吉良よし子の発言 (本会議)

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○吉良よし子君 私は、日本共産党を代表して、二〇一五年度NHK予算の承認に対して、反対の討論を行います。
 今年は、日本でラジオ放送が開始されて九十年の年に当たります。NHKは、戦前唯一の放送機関であった日本放送協会の名称と財産を戦後においても引き継いでいます。しかし、戦前の日本放送協会は、政府の統制下に置かれ、戦争遂行の宣伝機関の役割を担っていました。今、政府肝煎りで国際放送の強化が進められようとしていますが、戦前のラジオ海外放送においては、戦争プロパガンダに従事させられたという歴史があります。
 この戦前のラジオ海外放送の教訓は重要です。当時、海外放送に携わった人たちは、私たち放送の担い手は、かつて、真実を報道できず、多くの人を戦場にと導く結果をもたらしたと痛恨の思いを述べておられます。この歴史の反省を踏まえ、日本国憲法の下、新たな歩みを開始したのが戦後の放送制度です。
 放送法第一条は、放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって放送による表現の自由を確保すること、放送に携わる者の職責を明らかにすることによって健全な民主主義の発達に資するようにすることをその目的と定めています。放送の自由の獲得は、放送が国家権力から独立してこそ可能になる、これが日本国憲法の求める放送の基本であります。
 したがって、NHK予算の承認に当たっては、予算の内容とともに、その経営姿勢が、放送法にのっとり、国家権力からの独立、表現の自由の確保といった基本が貫かれているのかが問われなければなりません。
 昨年一月、籾井氏の会長就任会見での発言は、放送法に対する著しい不理解を露呈したものでした。また、日本軍慰安婦問題などについての歴史の事実を歪曲する発言は、会長としての資質が深刻に問われるものでした。こうした一連の発言について、籾井会長は、取り消す、個人的な見解を放送に反映することはないと予算委員会や総務委員会の場で繰り返しました。
 ところが、今年二月、籾井会長は、戦後七十年の節目の番組で慰安婦問題を取り上げるかと問われたのに対して、政府のスタンスが見えないので慎重に考えると発言しました。これは国会での弁明に全く反するものであり、籾井会長の反省が形だけのものであったことは明らかです。
 政府のスタンスが見えないと放送できないというのは、NHKの政府からの独立どころか、政府の広報機関に成り下がることを宣言したともいうべき決して見過ごすことのできない発言でした。だからこそ、籾井氏の辞任、罷免を求める視聴者・国民の厳しい声が一層広がっているのです。
 また、籾井会長のハイヤーの私的使用とNHKの代金立替払、及びこれに毅然と対処し得ない監査委員会、経営委員会の責任も重大だと言わなければなりません。
 以上の点から、NHKの二〇一五年度予算を承認することはできません。
 最後に、安倍政権の下で出されたNHKに対する総務大臣意見が、NHKに政府の成長戦略への貢献を求める踏み込んだものになっていることは重大です。NHK及び経営委員会が真摯に向き合うべきは、支え手である視聴者・国民です。NHKが政府の産業政策に迎合せず、政府から独立し、商業主義にくみしないという立場を貫き、公共放送としての信頼を取り戻す努力を強く求め、討論を終わります。(拍手)

発言情報

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発言者: 吉良よし子

speaker_id: 31216

日付: 2015-03-31

院: 参議院

会議名: 本会議