安藤裕の発言 (法務委員会)
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○安藤委員 ありがとうございます。
無戸籍状態の子供は本当にかわいそうな状況にあると思いますし、やはり戸籍を求められるという場面は、いろいろなところで社会的な存在を認知していただくという面でも大事なことだと思います。そして何よりも、やはり親御さんも、子供を無戸籍の状態でおいておくというのは、本当に忍びない気持ちでおられるんだろうと思います。今、DVの問題等もいろいろあり、子供の届け出ができないという親御さんもかなりの数おられると思いますので、ぜひとも、この無戸籍の状態が一人でも少なくなるような、そういった手段はこれからも法務省の方でも考えていただきたいというふうに思っております。
そして、今回の法案とは少し関係がないですけれども、この十二月の判決が出た同じ日に、夫婦別氏の話も判決が出たところでございます。もちろん、今回は、これについては審議をされるというものではありませんし、今回の法案とは趣旨が異なりますのできょうは質問はいたしませんけれども、この夫婦別氏の問題も、やはり私たちは、あの判決の中でも裁判官が指摘していたとおり、国会において議論をしていかなきゃいけないということはそのとおりであろうと思います。
しかし、私は、家族の問題、そして民法の改正された経緯というものを考えていきますと、昭和二十二年に民法が改正されたきっかけは、私たち日本の国が戦争で負けて、そして大日本帝国憲法から日本国憲法に憲法が変わったということがやはり一番大きなきっかけでございました。そして、そのときに、日本国憲法の中で、自由であるとか平等であるとか、あるいは基本的人権の尊重であるとか、そういったことが規定され、そしてこれが旧の民法にはそぐわないということで、家族法の部分も大幅な改正がされたわけでございます。
しかし、やはり憲法の問題は、日本の国の、私たちの先人たちがどのような思いでこの国をつくってきたのか、そして、さまざまな先人たちのいろいろな工夫の中で当時の日本の制度は成り立ってきていたと思っております。これが、日本国憲法の制定によって、この憲法の趣旨に合わないから家族法の部分が変えられた。
私たちは、民法の家族法の規定を考えるときには、長い長い日本の歴史を考えた上で家族の規定というものは考えていかなくてはいけないと思いますし、今の自由と平等、それから基本的人権の尊重、あるいは法の支配、こういったものは、それぞれ大事な概念であるとは思いますけれども、しかし、その上にさらにもっと大事にしなくてはいけない概念があるのではないか。そういった概念のこともしっかりと考えながら、やはり私たちは、二千年の長い歴史のあるこの国の先人たちのいろいろな思いを受けとめながら今この現代に生きているんだということを重く受けとめて、これからの国会の議論に臨んでいかなくてはいけないと思っております。
今国会ではこの夫婦別氏の話は議論になることはありませんでしたけれども、裁判所の要請によるように、やはりどこかでこの議論はしなきゃいけないと思いますし、その折には、やはり私たちは、今の、現代の価値観のみによるのではなくて、先人たちがどのような思いでかつての日本の制度をつくっていたのか、そしてそれが本当に日本人の幸せに貢献していたのか、あるいはそうではなかったのか、そういったことも検証しながら、この家族法の部分についてはまた皆様と議論をしていきたいと思っております。
少し早いですけれども、終わります。ありがとうございました。