吉川貴盛の発言 (本会議)
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○吉川貴盛君 自由民主党の吉川貴盛です。
ただいま議題となりました環太平洋パートナーシップ協定の締結について承認を求めるの件及び環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律案について、自由民主党を代表して質問をいたします。(拍手)
自由貿易の推進は、我が国の通商政策の柱です。経済連携に関しては、国益に即して、メリットの大きなものは積極的に推進するとともに、これによって影響を受ける分野については必要な国境措置を維持し、かつ万全な国内経済・地域対策を講じる、このことは我が党の一貫した立場であります。
こうした中、TPPについては、我が党が政権与党に復帰し第二次安倍政権が成立して間もない二〇一三年二月に、安倍総理がオバマ大統領との日米首脳会談に臨み、一方的に全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することは求められないことなどを確認し、総理は、国家百年の計であるとして、TPP交渉への参加を決断いたしました。このような決断に至るまでには熟慮に熟慮を重ね、考え抜いた末の決断であったのだと思います。
総理はこのときどのような思いでTPP交渉に参加すると決断をしたのか、まずはお伺いをいたします。
我が国は二〇一三年七月からTPP交渉に参加をいたしました。その後、二年三カ月にわたって、十二カ国の間で国益をかけた厳しい交渉を積み重ね、昨年十月、アトランタで開催された閣僚会合で大筋合意に至り、本年二月にニュージーランドで署名がなされました。
多数国間の経済交渉をまとめることがいかに困難であるかは、WTOのドーハ・ラウンドの現状を見ても明らかなところですが、アジア太平洋地域で、それぞれ特徴がある十二カ国が一つの経済圏をつくるという目標のもとに合意に至ったことは、それ自体に大きな意味があると考えます。
国益をかけた厳しい交渉の結果、十二カ国で合意し署名したTPP協定は、我が国にとって、そしてアジア太平洋地域にとって、どのような意義があり、メリットをもたらすと総理はお考えでしょうか。
TPP交渉に当たっては、我が党は累次の決議を行い、国益がしっかりと守られる、結果として我が国の繁栄につながる交渉を政府に対して求めてきたところであります。衆議院及び参議院両院の農林水産委員会では、交渉参加に当たって決議を行い、農林水産物の重要品目について、引き続き再生産可能となることなどを強く求めてきたところであります。
そして、政府は、党の決議、国会の決議を後ろ盾にして粘り強く交渉を行い、守るべきは守り、攻めるべきは攻め、政府・与党一体となって交渉に臨んだ結果、合意に至ったものと認識をしております。
交渉が大筋合意に至った後、我が党も政府も、結果について丁寧な説明を積極的に行ってまいりましたが、現場からは、将来への不安の声、厳しい御意見を頂戴します。豊かな日本の食をつくり出しているのは現場の生産者です。そして、生産者の方々が営々と続けてきた農林水産業が、中山間地域を含む美しく活力ある地域をつくり上げてまいりました。これらの地域をこれからも守っていかなければなりません。
そこで、総理にお尋ねいたします。
TPP協定については、衆議院及び参議院両院の農林水産委員会決議に掲げられている、農林水産物の重要五品目を初め実現を図るべき項目について、政府として実現できたと認識しておりますでしょうか。総理の認識を伺います。
今回の交渉を通じて、政府は守るべきは守るという姿勢を貫いたわけですが、最後にはアメリカの圧力に譲歩するのではないかと心配している国民も多いと思います。現に、アメリカ国内では、一部の業界団体が日本の国内対策について批判しているとの報道もあります。アメリカ政府が、議会の承認手続をスムーズに進めようとすることを目的として、他国の国内対策について見直しを要求し、制度を変更させるのではないかと不安視する声もあります。
TPP協定に関連する国内手続については、立法措置が不十分、あるいは不満であるとして、他国から追加的立法措置を求められたり、我が国に不利な内容の見直しや解釈を文書で約束することを求められるのではないかとの懸念もあります。
そこで、お伺いします。
今回提出されたTPP整備法案は、私どもは必要かつ十分な内容であると考えておりますが、一部の人が懸念しているように、今国会で整備法案が成立した後で、よもや他国から修正、追加などの要求がなされることは想定されないと考えますが、石原大臣から明確な答弁を求めます。
TPPに関しては、交渉中から秘密主義だとの批判がありましたが、私自身、何度も現地に出かけ、政府対策本部が現地でも丁寧な説明会を開催している状況を目の当たりにしており、政府としても、諸制約の中で最大限国民への情報提供に努力されてきたと認識をしております。
大筋合意後も、どの国よりも早く合意内容の全貌を公表し、与党と一体となって、全国各地で農林漁業者、中小企業の方々を含む多くの国民の皆さんへ説明に努めてこられました。
交渉参加の際の条件があって、交渉途中の情報を出すことに制約があることは承知をいたしております。外交交渉ですから、全てを話せるわけではないことは当然であります。その上で、合意内容に関しては、この国会で丁寧な説明を行うことが必要であると考えますが、石原大臣の見解をお聞きいたします。
TPPは、我が国にとって大きな飛躍のチャンスであります。国民の不安、懸念にしっかりと寄り添いつつ、このチャンスを最大に生かす政策を全力で展開すべきであり、我が党としても、この審議を通じ国民の皆様の理解が深まるよう努力を尽くします。
野党の皆さんにおかれましても、より充実した審議とすべく、建設的な議論をされることを心からお願いいたしまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕