安倍晋三の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 津田弥太郎議員にお答えをいたします。
 労働者派遣法改正法案が廃案となった理由及び責任の所在についてお尋ねがありました。
 昨年の通常国会に提出した改正法案は、条文の一部に誤りがあったこと等により、審議未了で廃案となったものと認識しております。また、昨年九月、条文誤りのあった箇所を訂正し、改めて臨時国会に改正法案を提出しましたが、衆議院の解散により廃案となりました。
 今回の法案は、正社員化を希望する方にはその道を開き、派遣を選択する方には処遇の改善を図るためのものであり、是非とも本国会において成立させていただきたいと考えております。
 いわゆる十月一日ペーパーについてのお尋ねがありました。
 御指摘の資料は、厚生労働省において、議員から個別に御質問等があった場合に補足的に説明するため作成したものであり、正式見解を示した文書ではないと承知しています。
 当初作成された資料に不適切な表現や正確性を欠く表現が用いられ、これにより誤解を招いたことについては、私としても遺憾であります。本件については、厚生労働大臣から担当局長等に厳重注意をした上で、改めて正式な資料を作成し、謝罪したと承知しております。
 派遣労働者のヒアリングについてのお尋ねがありました。
 改正法案の要綱は、公労使三者で構成される労働政策審議会で審議されており、派遣労働者も構成員に含む労働組合等の代表が参加した上、おおむね妥当と認めるとの答申をいただいたものと承知しています。
 なお、改正法案の考え方について、国会への提出と後に二回、計四人の方に厚生労働大臣よりヒアリングを行い、このうち二人の方から法案の目指す方向性に賛同する旨のコメントがあったと聞いております。
 各省庁で働く派遣労働者数と正規職員への転換についてお尋ねがありました。
 御通告いただいた後の集計であり、現時点で把握できた限りでは、平成二十六年四月一日時点において、国の行政機関の内部部局で受け入れている派遣労働者数は二百六十一名、このうち昨日までの間に同一省庁において正規職員として採用された方はありません。国家公務員の定員管理が厳しく行われていることや、原則、競争試験を経る必要があることなど、民間企業とは異なる事情がありますが、いずれにせよ、国家公務員として採用を希望する方に対しては、派遣労働者であるか否かにかかわらず、国家公務員法に基づき適切に対応してまいります。
 派遣労働者と正社員の増減の見込みについてのお尋ねがありました。
 今回の改正案においては、希望する方の正社員化を進めるため、派遣元に対し、派遣期間が満了した場合の雇用安定措置や計画的な教育訓練を義務付けるとともに、派遣先に対し、派遣で働く方への正社員の募集情報の提供を義務付けるなど、これまでになかった新たな措置を盛り込んでおり、これをしっかり実施していくこととしています。
 派遣労働者や正社員の増減については、まさに景気や雇用失業情勢、労働者の意向等を受けて変化することから、これらを一律に固定するという仮定で見通しを立てることは困難と考えています。
 いずれにせよ、安倍内閣としては、経済の好循環の実現と働く方の雇用の安定や所得環境の改善に引き続き取り組んでまいりたいと考えています。
 産業競争力会議の民間議員についてお尋ねがありました。
 産業競争力会議の民間議員については、それぞれの所属する組織の立場を離れ、公共の利益のために同会議に参画していただくとともに、最終的な政策決定は内閣の責任で行っているところであります。このため、国会議員と同様に民間議員の資産公開を検討すべきとの御意見は適切ではないと考えます。
 派遣社員への置き換えや派遣契約の解除についてのお尋ねがありました。
 今回の改正案では、派遣先の事業所単位で受入れ期間の上限を三年とした上、延長する場合には現場の実態をよく知る過半数組合等からの意見聴取を義務付け、派遣労働者への置き換えを防ぐこととしており、そのための規定を法第四十条の二に設けています。
 さらに、同条において、意見聴取の実効性を確保するため、派遣先に対し、反対意見があったときは事前に対応方針を説明することや意見聴取の記録を周知する義務を新たに課し、労使間で実質的な話合いができる仕組みをつくることとしています。
 このように、今回の改正は、社長以外の全員が派遣社員という企業を生じさせるようなものではありません。
 なお、平成二十四年改正により、派遣先に対し、自らの都合により派遣契約の中途解除を行う場合には新たな就業機会の確保等を義務付けており、派遣労働者の保護を図っています。
 韓国における職務給の状況についてお尋ねがありました。
 韓国では、二〇〇七年に施行された非正規労働者保護関連法において、派遣労働者を含む非正規労働者の賃金等の労働条件について、雇用形態を理由とする差別的処遇が禁止されていると聞いています。しかしながら、この制度の運用状況や職務給の普及状況等には不明な点も多いことから、韓国を含め、諸外国における均等・均衡待遇の確保の在り方について調査研究に取り組んでまいります。
 正社員の定義についてお尋ねがありました。
 労働関係法令上、正社員という確立した定義はありませんが、一般的には、労働契約の期間の定めがない、所定労働時間がフルタイムである、直接雇用であるといった状況にある方を正社員と呼んでいます。
 今回の改正案では、こうした意味での正社員を希望する方について、その道が開けるようにするため、派遣元の責任を強化し、派遣期間が満了した場合、正社員になったり、別の会社等で働き続けることができるようにする措置や計画的な教育訓練を新たに義務付けるなど、派遣就労への固定化を防ぐ措置を強化することとしています。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣塩崎恭久君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 118915254X03120150708_018

発言者: 安倍晋三

speaker_id: 26067

日付: 2015-07-08

院: 参議院

会議名: 本会議