村尾和男の発言 (法務委員会)
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○村尾参考人 初めまして。私は、Jプロネット協同組合の常務理事をしております村尾と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
私たちは、Jプロネット協同組合という監理団体で、本部を愛知県、支部を東海と九州に置いて活動しております。
本日は、私どもの意見を聞いていただく機会を設けていただきまして、本当にありがとうございます。今回は、井出先生を初め諸先生方、また関係の皆様に心から厚くお礼申し上げます。
早速でありますが、本題に入らせていただきます。
まず一つ目は、せっかくの機会ですので、Jプロの概要を少し話をさせていただきます。二つ目は、二〇一〇年七月の改正入管法についての現場の実感であります。三つ目は、実習生制度について、我々の要望も含めて発表させていただきたいと思っております。よろしくお願いします。
まず一つ目の、弊組合について簡単に紹介させていただきます。
Jプロネットという名前なんですが、JプロのJはジャパンのJであります。それから、プロは、プロダクション、プロフェッショナルということからプロと使わせてもらっています。ネットはネットワークから。要するに、製造業を中心としたネットワークを構成するという意味であります。
二〇〇四年、平成十六年に研修生制度を我々活用させていただきまして、製造業に特化した監理団体を設立しました。発起人でありました一人が九州の大手自動車メーカーの元幹部ということもありまして、受け入れ実習実施機関、企業様は、北九州の自動車メーカーを皮切りに、自動車及び自動車の部品メーカーが多く、本部を九州に置きました。
その後、時代の変化とともに、自動車関連の部品メーカーで、東海地区の方へ拡大することになりまして、二〇〇九年から愛知県に本部を移転し、現在に至ります。
おかげさまで、現在は、五十九社の受け入れ実習実施機関とおつき合いをさせていただいております。
弊組合は、二〇〇五年一月の実習生受け入れから現在まで、二千六百名強の累積人員になります。ほとんどがまだ中国の実習生でして、八四%を占めます。あとは、ベトナムの一五%、タイの一%。最近は、ミャンマー、まだ入国はしておりませんが、進めております。
実習生の数は、現在、六百四十名強。一時は、二〇〇八年の二月ごろは九百九十名ぐらいまで監理させてもらっていましたが、リーマン・ショックの関係で半減しました。現在、徐々に増員の傾向にある状況であります。
最近の状況は、この業界の動向と変わらず、ベトナム、タイの実習生の受け入れが、企業さんの要望もありまして若干多くなってきた傾向があります。直近では、ミャンマーの実習生も受け入れを始めました。また、中国、ベトナムとともに、ここ二、三年は、実習実施機関の現地法人への再就職者が増加の傾向にあります。近年は、建設関連のお話も特徴であります。
最近の中国の応募状況や質の低下等々も考慮しまして、タイですとかミャンマーの国への進出、実習実施機関の要望等も踏まえて対応させていただいております。
先ほども申し上げましたが、弊組合の特徴の一つに、発起人の一人が大手の自動車メーカーの出身ということもありまして、組合の立ち上げ当初から製造業に特化した組合であります。日本の物づくりの精神は今も変わっておりません。
実習生には、技能の修得はもちろんでありますが、日本語能力の向上、物づくりの基本的な考え方、あるいは配属先の企業さんの社風、日本人の考え方を肌で感じ習得し、母国へ持ち帰り、伝承するということであります。
弊組合では、中国の送り出し機関、ミャンマーの送り出し機関、日本の企業の協力を得まして、そこで教育した、より企業さんのニーズに合った人材を提供するように力を注いでおります。
入国後の教育です。これも義務づけられているんですが、入国直後の一カ月間にわたる講習を実施する施設を福岡に保有しております。これは、中学校の、廃校になったというのか、遊休施設を借用させていただいております。その中では、日本語、規律訓練、ごみの分別方法、交通安全、そして日本の文化、日本人との接し方等々について、組合の専任講師が実施しております。また、法的保護ですとか、警察、消防、郵政、そういった関係も専門の講師を招聘して実施しております。
生活指導についてですが、弊組合が大切にしていますのは日常のコミュニケーションであります。最低月に一回以上は、寮の巡回あるいは職場の巡回を必ずやっております。巡回時には、本人たちの悩みや相談事をいつでも相談できるような体制をとっております。
それから、日本語能力向上の取り組みであります。日本語検定試験、これは年に二回ありますが、合格者への報奨金制度をとっております。
また、組合独自の日本語スピーチコンテストを実施しまして、実習生の日本語力向上を図っております。特にスピーチコンテストにおきましては、年々好評で、ことしで十回目を迎えることになります。各回百二十名から百五十名ぐらいの聴衆を集めて、約二十名の弁士を各受け入れ機関から選出し、実施しております。中には、上位を目指し、企業内で予選会を実施して本大会に出てくるというふうな盛り上がりも見せております。レベルも年々向上しまして、三分間ぐらいの発表なんですが、ほとんどの弁士は原稿なしで発表するぐらいまで成長しております。さらに、二〇一三年度からは、我々事務局ではなくて、MCを実習生の中から出すとか、あるいは、実習生主導型のイベントに今変更しつつありまして、非常に好評を得ております。
指導体制でありますが、弊組合事務局の常勤職員は二十一名であります。日本人が十三名、中国人が六名、ベトナム人が二名のスタッフで、実習生専属で、いつでも相談、対応できる体制を整えております。
余談になりますが、二〇一二年、中国の済南市で、中国中日研修生協力機構、日本でいいますJITCOさんに当たるCISCOさんから弊組合も表彰を受けさせていただきました。研修生受け入れ優秀機関ということで名誉ある表彰をいただきましたが、約二千ある組合の中で、日本で十八の団体が選ばれた中に入っております。
次に、二つ目としまして、二〇一〇年改正入管法の影響についてであります。
入国一年目から労働関係法令の適用が実施されました。改正までは研修生ですから、残業、休日出勤、深夜勤務はできなかったのですが、この改正後は実習生となりまして、企業配属後すぐに労働法が適用されたことは、実習生にとっても実務的に技能修得向上につながり、実習実施機関の実習現場にとっても、また労務管理面でも、オペレーションがやりやすくなりました。
法改正前の実習生制度のように、日本人の職場、あるいは実習生、研修生の職場というような区別が必要なくなったというのが一つ。それから、現場管理も極めてスムーズになりました。労務管理面で他の従業員と同等に扱えるというのも大きなメリットであります。それから、実践的な技能の修得という面では、日本の従業員と同じ立場で、同じ土俵の中で扱えるということになりました。
このことから、組合、監理団体も実習実施機関も、この制度はよい制度であり、ぜひ継続をしていただきたいというふうに思っております。
検証でありますが、発展途上国の繁栄に寄与しているのは間違いないでしょう。国際貢献に寄与している。それから、帰国後の就職にも成果を上げている。それから、実習生は、このチャンスがなければ日本のよさを実感できないというふうなところもあります。それから、日本の実習体験で憧れを持って帰った者はたくさんおります。またチャンスがあれば日本へ来たいという実習生もたくさん出てきております。
最後に、三つ目としまして、実習生制度についての要望であります。
職種の拡大で、自動車組み立て職種や自動車部品製造職種の導入についてであります。
前述のように、弊組合は自動車関連企業がほとんどで、仕上げ、溶接、塗装、機械加工などの職種で実習をしております。この制度が発足してから二十年以上たって、この間、自動車製造にかかわる職種の拡大がないのは、私どもは問題ではないかというふうに考えます。
また、今、自動車製造過程では自動化が進んでいますが、自動化が進んでいない、労働集約の度合いが最も高い工程は組み立て工程だというふうに考えます。
自動車業界は、御存じのとおり、現在、世界各地に現地法人を配置し、日夜生産をしております。日本で学んだ高い組み立て技能のノウハウを現地法人で生かすことができれば、自動車業界はもちろんですが、技能を修得した実習生、また現地の国にとっても非常に意義あるものと考えます。
現在は、自動車製造のみならず製造業全体に言えることですが、少なくとも三年間同じ仕事はありません。日進月歩、変化している状況であります。つまり、日々改善、進化されておりまして、作業も単純作業から複合作業に変わってきております。一人の実習生にとってみますと、単能化でなく多能工が世間一般の製造業体制だというふうに考えます。
ぜひ、自動車製造職種及び自動車部品製造職種の導入についても一度御検討をいただきたいと思います。ただ、組み立て工程になりますと、技能検定という面では、検定試験がなかなか難しい部分があると思いますが、一度御検討をいただきたい。
直近では、総菜、あるいは座席シートの縫製、自動車整備、ビルクリーニング等を追加されております。また、先ほどもお話がありましたが、介護の取り組みも検討されているというふうに伺っております。
次に、技能検定試験と実態作業についてであります。
技能実習生が二年目に技能実習二号のロに移行する場合には、御存じと思いますが、技能検定試験の基礎二級の合格が必須条件になっております。しかし、その職種の技能検定試験は、現在の現場作業と大きく乖離しています。
例えば溶接であります。自動車業界での溶接は、ほとんどロボットあるいはスポット溶接で、人間の手での溶接はほとんどありません。現在は、特殊部品や手直し工程などとなっております。
また、旋盤の職種についても、日本では自動化されたコンピューターコントロールのNC旋盤が多い中、技能検定試験では、今もって、マニュアル操作の普通旋盤で検定試験を受けないかぬというふうなことになっております。
日本で実習している実習制度だからこそ、技能検定試験も、日本の実情にマッチした検定試験をやっていただきたいという要望であります。
次に、技能実習期間の延長についてであります。
現在の実習制度では、実習期間は、入国から一年、一年、一年と、節ある三年となっております。しかし、組合員企業やその現場の声を聞きますと、優秀な実習生には、高い技能を修得させるために、もっと長い期間を設けてほしいなというふうな要望もあります。また、一部の実習生からも、より高度な技能を身につけたいという声も耳にしております。
そこで、企業、実習生の同意のもと、何かのハードルをクリアすれば一年とか二年とかの延長の措置をとっていただけたら、この実習制度がさらに高い評価及び効果を上げるものと考えます。そのために、例えば二年に一度の帰国義務等の人権的な配慮というのは当然必要になってくると思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
以上で私の発表を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)