荒木清寛の発言 (本会議)

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○荒木清寛君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました平和安全法制整備法案並びに国際平和支援法案の二法案、すなわち平和安全法制について、安倍総理に質疑をいたします。
 平和安全法制は、衆議院特別委員会での百十六時間という長時間の審議を経て衆議院から参議院に送付されました。しかし、残念ながら国民の理解はまだ深まっていません。
 国民の理解を進めるために、参議院の審議では総理及び閣僚は丁寧で真摯な答弁に努めること、また、安倍総理におかれては、あらゆる機会を利用して国民への説明を尽くすことを求めたく、お答え願います。公明党も、本院での審議において議論の工夫と努力を重ねることを決意しております。
 そこで、まず、なぜ今平和安全法制が必要なのか、お尋ねします。
 昨年七月一日の「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」の閣議決定は、我が国を取り巻く安全保障環境は根本的に変容し、更に変化し続けていることを指摘しています。
 具体的には、「冷戦終結後の四半世紀だけをとっても、グローバルなパワーバランスの変化、技術革新の急速な進展、大量破壊兵器や弾道ミサイルの開発及び拡散、国際テロなどの脅威により、アジア太平洋地域において問題や緊張が生み出されるとともに、脅威が世界のどの地域において発生しても、我が国の安全保障に直接的な影響を及ぼし得る状況になっている。」と記述しています。私たちはこの認識を共有いたします。
 衆院特別委員会の参考人質疑では、民主党政権下で防衛大臣を務めた森本敏教授が、二〇〇六年頃から東アジアにおける構造的な変化が起きているとして、この地域における安全保障環境の近年の急速な変化について指摘されました。極めて重要です。こうした根本的な変化に対応するためには、我が国の安全保障の基軸である日米防衛協力体制を強化し、その信頼性を向上させる以外にはありません。そのための今回の法制の整備であると確信しています。
 そこで、総理、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増していることを具体的に説明してください。さきの閣議決定に言うグローバルなパワーバランスの変化とはどういう意味なのか、軍事技術の高度化によりどのような事態が生じているのかを含めて、分かりやすく御説明ください。その上で、平和安全法制をなぜ今成立させなければならないのか、お答え願います。
 次に、では、国民の命と平和を守るための方策は何であるのか、お尋ねします。
 戦後七十年間、我が国は日本国憲法の下で平和国家として歩み続けてきました。専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国にはならず、非核三原則を守るとの基本原則を堅持してきました。この根幹は一切変えるべきではありません。総理はどうお考えですか、お答えください。
 その前提に立って、国民の命と暮らしをいかにして守るのか、公明党は議論を重ねました。言うまでもなく、いかなる紛争も平和外交によって国際法に基づく解決を行うことが根本です。そこで、公明党も、人間の安全保障の理念に基づく平和外交を与党として一貫して推進してきました。この点、総理は積極的平和外交を掲げておられ、心強く思います。平和外交の一層の実践についての総理の決意をお尋ねします。
 中でも、日中及び日韓関係の改善は急務です。首脳同士が胸襟を開いて粘り強く対話を進めることを始め、両国との関係改善をいかに図るのか、総理の決意をお聞かせください。
 国民の命と暮らしを守るためには、外交努力に加えて、万が一への備えも怠ることは許されません。そのための抑止力、すなわち紛争を未然に防止するための法整備が平和安全法制です。
 今回の平和安全法制の整備は、原理、原則、そして視点の三段階で成り立っていることを公明党は指摘をしてまいりました。
 原理とは、戦争の放棄を定めた憲法九条、また、幸福追求権を定めた憲法十三条との適合性を保つこと。原則とは、自衛隊という実力組織を出す以上は明確な法律上の根拠が必要であることです。そして、視点とは、制度があって要件が満たされれば必ず自衛隊を派遣するものではなく、その時々の適切な政策判断があるべきだという点です。
 その政策判断のための視点として、第一に、国益、国際情勢、国内世論などを踏まえた我が国の主体的判断であること、第二に、自衛隊の能力、装備、経験などに照らして自衛隊にふさわしい役割であること、第三に、平和外交努力、すなわち非軍事の貢献や外交交渉と相まっての判断であることの三点が重要です。
 法の施行に当たっては、この三つの視点に基づく慎重な政策判断を政府の方針とすべきであります。総理の見解をお尋ねします。
 次に、存立危機事態についてお尋ねします。
 他国に対する武力攻撃に対し我が国が武力をもって対処しなければ、我が国が武力攻撃を受けた場合と同様な深刻、重大な被害が国民に及ぶことが明らかな事態が存立危機事態です。
 従来は、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるのは、我が国に対する武力攻撃が発生した場合に限られると認識されてきました。しかし、現在の安全保障環境に照らして慎重に検討した結果、他国に対する武力攻撃を契機とする場合であっても、我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合があり得ることについて、公明党は政府と認識を共有するに至りました。そうした存立危機事態とは具体的にどのような場合であるのか、国民が納得できるように、総理に説明を求めます。
 そして、この存立危機事態に対処するために、憲法九条の下で許される自衛の措置としての厳格な新三要件を定めたのであります。新三要件はあくまでも自国防衛のための要件であって、憲法の専守防衛の大原則の枠内であることを改めて総理から御説明願います。
 次に、外国軍隊への補給や輸送などの後方支援及び国際平和協力法の改正についてお尋ねします。
 重要影響事態安全確保法案と国際平和支援法案に基づく後方支援活動の実施、そして国際的な平和協力活動への参加について、自衛隊の海外派遣が政府の自由になり、無制限な派遣とならないか懸念する声が国民の間にはあります。
 そこで、公明党は、自衛隊の海外派遣三原則を与党協議の中で提起をいたしました。すなわち、第一に国際法上の正当性の確保、第二に国民の理解と国会関与など民主的統制の実現、第三に自衛隊の安全確保です。この三原則が今回の法制に具体的にどう盛り込まれているか、御説明ください。
 特に国会承認については、我が党の強い主張により、国際平和支援法案では例外なき事前承認とされたところ、他の場合の国会承認についても極力事前承認とすべきです。また、国会承認に際しては、その判断の基礎となる十分かつ詳細な情報を政府は提供する必要があると考えますが、いかがですか。さらに、後方支援について、防衛大臣は自衛隊の部隊等が円滑かつ安全に活動することができるよう実施区域を指定するとされています。具体的にどのような地域を指定するのでしょうか。これらの点について答弁を求めます。
 間もなく終戦から七十年を迎えます。憲法前文の不戦の誓い、すなわち戦争の悲惨を誰にも味わわせてはならないとの誓いを新たにし、そうした姿勢でこの重要法案の審議に公明党は臨むことを申し上げ、私の質疑といたします。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 荒木清寛

speaker_id: 13126

日付: 2015-07-27

院: 参議院

会議名: 本会議