郡司彰の発言 (本会議)

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○郡司彰君 民主党・新緑風会の郡司彰であります。
 趣旨説明に入る前に、今回の台風十八号等による大雨被害によってお亡くなりになられました方々に対して、改めて衷心より御冥福をお祈り申し上げますとともに、各地で被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。
 さて、私は、提案者を代表し、内閣総理大臣安倍晋三君問責決議案の趣旨説明をいたします。
 まず、決議案の案文を朗読いたします。
  本院は、内閣総理大臣安倍晋三君を問責する。
   右決議する。
 安倍内閣が成立させようとしている安保法制に対する国民の不信と不安は増すばかりであります。国会周辺で、全国の各地で、連日のように安保法制に反対し、廃案を求める集会が開かれてきました。衆議院での委員会質疑百十六時間に加え、本院でも百時間を超える質疑が行われてきましたが、政府の答弁が曖昧でころころ変わるために議論が振出しに戻り、審議は全く尽くされていない状況であります。閣僚が答弁に窮して、衆議院でも百十一回、参議院では審議が百十三回も中断をする異常な状況でした。
 今回の強行採決は、委員外の与党議員が突然委員長を取り囲んで採決を行ったものであります。野党議員が取り囲む場合と異なり、野党議員は、委員長が何を話し、何をしようとしていたのか推量不能でした。その結果、野党議員は表決権の行使ができなかったのが実情であります。
 委員長は国会法四十八条で議事整理権を有してはいるものの、議事整理権といえども委員の表決権を奪うことはできず、野党議員が行使できなかった今回の採決は無効であります。
 なお、議長は、委員長から委員会でどのようなことが起きていたのか報告を受ける立場にあり、上述のような瑕疵がある表決が行われた疑義があることから、安保法案採決のためにセットをされた本本会議も無効であります。
 そうした中、政府・与党は、衆議院に続き、良識の府たる参議院でも採決を強行したのであります。このような暴挙を繰り返す安倍内閣には、もはや退陣をしてもらうしかありません。
 以下、安倍総理大臣を問責する理由を申し述べます。
 我が国は、戦前の植民地支配と侵略、三百万余の命を失った無謀な戦争に対する深い反省を踏まえ、現行憲法の下、平和で豊かな民主主義国家をつくり上げ、戦後七十年間、海外で武力行使をすることはありませんでした。一方で、経済協力、人道支援、PKOなど、国際社会の平和と安定にも大きく貢献をしてまいりました。それが日本の平和ブランドであり、戦後七十年の日本の歩みは国際的にも歴史的にも誇るべきものであります。
 しかるに、安倍政権は、積極的平和主義を掲げ、国民に対し明確な説明を行わず、国民の納得も同意も得られないまま、我が国の国の在り方を大幅に変更しようとしているのであります。
 政府の安全保障法案については、国会に与党参考人として招致をされた憲法学者が法案は憲法違反であると明言をしたほか、圧倒的多数の憲法学者が憲法違反だと批判をしています。本院の委員会審議でも、最高裁判所長官や法制局長官を経験をした専門家もまた、政府の説明は間違っている、法案は違憲だと表明をしました。見識のある自民党の大先輩でさえ、憲法違反だと批判をしていたではありませんか。
 それに対して政府・与党は、そもそも集団的自衛権を視野に置いていなかった砂川事件判決を合憲性の論拠として唐突に持ち出しました。これは捏造と言ってもよいほどの無理筋であります。説得力のかけらもありません。従来の昭和四十七年政府見解と照らしても、真逆の結論を導き出している新三要件は明らかに従来見解の基本的な論理を逸脱しています。もはや専守防衛の原則は崩れていると言わざるを得ません。
 にもかかわらず、政府は、安全保障環境が変わったから憲法解釈を変更できると強弁しています。しかし、それでは、時の政権の判断で憲法をいかようにも解釈できることになってしまうのではありませんか。
 衆議院の審議で中谷大臣が、現在の憲法をいかにこの法案に適用させていけばいいのかという議論を踏まえまして閣議決定を行ったわけでございますと答弁をし、大問題となり撤回をした経緯がございます。撤回したから許されるような問題ではなく、これが安倍政権の本性なのだと国民は見抜いています。
 また、礒崎首相補佐官に至っては、法的安定性は関係ないと言い放ちました。後で撤回に追い込まれはしましたけれども、安倍総理が補佐官を解任せずにかばい続けていることは、総理も内心礒崎氏に同意をしているものと言われても仕方がないのであります。
 政権の意向が憲法を頂点とする法秩序の安定性よりも優先するという姿勢は、憲法や法の支配、民主主義を否定するに等しいものであります。このような危険な政権をこれ以上存続させてはなりません。
 安倍内閣の安保法制は、立憲主義への挑戦でもあります。
 戦後の国会における議論の積み重ねを経て、集団的自衛権の行使は憲法上認められないという見解が確立され、歴代自民党政権もこの見解をずっと受け継いできました。集団的自衛権の行使を認めるというのであれば、本来なら、安倍総理は国民の過半数の賛成を得て憲法改正を提案をすべきでありました。そうではなく、一内閣の独断で、確立された憲法解釈を変更してしまった、このことは安倍内閣の犯した大きな間違いであります。
 しかも、安倍政権は、有識者懇談会や与党協議で閉鎖的に議論を進め、昨年七月一日に、国会での審議も国民への十分な説明もないまま、いわゆる新三要件に基づき集団的自衛権の行使を容認をする憲法解釈の変更を閣議決定したのであります。立憲主義に反した暴挙と言わざるを得ません。
 安倍内閣は、この安保法制の立法事実を提示することさえできず、なぜ今この法案が必要なのかという国民の最大の疑問に答えていません。
 総理は当初、存立事態の具体例として、ホルムズ海峡の機雷掃海と邦人を乗せた米艦の防護の二つを挙げていました。しかし、野党が、中東情勢の変化によりホルムズ海峡の封鎖の可能性が低くなっていること、ホルムズ海峡の封鎖による原油輸入減少の影響が、国民の命や自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態に陥る可能性が低いとただしたのに対し、政府から明確な説明はありませんでした。そして、九月十四日の質疑では、総理自らが、現在の国際情勢に照らせば、現実の問題として発生することを具体的に想定していないと認めたのであります。
 国民の皆さんは、総理が昨年七月一日の閣議決定の記者会見で見せた、赤ちゃんを抱いた母親のイラストのパネルを覚えていることでしょう。総理は、あのパネルを見せながら、邦人を輸送中の米輸送艦を自衛隊が防護ができなくてどうするのだと力説をしていました。しかし、本院の審議で政府は、日本人が乗っていてもいなくても関係ない、存立危機事態かどうかは総合的に判断すると答弁をしました。国民の情に訴えて、なし崩し的に集団的自衛権の行使を……

発言情報

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発言者: 郡司彰

speaker_id: 23530

日付: 2015-09-18

院: 参議院

会議名: 本会議