八木誠の発言 (経済産業委員会)
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○八木参考人 皆様、おはようございます。電気事業連合会会長の八木でございます。
本日は、このような機会を賜り、まことにありがとうございます。また、平素より電気事業の運営に関しまして、多大な御理解、御協力を賜っておりますことに、この場をおかりいたしまして、厚く御礼を申し上げます。
それでは、今回御審議されております再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度の改正法案につきまして、私どもの考えを申し上げたいと思います。
再生可能エネルギーは、国のエネルギー基本計画において、重要な低炭素の国産エネルギー源と位置づけられており、日本のエネルギー供給の一翼を担うエネルギー源として、近年、その重要性はますます高まっていると認識しております。
昨年、政府において策定された長期エネルギー需給見通しにおいても、二〇三〇年度の電源構成において、再生可能エネルギーを現在の約二倍に当たる二二から二四%程度まで拡大することを目指す方針が打ち出されています。
この再生可能エネルギーについては、私どもといたしましても、震災以前から自主的な取り組みとして、太陽光発電の余剰電力を電気料金と同額で買い取ってきたほか、RPS法のもとでも、毎年増加する義務量の確保を着実に達成するなど、従来から再生可能エネルギーの利用拡大に業界を挙げて取り組んでまいりました。
そうした中、二〇一二年七月に導入された固定価格買い取り制度は、震災後の再生可能エネルギー導入を求める機運の高まりと相まって、事業者や家庭における再生可能エネルギーの利用拡大に大いに貢献してきたものと認識しております。
一方で、制度の導入後、再生可能エネルギーの中でも比較的短期間で導入が可能な太陽光発電の導入拡大が急速に進み、再生可能エネルギー電源ごとの導入量に偏りが見られるようになったことや、再エネ賦課金による国民負担が急速に増加してきたことなど、制度導入による課題も顕在化しつつあるものと認識しております。
今回の改正法案につきましては、各電源ごとの価格目標の設定や入札制度の導入などにより、こうした現行制度のもとでの課題を解決することで、再生可能エネルギーの最大限の導入と国民負担の抑制との両立を目指して提案されたものと受けとめております。我が国において今後、再生可能エネルギーを推進していく上で、大変重要な施策と考えております。
私どもといたしましても、改正の趣旨を踏まえ、持続可能な再生可能エネルギーの導入拡大に向け、今後とも適切に対応してまいりたいと考えております。
その上で、今回の法改正に当たり、私どもとして御配慮いただきたいことについて、三点申し上げたいと思います。
一点目は、固定価格買い取り制度における小売電気事業者間のイコールフッティングの確保についてであります。
今回の改正法案では、再生可能エネルギー電気の買い取り主体が小売電気事業者から送配電事業者に変更されることが規定されています。これによって、送配電事業者が買い取った再生可能エネルギー由来の電気はおおむね、卸電力市場を経由するか、送配電事業者から卸供給約款に基づき、小売電気事業者に引き渡されることになると認識しております。
この小売電気事業者への引き渡し方法については、今後具体的な検討が行われると承知しておりますが、制度の詳細設計に当たりましては、小売電気事業者への電気の配分に当たり公平性が損なわれるといったことがないよう、小売電気事業者間のイコールフッティングがしっかりと確保される仕組みを検討していただきたいと考えております。
二点目は、法施行に向けた実務面への配慮についてであります。
今回の法改正により、法施行予定日である来年四月一日時点で、系統への接続契約が締結されていない案件につきましては、原則、現行法に基づく認定が失効することとなると理解しております。
そのため、国の認定を取得されていながら、一般送配電事業者と接続契約を締結されていない事業者の皆様から、契約締結に向けた御要請が今年度末までの一時期に集中することが懸念されます。
私どもとしましても最大限対応してまいる所存でございますが、人的資源や施行までの期間に制約がある中、事業者の皆様の御要望にお応えできなくなることを極力回避しなければならないと考えております。
このために、いつまでにお申し込みをいただければ改正法の施行までに契約締結を円滑に行うことができるか、その目安となる申込期日をできるだけ速やかに明らかにし、周知させていただきたいと考えております。
国におかれましても、新認定制度への移行が円滑に行われるよう、経過措置の内容や申し込みに係るスケジュールなどについて、事業者の皆様に広く周知いただくようお願いいたします。
また、来年四月の法施行に向けては、今申し上げました新認定制度への移行に加え、買い取り義務者の変更や買い取り価格の決定方法の見直しなどに伴い、さまざまな実務面での対応が必要となります。法施行に向けて、私どもが準備作業などに必要な期間を十分確保できるよう、制度の詳細設計の検討を迅速に進めていただきたいと考えております。
三点目は、再生可能エネルギー受け入れのために必要な系統安定化対策コストの着実な回収についてであります。
太陽光や風力などの自然変動電源の導入が進みますと、気象条件の変化などによる急激な出力変動に対応できるよう、電力系統の設備対策や余剰電力対策などの系統安定化対策が必要となってまいります。
とりわけ、こうした自然変動電源の電力系統への受け入れに当たっては、火力発電などの調整電源を確保することが必要となりますが、自然変動電源の導入拡大により、火力発電所の稼働率が低下し、発電所を存続させることが困難な状況が想定されます。
実際に、ドイツにおいては、再生可能エネルギーの大量導入の影響で電力の卸価格が大幅に低下し、火力の稼働率低下と相まって、最新鋭の天然ガス火力でさえ固定費を回収できず採算性を損ない、事業者が閉鎖を表明するといった事態も生じていると伺っております。
こうした状況等に備え、再生可能エネルギーが大量導入される中にあっても、火力発電などの調整電源の固定費回収を含め、安定供給を維持するために必要なコストを適切に回収できる仕組みのあり方について検討していただきたいと考えております。
以上、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度の改正法案に対する私どもの考えを申し上げました。
最後になりますが、本法案は、附則において、施行後三年以降に検討を加え、必要に応じ見直しを行うことが規定されています。
本制度を導入した諸外国においても、近年は、課題が顕在化する都度、適宜、制度の見直しを行うことで、それぞれの国情に応じた再生可能エネルギーの支援制度になるよう努めているものと認識しております。
我が国におきましても、法に基づく検証や見直しとともに、エネルギーミックスの達成状況も確認しながら、不断の検証を行い、必要に応じた見直しを進めていただくようお願いしたいと思います。
その際には、再生可能エネルギーの導入拡大が、エネルギー自給率の向上や環境負荷の低減など国民全体の利益につながる点を考慮し、電気の使用者のみが費用を負担するのではなく、広くエネルギー消費全体で負担することもあわせて御検討いただきたいと考えております。
本改正法の施行に当たりましては、私どもといたしましても、今後行われる制度の詳細設計の検討状況も踏まえながら、円滑な制度移行が実現できるよう尽力してまいる所存でございます。
引き続き御指導、御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げまして、私の意見陳述とさせていただきます。
ありがとうございました。(拍手)