安倍晋三の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 伊藤渉議員にお答えをいたします。
経済情勢と経済財政政策の方向性についてお尋ねがありました。
世界的にリスク回避の動きが金融市場で広がる中、我が国の市場でも変動が見られていますが、これは、中国の景気減速への懸念や原油価格の低下、米国の利上げの動向等の海外要因が背景と見られています。
しかしながら、我が国の実体経済を見れば、もはやデフレではないという状況をつくり出す中で、政権発足以降、名目GDPは二十七兆円増加、企業の収益は過去最高、就業者数は百十万人以上の増加、日本経済のファンダメンタルズは確かなものと認識しています。
今後は、これまでの経済政策を一層強化し、企業の収益を、賃上げを通じた消費の拡大や民間投資の拡大につなげていくことに加え、成長戦略をさらに進化させます。
IoT、ビッグデータ、人工知能といった新技術への積極果敢な投資を促すことにより、生産性革命を実現するとともに、徹底した省エネルギーを推進し、人口減少下における供給制約を克服します。
また、中堅・中小企業や農業者が、TPPで開かれる新しいチャンスをつかんで飛躍できるよう、政策を総動員して応援していきます。
あわせて、PPPやPFIの取り組みを強化し、公的サービス、資産の民間開放を進めてまいります。
さらに、アベノミクスによる成長の果実を活用し、希望出生率一・八や介護離職ゼロという新たな第二、第三の矢に向けた施策によって社会保障の基盤を強化することにより、さらなる成長につなげ、成長と分配の好循環をつくり出してまいります。
消費と投資の喚起についてお尋ねがありました。
日本経済を持続的な成長軌道に乗せていくためには、過去最高の企業収益を、設備投資や賃金引き上げによる消費の拡大、中小企業の業況の改善につなげ、経済の好循環を確実なものにしていかなければなりません。このため、未来投資に向けた官民対話などの場で、企業の積極的な取り組みを要請してきました。
産業界からは、昨年、政府による政策対応を前提に、二〇一八年度に設備投資は八十兆円まで拡大との意欲的な見通しが示されたほか、今春の賃上げについて、名目三%成長への道筋も視野に、収益が拡大した企業に対し、二〇一五年を上回る賃上げを期待し、前向きな検討を呼びかけるとの方針が示されており、その実現を期待しています。
最低賃金については、安倍政権において三年連続で大幅に引き上げており、合わせて五十円の大幅な引き上げとなりました。今後、年率三%程度を目途に引き上げ、全国加重平均が千円となることを目指してまいります。
政府としては、こうした取り組みを後押しすべく、成長志向の法人税改革、新たなビジネスを可能とするための規制改革、中小企業、小規模事業者の生産性向上等のための支援や下請等の中小企業の取引条件の改善等に取り組んでいます。
経済の好循環の実現に向けて、こうした施策にしっかりと取り組んでまいります。
軽減税率制度についてのお尋ねがありました。
委員御指摘のとおり、三党合意を経て成立した税制抜本改革法において、軽減税率制度は、給付つき税額控除、総合合算制度と並び、消費税率引き上げに伴う低所得者への配慮の観点から、検討課題の一つでありました。
そうした中で、軽減税率制度は、給付つき税額控除といった給付措置とは異なり、日々の生活において幅広い消費者が消費、利活用している商品の消費税の負担を直接軽減することにより、買い物の都度、痛税感の緩和を実感できるとの利点があり、この点が特に重要であるとの判断により、導入を決定しました。
また、年収の低い方の飲食料品等の消費支出に占める割合は高収入の方よりも高くなっており、消費税が有している、いわゆる逆進性の緩和の観点からも有効であると考えています。
さらに、日々の生活の中で痛税感の緩和を実感していただくことで、消費者の消費行動にもプラスの影響があるものと期待できるのではないかと考えております。
軽減税率制度の導入に向けた政府の取り組みについてお尋ねがありました。
平成二十九年四月の軽減税率制度の導入に向け、混乱が生じないよう、政府に必要な体制を整備するとともに、事業者の準備状況等を検証しつつ、軽減税率制度の円滑な導入及び運用に資するための必要な対応を行うこととしております。
その一環として、制度の周知徹底、相談への対応を丁寧に行うとともに、中小の小売事業者等が複数税率に対応するために必要なレジの導入やシステムの改修等に対して資金的に支援することとしており、予備費や補正予算で手当てを行っているところであります。
また、いわゆるインボイス制度については、事業者の準備負担に配慮し、平成三十三年四月に導入することとし、それまでの間、簡素な方法によることとしております。
いずれにせよ、軽減税率制度の導入に当たり、政府として万全の準備を進めてまいります。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
〔国務大臣麻生太郎君登壇〕