足立信也の発言 (本会議)
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○足立信也君 民主党の足立信也です。
会派を代表して、二法案につきまして質問をいたします。
私は、選挙制度協議会のメンバーとして、平成二十五年九月から平成二十六年十二月にかけて、三十一回にわたって開催されました会議に参加しました。その協議会の協議内容と、平成二十六年十一月二十六日の最高裁大法廷の判決、そして提出二法案の内容を照らし合わせながら発議者に質問をいたします。分かりやすくするために、四会派提出のいわゆる民公案を十合区案、五会派提出案を十増十減案と呼びます。
この二法案の違いは、一、合区される選挙区の呼び方が、十合区案では特定選挙区、十増十減案では合同選挙区である点。二、今年一月の住民基本台帳による人口での一票の較差は、十合区案が一・九四五倍、十増十減案が三・〇二〇倍であること。三、最も大きな違いは、十増十減案の附則第七条に、四年後の通常選挙に向けて、選挙制度の抜本的な見直しについて引き続き検討を行い、必ず結論を得るものとすると明記してあるように、十合区案が抜本的な見直し案であるのに対して、十増十減案は一時しのぎのびほう策であることを宣言していることです。十増十減案は抜本改革案であるのか否か、伊達発議者に質問します。
最高裁の判決について申し上げます。安倍総理も、憲法の番人である最高裁が下した判決こそ我々がよって立つべき法理である、法理を超えた解釈はできないと発言されています。
最高裁が我々に明確な宿題を課したのは、平成二十四年十月十七日の最高裁大法廷判決です。判決では、投票価値の著しい不平等状態が生じていたと断じ、都道府県を単位として各選挙区の定数を設定する現行の方式をしかるべき形で改めるなど、現行の選挙制度の仕組み自体の見直しを内容とする立法的措置を講じ、できるだけ速やかに違憲の問題が生ずる不平等状態を解消する必要があると指摘されました。
昨年の判決では、現行のいわゆる四増四減法では違憲ですが、自ら期限を切って抜本改革をすると宣明したことに対する事情判決だという裁判官の意見もあります。言わば三年間の執行猶予だったということです。先送りは決して許されません。
法理として、最高裁は、一、憲法は投票価値の平等を要求している。二、しかし、平等が唯一絶対ではなく、国会の裁量権として立法による平等性の一定限度の譲歩があっても憲法に違反するとは言えない。三、衆議院については、選挙区間の人口較差が二倍未満となることを基本として定められている以上、参議院議員の選挙であること自体から直ちに投票価値の平等の要請が後退してよいという理由はない。四、司法権と立法権の関係上、違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態に至っている旨の司法の判断がされれば、国会はこれを受けて是正を行う責務を負う。五、都道府県を各選挙区の単位としなければならない憲法上の要請はない。六、偶数配分を前提に、都道府県を各選挙区の単位とする仕組みを維持しながら投票価値の平等の実現を図るのは著しく困難であるとしています。
そして、現行の選挙制度は、投票価値の不均衡は違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあったものであるが、前回の選挙が平成二十四年の大法廷判決の言渡しから九か月後であり、抜本的見直しを宣明していることから立法権の裁量の限界を超えていないとされたものです。つまり、今回の改正内容が来年の選挙の違憲、合憲の判断に重要な要素になるということです。
羽田発議者に質問します。来年の参議院通常選挙が違憲無効とならないために今回の改正案に含まれるべき最低限の要件は何か、そして、提案された二法案はその要件を満たしているか、お答えください。
それでは、協議会の協議内容に照らして質問します。
まず、協議会においておおむね合意した項目、それは何か、羽田発議者にお聞きします。
次に、協議会においては、二倍を超える最大較差は許容されるか協議しました。自民党以外は許容できないという結論でした。加えて、途中に出されましたたたき台の案、較差は二・六六倍は許容されるかについても、自民党以外は許容できないという結論でした。提出案の較差三・〇二倍はなぜ許容されるのか、維新の党、次世代の党、新党改革の各発議者に伺います。
二・六六倍が許容されるとした伊達発議者にお聞きします。最大較差は何倍まで許容されるとお考えですか。
今回の判決では、偶数配分を前提に、都道府県を各選挙区の単位とする仕組みを維持しながら投票価値の平等の実現を図るのは著しく困難であると、偶数配分を前提にという条件が付いています。偶数配分を前提としなければ、連記制や奇数配当区などが考えられます。民主党も都道府県単位を維持するために奇数配当案を提案しましたが、会派の案としては取り下げました。新党改革は奇数配当案を党の案として提出されましたが、今回なぜ十増十減案になったのでしょうか。今後、見直し案として検討する予定でしょうか、荒井発議者にお聞きします。
最後の質問です。
平成二十五年九月からの選挙制度協議会並びに検討会において、結局、第一会派の自民党から案が提案されることはありませんでした。第二会派の我々は提案はしましたが、法案提出は断念しました。自らの提案を取り下げて公明党案とすり合わせをした理由と、最後まで自主的な法案提出に至らなかった自民党の姿勢に対して率直な感想を羽田発議者からいただきたいと思います。
先日、早稲田大学において開催された十八歳選挙権に関するシンポジウムにシンポジストとして参加しました。学生たちは突然のことに戸惑いながらも、真摯に受け止め、きちんと勉強して一票を投じたいと思っています。その初めての選挙を違憲無効にしてはならない。もし無効になったなら、彼らの抱く政治への不信感は計り知れないと思います。
憲法上の要請と若者の期待、何より第三者に検討を委ねた衆議院とは異なり、我々自身で憲法上の要請に応えようと決意した上に提出された法律案であることを肝に銘じて、恐らくそれは協議会の前座長の脇雅史議員も同感だと思います。議員各位の誠意ある投票行動に期待します。会派の規律も大事ですが、我々が問われているのは司法権と立法権の関係の再確認と、憲法の要請に我々は応えなければならないということです。合憲案である十合区案、二倍以内案なのか、違憲案である十増十減案、三倍超え案なのか。今日に続いて来週月曜日の本会議も、違憲立法を許すわけにはいきません。
重ねて申し上げます。参議院の自殺行為とならないよう、議員の皆様の良識に訴えて、私の質問を終わります。(拍手)
〔伊達忠一君登壇、拍手〕