三次真一郎の発言 (予算委員会公聴会)

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○公述人(三次真一郎君) ただいま御紹介をいただきました茨城県常陸大宮市長の三次真一郎でございます。本日は、このように参議院の予算委員会におきまして意見を述べさせていただく機会を頂戴いたしまして、大変光栄に存じます。
 まず初めに、常陸大宮市の現況を御紹介申し上げます。
 平成十六年十月十六日、五町村が合併して常陸大宮市が誕生いたしました。いわゆる平成の大合併におきまして、茨城県内最初に合併を実施いたしました。
 当市は茨城県の県北西部にあり、県庁所在地の水戸市から北へ約二十キロメートルに位置しております。面積は約三百四十八平方キロ、茨城県内で二番目の広さですが、面積のうち約六割が山林、二割弱が農地となっております。
 高速道路はありませんが、JR水郡線が市内を縦貫しており、市の両側に那珂川と久慈川が流れ、特にアユが特産品として知られているなど、自然に恵まれたところであります。市の南部に商業地や工業団地があり、市街地の形成が進んでいる一方で、それ以外の地域では過疎化が進んでおります。
   〔委員長退席、理事岡田広君着席〕
 人口は、合併の翌年に行われました平成十七年の国勢調査で四万七千八百八人でしたが、平成二十六年十月一日現在では四万二千九百六十三人、平均しますと毎年約五百人、この十年間で五千人強が減少しております。
 なお、合併前、旧五町村のうち四つが過疎地域に指定されておりましたが、合併後も規定により過疎地域自立促進特別措置法が適用されております。市の面積の七六%は過疎地域が占めております。イノシシ被害も出ております。竹も山林まで侵食している状況であります。
 特にここ十数年は若年者数の減少が進行し、それに引っ張られる形で高齢化率が国や県を更に上回るスピードで進行しまして、少子化、高齢化、過疎化の三進化が顕著になってきております。この三進化がこのまま急速に進めば、経済成長率の低下や財政破綻、社会保障制度の行き詰まりなど、我が国の将来に多大な悪影響が及ぶと言われておりますが、我々にとりましては地方自治体そのものの存続が危ぶまれるわけでありまして、大変な危機感を持っておるところであります。
 そのようなことから、以前から人口減少対策に取り組んできましたが、今回の地方創生プロジェクトはまさに追い風になるのではないかと大きな期待をしている次第であります。
 昨年、平成二十六年十月十六日に、合併、そして市制を施行して十年を迎えました。この十年間につきましては、新市建設計画に基づき、合併特例債等の国からの様々な財政支援を受けながら、地域の均衡ある発展と住民福祉の向上を図る町づくりに取り組んできました。
 その主な取組としましては、新市建設計画にも重点事業として位置付けていました地域中核病院の整備であります。当市が位置する茨城県の県北西部地域では、合併前より地域医療の核となる地域中核病院の整備が喫緊の課題となっていました。平成十八年七月、県北西部地域待望の第二次救急医療及びへき地医療に対応できる医療機関として、社会福祉法人恩賜財団済生会、常陸大宮済生会病院を開院することができました。
 現在は、全国的な課題でもある医師不足の中で、特に県内でも医師が不足している当地域において医師の確保が喫緊の課題となっていることから、医師確保の取組として医学部学生への修学資金の貸与を継続して実施しており、地域医療体制の更なる整備に向けた取組を行っているところであります。
 その他、主な取組としまして、行政文書等の保存、管理や、広く市民や行政の利活用に供する機能を併せ持った茨城県内初の公文書館であります常陸大宮文書館を設立いたしました。この文書館は、既に廃校となった市内の学校を約九千八百万円の費用で整備したものであり、廃校の有効利用という面でも成果が上がりました。
 公文書館に関しましては、昭和六十二年に成立した公文書館法により、保存及び利用に関しまして適切な措置を講ずる責務を有するなど必要な事項がうたわれておりますが、この法律は、元茨城県知事で地元選出の参議院議員でありました故岩上二郎先生が中心となって発議された議員立法でありまして、岩上先生の多大なる御尽力があって成立した法律ですので、公文書館設立に当たりましては感慨もひとしおでありました。
 公文書館法にもうたってありますが、公文書等を歴史資料として保存し、利用に供することの重要性を鑑みると、保存、閲覧、調査研究等に供する公文書館については更に全国的に設立する必要があるのではないかと、そのように考えております。是非、積極的な財政支援をお願いするところであります。
 過疎地域を含む本市の人口減少は歯止めが掛からない状態であり、深刻な問題であります。近年は生まれてくる子供の数も年間で三百人を割るなど、社会減に自然減がプラスされ、市内での人の流れも変わり、大変厳しい状況下に置かれてきております。市内の過疎地域の中には高齢化率が四〇%を超える地区が多く見られるようになってきており、回覧板が回せないなどといったような集落機能の低下が見受けられるようになってまいりました。
 そうした状況を踏まえた中で、平成二十一年度より、市内の高齢化率四〇%を超える地区を対象に、茨城県内では常陸大宮市だけの取組となりますが、集落支援員を配置してまいりました。平成二十六年度には二十一地区二十五名の集落支援員を配置し、地域の実情に応じた対策に取り組んでいるところであります。
 さらに、来年度においては、地域おこし協力隊の二十八年度からの導入を目指し、集落支援員とともに交流人口の拡大や地域の活性化に取り組んでいくこととしております。
 さらに、昨年八月、庁内の人口減少対策推進体制を整備し、国の地方創生への取組を先行する形で人口減少対策プロジェクト、元気ひたちおおみや会議を立ち上げ、元気な常陸大宮をつくるために、市の若い職員、子育て世代の職員で構成するワーキングチームを設置し、職員が知恵とアイデアを駆使し、人口減少に歯止めを掛けるにはどうしたらいいか、活力ある、魅力ある町づくりには何が必要か、限られた予算の中で効果的、効率的な施策を展開するため、全職員が一丸となって人口減少対策について取り組んでいるところであります。
 こうした中、国においては、昨年十一月にまち・ひと・しごと創生法を制定し、十二月にはまち・ひと・しごと総合戦略を策定するなど地方創生へ向けての取組を本格化させ、併せて地域活性化・地域住民等緊急支援交付金を創設して、地方の取組を後押しする仕組みを構築したことは一定の評価ができるものと考えております。
 本市におきましては、消費喚起型としてプレミアム付き商品券の発行、先行型として医療機関が新規医師を確保する際に掛かる費用を助成する医師確保支援補助事業等を実施いたします。なお、プレミアム付き商品券につきましては、消費喚起を促し地域経済の活性化につながるものと期待しております。
 常陸大宮市では、商品券の使える店舗を地域の商店と大型店とに区分し、地域の商店で使える割合を高くすることにより、地域商店街の活気を取り戻し、人と人との触れ合いによりコミュニティーの機能を回復させ、町を元気にする仕組みをつくるなどの工夫を凝らしております。こうした工夫を加えることにより、この交付金は地方創生に向けて有効に活用できるものと考えております。
 しかしながら、この交付金につきましては、かねてより地方の裁量で自由度の高い交付金であると言われておりますが、国において徐々に制約が付け加えられ、本市といたしましても当初予定していた事業の変更を余儀なくされました。
 一つの例を申し上げますと、私は、故郷の誇れるものやかけがえのないものから学び、故郷を愛し、慈しむことのできる心を醸成する人づくりを基本とする郷育立市、郷土の郷です、郷育立市を掲げております。
 地方創生の基本は人づくりであります。この人づくりには、教育環境の充実は不可分であり、学校教育の現場にタブレット端末を導入して、新たな教育環境の整備にこの交付金を活用したいと考えておりましたが、このような備品等の購入費については国の了承を得ることができませんでした。私は、こうした教育環境、子育て環境の充実を図ることこそ地方創生、郷育立市づくりの実現に向けた一つの手段であると考えておりますが、御理解いただけなかったことは残念であります。
 また、常陸大宮市は、安全、安心な町づくりにも力を入れているところであります。栃木県日光市の小学一年生、吉田有希ちゃんが殺害され、本市の山林に遺棄された事件が未解決のときに、新たに市内で殺人事件が発生したことをきっかけに、茨城県内初となります犯罪被害者等支援条例を制定いたしました。また、防犯対策として、市内のJRの駅に順次防犯カメラの整備を進めるなど、市民が安心して暮らせるよう努めているところであります。今後、安全、安心のための施策に対し交付金を活用できるよう期待をするところであります。
 これまで、合併の経緯や主な十年間の取組、またこれから新たに行う地方創生の実施などについて述べさせていただきました。現在、国道百十八号沿いに道の駅の建設を進めております。道の駅が本市の魅力を創造し、体感し、発信していける拠点となり、目的地として来ていただけるような場となるよう、強い思いで整備を進めているところであります。
 さらに、本市の発展を目指して今後の町づくりに取り組んでいかなければならないと考えております。
 加えて、本市は依然として人口減少傾向にあり、今まで以上に対策を講じていかなければならない状況であります。本市の人口減少に歯止めを掛け、人口を増加させ、あるいは維持し続けるのにはどうしたらいいか。国の長期ビジョン及び地方創生総合戦略にのっとり、本市も人口ビジョン及び地方創生総合戦略の策定を急がなければならないと考えております。
 地方創生に関係する施策につきましては、有識者等の意見も聞いていくわけでありますが、さらに専門的な立場からの国の地方創生人材支援制度や地方創生コンシェルジュ制度を活用して、本市の地域性に沿った地方創生総合戦略の作成に努めてまいる所存であり、事業実施に向け必要となる予算措置につきましては、国からの支援をいただきたいと考えております。
 以上、主に地方創生に関することにつきまして、常陸大宮市の状況及び意見などを述べさせていただきました。
 御清聴ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 三次真一郎

speaker_id: 18672

日付: 2015-03-26

院: 参議院

会議名: 予算委員会公聴会