平野敦彦の発言 (経済産業委員会)
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○平野参考人 おはようございます。太陽光発電協会の理事を務めております平野でございます。
本日は、このような場をいただきまして、まことにありがとうございます。
太陽光発電協会は、太陽光発電システムに関連します利用技術の確立やまたその普及促進並びに産業の発展によって、我が国経済の発展また国民生活の向上に寄与し、もって会員の共通の利益を図ることを目的に設立されておりまして、太陽電池セル・モジュールメーカー二十七社、周辺機器・部品・素材メーカー三十七社、電力・エネルギー九社、ゼネコンや住宅メーカーを含む販売・施工会社五十九社など、合計百四十二の会社と団体によって組織されております。
私自身が代表取締役を務めておりますソーラーフロンティア株式会社は、NEDO、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の支援のもと開発に成功いたしました国産の技術によりまして、宮崎県並びに宮城県の自社工場にて太陽電池モジュールを製造し、国内外で販売をするとともに、メガソーラー発電所の開発や運営を手がけております。
本日は、このような太陽光発電業界としての立場から意見を申し上げさせていただきたいと存じます。
今回のいわゆるFIT法改正案につきましては、太陽光発電協会といたしまして賛成をしております。法改正の内容でも、特に未稼働案件の早期整理が必要なことを含め、本国会での成立を望むものでございます。
以下、五点に関しまして、まとめて申し上げたいと存じます。
まず一点目でございます。未稼働案件の整理についてということでございます。
先ほど来お話が出ておりますが、平成二十四年度に始まった再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度によりまして、太陽光発電の設備認定量は約八千万キロワット、八十ギガワットに達しておりますが、実際に運転開始したものは昨年末で約二千五百万キロワット、二十五ギガワットであり、この差でございます約五千五百万キロワット、五十五ギガが未稼働の滞留案件となっております。
これら未稼働案件が多いことが太陽光発電設備の導入見通しを難しくし、結果的に、賦課金の将来の見通しのみならず、今後導入される太陽光発電設備の出力抑制リスクの算定などを極めて困難にしております。また、電力系統への接続に制約がある地域においては、接続枠を確保したまま稼働開始の見込みのない未稼働案件が後発の新規参入を妨げるようなケースが存在しているというふうに思料いたします。
今回の改正によりまして、運転開始の見込みのない未稼働の案件が整理されれば、新たな調達価格で認定される新規案件の導入が進み、結果として、国民負担のより少ない太陽光発電の導入拡大が進むものと期待をしております。
二つ目でございます。長期安定稼働に向けてという点です。
発電時に地球温暖化ガスを排出しない太陽光発電設備を長期にわたり安定的に稼働を継続させることは、日本の国益となります。固定価格買い取り制度の買い取り期間を終えた太陽光発電設備は、燃料費を必要としない低コストの電源であり、将来的には安価な電気を国民に供給することが期待されております。
太陽光発電設備は、固定価格買い取り期間が終了した後においても、適切に点検、保守、保全を行うことで、長期間稼働させることが可能でございます。
長期間安定的に稼働できる電源となることを目的とした今回の法改正は、業界としても賛同できるものであり、その推進に協力してまいりたいと存じます。
三番目は、地域との連携、共生という点でございます。
地域との共生という面において、FIT法で認定された再生可能エネルギー発電設備については、土地利用や景観、設備の安全性等に関する法令、条例について遵守を確保するため、平成二十八年四月一日より、当該関係法令に基づく業務を行う地方自治体や関係省庁に対して、設備認定情報を提供するシステムの運用が開始されております。
太陽光発電設備の認定に関して、地方自治体との情報共有が推進されることは、産業界としても、継続的な発展の面で大変喜ばしいことだと考えております。
さらに、法改正後は、関係法令に違反し、関係省庁や自治体より指導、命令等がなされた事案について、FIT法に基づき改善命令が行われ、最終的には認定取り消しを行うことができる仕組みとなります。
太陽光発電協会は、この改正に賛同し、地域との共生を図りながら、適切な設備導入により、地域創生に貢献してまいりたいと存じます。
四番目の点でございます。コスト効率的な設備の導入ということでございます。
再生可能エネルギーの最大限の導入と国民負担の抑制の両立に向けての制度の見直しは重要な課題であるというふうに認識しております。
その一方で、我々太陽光発電産業に携わっている者の使命といたしましては、日本の持つ技術優位性を発揮することで、太陽光発電コストを他の電源に比して競争力のあるレベルまで低減し、自立的に導入が進む電源とすることでございます。太陽光は究極の分散型発電システムであり、この優位性に発電コストの競争力が加わることが、抜本的な課題解決、さらには自立的な需要拡大に必ずやつながるものと確信し、事業に取り組んでおります。
改正案に盛り込まれた中長期的な買い取り価格目標の設定は、事業の予見性を高めるために有効であり、さらに技術力の向上を促すものだと存じております。ただし、その設定におきましては、市場の状況に十分配慮いただき、再生可能エネルギーの導入に急ブレーキとならないようお願いしたいと考えております。
また、住宅やビル等の建築物への導入を後押しするネット・ゼロ・エネルギー・ハウス、いわゆるZEHや、エネルギー・マネジメント・システム、EMSの導入促進など、省エネ施策や蓄電池の導入支援に関連した制度的な支援の充実をぜひお願いしたいと存じます。
住宅用太陽光発電に関しましては、多くの国民が直接導入することのできる、需要者設置の分散型電源でございます。現在、我が国の戸建て住宅は約二千七百万棟、このうち太陽光発電が導入可能な住宅がおよそ半分、一千二百から一千三百万棟といたしまして、現在の導入量は約二百万棟でございますので、まだ約一千万棟の導入が可能でございます。価格低減のスケジュールについては、住宅用設置者の意欲を低減しないよう御配慮いただければというふうに考えます。
事業用の太陽光発電に関しては、毎年、トップランナー方式を採用しつつ入札制度を活用することが示されておりますが、入札制度に関しましては、その効果と課題を十分に吟味しながら運用の見直しを行っていただきたいと考えます。
五番目の点でございます。電力システム改革を生かした導入拡大ということでございます。
再生可能エネルギーの導入拡大に際しての大きな課題が、電力系統への接続に関するものです。計画的な広域系統の整備並びに効率的な運用のルールの策定で、再生可能エネルギーの最大限の導入を推進いただきたいと存じます。
特に地域間連系線に関しては、設備増強とあわせて既存の連系線の有効活用が重要であり、電力系統のよりコスト効率的な運用に寄与するだけでなく、再生可能エネルギーの最大限の導入を推進するものであります。
地域間連系線運用ルールにつきましては、マージン等の考え方を含め、より有効活用ができるよう見直しをお願いしたいと存じます。
また、ローカル系統の制約に関しては、上位系統の費用負担のガイドラインが設定されたことは高く評価できるものの、電源接続の入札が必要となる案件についてはFIT入札との整合をとることを検討いただきたくお願いします。
今後、コスト効率的な系統運用と再生可能エネルギーの出力抑制の最小化には、再生可能エネルギーの発電予測の精度向上と系統運用の効果的な活用が不可欠であり、そのためには技術開発、ノウハウの蓄積、情報システムの構築など、国の支援のみならず、一般送配電事業者と再生可能エネルギー発電事業者が相互に協力し、取り組んでいくことが重要と認識しております。
最後になりますが、FIT法改正に当たっては、見直しの趣旨が正しく認識され、再生可能エネルギーの導入拡大に対してマイナスとなるような誤解が生まれないよう、必要かつ十分な周知広報を行っていただくようお願い申し上げます。
以上をもちまして、私の意見陳述を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)