要であります。
 政府としては、地域住民による防災訓練、物資の備蓄、地域の特性に応じたコミュニティーレベルでの防災活動などを内容とする地区防災計画の策定など、住民が主体となった取組を促進し、自助、共助、公助のバランスが取れた災害対策を推進してまいります。
 我が国は、場所を問わず、様々な災害が発生しやすい環境にあります。常に最新の科学的知見を取り入れつつ、ハードとソフトの対策を適切に組み合わせた総合的な防災対策に今後とも政府一丸となって取り組んでまいります。
 先般の中東訪問と阪神・淡路大震災二十年追悼式典についてお尋ねがありました。
 中東地域の平和と安定は、我が国にとりエネルギー安全保障や国際的な課題への貢献等の観点から極めて重要です。私の先般の中東訪問については、かかる意義を踏まえ、あらゆる要素を総合的に検討した上で判断しました。
 一方、御指摘の阪神・淡路大震災二十年追悼式典については、政府内で日程を調整した結果、十周年追悼式典のときと同様に防災担当大臣が政府代表として出席をいたしました。
 今後とも、関係自治体と連携しながら、被災地の復旧・復興に全力で取り組んでまいります。
 阪神・淡路大震災の教訓を踏まえた都市型直下地震対策についてのお尋ねがありました。
 六千四百名を超える多くの方が犠牲となられた阪神・淡路大震災の貴重な教訓を踏まえ、政府においては、防災、危機管理に係る様々な見直しを図ってきたところであります。
 政府の初動体制を始めとする危機管理機能を強化するため、二十四時間体制で情報収集に当たる内閣情報集約センターの設置や、政府の幹部職員を発災後直ちに参集させる緊急参集チームを整備するとともに、建築物の耐震改修の促進、地震に強い町づくりや住宅に被害を受けた被災者に対する支援策の充実を図るなど、様々な災害対策を推進してまいりました。その後、東日本大震災を始めとする数多くの災害の経験を経て、我が国は今日に至っています。
 今後も、災害対策を不断に見直し、未来の世代の安心につなげていかなければなりません。私も、国のリーダーとして先頭に立ち、引き続き、都市直下型地震を始めとする大規模災害対策に万全を期してまいります。
 東日本大震災からの復興と集中復興期間の延長についてお尋ねがありました。
 東日本大震災からの復興は、引き続き安倍内閣の最重要課題です。これまで、住宅再建や心のケアを始め、福島の再生では国が前面に立つなど、復興に全力で取り組んできてまいりました。平成二十六年度補正予算及び平成二十七年度予算においても、復興の加速化を大きな柱の一つと位置付けて重点化しております。平成二十八年度以降についても、被災者の方々の心に寄り添い、しっかりと対応してまいります。
 地方創生における地方への支援についてお尋ねがありました。
 地方創生は、国と地方が緊急に取り組むべき課題であるとの認識を共有し、地方が中心となって取り組むべき課題です。やる気のある地方の創意工夫を全力で応援する、この方針に基づき、昨年末、国の総合戦略を策定しました。補正予算案にも、地域の特性を生かすための自由度の高い交付金を盛り込んだところであります。
 今後とも、国としては、意欲あふれる地方の取組に対し、予算、人材等あらゆる方策を使って全力で後押ししてまいります。
 地方創生先行型新交付金についてお尋ねがありました。
 今回の補正予算では、仕事づくりなど地方公共団体の地方創生に向けた取組が速やかに実施できるよう、自由度の高い交付金を先行的に創設することとしました。
 御指摘のとおり、地方創生には息の長い取組が必要であると認識しております。政府としては、客観的な効果検証を伴う自由度の高い新型交付金の平成二十八年度からの本格実施に向けて引き続き検討を進めてまいります。
 地方向け交付金についてお尋ねがありました。
 本交付金は、地方自治体が実施する消費喚起策や生活支援策に対して、国が支援し、地方経済の活性化等を図るものです。
 本施策については、過去の施策の検証も踏まえ、即効性ある取組となるように工夫を凝らしました。例えば、実施する事業の内容は地域の実情に応じて効果の高いものを地方自らが選ぶこととしております。また、地域商品券については、補助額以上の消費が喚起される仕組みを推奨することといたしました。さらに、事業実施時に成果の客観的指標を明示した上で、結果も公表するといった厳格な効果検証を地方自治体に求めることで、より効果の高い施策が実施されるよう促してまいります。
 年金のマクロ経済スライドについてお尋ねがありました。
 マクロ経済スライドは、平成十六年の改革により、将来世代の負担を過重にしないため、将来の保険料水準を固定し、その範囲内で給付水準を調整する仕組みとして導入されたものです。
 その在り方の見直しについては、民主党政権下で行われた社会保障・税一体改革の過程で検討課題として議論が行われ、その後の社会保障改革の道筋を示したプログラム法においても検討の必要性が明記されています。
 引き続き、現在の高齢世代と将来世代とのバランスをどのように確保するかも含め、検討を進めていきたいと考えています。
 子供の貧困対策についてのお尋ねがありました。
 子供の将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、子供の貧困対策に取り組むことは極めて重要であると考えています。
 政府としては、子供の貧困対策に関する大綱に掲げられた施策を推進してまいります。具体的には、教育費負担の軽減を図るため、高校生等奨学給付金の拡充や大学の無利子奨学金、授業料免除の充実を図っていきます。また、中学校等で貧困の子供を支えるスクールソーシャルワーカーの配置拡充を図っていきます。さらに、中学生に対する学習支援や保護者の学び直しの支援等の施策を推進し、子供の貧困に関する指標の改善に取り組んでまいります。
 労働者派遣法改正案についてお尋ねがありました。
 提出を検討中の労働者派遣法改正案は、正社員を希望する派遣労働者について正社員への道が開かれるようにするものであり、このため、派遣先への直接雇用の依頼、計画的な教育訓練を派遣会社に初めて義務付けることなどを盛り込むこととしています。また、自らの働き方として派遣を積極的に選択している派遣労働者については、待遇の改善を図ることとしています。
 安倍内閣としては、働く方それぞれの選択がしっかり実現できるよう環境を整備するため、今後も全力で取り組んでいくこととしています。労働法制の改悪との指摘は全く当たりません。
 以上であります。拍手
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山崎正昭#4
○議長(山崎正昭君) 関口昌一君。
   〔関口昌一君登壇、拍手〕
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関口昌一#5
○関口昌一君 自由民主党の関口昌一です。
 参議院自民党を代表して、財政演説に対し、質問いたします。
 冒頭、シリアにおける邦人拘束事案について伺います。
 今月二十日、ISILによって発出されたと見られる動画で、邦人二名の殺害が予告されました。私ども与党としても、二十一日、シリアにおける邦人拘束事案対策本部を設け、情報収集や対策を検討してまいりましたが、二十四日深夜、湯川遥菜さんが殺害されたと見られる写真がインターネット上に配信されてしまいました。御家族の御心痛は察するに余りあり、言葉もありません。
 また、昨日深夜、新たな音声付画像が公開されましたが、残る後藤健二さんの解放に向け、政府を挙げて引き続き全力で取り組んでいただきたいと思います。我々与党としても全力でバックアップしてまいります。
 このようなイスラム過激派をめぐっては、フランスで発生した新聞社襲撃などの連続テロ事件が全世界に大きな衝撃を与えたばかりであります。イスラム過激派やその影響を受けた個人、団体によるテロ攻撃は、海外だけでなく国内で発生する可能性も想定する必要があります。
 我が国も国際的な協調の下、世界の平和と安定のために、テロ根絶に向けた取組を更に強化していかなければなりません。今後、国内外におけるテロ対策をどのように強化していくお考えか、安倍総理に伺います。
 では、財政演説に関する質問に移ります。我が国の経済財政の状況と今回の補正予算について伺います。
 まずは、我が国の財政状況であります。
 アベノミクスによる経済の活性化や昨年の消費税引上げの効果もあって、我が国の税収は増加傾向にあります。そのため、政府が公約としている財政健全化目標のうち、二〇一五年度にプライマリーバランスの赤字半減という目標はようやく達成のめどが付きました。しかしながら、二〇二〇年度に黒字化という次なる目標はいまだに達成の見通しが立っておらず、我が国の財政は大丈夫だと胸を張って言える状況ではありません。
 二〇二〇年といえば、東京オリンピック・パラリンピックの年であります。その先はどうなるんだろうという漠然とした不安も国民の間にあるのではないかと考えます。国民が我が国の将来に対して安心できるように、また、世界の国々からの我が国に対する信認が揺るがないように、二〇二〇年にプライマリーバランス黒字化という目標は何としても達成する必要があります。
 安倍総理に、我が国の財政状況に対する現状認識と、黒字化目標の達成に向けた決意を伺います。
 次に、二〇一五年の日本経済の見通しについて伺います。
 世界の経済情勢が大きく変動しており、先行き不透明な状況になっております。日本経済についても、強気の見方と弱気の見方が交錯する状況であります。例えば、昨年は一段と円安が進み、一時は一ドル百二十円を超える水準となりました。円安によって、我が国を訪れる外国人観光客は大きく増えております。また、なかなか増えなかった輸出額も、最近少しずつでありますが増えてまいりました。同時に原材料などの輸入コストも増えており、一部の業種では円安が行き過ぎではないかという声も聞かれます。
 また、最近の原油安は、エネルギー輸入国である我が国にとって良いニュースであることは間違いありませんが、世界を見ると、原油安で利益を受ける国や企業もあれば、不利益を受ける国や企業もあります。余りにも急激な原油安は世界経済にとって不安定要因となり、我が国にとっても良い影響ばかりとは限りません。
 このように様々な要因が重なり合う中で、今年の日本経済について、特に経済成長率、物価の動向、賃上げの動向などについて、麻生財務大臣としてはどのような見通しを持たれているのか、伺います。
 次に、今回の補正予算の目玉である四千二百億円の地域住民生活等緊急支援のための交付金について伺います。
 交付金のうち二千五百億円は、プレミアム商品券の発行や低所得者向けの支援策など自治体が行う地域の消費喚起策に使われ、一千七百億円は、地方版総合戦略の策定など地方創生事業の先行的取組に使われます。特に商品券の発行などの消費喚起策に対しては、ばらまきではないかとの批判も予想されます。また、経済効果に関しても、公共事業等に比べると景気の押し上げ効果は低いのではないかといった見方もあります。
 したがって、交付金の趣旨や効果について国民への丁寧な説明が求められると考えます。本事業の趣旨と、いわゆるばらまきとはどう違うのか、どのような効果が見込まれるのかという点について、麻生財務大臣に伺います。
 続いて、中小企業・小規模事業者対策について伺います。
 今回の補正予算では、資金繰り・事業再生の支援、省エネルギー設備導入への補助、ものづくり・商業・サービス革新事業など各種の支援策が盛り込まれております。全体として、旧態依然とした事業を続けるのではなく、より時代に合った事業に転換していく、そうしたチャレンジを支援する内容になっており、評価できると思います。
 ただし、こうした支援策を直接受けることができるのは、全国の中小企業・小規模事業者のうち、ごくごく一部であります。全国各地に今回直接対象とならない中小企業・小規模事業者が何百万とあり、そこで働く方々が何千万といるわけであります。こうした方々がアベノミクスの恩恵を最大限に受け、さらに元気になっていくためには何が必要だと考えるのか、宮沢経産大臣に伺います。
 さて、政府は、昨年末に、まち・ひと・しごと創生長期ビジョンと、それを踏まえた五か年のまち・ひと・しごと総合戦略を閣議決定いたしました。いずれも、今までの地域活性化施策にはない創造的で画期的なものにしなければならないと思います。
 また、地方交付税の法定率が見直され、所得税等の法定率が引き上げられます。これは昭和四十一年以来の画期的な改正であり、地方の声にも応える改革であります。赤字地方債である臨時財政対策債を増やすという方向ではなく、交付税の法定率を引き上げるという決断は、政府の地方創生に懸ける熱意を示したものと高く評価いたします。
 こうしたことを踏まえ、地方創生に関し、質問いたします。
 まず、若い世代への支援について伺います。
 我が国の独身男女の約九割は結婚願望を持ち、希望する子供の数も二人以上となっております。一方で、現実には未婚率が上昇し、夫婦の子供の数は長期的に減少傾向にあります。若い人たちが結婚、出産、子育てに関する希望を実現できない背景には、雇用の不安定さや所得が低い状況があると指摘されております。
 長期ビジョンでは、若い世代の結婚、子育ての希望が実現するならば、出生率は一・八程度までに改善することが見込まれるとしております。この数字は、現在の出生率一・四一からかなりの増加が必要になりますが、我が国の将来のためには実現しなければならない数字であると思います。
 若い世代の結婚、子育ての希望を実現するために、そして人口減少に歯止めを掛けるためにあらゆる政策を総動員する必要があると考えますが、安倍総理に決意のほどを伺います。
 次に、地方創生における雇用の創出について伺います。
 総合戦略の四つの基本目標の一つは、地方における安定した雇用を創出するとなっております。そのために、地方において毎年十万人の若い世代の安定した雇用を生み出せる力強い地域産業の競争力強化に取り組む、そして、二〇二〇年までに累計で三十万人の若い世代が安心して働ける職場を生み出すとしております。
 三十万人というのは、東京でいえば新宿区、中野区、埼玉県でいえば川越市の人口に匹敵する人数であります。全国でこれだけの数の安心して働ける場所、職場をつくり出すのは相当な困難が予想されます。どのように実現していくのか、安倍総理のお考えを伺います。
 次に、総合戦略に盛り込まれた地方創生特区について伺います。
 やる気のある自治体を指定して先進的な取組を実施することは大変意義のあることだと思います。しかし、この地方創生特区は限られた自治体が指定される仕組みであり、千七百を超える全ての自治体にチャンスが与えられるわけではありません。
 そこで、提案でありますが、地域の実情に即した真の地方創生を進めるためには、全ての自治体に一つずつ、その自治体限定で現場の望む規制緩和を認めてはいかがでしょうか。もちろん必要な規制もあると思いますが、全ての自治体に独自の規制緩和を認めれば、各自治体も知恵を絞るでしょうし、地方創生に大きな弾みが付くと考えます。この地方創生・一自治体一規制緩和特区についてどのように考えるのか、石破国務大臣に伺います。
 自然災害は国民的な関心も高い喫緊の課題であります。被害が出る前にいかに防ぐのか、万が一被害が出てしまった場合にはいかに最小限に食い止めるのか、事前の準備が物を言います。今回の補正予算でも災害・危機等への対応が柱の一つになっております。
 そこで、災害対策について伺います。
 昨年八月に、広島市北部で大規模な土砂災害が発生し、多くの犠牲者を出したのは記憶に新しいところであります。また、昨年九月には、長野、岐阜両県にまたがる御嶽山が突然噴火し、山頂付近にいた五十七名の登山客が亡くなるという戦後最悪の火山災害となってしまいました。その後も、阿蘇山、桜島など各地で火山活動が活発になっております。
 このような中で、国土交通省は、先般、日本の人口の七四%が洪水や土砂災害、地震、液状化、津波のいずれかで大きな被害を受ける危険のある地域に住んでいるとの推計をまとめました。危険地域は国土面積の三五%を占め、災害が起きやすい場所に人口が集中している現状が浮き彫りになったわけであります。
 地球規模の気候変動や東日本大震災以降の火山活動の活発化など、従来よりも自然災害のリスクは高まっております。国土強靱化に資する予算をしっかりと確保し、ハード、ソフト両面の防災・減災対策を強力に推進すべきと考えますが、安倍総理に伺います。
 三月十四日から十八日まで、国連防災世界会議が仙台市で開催されます。各国首脳や国際機関代表、各種団体など、国内外から延べ四万人以上が参加し、今後の世界の防災戦略が議論されます。この会議が震災から四年というタイミングで被災地で開催される意義は大変大きいと思います。我が国にとって重要な課題である東日本大震災からの復興の状況を世界に発信する貴重な機会ともなります。
 第三回国連防災世界会議に向けた安倍総理の意気込みと、会議に期待する成果について伺います。
 最後になりますが、さきの衆議院総選挙において自民、公明の与党が三分の二を超える議席をいただいたことは、我々与党、そして安倍内閣のアベノミクスを中心とする政策が国民の皆様の信任を得られた結果であり、大変有り難く思います。しかしながら、我々はこの勝利に決しておごってはなりません。アベノミクスの将来への期待は、それが実績となり国民に果実がもたらされて初めて評価されます。
 今後の政策の実現に向けては、政府とともに、私も含め与党もしっかりと議論を重ねながら、国民に対してより丁寧な説明をしていくことが求められると思います。参議院自民党も安倍総理をしっかりと支え、全力で取り組んでまいりますこと、以上を申し上げ、私の質問を終わりにいたします。
 御清聴ありがとうございました。拍手
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
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安倍晋三#6
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 関口昌一議員にお答えをいたします。
 テロ根絶に向けた今後の国内外におけるテロ対策についてお尋ねがありました。
 ISILによる卑劣なテロは言語道断の暴挙であり、強く非難します。今回の事件のほかにも、フランスにおけるテロ事件に見られるように、世界でテロの脅威が増大しています。政府としては、こうした厳しい情勢を踏まえ、国際社会と緊密に連携し、情報収集の強化、在留邦人の安全の確保に向けた迅速な情報提供や、国内における警戒警備の実施、水際対策の徹底などを推進してまいります。
 今後も、テロに屈することなく、世界の平和と安定のために積極的に貢献するよう全力で取り組むとともに、我が国におけるテロの未然防止に万全を尽くしてまいります。
 財政状況に関する認識と黒字化目標についてのお尋ねがありました。
 我が国の財政については、巨額の公的債務が累積するなど、大変厳しい状況にあります。安倍内閣としては、そうした状況で我が国に対する信認が揺るがないよう、経済再生と財政健全化の両立を目指しております。二〇二〇年度の黒字化目標を堅持し、経済再生と財政健全化の両立を実現すべく、本年の夏までにその達成に向けた具体的な計画を策定いたします。
 若い世代の結婚、子育ての希望実現と人口減少の歯止めへの決意についてお尋ねがありました。
 若い世代の結婚、子育ての希望が実現された場合の出生率は一・八程度に向上すると見込んでおり、的確に政策を展開し、官民挙げて取り組むことにより、将来の人口減少に歯止めを掛けたいと考えています。
 総合戦略では、雇用対策の推進による若者の経済的安定、結婚、妊娠、出産の切れ目のない支援、働き方改革によるワーク・ライフ・バランスの実現等に客観的な指標を設定して取り組むこととしております。あらゆる施策を総動員して人口減少の克服に取り組んでまいります。
 地方での雇用創出についてお尋ねがありました。
 総合戦略には、地域産業の競争力を強化する様々な施策を盛り込んでおります。具体的には、ビッグデータを活用した地域経済分析に基づき、強みを持った産業を特定した上で創業や中核的企業の育成を行ってまいります。また、サービス産業の活性化や農林水産業の成長産業化、観光地域づくりなどに取り組んでまいります。これらを強力に推進することで若い世代の安定した雇用を創出してまいります。
 防災・減災対策の推進についてお尋ねがありました。
 東日本大震災が発生し、首都直下地震や南海トラフ地震の発生が懸念される中、国土強靱化は我が国にとって焦眉の急であります。政府としては、従来より、施設の耐震化や老朽化対策、災害時の情報伝達体制の強化など、国民の命と暮らしを守るための防災・減災対策を重点的に行ってきたところです。
 今後とも、ハードとソフトを組み合わせながら、優先順位を付けて災害に強い国づくりを計画的に進めてまいります。
 第三回国連防災世界会議についてのお尋ねがありました。
 第三回国連防災世界会議では、新たな国際的な防災枠組みが策定される予定です。防災先進国として我が国は、東日本大震災を始め、幾多の災害で得た経験や知見を世界と共有し、国際社会における防災の主流化に積極的に貢献していく考えです。さらに、東日本大震災の被災地の復興の現状を世界に発信するとともに、被災地の振興にもつなげてまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。拍手
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
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麻生太郎#7
○国務大臣(麻生太郎君) 平成二十七年度の経済の見通しについてのお尋ねがあっております。
 来年度の日本経済につきましては、雇用・所得環境が引き続き改善し、好循環が更に進展していく中で、堅調な民需に支えられた景気回復が見込まれております。こうした見方に基づき、先日閣議了解した政府の経済見通しでは、平成二十七年度につきましては、実質成長率は一・五%、物価につきましては消費者物価上昇率が一・四%程度となり、デフレ脱却に向けて着実に進展することを見込んでおります。
 政府といたしましては、政労使の取組や成長戦略を着実に実行することにより、企業収益の改善を賃上げ、雇用環境の更なる改善につなげる経済の好循環を一層進展させ、賃上げの動きを確実なものとしてまいりたいと考えております。
 地方向け交付金についてのお尋ねもありました。
 本交付金は、地方自治体が創意工夫を生かして実施する、地域における消費喚起や生活支援を行うための施策、定住促進、仕事づくりなど構造的課題への対応策に対し国が支援し、消費の喚起や地方経済の活性化を図るものであります。
 本交付金につきましては、事業に関する成果の客観的指標の明示や効果検証などを行うこととしており、いわゆるばらまきとはならないように配慮いたしているところであります。拍手
   〔国務大臣宮沢洋一君登壇、拍手〕
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宮沢洋一#8
○国務大臣(宮沢洋一君) 中小企業・小規模事業者支援についてのお尋ねがありました。
 アベノミクスの恩恵を全国津々浦々にお届けすることが重要であり、その観点から、予算による支援に加え、中小企業・小規模事業者が抱える経営課題への解決策を提示する支援体制を全国に整備するなど、あらゆる施策を総動員していくことが必要と考えております。
 このため、昨年六月には、中小企業・小規模事業者からの経営相談に乗り、先進的な経営アドバイスや適切な専門家の紹介を行うワンストップの相談窓口としてよろず支援拠点を各都道府県に整備しており、十二月までに約五万八千件の相談に対応いたしました。地域金融機関を始めとする全国二万三千の認定支援機関や全国二千の商工会、商工会議所とも連携しながら、各地の中小企業・小規模事業者の課題に応じた支援を実施しているところであります。
 また、中堅・中小企業の多くの方々が必ずしも成長戦略を自らのものとして身近に感じていただいていないことを踏まえ、経済産業省として、成長戦略の見える化を進め、経営課題を乗り越えるアイデア、成功モデルや失敗例、また、それに対応する施策などを分かりやすく取りまとめ、多くの皆様に活用していただきたいと考えております。
 以上です。拍手
   〔国務大臣石破茂君登壇、拍手〕
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石破茂#9
○国務大臣(石破茂君) 関口昌一議員より、地方創生特区についてのお尋ねをいただきました。
 議員御指摘のとおり、地方創生には現場の知恵を生かすことが極めて肝要であります。
 地方創生特区におきましては、地方創生を規制緩和により実現し、新たな発展モデルを構築しようとするやる気のある地方自治体を指定するものであります。その指定は、国家戦略特区としての位置付け、すなわち、大胆な規制改革の突破口として国家戦略の先駆的な取組を推進する区域であることに鑑み、必要な範囲に限定し、厳選することを基本といたしております。
 昨年夏に実施をいたしました規制改革事項等の提案募集におきましては、地方自治体からも四十八主体から地域の実情に即した御提案をいただきました。現在、地方創生特区の指定へ向け、特区ワーキンググループにおきまして提案自治体からヒアリングを実施しておるところであり、今春を目途に指定を行いたいと考えております。
 したがいまして、御指摘のように全ての自治体を特区として指定することは困難でありますが、多くの自治体から出てまいりました知恵を幅広く生かしまして、地方創生に資する規制改革を実現してまいりたいと考えております。
 以上でございます。拍手
    ─────────────
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山崎正昭#10
○議長(山崎正昭君) 荒木清寛君。
   〔荒木清寛君登壇、拍手〕
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荒木清寛#11
○荒木清寛君 私は、公明党を代表して、平成二十六年度補正予算案に関して質疑を行います。
 第三次安倍内閣が発足し、本格的な経済再生、地方創生に向け、いよいよ重大となった与党としての責任を私たちは果たしてまいります。
 自公政権の経済政策、アベノミクスを推進し、景気回復の流れを中小企業・小規模事業者や家計に広げていくことが本年の第一の課題であります。あわせて、東日本大震災からの復興加速、社会保障の安定化と充実等にも全力で取り組んでまいります。
 冒頭、いわゆるイスラム国と称するテロ集団による邦人人質事件についてお尋ねします。
 湯川遥菜氏を殺害したとしていることは、凶悪かつ卑劣な行為で、断じて許されません。政府においては、テロに屈することなく、関係各国に可能な限りの協力を求めつつ、拘束されている後藤健二氏の早期解放に向けてあらゆる手段を尽くしていただきたい。安倍総理の決意をお尋ねします。
 外交課題と人間の安全保障についてお尋ねします。
 本年はさきの大戦から七十年の節目を迎えます。戦後一貫して平和国家として歩んできた我が国が、世界の安定と平和に更なる取組をすることを国際社会に向け積極的に発信する年にしていくべきと考えます。
 その第一は、唯一の被爆国として核軍縮・不拡散の取組を主導することです。被爆者や戦争経験者の高齢化が進む中、あの悲惨な経験をいかにして後世に語り継ぐかは大きな課題です。
 そこで、我が国は、本年予定されている広島での国連軍縮会議や長崎でのパグウォッシュ会議を通し、核兵器の悲惨さ、非人道性について更に積極的に発信し、核廃絶への国際的な合意形成に努めるべきです。
 二点目は、人間の安全保障分野での取組です。本年達成期限を迎える国連ミレニアム開発目標、MDGsの成果や新たな課題を踏まえ、その後継目標である持続可能な開発目標、SDGsについて国際社会での議論が行われています。特に、この新たな目標について、誰一人取り残さない人間の安全保障の理念に立脚すべきとの方向性が打ち出されていることは極めて重要です。日本は、これを踏まえつつ、具体的かつ効果的な枠組みの策定に向けて主導的な役割を果たすべきであります。
 平和国家にふさわしい国際協力の取組について、総理のお考えをお尋ねします。
 次に、景気・経済対策についてお尋ねします。
 昨年秋に、総理は消費税率の引上げを一年半延期するという決断をされました。八%引上げの反動減からの景気回復が弱い中で、経済の好循環を確かなものにするための英断でありました。
 個人消費の喚起のために、地方自治体が地域の実情に応じて自由に使途を設計できる交付金二千五百億円が計上されたことは、公明党のこれまでの提案を踏まえたものです。自治体が知恵を絞り、地域における消費を直接喚起させ、経済効果を最大限引き出すことが期待されます。国は、効果のある対策が早期に執行されるよう、自治体の創意工夫をしっかりと支援すべきだと考えますので、総理にお答え願います。
 補正予算案のもう一つの柱が地域経済の回復に向けた取組です。
 グローバル経済の活性化だけではなく、地域で完結するローカル経済の活性化を行うことが地方創生、ひいては日本全体の経済成長と賃金上昇への近道です。
 特に、地域経済の大半を占める中小企業・小規模事業者の潜在力を引き出すため、技術開発や販路の拡大、教育やICTの活用などによる生産性の向上を産学官と金融機関が連携した上で進められるよう、政府の強力な後押しが必要です。
 また、中小企業・小規模事業者支援では、円安による原材料高騰への対応として資金繰り・事業再生支援に予算が計上されており、妥当です。
 さらには、消費増税後に低迷が続く住宅市場の活性化策として省エネ住宅向けのエコポイント制度を実施するなど、公明党の主張が数多く盛り込まれており、本補正予算の早期成立、早期執行が求められます。
 回り始めた経済の好循環を確かなものとするために、地方自治体とも連携を取りながら地方経済の活性化に取り組んでいかなくてはなりません。総理の決意をお尋ねします。
 本補正予算案は、財源には税収増と前年度剰余金を充てており、また、補正予算編成で当初予算での国債発行額を減額するのは八年ぶりとなり、財政健全化の観点からも評価できます。財政再建に向けて、安定した経済成長、恒常的な歳出抑制と削減、及び歳入の確保、この三つをバランスよく進めていく必要があります。そのため、今後、税収増が見込まれる場合には、経済の自律的な好循環を目指しつつ、財政出動は極力抑制し、着実に財政健全化を進めていく必要があります。
 今後の財政健全化に向けての考え方を総理並びに財務大臣にお尋ねします。
 軽減税率制度については、平成二十七年度与党税制改正大綱において、消費税率を一〇%に引き上げる平成二十九年度からの導入を目指して、対象品目、区分経理、安定財源等について、早急に具体的な検討を進めるとされました。この点、消費税率を一〇%に引き上げるのと同時に軽減税率を導入できるよう、詳細な制度設計を急ぐべきだと考えます。安倍総理の決意をお尋ねします。
 次に、地方創生についてお尋ねします。
 自公連立政権にとって、日本を元気にする地方創生は最重要のテーマです。
 さきの臨時国会において地方創生関連二法が成立したのに続き、昨年末にはまち・ひと・しごと創生長期ビジョンと総合戦略が閣議決定されました。
 人口減少、超高齢社会を迎えた中で、地域経済の停滞が重なり、多くの地方が更なる人口減少に直面しています。その流れを打ち破る最後のチャンスが今であるとの認識で、省庁の縦割りを排し、大胆かつ強力な対策を進めるべきです。地方創生の視点として、国から地方への画一的な政策の押し付けではなく、地域の特性を生かした取組としていくことが大切です。
 さらに、公明党は、何よりも、それぞれの地域で暮らし、地域を担っている人に焦点を当てる、人が生きる地方創生とすべきであると訴えてきました。長期ビジョンや総合戦略には、この考え方や、我が党が重点政策として示した活気ある温かな地域づくりをめざしてを踏まえた施策が数多く反映されており、高く評価しております。
 そこで、地方創生の実現に向けた今後の取組について、安倍総理の決意をお尋ねします。
 さて、総合戦略では、本補正予算から五年間にわたり切れ目のない施策を展開するとしています。その第一弾として、今回の補正予算案には地方創生先行型の新たな交付金千七百億円が計上されました。地方が知恵を絞り、それぞれの地域の特徴を生かした町づくりに取り組めるよう、自由度が高く各地域にとって使い勝手の良い交付金にする必要があります。
 また、さきに述べた二千五百億円の地域消費型・生活支援型の交付金の使途には、プレミアム付き商品券の発行や低所得者向け灯油等購入助成などが盛り込まれています。それぞれの地域で住民のニーズや生活事情に合った、より高い効果が望める政策に使われるべきであり、きめ細かな対応が望まれます。石破地方創生担当大臣の答弁を求めます。
 さらに、平成二十七年度中には、産業界や研究機関、金融機関、住民代表でつくる総合戦略推進組織を整備し、人口ビジョンや地方版総合戦略を各地方自治体が策定することになります。国は、財政的にはもちろんのこと、先進事例の紹介など情報提供や人材派遣を積極的に行い、地方創生を強力に支援していくことが必要です。
 これについて地方創生担当大臣に答弁を求め、質疑を終わります。
 ありがとうございました。拍手
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
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安倍晋三#12
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 荒木清寛議員にお答えいたします。
 シリアにおける邦人テロ事件への対応についてお尋ねがありました。
 ISILによる卑劣なテロは、言語道断の暴挙であり、強く非難します。我が国は決してテロに屈することはありません。政府としては、人命第一の立場に立ち、これまで培ってきたあらゆるチャンネルを最大限に活用し、後藤健二氏の早期解放に向けて全力を尽くしているところです。
 私自身、中東訪問中に、また帰国してからも、関係各国の首脳との間で電話会談を行い、情報収集及び早期解放について最大限の協力を要請いたしました。極めて厳しい状況ではありますが、関係各国と一層緊密に連携しつつ、早期の解放に向け全力を尽くしてまいります。
 核廃絶に向けた我が国の取組についてお尋ねがありました。
 世界で唯一の被爆国として、核兵器のない世界の実現に向け、国際社会の核軍縮・不拡散に関する取組を積極的に主導することは我が国の重要な使命であります。
 このような観点から、御指摘の広島での国連軍縮会議や長崎でのパグウォッシュ会議等の機会を通じて被爆の悲惨さを国際社会に発信するとともに、核兵器のない世界の実現に向けて引き続き積極的に取り組んでまいります。
 持続可能な開発目標の策定に向けた日本の役割についてお尋ねがありました。
 議員御指摘のとおり、本年に期限を迎えるミレニアム開発目標の後に続く持続可能な開発目標については、誰もが開発の恩恵を受けられること、すなわち、誰一人取り残さないという人間の安全保障の理念が反映されることが極めて重要であります。
 我が国は、持続可能な開発目標はこの人間の安全保障の理念に基づくべきであると主張し、国際的な議論に積極的に貢献してきており、引き続き開発に関する国際社会の議論を主導していく考えであります。
 地域経済の活性化についてお尋ねがありました。
 今回創設した地域住民生活等緊急支援のための交付金では、地域特性や実情を踏まえ、各自治体が創意工夫を生かして実施する消費喚起等の取組を国が全力で後押しする仕組みといたしました。
 また、このほかにも、地域経済の担い手である中小企業等によるイノベーションや販路開拓への支援など、地域経済の活性化に向けた施策を盛り込んでおり、地方自治体とも連携しつつ地域経済の好循環を生み出していきます。
 財政健全化に向けた考え方についてお尋ねがありました。
 安倍内閣においては、経済再生が財政健全化を促し、財政健全化の進展が経済再生の進展に寄与するという好循環をつくり出すことに取り組んでいます。二〇二〇年度の財政健全化目標を堅持し、経済再生と財政健全化の両立を実現すべく、本年の夏までにその達成に向けた具体的な計画を策定いたします。
 消費税の軽減税率についてお尋ねがありました。
 消費税の軽減税率制度については、二十七年度与党税制改正大綱を踏まえ与党で議論が進められるものと承知しており、引き続きこれを見守ってまいりたいと考えております。
 地方創生に向けた決意についてお尋ねがありました。
 地方創生では、人が生きがいを持って生活し、この地域に住んで良かったと実感できる地域社会を目指すことが必要です。このため、地方にやりがいのある仕事をつくり、若者や地域内外の有用な人材の地方への移住、定着を促進することが重要です。
 この理念の下、昨年末には国の総合戦略を策定しました。今後は、戦略に盛り込んだ施策を活用しつつ、各地方の自由な発想に基づく地方版総合戦略を支援し、人が主役の地方創生を推進してまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。拍手
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
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麻生太郎#13
○国務大臣(麻生太郎君) 財政健全化についてのお尋ねがあっております。
 安倍内閣におきましては、経済再生と財政健全化の両立を目指すことといたしております。
 こうした考えの下、二〇二〇年度におけますプライマリーバランス黒字化目標をしっかりと堅持し、本年夏までにその達成に向けた具体的な財政健全化計画を策定することといたしております。
 その策定に当たりましては、現政権のこれまでの取組を更に強化して、デフレ脱却・経済再生、歳出改革、歳入改革の三つを柱にして、これを軸に検討を進めてまいりたいと考えております。拍手
   〔国務大臣石破茂君登壇、拍手〕
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石破茂#14
○国務大臣(石破茂君) 荒木清寛議員から、三問御質問をいただきました。
 まず、地方創生先行型の交付金についてのお尋ねであります。
 地方創生先行型の交付金は、地方公共団体による地方版総合戦略の早期かつ有効な策定と、これに関する優良施策の実施を国として支援するものであります。
 本交付金による事業の設計に際しましては、明確な政策目標の下、客観的な指標の設定や事後的な検証を行うプロセスの確立を求めつつ、地方における継続的な事業の実施を目指す自立性、地方が自主的かつ主体的に前向きに取り組むという観点からの将来性、各地域の実態に合った施策を実施するという地域性、限られた財源や時間の中で最大限の効果を上げるための直接性などの地方創生を進めるに当たっての原則に沿いながら、地方公共団体が自由に事業設計を行うこととしております。
 このような交付金を活用して、それぞれの地域の特色を生かした地方創生の取組が進められることが極めて重要であると考えております。
 次に、地域消費喚起・生活支援型交付金についてのお尋ねをいただきました。
 地域消費喚起・生活支援型交付金につきましては、各地方公共団体の創意工夫を生かして、それぞれの地域の住民のニーズや生活事情に合ったプレミアム付き商品券の発行等が実施できるなど、自由に事業設計を行うことができる仕組みといたしております。
 国といたしましても、各地方ブロックごとに市町村職員も対象とした説明会を開催するとともに、新たに設置した地方創生推進室ではブロック担当を設けて各地方公共団体の御相談に応じておるところであり、より高い効果が望めますようきめ細かな対応を行ってまいります。
 地方創生に関する地方公共団体への支援についてのお尋ねをいただきました。
 地方創生は我が国の喫緊の課題であり、早急に取組を進める必要があることから、各地方公共団体に対しましては、平成二十七年度中には地方版総合戦略を策定していただくようお願いをいたしておるところであります。このため、各地方ブロックごとに市町村職員も対象とした説明会を実施しておりますほか、解説動画の作成などを通じまして必要な情報が地方へ確実に伝わりますよう取り組んでおるところであります。
 また、ビッグデータを活用した地域経済分析システムによる情報支援を行い、効果的な地方版総合戦略の策定、推進を支援してまいります。
 先進事例の紹介につきましては、一月二十四日の京都市を皮切りに開始した地方創生フォーラムを始めとして、各地域での先進的な事例紹介などを行ってきたところであり、今後とも積極的に行ってまいります。
 御指摘の人材派遣につきましては、地方創生人材支援制度におきまして市町村への派遣を希望する人材の募集を行っておるところであり、今後マッチングを行い、本年四月からの派遣を目指してまいります。
 以上でございます。拍手
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山崎正昭#15
○議長(山崎正昭君) これにて午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時二十四分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開議
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輿
輿石東#16
○副議長(輿石東君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 国務大臣の演説に対する質疑を続けます。川田龍平君。
   〔川田龍平君登壇、拍手〕
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川田龍平#17
○川田龍平君 維新の党の川田龍平です。
 会派を代表し、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 今回のISIL、いわゆるイスラム国による邦人人質事件は、許し難い暴挙であり、一刻も早く無事に解放されることを切に望みます。
 増え続けるテロ被害から国民を守る安全対策が急がれると同時に、国民生活も苦しくなる一方です。
 所得再分配機能は予算の重要な機能の一つですが、昨年四月の消費税の八%への引上げで一番苦しんでいる低所得者層や障害者や難病患者など社会的弱者と言われる方々に対して、今回の補正予算は所得再分配機能を十分に果たしているとは思えません。我が党が常々主張しているように、まずは徹底した規制改革と地方分権、そして歳出削減を行うことで、国民生活と中小企業を苦しめ、税収を減らす結果になる消費税増税をこのタイミングでやらずとも済むはずです。
 そしてもう一つ、日本では命の安全保障である社会保障もまた危機に瀕している状態です。
 国家の急務として、例えば持続可能な国民皆保険の維持、賃上げ、原発事故後の健康被害対策など、法整備や予算にもっと力を集中すべきではないでしょうか。予算を大胆に組み替えて、必要なところに必要な予算を確保するべきです。総理のお考えをお聞かせください。
 今年は薬害エイズ裁判の結審から二十年になります。十九歳だった私は、原告として厚生大臣と真正面から向き合い、政治が動くことの大きさ、動けば変わるということを身をもって知りました。
 国会議員八年目を迎えますが、HIV治療薬の進歩や妻の支えのおかげで、先日三十九歳の誕生日を迎えることができました。十歳で感染告知を受けてから、大人になるまで、成人になるまで生きられるとは思っていませんでした。誕生日が来るたびに感じる感謝の気持ちを今生きている子供たちにも感じてほしい。命が最優先される社会の実現のためにこれからも全力を尽くします。
 命の安全保障について質問いたします。
 政府は、ドラッグラグに苦しむ患者を救うという名目で患者申出療養制度を新設し、保険外併用療養を拡充する法案を提出予定ですが、救われるターゲットであるはずの国内最大の患者団体、日本難病・疾病団体協議会が強く反対をしています。なぜでしょうか。我が国の国民皆保険制度が形骸化する危険があるからです。
 保険証一枚あれば全国の医療機関で平均水準以上の医療を安価で受けられる日本の皆保険制度は、世界から高く評価をされています。我が国では、医療は憲法二十五条に基づいた社会保障であって、政府には国民の命を守る責任があります。しかし、医療を商品として市場に委ねている米国では、政府は薬価交渉権を持たず、企業が自由に値段を付けるために、医療費も医療保険もびっくりするほど高額です。医療費が国家財政を圧迫し、医師の自殺が多く、医師不足が深刻化しています。日本を決してこのようなことにしてはなりません。
 患者申出療養制度が自由診療を増やし公的保険医療の範囲を狭めれば、治療費が払えなくなる国民は民間保険との二本立てにせざるを得なくなるでしょう。新薬も保険適用外となれば製薬会社の言い値で全額自己負担となり、米国同様に医療費がどんどん高くなるおそれがあります。
 国民皆保険制度で命を救われている当事者の一人として申し上げたい。経済成長も国の発展も、国民の命と健康があってこそです。憲法二十五条を基盤にしたこの制度を決して形骸化させることのないよう、その大きな責任を負う政府のトップとしてしっかり守っていただきたい。総理、お約束していただけますでしょうか。
 次に、震災以降、命の安全保障の一つとして成立したにもかかわらず棚上げにされている子ども・被災者支援法について伺います。
 福島県の健康調査で見付かった甲状腺がん又は疑いの子供たち百十二人のうち、手術した八十五人は悪性度の高い症例がほとんどでした。二回目の検査では、さらに甲状腺がんの疑いが四人出ています。この現状にもかかわらず、最初八割以上あった受診率が二回目は四割以下に激減しており、被災者の健康支援という本来の目的から遠ざかってしまっています。
 政府はこの国の医療費増大に警鐘を鳴らしていますが、ならば、医療費削減政策の最重要事項である予防医療としてこの健康調査受診率をもっと上げ、子供たちの甲状腺がん調査を長期にわたり続けるよう働きかけるべきではないでしょうか。
 被災者の苦しみと将来への不安、それを救済しようとする議員たちが全党一致で成立させた子ども・被災者支援法を決して風化させてはなりません。総理の見解をお聞かせください。
 国連科学委員会の評価では、福島県外でも同等の汚染が広がっているとされています。子ども・被災者支援法十三条の二にも、子どもである間に一定基準以上の放射線量が計測される地域に居住したことがある者の健康診断は生涯にわたって実施すると明記されています。安倍総理、一体福島県外での子供の甲状腺検査はいつになったら国の責任で行われるのでしょうか。
 次に、この国において命に関する大きな問題の一つ、自殺対策について伺います。
 自殺対策推進予算は毎回補正で計上されていますが、予算が打ち切られる懸念があると、自治体が本腰を入れません。厚生労働省に移管する二〇一六年度以降は、今回の補正と基金残額を合わせた予算三十六億円分を是非本予算で確保していただきたいと思います。総理大臣に決意を伺います。
 また、今回の補正による交付金は、年度をまたぎ新年度においても活用してもらうべきと考えますが、麻生財務大臣、いかがでしょうか。
 次に、私のライフワークである薬害問題に関連する質問をいたします。
 臨床研究推進予算が合計二十三・三億円計上されていることは、新薬を待ち望む難病患者の一人として大変期待するところです。しかし、その一方で、ここ数年、ディオバン事件など、研究現場と製薬業界の癒着による臨床研究の不正が相次いで発覚しています。私は、薬害被害者の一人として、臨床研究における被験者の権利保護と製薬企業の資金提供を透明化する法整備が急務と考えます。
 昨年、政府の検討会でも法制化方針が直言されているにもかかわらず、今国会への提出を見送る可能性が高いと聞いていますが、本当でしょうか。この問題は日本の臨床研究の信憑性を著しく傷つけており、放置すればするほど悪化していきます。今国会で是非法案提出をお願いいたします。塩崎厚生労働大臣、お答えください。
 私のような難病患者の長年の願いであった難病法が昨年成立し、消費増税分の使途として難病対策の予算が法定化されています。この夏には医療費助成を開始するとのことですが、前にもそう言ってずるずると延期されたという記憶があり、今回も先送りされるのではないかと患者は不安になっています。病気と闘う難病患者にとっては一日一日が非常に貴重です。全面施行を何月に行うのか、難病対策に熱心に取り組んでくださっている安倍総理の口から是非この場ではっきりとお答えいただけますでしょうか。
 新年早々、障害者福祉、報酬減額へという報道が流れました。政府内で検討の結果、現状維持との方針が内定したようですが、これは物価上昇分を勘案すると実質マイナスです。
 現場の実態を御存じでしょうか。高齢者介護と同様、障害福祉の現場でも人不足が深刻化しています。この状況で報酬を上げることなしに障害福祉サービスに携わる人材をいかに確保していくおつもりなのか、塩崎厚労大臣、お答えください。
 学校での性教育も不十分な小学校高学年から子宮頸がんワクチンを勧奨する倫理的問題については、かねてより山谷大臣と私は強い懸念を共有し、全国で深刻な副反応事例が起きている問題について共闘してきたところです。
 厚労省は、B型肝炎ワクチンの定期接種化も検討しているようですが、どちらのワクチンもアジュバントという免疫増強剤にアルミニウムを使っており、更なる副反応被害が心配されます。ワクチンに副反応は付き物ですが、子宮頸がんワクチンの場合は、その発生率がこれまでの子供向け定期接種の約七倍、インフルエンザワクチンの約四十倍と非常に高いことを見ても、今も強い懸念を拭えません。B型肝炎についても同様です。定期接種化に踏み切る前に、その安全性と必要性についてもっと慎重かつ長期の検証が必要です。
 命の問題は被害が起きてしまってからでは取り返しが付きません。塩崎厚労大臣、いかがでしょうか。
 最後に、安倍政権になってから国会審議がおろそかにされることが目に余ります。今国会はいまだに提出法案が決まっておりませんが、現時点で予想される法案は、どれもこの国の制度や根幹、国民生活を大きく変える重要なものばかりです。
 繰り返すようですが、命の安全保障については、取り返しの付かないことを引き起こさないためにも、特にしっかりやっていただきたい。丁寧な議論なしで拙速に法案を通してしまうことは有権者への背信行為です。参議院は良識の府、再考の府です。国政選挙のない今年は、是非ともしっかり時間を取り、充実し徹底した国会審議を行うよう強く求め、私の代表質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。拍手
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
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安倍晋三#18
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 川田龍平議員にお答えをいたします。
 補正予算についてお尋ねがありました。
 今般の経済対策は、地域の消費など経済の脆弱な部分に的を絞り、かつスピード感を持って対応を行うことで、個人消費のてこ入れと地方経済の底上げを図るものです。このため、地域の実情に配慮しつつ消費を喚起する、仕事づくりなど地方が直面する構造的な課題への実効ある取組を通じて地方の活性化を促す、災害復旧等の緊急対応や復興を加速化するという三点に重点を置いて取りまとめており、経済効果の期待できない施策に安易に回したとの御指摘は当たりません。その上で、これらの必要な事業に要する財源を超える部分については、財政健全化の観点から公債金の減額に充てることとしたところです。
 また、今回の補正予算では、所得の低い方などにもしっかりと目配りしています。具体的には、交付金を創設し、例えばプレミアム付き商品券や所得の低い方に向けた灯油等の助成、子供の多い御家庭の支援など、地方自治体の創意工夫で実施する消費喚起・生活支援策を後押しするため、二千五百億円を手当てしているところです。
 患者申出療養についてお尋ねがありました。
 患者申出療養は、患者の申出を起点とし、安全性、有効性を確認しつつ、先進的な医療を身近な医療機関で迅速に受けられるようにするものであり、同時に、保険収載に向け実施計画の作成等を求めることとしています。
 今後も、世界に誇る我が国の国民皆保険制度を堅持しつつ、困難な病気と闘う患者の思いにしっかりと応えてまいります。
 福島第一原発事故後の子供の甲状腺検査についてお尋ねがありました。
 現在の福島県で行われている二巡目の甲状腺検査は、二十六年度と二十七年度の二か年で実施する計画であり、まだ調査の途中段階です。したがって、既に終了した一巡目の検査の受診率と比較することは適当ではありません。政府としては、長期にわたってより多くの子供たちに検査を受けていただけるよう、福島県をしっかりと支えてまいります。
 また、福島県外での甲状腺検査については、周辺各県の有識者会議で、調査の必要はないとの見解が取りまとめられています。その後、環境省が設置した専門家会議では、現時点でも、施策として一律に実施することについては慎重になるべきとの意見が多かったという結論が出ています。
 お子さんや保護者の方の不安に十分思いを致し、今後とも、健康相談やリスクコミュニケーションを進めていく考えであります。
 自殺対策についてお尋ねがありました。
 我が国における自殺対策は着実に成果を上げていますが、今なお年間二万五千人以上の方が自ら命を絶たれるという深刻な状況にあることに変わりなく、国を挙げた対策を更に前に進めていく必要があります。
 政府としては、若年層向けの対策や経済情勢の変化に対応した対策など、きめ細やかな対策が実施できるよう、将来においても、予算措置も含め、しっかりと対応してまいります。
 難病対策についてお尋ねがありました。
 難病に苦しむ方々の視点に立って政策を進めていくことは、私のライフワークと考えております。
 この難病対策を充実強化するための新法が本年一月に施行され、医療費助成の対象を第一次実施分として五十六疾病から百十疾病に拡大しました。本年夏には対象疾病を更に拡大し、第一次実施分と合わせ、約三百疾病とすることとしています。
 拡大の具体的な時期については、一日も早く実現してほしいという患者の方々の思いに応えるため、できる限り七月に約三百疾病の医療費助成を実施できるよう、都道府県の状況なども踏まえつつ準備を進めてまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。拍手
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
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麻生太郎#19
○国務大臣(麻生太郎君) 自殺対策の交付金の執行についてお尋ねがありました。
 補正予算の趣旨に鑑み、本交付金についても早期に事業に取り組んでいただく必要があろうと存じます。ただし、やむを得ない事情による計画の変更など、年度内に事業が完了しない場合にも、引き続き事業が実施できるよう今回の補正予算において繰越明許費として計上いたしております。拍手
   〔国務大臣塩崎恭久君登壇、拍手〕
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塩崎恭久#20
○国務大臣(塩崎恭久君) 川田龍平議員から三点お尋ねを頂戴いたしました。
 まず、臨床研究に係る法案についてのお尋ねでございます。
 臨床研究につきましては、昨年十二月に公表されました検討会の報告書において、一定の範囲の臨床研究には法規制が必要とされる一方、これまで法規制のなかった分野であるため、研究者等による自助努力や法規制によらない対応方策とのバランス、臨床研究に対する資金提供等の開示についての製薬企業等の取組状況も踏まえ、検討すべきとされておるところでございます。
 このため、現時点で提出時期については未定でございますけれども、今後、与党その他の関係者とも十分に相談の上、検討を進めたいというふうに考えておるところでございます。
 障害福祉サービスの報酬改定を踏まえた人材の確保についてのお尋ねがございました。
 今般の障害福祉サービスの報酬改定においては、福祉・介護職員の処遇改善加算の拡充として、一人当たり月額一万二千円相当の上乗せを行うこととしております。この拡充が福祉・介護職員の処遇改善に確実につながるようしっかりと運用していくことにより、障害福祉に携わる人材の確保を図ってまいりたいというふうに考えております。
 B型肝炎ワクチンに関するお尋ねがございました。
 B型肝炎ワクチンにつきましては、長期間にわたり世界のほとんどの国で小児に接種されており、厚生科学審議会においても、医学的、科学的観点から広く接種を促進していくことが望ましいとの提言をいただいております。
 また、御指摘のアルミニウムを含むアジュバントについて、WHOの専門委員会は、入手可能な最新の医学的知見からは健康への危険性があるとする根拠はないとの考えを示しております。
 先般、厚生科学審議会において、国民に対して広く接種機会を提供する場合の技術的な課題の検討を終えたところであり、厚生労働省としては、今後、B型肝炎ワクチンの供給体制、予防接種を実施する体制の確保、予防接種施策に対する国民の理解の促進などについて必要な調整を進めてまいります。拍手
    ─────────────
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輿
輿石東#21
○副議長(輿石東君) 井上哲士君。
   〔井上哲士君登壇、拍手〕
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井上哲士#22
○井上哲士君 私は、日本共産党を代表して、財政演説に関して質問します。
 質問に先立ち、いわゆるイスラム国と見られる集団による残虐非道な蛮行を厳しく非難するものです。湯川遥菜さんを殺害したとしていますが、絶対に許されません。新たな投稿があった後藤健二さんの解放を強く求め、政府に対し、人命最優先で解決するためにあらゆる努力を尽くすことを求めるものであります。
 今国会は総選挙後に初めて開かれるものでありながら、総理が国政にどう臨むかを示す所信演説が行われないことは重大です。
 そこで、私はまず、総理の基本姿勢について質問します。
 総理は、昨年の解散をアベノミクス解散と呼びました。ところが、総選挙で与党が多数を得ると、この道しかないとして、あらゆる分野で信任されたかのように進めています。しかし、自民党の比例代表での有権者比の得票は一七%にすぎず、三分の二を超える与党の議席は大政党有利に民意をゆがめる小選挙区による虚構の多数にほかなりません。
 総理は、昨日、衆議院で、選挙に白紙委任はないとし、消費税の再増税、原発再稼働、集団的自衛権の行使容認などについても選挙中に語ったと答弁されました。しかし、選挙後の世論調査は、このいずれにも国民多数が反対です。にもかかわらず数を頼んで強行するならば、白紙委任を受けたと考えているに等しいではありませんか。
 沖縄では、名護市辺野古への米軍新基地反対のオール沖縄勢力が、名護市長選挙、名護市議選、沖縄県知事選、衆議院選挙の全ての小選挙区と、四回連続して勝利し、民意が明確に示されました。ところが、総理は、県民が選んだ翁長知事とは会わず、逆に抗議する住民を排除し辺野古での海上作業を再開しています。選挙の審判も、新基地反対の圧倒的県民世論も無視することは民主主義を否定する行為だと考えないのですか。
 沖縄県は、前知事による新基地建設工事のための埋立承認に瑕疵がなかったか、検証委員会を設置しました。工事の根拠が問われ、反対の民意が明確な下、辺野古新基地建設は中止し、断念をすべきです。答弁を求めます。
 今回の補正予算案は、アベノミクスの下での実質賃金の低下に加え、昨年四月の消費税増税による深刻な景気悪化に伴う緊急経済対策です。
 一九九七年の五%への増税も消費不況の引き金になりました。同じ失敗を繰り返すのかという指摘に対し総理は、五兆円の景気対策と併せて実施するから大丈夫だとして八%へ増税しました。その結果が家計消費の落ち込みによるGDPの二期連続マイナスという重大な増税不況となり、追加の経済対策が必要となったのです。
 消費税の増税が家計消費の打撃となり、低所得者ほど重い負担となって増税不況をつくり出すことはこれまでの二度の失敗で明らかです。暮らしや景気がどうあれ、二年後には消費税を一〇%にする無謀な増税は中止すべきです。答弁を求めます。
 財政演説では、アベノミクスで経済の好循環が生まれ始めているとしています。しかし、昨年十二月の日銀のアンケート調査では、生活にゆとりがなくなってきたという人が、三月以降連続して増えて五一・一%に達しました。一方、一年後に今より景気が悪くなると答えた人は、六月以降連続して増えて三七・八%となり、良くなると答えた人は僅か七・三%にすぎません。政府の認識と国民の実感は全く懸け離れているのではないですか。
 なぜこのような乖離が生まれているのか。それは、アベノミクスが、大企業や富裕層の利益さえ増やせば、いずれ国民全体に回り経済成長につながるという破綻した古いトリクルダウンの考え方に立っているからです。
 OECDは、昨年十二月、「格差と成長」と題する報告書を発表し、所得格差が拡大すると経済成長は低下すると述べ、日本でもこの二十年間で格差拡大によりGDPが五・六%押し下げられたと分析しました。そして、同報告は、格差問題に取り組めば、社会を公平化し、経済を強固にすることができるとしています。総理は、格差の拡大が経済成長を阻害すること、逆に、格差是正のための経済政策こそ経済成長につながることを認めますか。
 政府が進めているのは格差の一層の拡大です。庶民増税の一方で、来年度から二年間で法人実効税率を三・二九%引き下げ、一・六兆円もの減税を行おうとしています。史上最高の利益を上げ、二百八十五兆円もの内部留保をため込んでいる大企業に減税しても、これまでどおり、賃上げには回らず、内部留保や株主配当に回るだけです。格差を拡大し、経済効果もない大企業減税はやめ、社会保障の充実など国民の暮らし応援にこそ転換すべきです。答弁を求めます。
 補正予算案には軍事費二千百十億円が計上され、経済対策として、在沖縄海兵隊のグアム移転など、自衛隊の安定的な運用態勢、防衛施設の円滑な運営の確保が盛り込まれました。なぜこれが地方への好循環の拡大になるのですか。
 軍事費は、第二次安倍政権発足直後の二〇一二年度補正予算に二千百二十四億円が盛り込まれ、一般会計との合計で初めて五兆円を超えました。以来、一般会計と復興特別会計、補正予算の合計で軍事費は三年連続して五兆円を超えています。国民には社会保障の切捨てなどを押し付けながら、経済対策と称して軍事費を拡大することは許されません。答弁を求めます。
 総理は、年頭会見で、平和国家としての歩みは変わらないと述べました。ところが、今、ステルス戦闘機F35、無人偵察機グローバルホーク、オスプレイ、水陸両用車両など新しい兵器調達が進められています。これによる装備体系の変更は、自衛隊を海外派兵型につくり替えるものです。
 さらに、政府は、武器輸出三原則の撤廃により武器の海外輸出を推進し、非軍事に限られていたODA大綱を改定し、他国の軍に対する支援を可能にしようとしています。平和国家としての歩みとは全く逆行するものではありませんか。
 今年は戦後七十年の節目の年です。侵略戦争で国内外に多くの犠牲を生み出した痛苦の教訓から、二度と海外で戦争しないと誓った憲法の平和主義を守り抜くことこそ求められています。憲法に反する集団的自衛権行使容認の閣議決定に伴う法改悪は中止し、閣議決定の撤回を求めるものです。
 同時に、今年は広島、長崎の被爆七十年であり、五年ぶりにNPT再検討会議が開かれます。今、世界では核兵器の非人道性、残虐性を追及し、その廃絶を求める流れが発展しています。その大きな力が、高齢の被爆者が命ある間に核兵器のない世界をと自らの被爆体験を語り広げていることです。
 ところが、昨年十二月の第三回核兵器の人道的影響に関する会議において、日本の軍縮代表部大使は、核兵器の爆発が対応できないほど悲惨な結果を招くとの見方は悲観的過ぎる、少し前向きに見てほしいと発言しました。核兵器の使用を前提とした発言であり、絶対に許されません。このような発言が政府代表からなされるのは、日本が被爆国でありながら、核抑止力論、核の傘依存の立場にあるからではありませんか。
 被爆七十年の今こそこの立場から脱却すべきです。そして、圧倒的多数で採択されている核兵器禁止条約の交渉開始を求める国連決議に対し、棄権するという被爆国として恥ずべき態度をやめ、賛成をするべきです。
 被爆七十年にふさわしい総理の決断を求め、質問を終わります。拍手
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
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安倍晋三#23
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 井上哲士議員にお答えいたします。
 政策実行に係る政治姿勢についてお尋ねがありました。
 我が自民党は、できることしか約束しない、約束したことは必ず実行する政党であります。それなくして政治への国民の信頼はありません。
 総選挙は、それぞれの政党が公約を掲げ、それを踏まえ国民が政権選択をした結果であります。であるならば、政権与党はその国民への約束を一つ一つ実現していかなければならない、その大きな責任があると考えます。それは白紙委任とは全く違います。
 私たち自民党は、御指摘のあった消費税、安全保障政策、エネルギー政策についてその考え方を公約に明確に掲げております。これらについて、今後も国会審議などを通じ、国民の皆さんに丁寧に説明し、御理解を得る努力を続けながら確実に実現してまいりたいと考えております。
 沖縄における選挙の結果及び普天間の辺野古への移設についてお尋ねがありました。
 選挙の結果については、いずれも真摯に受け止めたいと思います。最も大切なことは、住宅や学校に囲まれ、市街地の真ん中にある普天間の固定化は絶対に避けなければならないということであります。これが大前提であり、かつ政府と地元の皆様との共通認識であると思います。辺野古への移設は、米軍の抑止力の維持と普天間の危険性除去を考え合わせたとき、唯一の解決策です。この考え方に変わりはありません。
 これは、現在の普天間を単純に辺野古へと移す計画ではありません。普天間が有する三つの機能のうち、辺野古に移るのはオスプレイなどの運用機能のみです。空中給油機は既に全機、山口県岩国基地へ移りました。緊急時の航空機受入れ機能も本土へ移します。また、オスプレイの県外訓練等も着実に進めています。埋立面積は全面返還される普天間飛行場の三分の一以下です。飛行経路は市街地の上空から海上へと変更されます。これにより、住宅防音が必要な一万以上の世帯数がゼロとなります。
 このように、辺野古への移設は沖縄の負担軽減に十分資するものであります。負担軽減に取り組む政府の姿勢が民主主義に反するとは考えていません。沖縄県による第三者委員会の設置については、詳細を承知していないのでコメントは差し控えたいと思います。
 政府としては、地元の皆様の御理解を得ながら、普天間の一日も早い返還に向け、安全に留意しながら着実に移設を進めてまいります。
 消費税率引上げについてのお尋ねがありました。
 消費税率の引上げは、国の信認を確保するとともに、社会保障制度をしっかりと次世代に引き渡し、子育て支援を充実していくためのものです。その増収分は、医療、年金、介護といった社会保障の給付や子育て支援の充実に充てられ、特に、所得の低い方々に対しては、国民健康保険料等の保険料軽減の拡充などを講じております。
 他方、昨年四月の消費税率引上げが個人消費に影響を及ぼしたのも事実であり、アベノミクスの成功を確かなものとするため、一〇%への引上げを十八か月延期することとしました。平成二十九年四月の一〇%への引上げを確実に実施するため、経済運営に万全を期し、経済再生と財政健全化の両立を目指してまいります。
 景気の国民の実感についてお尋ねがありました。
 政権交代以来、三本の矢の政策を進めた結果、有効求人倍率は二十二年ぶりの高水準、賃上げは平均二%以上のアップと十五年で最高、企業の経常利益は過去最高水準、企業倒産件数は二十四年ぶりに一万件を下回るなど、確実に経済の好循環は生まれ始めています。
 しかしながら、景気回復の実感が地方に暮らす方々や中小・小規模事業者の方々に届いていないのも事実です。今般の経済対策は個人消費のてこ入れと地方経済の底上げを図るものであり、これにより全国津々浦々にアベノミクスの成果を届けてまいりたいと考えています。
 また、さきの政労使会議で、経済界の皆さんが昨年に引き続き今年の賃上げにも最大限の努力を行うことを約束してくれました。今年も来年も再来年もしっかりと所得を増やしていけば、全国の方々に景気回復を実感していただくことができると考えています。
 所得格差と経済成長に関するお尋ねがありました。
 安倍政権では、経済再生に取り組む中で雇用環境の改善と社会保障や税制の見直しを行ってきているところです。特に、雇用環境については、二年連続で最低賃金の大幅引上げを実施し、パートタイム労働者について正社員との均等・均衡待遇を推進してきたところです。さらに、昨年末に取りまとめた政労使の三者の共通認識において、非正規雇用労働者のキャリアアップや処遇改善に向けた取組を今後も進めていくこととしています。このような施策を通じて、経済成長の成果が広く国民に行き渡るような取組を行ってまいります。
 なお、今回の法人税改革は、経済の好循環の定着に向けて、企業が収益力を高め、より積極的に賃上げに取り組むよう促す観点から行うものであり、格差を拡大し、経済効果もない改革であるとの御指摘は全く当たりません。
 二十六年度補正予算案における防衛関係費についてお尋ねがありました。
 二十六年度補正予算案における防衛関係費については、自衛隊の活動に必要な経費に加え、緊急経済対策として、昨年末の閣議決定に基づき、多発する自然災害や一層厳しさを増す我が国周辺の安全保障環境を踏まえ、円滑な社会活動、経済活動の基盤となる安全、安心な社会を実現するために緊急に必要な経費を計上するものであります。
 さらに、防衛装備品の取得や防衛施設の整備に当たっては、一般に、主契約企業を通じて地方に所在する多数の下請企業に資金が流れるため、需要を押し上げる効果も有するものであり、実効的な経済対策になるものと考えています。
 なお、補正予算を含め、一般会計及び復興特別会計に計上した防衛関係費の合計については、二十四年度と二十五年度は五兆円に達しておらず、三年連続で五兆円を超えているとの事実はありません。
 我が国の平和国家としての歩み及び安全保障法制に関する閣議決定についてお尋ねがありました。
 我が国の平和国家としての歩みは、これからも決して変わることはありません。新たな防衛装備の調達は、専守防衛の下、あくまでも我が国の防衛に不可欠な防衛力を整備するためのものであります。自衛隊を海外派兵型につくり替えるとの御指摘は全く当たりません。
 防衛装備移転三原則は、防衛装備の海外移転に係る手続や歯止めをこれまで以上に明確化したものです。新たな開発協力大綱案は、非軍事的協力による平和と繁栄への貢献を基本方針として掲げています。また、昨年七月の閣議決定は、合理的な解釈の限界を超えるような憲法解釈の変更ではなく、政府としては、閣議決定で示された基本方針の下、切れ目のない安全保障法制の整備を進めてまいります。
 核兵器をめぐる我が国の立場についてお尋ねがありました。
 我が国としては、悲惨な惨禍をもたらす核兵器は二度と使用されるようなことがあってはならないとの立場です。核兵器の使用は、その絶大な破壊力、殺傷力のゆえに、国際法の思想的基盤にある人道主義の精神に合致していないと考えます。他方で、核兵器禁止のための国際約束を作成することについては、現時点で核兵器国を含む多くの国が受け入れておらず、直ちに交渉を開始することができる状況にはないものと認識しています。
 いずれにせよ、我が国は、唯一の被爆国として、核兵器のない世界の実現に向けて、今後とも現実的かつ実践的な取組を通じて最大限努力をしていく考えであります。拍手
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輿
輿石東#24
○副議長(輿石東君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
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輿
輿石東#25
○副議長(輿石東君) 日程第二 国務大臣の報告に関する件(平成二十五年度決算の概要について)
 財務大臣から発言を求められております。発言を許します。財務大臣麻生太郎君。
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
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麻生太郎#26
○国務大臣(麻生太郎君) 平成二十五年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書を会計検査院の検査報告とともに国会に提出し、また、平成二十五年度の国の債権の現在額並びに物品の増減及び現在額につきましても国会に報告をいたしましたので、その概要を御説明させていただきたいと存じます。
 まず、平成二十五年度の一般会計の決算につきましては、歳入の決算額は百六兆四百四十六億円余、歳出の決算額は百兆一千八百八十八億円余であり、差引き五兆八千五百五十七億円余の剰余を生じております。
 この剰余金につきましては、財政法第四十一条及び特別会計に関する法律等の一部を改正する等の法律附則第十五条第二項の規定により、百九十七億円余を控除した残額五兆八千三百六十億円余を既に平成二十六年度の一般会計の歳入に繰り入れております。
 なお、平成二十五年度における財政法第六条の純剰余金は一兆四千四百九十三億円余となります。
 以上の決算額を予算額と比較いたしますと、歳入につきましては、予算額九十八兆七百六十九億円余に比べて七兆九千六百七十六億円余の増加となります。この増加額には、前年度の剰余金受入れが予算額に比べて増加した額七兆六千百六十五億円余が含まれておりますので、これを差し引きますと、歳入の純増加額は三千五百十一億円余となります。
 一方、歳出につきましては、予算額九十八兆七百六十九億円余に、平成二十四年度からの繰越額七兆六千八百八十五億円余を加えました歳出予算現額百五兆七千六百五十四億円余に対し、支出済歳出額は百兆一千八百八十八億円余であり、その差額は五兆五千七百六十六億円余となります。このうち平成二十六年度への繰越額は三兆七千九百三十一億円余であり、不用額は一兆七千八百三十四億円余となっております。
 なお、歳出のうち、予備費につきましては、その予算額は三千億円であり、その使用額は二百五十四億円余であります。
 次に、平成二十五年度の特別会計の決算でありますが、同年度における特別会計の数は十八であり、これらの決算の内容につきましては、特別会計歳入歳出決算のとおりであります。
 次に、平成二十五年度における国税収納金整理資金の受入れ及び支払につきましては、同資金への収納済額は五十八兆一千八十五億円余であり、一般会計の歳入への組入額等は五十七兆三千八百九十八億円余でありまして、差引き七千百八十七億円余が平成二十五年度末の資金残額となります。
 次に、平成二十五年度の政府関係機関の決算でありますが、その内容につきましては、それぞれの決算書のとおりであります。
 次に、国の債権の現在額につきましては、平成二十五年度末における国の債権の総額は二百三十五兆三百六十億円余であります。
 次に、物品の増減及び現在額につきましては、平成二十五年度中における純増加額は二千七百三十八億円余であります。これを前年度末現在額十一兆八千二百七億円余に加えますと、平成二十五年度末における物品の総額は十二兆九百四十五億円余となります。
 以上が、平成二十五年度の一般会計歳入歳出決算等の概要であります。
 なお、平成二十五年度の予算の執行につきましては、予算の効率的な運用や経理の適正な処理に努めてきたところでありますが、なお会計検査院から五百九十五件の不当事項等について指摘を受けましたことは誠に遺憾であります。
 今後とも、予算の執行に当たっては一層配慮をいたし、その適正な処理に努めてまいる所存であります。
 何とぞ御審議のほどよろしくお願い申し上げます。拍手
    ─────────────
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輿
輿石東#27
○副議長(輿石東君) ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。松山政司君。
   〔松山政司君登壇、拍手〕
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松山政司#28
○松山政司君 自由民主党の松山政司です。
 私は、参議院自民党を代表いたしまして、平成二十五年度決算と重要課題について質問をさせていただきます。
 まず、シリアにおいてイスラム過激派組織ISILによる邦人拘束事案が発生しました。大変残念なことに、人質一名が無残にも殺害されたとの報道に、御家族、関係者の心中を察するに余りあり、言葉もありません。昨日深夜、新たな音声付画像も公開されたとのことですが、改めて、現在拘束されている人質に危害を加えぬよう、即時解放するよう強く要求し、そのための政府の対応を全面的に支えていく所存でございます。
 総理の掲げる地球儀を俯瞰した積極的平和外交をまさに行動で示すべく、本年早々に中東四か国・地域を訪問中に起きたこの事件に、言語道断、怒りを覚えずにはいられません。
 しかし、一月にフランス・パリで発生した新聞社襲撃など、一部のイスラム過激派による連続テロの後、反イスラム感情をかき立てる動きが欧州に広がり、一般のイスラム教徒にまで危害が加えられています。
 総理がさきの会見でも述べられたように、過激主義とイスラム社会は全く別のものであると私も考えます。この緊迫した世界情勢の中でも、我が日本は、国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から、地域や国際社会の平和と安定に、より一層貢献しなくてはならない役割を担っていると考えます。総理の御見解をお聞かせください。
 では、決算に関する質問に移ります。
 まず、参議院の決算の取組について伺います。
 平成十五年参議院改革協議会での合意に基づいて、平成十五年度決算から、本院からの要請と会計検査院や政府の努力により、国会に早期に提出され、本院自らも早期審査に努めるなど、決算審査を充実させるための取組が続けられています。
 衆議院と違い解散のない参議院が腰を据えて取り組んでいる決算、これを予算編成に反映すべく、深く掘り下げ審査し、参議院の独自性を発揮するために決算を重視していくことは、党派を超えた総意です。また、今よく言われているPDCA、すなわち、計画、実行、評価、改善のサイクルにおいて、決算はまさに政策を評価、点検し、その結果を反映させることであると思います。
 以上の点を踏まえて、改めて安倍総理から参議院の決算審査についての御見解をお伺いいたします。
 次に、平成二十五年度予算、決算について伺います。
 平成二十五年度予算は、二十四年十二月の衆議院総選挙の結果を受け、自公政権発足直後に編成をされました。アベノミクスの三本の矢によって円高・デフレ不況から脱却をして強い経済を取り戻す、それと同時に、歳出の無駄を最大限縮減しつつ、中長期的に持続可能な財政構造を目指す、日本経済再生と財政健全化の双方の実現に向けたかなりハードルの高いものでありました。その結果、一般会計歳出決算は百兆一千八百八十八億円と、二年ぶりに百兆円を超え、過去三番目に多い歳出額。一方、新規国債発行額は約四十三兆円と、前年度と比較して約六兆六千億円、一三・一%の減少となりました。
 二つの相反する使命を背負った平成二十五年度予算、そして決算を安倍総理はどのように評価をされているのでしょうか。
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輿
輿石東#29
○副議長(輿石東君) 松山さん、ちょっとお待ちいただけますか。
 御報告申し上げます。
 議事の途中でありますが、内閣より、緊急の対応を要するため、内閣官房長官を退席させたいとの申出がございました。議長はこれを認めることにいたします。
 質疑を続けます。
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