藤巻健史の発言 (本会議)

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○藤巻健史君 維新の党、藤巻健史です。
 私は、維新の党を代表し、財務大臣に質問いたします。
 細かい内容は今後の財政金融委員会でお聞きするとして、本日は税に関しての大きな問題についてお聞きしたいと思います。
 国の累積赤字は昨年末で千三十兆円にも積み上がっています。一月二十八日の本会議でも指摘いたしましたが、これは二十年間も自民党政権が税収をはるかに超える歳出を続けてきた結果です。
 そもそも、大きな政府を保持したいのなら国民の高負担が必要なはずなのに、歴代自民党政権は、ばらまきを続けて国民の歓心を買い、その一方で、低い税金でも国民の歓心を買ってきました。すなわち、いいとこ取り政策を続けてきた結果がこの膨大なる借金だと思っています。千三十兆円もの借金は、十兆円ずつ返しても百年掛かる借金です。
 今参議院で審議中の政府予算での歳出は九十六兆円です。したがって、借金をやめ、百年間で借金を完済するためには、今年度は約百兆円もの税収が必要になる計算です。しかし、本年度の税収予想は五十五兆円にすぎません。
 安倍政権は、まずはデフレ脱却を唱えていますが、デフレ脱却さえすれば百兆円もの税収が上がるとお考えなのでしょうか。
 史上最高の税収は、バブル真っ最中の一九九〇年の狂乱経済と言われた経済の下での六十・一兆円にすぎません。どういう経済シナリオで税収百兆円が確保できるのか、麻生大臣、お答えください。税収弾性値を一とすると、名目GDPが現在の四百九十兆円弱から八百九十兆円ほどに伸びなければ百兆円もの税収は達成できません。麻生大臣、税収は大丈夫でしょうか。
 さらには、社会保障費は毎年一兆円ずつ歳出が増えると言われていますし、名目GDPが急伸するほど景気が良くなれば、金利は上昇し、支払金利増で歳出もうなぎ登りです。デフレを脱却し消費税を一〇%に上げれば財政は盤石なのか、是非お答えいただきたいと思います。
 麻生大臣がウルトラCの財政再建策を御提示くださるのならともかく、これほどの累積赤字がたまってしまった以上、一〇%への消費増税や景気回復による税収増だけでは国は資金繰り倒産になってしまうと思われます。それならば異次元の歳出カットも必要となってくるはずですが、安倍政権は本年度も九十六兆円という史上最大の歳出を考えていらっしゃいます。
 歳出カットと口で言うのは簡単ですが、歳出の四割をも占める社会保障費に手を付けなければ、大幅な歳出カットなど不可能です。国会議員が身を切る改革をしなくては、到底国民の皆様から社会保障費カットの理解を得ることはできません。我が党が主張する身を切る改革さえ安倍政権はやろうとしていないのです。安倍政権は歳出カットをやる気があるのでしょうか。麻生大臣、お答えください。
 景気回復による増税や一〇%への消費増税だけでは財政再建は難しいと思えます。それなのに安倍政権は大幅な歳出カットさえ考えていそうもありません。
 そこで、麻生大臣にお聞きいたします。大臣は、景気回復による税収増や一〇%への消費増税、それ以外の大増税をお考えになっているのではないでしょうか。それも、増税とは本来国会審議を経なくてはいけないはずなのに、それを回避した大増税を考えているのではないでしょうか。
 私が危惧している大増税とはインフレ税のことです。実は、インフレ税という言葉を使いましたが、実際はハイパーインフレのことで、税金の形を取っていません。ですから、国会審議も必要ないということなのです。
 税金とは、それが後に国民に使われるにしても、当初は国民から国への富の移行です。実はインフレも国民から国への富の移行なのです。
 釈迦に説法でしょうけれども、個人タクシーの運転手さんが一千万円借金をしたとします。今、借金の返済をするのは大変でも、タクシー初乗りが二キロメートル、極端な話で恐縮ですけれども、百万円になれば、お客さんを十人乗っければ借金の一千万円は一日で返せます。一方、汗水垂らして十年間で一千万円をためた方、すなわち債権者は大変です。タクシー十回乗ると一千万円の預金はなくなってしまうからです。借金をしている人が大助かりの一方、お金を貸している人は地獄を味わいます。その意味で、インフレとは債権者から債務者への富の移行なのです。
 債権者は国民の皆さん、そして債務者とは千三十兆円もの借金をため込んだ国です。インフレとは、国民から国への富の移行という意味で、まさに税金と同じなのです。ハイパーインフレは大増税を意味します。ハイパーインフレになれば、千三十兆円もの大借金は国にとっては実質なきに等しくなります。しかし、国民生活は地獄です。消費税とは比べ物にもならないほどの逆進性も強く、経済弱者は目も当てられません。
 アベノミクスの第一の矢である異次元の量的緩和とは、ハイパーインフレによる財政再建策だと私は思えてなりません。今、株価は上がり、ベアもあり、景気は上向いています。お金をじゃぶじゃぶにするのですから、予想どおりの結果です。しかし、この異次元の量的緩和の評価は事後的に評価されるべきものです。マイルドなインフレのままうまくソフトランディングができればめでたしめでたしの大成功の政策ですが、出口でつまずきハイパーインフレにでもなれば、それまでのプラスは全て相殺されるどころか、大きな禍根を残すことになってしまいます。
 今年一月にヨーロッパ中央銀行が量的緩和の開始を決定したときに、ドイツは大反対しました。一九二三年に、お金をばらまいた結果、ハイパーインフレを経験したからです。アメリカの共和党も大反対しています。お金をじゃぶじゃぶにした国でハイパーインフレを回避できた国を私は聞いたことがありません。アメリカが今、出口を探っているとおっしゃるかもしれませんが、日銀にはまねできないものばかりです。まねできるとおっしゃるならば、私は、今後この点について徹底的な議論をさせていただきたいと思います。
 だからこそ、ハイパーインフレを回避する出口戦略は必要なのです。政府は、それは日銀の仕事だよとおっしゃるかもしれませんが、失敗すれば国家的リスクにもさらされるのですから、政府は責任を回避できないはずです。アベノミクスで第一の矢として挙げた以上、撤退の責任も政府にあるはずです。政府は出口についてどうお考えなのか、麻生大臣、お答えください。歴史を無視し、ハイパーインフレなどあり得ないと言い切るのは余りにも無責任です。
 ところで、一九八五年から八九年は狂乱経済と言われたバブル期ですが、八六年から八九年の消費者物価指数、全国、生鮮食品を除く総合は、八六年が前年比〇・八%増、八七年が〇・三%増、八八年が〇・四%増、八九年が二・四%増であり、バブル期の大半は黒田日銀総裁が目的とするCPI目標二%以下なんです。でも、経済は狂乱しました。
 先週、土地の公示価格が発表になりましたが、最高地点は東京銀座の山野楽器前の一平米三千三百八十万円です。一坪一億一千万円ということです。昨年に比べて一四・二%の上昇で、バブル期の九割の価格だそうです。
 一方、株価もアベノミクスのおかげで力強い上昇を続けています。昨日の日経平均は一万九千七百十三円ですが、バブル当初の一九八六年の日経平均一万八千七百一円にほぼ同じレベルまで戻ってきています。
 どうもバブルの初期に似ているということで、先週の予算委員会で私は黒田日銀総裁に、株価や不動産の力強い上昇が今後とも続いた場合、量的緩和を続けるのかとお聞きいたしました。回答は、様々なリスク要因を点検しているとのことでした。
 日銀がバブル再発を懸念して、消費者物価が二%に達しないにもかかわらず量的緩和をやめてしまった場合、政府の資金繰りは大丈夫でしょうか。税収でどうやってカバーするのか、財務大臣、お答えください。
 平成二十七年度の国の国債発行予定額は、新発国債三十七兆円、借換債百十六兆円で合計百五十三兆円です。一方、日銀は年間百十・一兆円も購入するわけで、すなわち国債発行額の七〇%をも日銀が買うのです。この量的緩和がこれは理由なのです。七割を占めている買手がいなくなれば、国債市場は大暴落、長期金利は急騰です。暴落必至の国債を買い向かう人などは考えられず、ましてや不動産や株が上昇しているときに国債に資金を割り振る人など日銀以外には考えられません。ですから、そのときは長期金利は暴騰してしまいます。
 国は、何十%もの金利で新発国債を発行するわけにはいきませんから、新たな借金はできません。政府のお財布は半分が空になってしまいます。そのとき、九十六兆円の歳出に見合うお金をどこから持ってくるのでしょうか。所得税、法人税、消費税の大増税ではないでしょうか。麻生大臣、お答えください。
 資金繰り倒産はまずいといって、消費者物価が二%以下、土地と株の値段が上がってきたときに、日銀に相変わらず強制的に国債を買わせ……

発言情報

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発言者: 藤巻健史

speaker_id: 32307

日付: 2015-03-25

院: 参議院

会議名: 本会議