麻生太郎の発言 (本会議)
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○国務大臣(麻生太郎君) 尾立先生から十一問頂戴いたしております。
法人税改革についてまずお尋ねがありました。
平成二十六年度税制改正では、復興特別法人税の前倒し廃止により、法人実効率を引き下げましたが、こうした取組と、所得拡大促進税制の拡充や政労使会議における取組などが相まって、賃金アップなど、経済の好循環が生まれ始めているものと考えております。
また、平成二十七年度税制改正で取り組む法人税改革は、単なる減税ではなく、課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げることにより、一部の黒字企業に税負担が偏っている現状を是正し、法人課税をより広く負担を分かち合う構造に改革することを目指すものであります。
こうした改革を通じて、稼ぐ力のある企業の税負担を軽減することで、企業の収益力の改善に向けた投資などがより積極的になり、それにより企業の体質が変わることで、継続的な賃金アップや下請企業の価格転嫁の円滑化といった取組にもつながるものと期待をいたしております。
次に、復興特別法人税についてのお尋ねがありました。
平成二十六年度税制改正では、復興特別法人税を一年前倒しで廃止をいたしましたが、これは、企業収益の拡大を賃金アップにつなげていく一つのきっかけとするとともに、企業が賃金アップという形で役割を果たし、経済の好循環の流れが全国的に広がれば、被災地の復興にも良い影響を及ぼすとの考え方で実施したものであります。また、平成二十四年度の決算剰余金の一部を活用して復興財源を補填しており、復興に支障を来すようなことはいたしておるわけではありません。
したがって、企業を優遇し、復興を成し遂げる意識がないとの御批判というものは当たらないと考えております。
租税特別措置の適用実態調査についてのお尋ねもあっております。
この調査は、租特の利用状況を明らかにして政策の企画立案に役立てていくことを目的としていることから、こうした目的に照らして、個別企業名まで公表する必要はないという整理が平成二十二年の立法当時からなされております。このため、個別の租特ごとに適用額の上位十社を示す際にも、個別企業名ではなく、毎年度ランダムに割り振ったコード番号を用いさせていただいております。
御指摘のように、企業固有のコード番号を割り当ててそれを継続的に使用していくことは、個別企業名を類推しやすくなり、企業イメージの悪化など競争上の不利益を生じさせかねないことから適当ではないと考えておるところであります。
次に、法人税改革と企業・団体献金の増加との関連性についてのお尋ねがあっております。
法人税改革は、デフレ不況からの脱却を目指している今、経済の好循環の実現につなげていくために必要なことから実施するものであります。
企業・団体献金につきましては、各企業・団体が政党に対して行っているものでありまして、財務大臣としてお答えする立場にはないというのは御存じのとおりであります。
奨学金の延滞者へのフォローアップについてのお尋ねがありました。
奨学金事業は、過去の貸与者からの返還金を原資とすることにより、それにより学生などに貸与を行うものであり、一定の収入のある方にはきちんと返還をしていただくことが基本となりますのは当然です。もちろん、様々な事情により、卒業後に厳しい経済状況に置かれ、奨学金の返還が困難な方がおられるということもこれまた事実であります。
こうした方々に対応するため、平成二十四年度から、卒業後に一定の収入を得るまで返還を猶予する所得連動返還型奨学金制度を導入したり、平成二十六年度からは、経済困難を理由として返還期間を猶予する制度の年数制限を五年から十年へ延長したりするなど、真に困窮しておられる奨学金返還者に対する返済策の充実を図っているところであります。
奨学金の返還が困難な方々については、引き続ききめ細かく対応してまいりたいと考えております。
次に、ひとり親家庭等福祉対策関係予算についてのお尋ねがありました。
御指摘のひとり親家庭等福祉対策関連予算は、厚生労働省において算出した数字でありますが、十三億円減少しているという点につきましては、児童扶養手当の予算が、対象児童の減少などに伴って自動的に十八億円減少することが影響しておりますことや、二十七年度に創設された生活困窮者自立支援制度のうち、子供を有する家庭の学習支援十九億円といったものがここに含まれていないことなどに御留意いただく必要があろうかと考えております。
いずれにいたしましても、一人親家庭ではきめ細かな支援が必要と認識をいたしており、様々な施策を個々の事情に応じて組み合わせ、一人親家庭の自立支援へ努めてまいりたいと考えておる次第です。
勤労税額控除の導入についてのお尋ねがありました。
御指摘の勤労税額控除につきましては、例えばフランスのように、勤労インセンティブを高めなければ、低所得者対策を行うために導入されているものと承知をいたしております。ただし、その導入に当たりましては、給付付き税額控除と同様に、所得や資産の把握の問題、執行面での対応の可能性などの課題があると承知いたしております。
いずれにいたしましても、低所得者については、消費税率引上げに伴う低所得者への配慮として、与党において軽減税率などの検討が進められているところであります。
政府としては、まずは与党における検討を踏まえるべきものと考えており、引き続き与党の議論を見守ってまいりたいと考えております。
次に、法人税改革ではなく、若者の教育や人への投資を行うべきとのお尋ねがありました。
今回の法人税改革は、コーポレートガバナンスの強化や政労使会議における取組と相まって、企業の体質を変え、持続的な賃金アップなどにつなげていくことを目指すものであり、このこと自体、若者を含め、企業で働く人への投資につながるものと考えております。
また、若者の教育や人への投資という観点からは、平成二十七年度予算においてもしっかりと対応を行っております。
具体的には、低所得者世帯を中心とする幼児教育における保護者負担の軽減を進めるとともに、意欲と能力のある全ての若者に大学で学ぶ機会をつくるため、奨学金制度を充実いたしております。
さらに、全ての人が希望を持てる労働環境の整備のために、非正規雇用者の正社員への転換や処遇改善に取り組む事業主への支援の拡充、若者の就職支援の強化を実施することといたしております。
次に、給付付き税額控除の検討状況についてのお尋ねがありました。
御指摘の給付付き税額控除につきましては、低所得者に絞った効率的な支援が可能になるとの議論があります一方、所得や資産の把握の問題、執行面での対応の可能性などの問題があることを承知いたしております。消費税率引上げに伴う低所得者への配慮として、与党においても軽減税率制度等の検討が進められているところであります。
政府といたしましては、まずは与党における検討を踏まえるべきものと考えており、引き続き与党の議論を見守ってまいりたいと考えております。
消費税の軽減税率制度についてのお尋ねがありました。
消費税の軽減税率制度につきましては、様々な御意見がある中、例えば、昨年、与党税制協議会が行った団体ヒアリングにおいて、痛税感を緩和するといった意見がある一方で、高所得者にも恩恵が及ぶのではないか、対象品目の合理的な線引きが困難ではないか、多額の減収が生じて社会保障財源に影響するのではないか、事業者の業務負担が増加するのではないかなどの懸念の声があったものと承知をいたしております。
いずれにせよ、与党において、こうした懸念も踏まえつつ平成二十七年度与党税制改正大綱に沿って議論が進められているところであり、引き続きこれを見守ってまいりたいと考えております。
最後に、国際協力銀行、JBICがインドネシアで融資を検討している事業に関してのお尋ねがありました。
国際協力銀行におきましては、同行が定める環境社会配慮確認のためのガイドラインにのっとって融資を行うこととなっていると承知をいたしております。財務省としては、所管官庁として、国際協力銀行、JBICがこのガイドラインにのっとり、引き続き、現地住民の声を聞きつつ、適切に環境社会配慮確認を行うよう監督してまいりたいと考えております。(拍手)
〔国務大臣高市早苗君登壇、拍手〕