津村啓介の発言 (国土交通委員会)
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○津村委員 国土交通委員の皆さん、少し細かい数字の話もしてまいりましたけれども、私が今確認をさせていただきたいのは、この海上交通安全法が施行された時代背景といいますのは、昭和四十八年です、高度経済成長の後期といいますか、当時は、瀬戸内海の水島工業地帯でありますとか広島でありますとか非常に工業が活発になり、阪神港も含めて、当時は神戸港が世界で三位、四位といった、そういう時代に少しでも海難事故を減らそうということで航路というのを設けた。そして、そのときにはAISのような先端の安全装置がまだまだ未熟だったものですから、こうして夜は視界が、なかなか見えないということで、今日から見るとかなり厳し目の規制をした。
それが約四十年を経て、皆さんと一緒に視察も行きましたけれども、マーチスの設備というのは大変高度化をしているわけでありますし、また一方で、漁業のあり方というのも変遷をしている。そういう中で、こませ網漁の漁獲高は約十分の一以下に減少しているわけでありますし、そうした中で夜間に操業している船も大きく減少している。
そして、今でも夜間に操業している船は、片方の香川だけの今御答弁でありましたけれども、全ての船がAISをつけている。先ほどからAISをもっともっと普及させるべきだという議論が活発にされていましたけれども、この海域においては夜間操業のものは全て装着している、少なくとも香川側はそうだという御答弁だったわけであります。
そうした中で、海上保安庁さんはどういう努力をされているかというのが図表九であります。
これは、つい最近までは備讃瀬戸マーチスのレーダーが届かない海域があった。高見島というところの北側はレーダー不感地帯だったということですけれども、これも海上保安庁さんの努力によりまして、平成二十六年度にレーダーが新設をされて、現在では全てのところでレーダーが感知できる。つまり、船の側では全ての船がAISをつけた、マーチスの側でも全ての海域をレーダーでカバーすることができた。そういう意味で、非常にインフラとしては整ってきたということでございます。
そうした中で、先般、皆さん思い出していただきたいんですけれども、港湾法の改正の一つの大きなテーマが外航クルーズ船の誘致だったと思います。政府は、この数年で十七万、四十一万という形でふえてきた外航クルーズ船の訪日外国人が昨年は百万を超えた、そして三月の閣議決定で、これを二〇二〇年までに五百万までふやそうということを政府の目標として決められました。
私はここの委員会で、本当に五百万までふやすためにはバースが足りないんじゃないですかというお話をさせていただきましたが、それはさまざまな既存のバースの活用や新しいバースの新設によって何とかやっていくということでもあったわけですが、瀬戸内海の港の方に伺いますと、そうはいっても、仮にバースがふえても、夜間航行の禁止によって、少なくとも瀬戸内海についてはほとんどこれ以上大きくは外航クルーズ船は入れられない。まさに外航クルーズ船についても、ここでボトルネックが生じているということでございます。
政府の側でこれから五倍にふやすということを目標として立てられたわけですから、こうしたボトルネックの解消にも御努力をされるべきだというふうに考えるわけでございます。
これまでの歴史的な経緯がさまざまあると思いますので難しい交渉になると思いますけれども、大臣にこれからの取り組みについて二つ三つ伺わせていただきます。
まず、瀬戸内海における巨大船の夜間航行と漁業権者の確実な権利保護との両立ということを考えますと、これまでにはなされていない新しいアプローチも場合によっては必要ではないかというふうに思いますが、昭和四十八年のこの法律の立法時には、この問題に関して、当時の佐藤孝行運輸政務次官が、昭和四十七年六月十六日の参議院交通安全対策特別委員会の質疑におきまして、「当然、漁業法第三十九条にも該当する問題ですから、国の責任において補償すべきものと判断いたします。」と答弁をされていますが、この漁業権の補償についての国の立場に変化はございませんか。