安倍晋三の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 馬場伸幸議員にお答えをいたします。
 道州制についてのお尋ねがありました。
 道州制の導入は、地域経済の活性化や行政の効率化などを目指し、国と地方のあり方を根底から見直す大きな改革です。
 現在、与党において、基本法案の取り扱いを含め、道州制の議論を前に進めるべく検討が重ねられているところであり、政府としても、連携を深め、取り組んでまいります。
 いずれにせよ、国と地方のあるべき姿、地方分権改革については、御党の御主張なども含め、引き続き建設的な議論を続けてまいります。
 憲法改正についてお尋ねがありました。
 自由民主党は、党是として、立党以来ずっと憲法改正を主張してきており、今後とも、これまで同様、公約に掲げ、しっかりと訴えてまいります。
 御党がこの問題に真摯に取り組み、具体的な改正項目を検討されていることに敬意を表しますが、どの条項をどのように改正するかについては、国会や国民的な議論と理解の深まりの中でおのずと定まってくるものであり、今後、御党を初め、各党各会派で広く御議論いただいた上、国民的な議論を深めていくことが必要であると考えています。
 大阪への万博の誘致についてお尋ねがありました。
 万博を国内に誘致することは、開催国の魅力を丸ごと世界に発信する絶好の機会です。国民が広く参加することで、日本が元気になる起爆剤となります。
 現在、大阪府が二〇二五年の万博の誘致に取り組んでいると承知しております。
 昨年大阪府が開催した検討会においては、地元の機運の醸成やコンセプトづくり等が課題として挙げられています。誘致に当たっては、地元の支持の状況や、テーマや期間、収支計画等について、国が博覧会国際事務局の審査を受けるため、他国と競争できるよう、これらの具体化が求められます。
 政府としては、今後、大阪府の検討状況をよくお伺いしながら、計画の実現性を見きわめていきたいと考えています。
 民営化政策についてお尋ねがありました。
 民間の資金、経営能力、技術的能力を活用することは、産業競争力の強化のみならず、財政健全化を図る上でも極めて重要です。
 例えば、大阪が地下鉄やバス等の民営化を通じてコスト削減とサービス向上の双方を実現しようとしている点には注目しています。
 独立行政法人については、民でできることは民でという原則にのっとり、民営化を含む組織の見直しを行い、平成二十五年十二月には百あった法人を、平成二十九年四月までに八十七へと整理することとしております。
 御指摘のあったURについては、既に分譲住宅や新規のニュータウン開発から撤退し、現在は、子育てや高齢者世帯などが安心して住み続けられる賃貸住宅、都市再生事業、被災地の復興事業などに役割を重点化しています。引き続き、民業補完を徹底してまいります。
 行政改革は不断の見直しが必要です。御党とも精力的に議論しながら、改革を前に進めてまいりたいと考えております。
 消費税率の引き上げについてお尋ねがありました。
 御党の主張する身を切る改革についてですが、私は、今回衆議院選挙制度に関する調査会から出された答申を各党各会派が尊重し、真摯に議論を行い、早期に結論を得ることによって、国民の負託にしっかり応えていくべきであると考えています。
 政府の保有資産については、不要な資産の売却とともに、有効活用の観点を踏まえ、適切な管理処分を進めてまいります。
 来年四月の消費税率一〇%への引き上げは、世界に冠たる社会保障制度を次世代に引き渡す責任を果たすとともに、市場や国際社会からの国の信認を確保するためのものであり、リーマン・ショックや大震災のような重大な事態が発生しない限り、確実に実施します。
 今後も、賃上げの流れを続けるとともに、成長戦略を進化させ、イノベーションを促すことにより、経済の好循環を力強く回し、そのための経済状況をつくり出してまいります。
 教育の無償化についてお尋ねがありました。
 子供たちの未来が家庭の経済事情によって左右されることがあってはなりません。このような思いについては御党とも共有しているのではないかと考えております。
 政府としては、来年度予算において、幼児教育無償化の段階的推進、奨学金や授業料免除の拡大などを盛り込んでおります。今後とも、教育費負担の軽減に努めてまいります。
 なお、憲法改正には国民の理解が必要不可欠であり、具体的な改正の内容についても、国会や国民的な議論の深まりの中でおのずと定まってくるものと考えております。
 TPPと農業の成長についてお尋ねがありました。
 TPPの農林水産分野への影響については、関税削減等の影響で、価格低下により約一千三百億円から二千億円の生産額の減少が見込まれるものの、体質強化対策による生産コストの低減や品質の向上、経営安定化対策などの国内対策により、引き続き生産や農家所得が確保され、国内生産量が維持されるものと見込んでおります。
 これに加え、安倍内閣では、六十年ぶりの農協改革など、農政全般にわたる抜本的な改革を進めてきております。特に輸出については、総合的なTPP関連政策大綱において、平成三十二年の農林水産物、食品の輸出額一兆円の前倒し達成を目指すことを目標として掲げ、さらに拡大していくこととしております。
 以上のような取り組みを通じ、TPP協定のもとで農林水産業の成長産業化を実現してまいります。
 TPP対策予算の総枠についてお尋ねがありました。
 ウルグアイ・ラウンド対策の問題は、内容の具体化よりも規模の積み上げが先行したことでありました。TPP対策については、金額ありきではなく、あくまで必要な施策を具体化することが先決です。
 農業に関しては、総合的なTPP関連政策大綱に基づき、攻めの農業に転換するための体質強化策や重要五品目関連の経営安定対策など、万全の措置を講じてまいります。今般、さらなる体質強化策を検討する体制も整備しました。
 大切なことは、意欲ある生産者が安定して再生産に取り組めるようにしていくこと、そして、若者が将来に夢や希望を持てる分野にしていくことです。そのために必要な政策を具体化し、効果的、効率的に推進してまいります。
 尖閣諸島周辺における海上警備行動の発令についてお尋ねがありました。
 政府においては、昨年五月、我が国の領海等で無害通航に該当しない航行を行う外国軍艦への対処に関し、海上警備行動を発令し、自衛隊の部隊により退去要求等の措置を行うことを基本とする旨閣議決定し、公にいたしました。
 なお、政府は、例えば昨年十一月、中国海軍の情報収集艦が尖閣諸島周辺を反復航行した際等に、外交ルートを通じた関心表明を実施していますが、外交上の具体的なやりとりについてはお答えを差し控えさせていただきます。
 政府としては、我が国の領土、領海、領空を守るため、引き続き緊張感を持って、情報収集や警戒監視等に万全を期してまいります。
 日本の領空、領海侵犯への対応についてお尋ねがありました。
 政府においては、昨年五月、武力攻撃に至らない侵害に際し、いかなる不法行為に対しても切れ目のない十分な対応を確保するため、海上警備行動等の発令手続の迅速化のための閣議決定を行ったところです。
 また、警察や海上保安庁などの関係機関において、対応能力の向上、情報共有、連携の強化、各種訓練の充実など、必要な取り組みを一層推進しているところであります。
 これらにより、現下の安全保障環境において、武力攻撃に至らない侵害に際し、切れ目のない十分な対応を確保するための体制を整備したところであり、現時点では、新たな法整備が必要であるとは考えていません。
 もとより、我が国の領空、領海を守るため、その時々の情勢に最も適した対応は何かについて、御党の御主張なども含め、今後とも建設的な議論を続けてまいります。
 普天間飛行場の移設についてお尋ねがありました。
 学校や住宅に囲まれ、市街地の真ん中にある普天間飛行場の全面返還を日米で合意してから二十年がたちました。もはや先送りは許されません。一日も早い全面返還を現実のものとするためには、辺野古への移設を着実に進める必要があります。
 このような重要な課題に真正面から向き合い、結果を出していくことは、政治に課せられた大きな使命であります。
 沖縄県との間では、昨年、一カ月にわたり集中的に協議を行い、安倍内閣としての負担軽減や沖縄振興にかける思いを申し上げました。
 政府が行った代執行等の手続は、著しく公益を害する違法な行為を是正するため万やむを得ない措置であり、我々は、対話の窓を閉ざすことは決してありません。沖縄県との協議を継続していく考えであります。
 沖縄の皆さんと対話を重ね、理解を得る努力を粘り強く続けながら、あすの沖縄をともに切り開いていく覚悟であります。
 拉致問題についてお尋ねがありました。
 御指摘のとおり、北朝鮮への対応に当たっては、日韓の緊密な連携が極めて重要です。
 慰安婦問題に関する合意があったからこそ、北朝鮮による核実験の直後に、朴大統領に電話し、日韓で緊密に協力して対応していくことを確認することができました。
 韓国は、戦略的利益を共有する最も重要な隣国であり、慰安婦問題に関する合意も踏まえ、拉致問題への対応を含む日韓間の協力体制を一層強化していきたいと考えます。
 政府としては、引き続き、関係国と緊密に連携しつつ、対話と圧力、行動対行動の原則のもと、拉致問題の解決に向けて全力を尽くしてまいります。(拍手)

発言情報

speech_id: 119005254X00820160127_015

発言者: 安倍晋三

speaker_id: 26067

日付: 2016-01-27

院: 衆議院

会議名: 本会議