石川和男の発言 (経済産業委員会)
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○石川参考人 おはようございます。よろしくお願いいたします。石川でございます。
私はA4縦の資料を用意してございまして、まず、本法案につきましては、私は、ここに書いてございますけれども、早く成立をしていただきたいと思っております。それは全てが満足かと言われたらそうではありませんが、大方こういう路線でいって、再生エネルギー推進を加速させていくべきということについては、私は基本的に大賛成でございます。
ですから、きょうは、この法案の是非ではなくて、施行に向けてまだ細かな、省令でありますとかガイドラインでありますとか、詰める点があると同時に、実は、法案の附則二十条というところに三年後にまた見直そうじゃないかという規定があります、サンセット条項がありますので、次に向けて何を検討していくべきかということ、この二つをこの場をかりまして提案させていただきますとともに、これから本格的な審議が国会の場で行われると思いますけれども、その審議を通じて、きょう私が申し上げたことが少しでも反映されていけばな、こんなふうな思いで、きょうはお話をさせていただきたいと思います。
まず一番目なんですけれども、どうしても再エネを進めていく上で懸念されますのは、現在もそうなんですが、高いんじゃないですか、賦課金というのは高いですねというような話があります。確かに、今までいろいろな努力がなされてきて、二〇一二年七月の施行以降いろいろな努力がなされてきて、少しずつコスト削減というのは続いているのかもしれませんが、それはあくまでも市場の面における競争でありまして、市場競争というのは必ずしも価格の低下を招くわけではない、どこかでストップしてしまう可能性があります。
FIT法ができた経緯というのは、二〇一一年三月十一日の朝、閣議決定がなされた。その六時間後に東日本大震災が起きたということでありまして、FITの方が先なんですね。決して震災によってFITをつくったわけではなくて、FITありきで、その後に不幸にも震災が起きてしまったということであります。
したがいまして、その後の経緯がいろいろありましたのでこのような形になっているわけですけれども、そのときは、エネルギーミックス面におきまして原子力というものが歴然と存在していたわけですね。ところが、その後、原子力がだめだということになってしまって、どうも日本の電力コストの調子が悪いという中で、再エネ賦課金という問題があってどうしようかという、これは二重苦のような状況にある。
先ほど、高橋先生がドイツとおっしゃいました。私もドイツに去年行ってまいりまして、政府五カ所、地方政府二カ所、産業界、消費者団体、いろいろなところにヒアリングをさせていただきまして思いましたけれども、ドイツはドイツで、大変再エネ先行国で、いいと思いますけれども、地図で見ますと隣にフランスという国がありまして、これは原子力大国でありまして、あちらはあちらでまた原子力が七〇%。再エネについて、ドイツは、去年の実績で、発電電力量ベースで、風力を中心として三〇%になりました。地図で見ると、両方とも偏っちゃっているんですね。
しかし、我々はFITを審議する際に、政府の審議会でも国会でもドイツをよく見てきました。再エネだけを見ればドイツを見るということになりますが、やはりエネルギーミックス、日本における国産資源、原子力、再エネということを両方考えると、エネルギーセキュリティーその他の観点を含めますと、我々はこれからドイツだけを見るのではなくて、ドイツとフランス、たまたま接していますので、あの二つ。人口構成でいえば、ドイツは八千万人、フランスは六千万人、合わせて一億四千万。日本は一億三千万ということで、合わせると、ちょうどいいあんばいになります。
したがって、今後FIT法を審議され、これは成立していただきたいのでありますが、その後、やはり、再エネだけではなくて、エネルギーミックスという話が必ず出てまいると思います。そのときにぜひ国会の先生方で認識いただきたいのは、ドイツだけを見るのではない、フランスだけを見るのではない、両方をあわせて見るという形で考えていただければ、それが一番の、再エネと原子力の抱き合わせということであります。
原子力は、誰がどう言おうと、既設原発は安いんです。新設はなかなか難しいかもしれませんが、既設原子力につきましてはやはり安い。これは本当にそうであります。したがいまして、再エネと原子力をブレンドすることによって極力電力コストを下げるということで、賦課金減免制度、今八割ですが、私はこれは十割ぐらいまで上げるべきだと思っております、競争力等々の観点から。
ということで、一番は、ドイツだけを見るのではなくて、ドイツ、プラス、フランスで見るという提言であります。
二つ目に行きます。
FITは、家庭用の屋根は十年、そのほかは二十年ですが、どうもたくさんいろいろな事業者さんが入ってきて、私は、その二十年、FITが終わった後どうしようかというところの視点をそろそろ入れるべきかなと。
まだFITは始まったばかりですけれども、必ずいつか終わりが来ますので、そのときに、太陽光にせよ、あるいは風力にせよ、中小の事業者さんがたくさんいますけれども、本当にそれで大丈夫かなと。私は、今から、例えば電力会社であるとか、ガス会社であるとか、石油会社であるとか、そういうエネルギー企業、資本の非常に大きいそういう企業に設備を集約していくようなスキームもそろそろ考えておかなければいけないんじゃないかなと。
FIT後のことも長期的視座として持っておくべきというのが、二番目の提言であります。
それから、三つ目であります。
これは意外となかなか知られていないんですが、再エネを入れ過ぎちゃうと、ドイツなんかでもそうなんですが、ガス発電所を閉鎖するみたいな話になっています。入り過ぎちゃっているんです。ただ、再エネはやるんです。両方やらなければいけません。火力はバックアップです。バイオマスや地熱や水力は安定していますからバックアップは要りませんが、太陽光、風力は、それを推進する際にはバックアップが要ります。ですから、実は、太陽光、風力というのは火力との抱き合わせです。
しかし、そこに対するバックアップの政策が、今エネ庁の方ではるる検討はされていると思いますけれども、なかなか国会の場まではまだ来ていないということで、その視座をぜひ先生方に持っていただきたいというのが、三番目の御提案でございます。
それから、四番目、これは少々細かい話なんですが、三つほど。
入札が今回入るということで、私はよろしいと思います。優先接続云々の話については、現行制度でも改正法でも、私の解釈であれば、これは全員競走の用意ドンということで、どっちを優先するとかいう規定はないので、それはそれでよろしいんじゃないかなということであります。余り再エネだけを優先するというのは、これはいささか自由化という思想からは外れる点におきましては、そこについてはよくよく今後の御審議の中でただしていけばいいのではないかと思っております。
それから、二つ目ですが、環境とか安全。自然エネルギーも再エネも安全、環境は大事です。特に景観トラブルなんというのが最近いろいろな地方で起きていますけれども、アセスメント、自治体アセスメントがある場所はいいにしても、ない場所もあるので、そういうところは国法で担保するというようなことも必要かなと思います。
それから、三つ目は未稼働案件ですが、これは権力機構がきちんと仕切らなければいけませんので、各経済産業局、そういったところできちんとやるべきと思います。
まとめということで青い字で書いておりますけれども、要するに、さっきのフランス、ドイツの話というのは、日本は原子力をとめて、追加燃料費で三兆、四兆が外に出ております。外国に上げるお金を日本国内で回すということであります。
その場合には、本委員会の議案ではございませんけれども、原子力規制委員会のバックフィット規制という、ちょっと世界にも類を見ない厳し過ぎるルールがありますので、ここはぜひ、ルールのあり方については私は政治主導で変えていくべきだと思います。細かな話は三条委員会ですからだめですが、ルールのあり方は国会議員が決めるべき話、国会で決めるべき話というふうに思っております。
そして、再エネと原子力、再エネと火力というのはどうも対立概念になっておりますけれども、そうじゃなくて協調していく。今申し上げましたとおり、ドイツ、フランスをパッケージで見ていただきたいということと、火力はバックアップということであります。全部推進が日本の立場でありまして、余り選んでいるような余裕のある、そんな国ではないと思っております。
そして、最後のところですが、やはり再エネは、既認定未稼働の案件に見られますように、何かどうもすぐ逃げちゃう人がいるんですね。これはよくない、そういう人は要らないということで、今回、新認定制度が改正法で出ておりますけれども、私はこれは非常にいいと思っております。そういう中で、そろそろ大甘だった運用を厳し目にしていくことも必要かなということで、本法案についてはその点においても賛成であります。
そして、もう一つありますけれども、三枚目ですが、これは大きな視座でありまして、二つほど。
再エネ電気の普及増というのは電気の需要家の負担増をもたらすということをきちんと認識すべきであります。電気だけに負担を課すというのがいいのかなということについても、よくよく考えていくべきと思います。ほかのエネルギーとのシェアも考えるべきかなと。
それと、もう一つでありますけれども、FITと電力・ガスのシステム改革というのは、私の感性からしますと、どう考えても整合いたしません。しかし、同時並行で進めていくというのがいわば今のエネルギー政策ですので、それを上手に合理的に進めていくには、エネルギー間競争の環境と、あと電源間競争についても、いずれかに、例えば原子力に偏るとか再エネに偏るとか、そういうことなく、公平な市場設計をぜひこの委員会での審議を通じて実現していただければと思います。
ありがとうございました。(拍手)