中村愼の発言 (法務委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○中村最高裁判所長官代理者 お答えいたします。裁判全体ということですので、私の方から答弁させていただきます。
政党の部会等で裁判の内容について議論、検討され、種々の政策立案に生かされるということは、当然のことでありますけれども、裁判官の職権行使の独立との関係で問題が生ずる余地はないというふうに考えております。
ただ、議院内閣制を前提とした統治機構のもとで、国政政党というのはとりわけ重い地位にあるということを鑑みますと、例えば係属中の個別事件について、党やその部会が公の見解として一定の方向性が相当であるという意見を取りまとめること、例えば個別事件についてその判断を、請求を認容にすべきであるとか棄却をすべきである、こういうような一定の方向性というものの意見を取りまとめるということにつきましては、それが最高裁に対する申し入れの形であるか否かを問わず、個々の裁判官の職権行使の独立、すなわち裁判官の自由な判断形成に対して重大な影響を与える可能性が高いように思われます。それは確定した個別事件であっても同様であろうかと思います。
このように、政党が裁判官の判断の当否に関する議論をされることが裁判官の職権行使の独立との関係で問題となり得るかは、例えば、その対象の個別性、個別事件の裁判の当否を論じるものであるのか、一般的な訴訟類型の裁判の問題を論じられるのであるのかといった点や、行為の態様、自由な意見交換、提言なのか、いわゆる検証といったようにその当否を検討されるものなのかといった点を総合的に考慮しながら、裁判官の自由な判断形成に事実上重大な影響を及ぼすおそれがあるか否かによって決せられるのではないかというふうに考えております。
これは、あくまで影響を及ぼすおそれということでございまして、おそれがある場合というのを明確に線引きすることは困難であるように思います。
これまで、裁判官の職権行使の独立についての重要性というのは御理解いただいておりまして、部会等におきまして個別の事件の判決を取り上げる場合には、このようなおそれが生じないよう適切に御配慮いただいているというふうに承知しておりまして、今後も同様の運用をしていただけるものというふうに考えております。