安倍晋三の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(安倍晋三君) 吉川貴盛議員にお答えをいたします。
 TPP交渉への参加の決断についてお尋ねがありました。
 政権交代前の二〇一二年、TPPにより太平洋が一つの巨大な経済圏になろうとしていました。米国とEU、そして韓国も、互いの貿易の自由化に取り組んでいました。日本だけが内向きになってしまったら、成長の可能性はなく、優秀な人材も集まらないと考えました。
 一方で、日本には息をのむほど美しい田園風景、国民皆保険制度を基礎とした社会保障制度などがあります。TPP交渉の参加に当たっては、こうした世界に誇るべき日本の国柄が守られないのではないかという懸念もありました。
 二〇一二年の衆議院選挙で、私たち自由民主党は、聖域なき関税撤廃を前提とする限り、TPP交渉参加に反対すると明確にするとともに、国民皆保険制度を守るなど五つの判断基準を掲げました。
 政権発足後間もない二〇一三年二月、私はこの国民との約束を守るため、訪米してオバマ大統領と会談し、TPPは聖域なき関税撤廃を前提としないことを直接確認しました。例外なき関税撤廃を目指して始まっていたTPP交渉に後から参加しても、交渉によって国益を守る道を切り開くことができました。
 さまざまな意見を伺いました。熟慮の末、最終的には、米国を初め普遍的価値を共有している国々とアジア太平洋地域における新たなルールをつくり上げていくことは、日本の国益となるだけでなく、必ずや世界に繁栄をもたらすものであると確信して、TPP交渉への参加を決断したものであります。
 TPPの意義についてお尋ねがありました。
 TPPは、消費者の生活を豊かにします。参加国間の貿易障壁は激減し、域内のさまざまな商品を安く、手軽に、安心して手に入れることができるようになります。
 TPPは、八億人市場、世界の四割経済圏を生み出し、GDP十四兆円の押し上げ効果が持続します。日本国内の人口減少を乗り越えて日本経済が中長期的に力強く成長していく基礎となります。
 関税が撤廃、削減されるだけではありません。新しいルールが自由で公正な競争を促し、イノベーションを活発にします。全く新しいビジネスも生まれてきます。独自の技術や地方の特産品で果敢に海外市場に挑戦する人々が大いに活躍できます。国内にいながらにしての海外展開も容易になります。TPPを契機に工場を日本に戻すことを検討しているという動きも見られます。海外からの直接投資も拡大します。
 TPPは、品質が高く、海外で人気の高まっている日本の農産物に新たな巨大市場をもたらします。多くの国で農産物の関税がなくなるだけでなく、地理的表示が保護されます。地域の特産品づくりに込めた手間暇が真っ当に評価されるようになります。これは、農業者の皆さんがブランド化や大規模化で国際競争力をつけ、海外に販路を開拓する絶好のチャンスです。
 今後、このようなメリットを生かし、TPPを我が国の成長戦略の切り札としてまいります。
 国会決議との関係についてお尋ねがありました。
 TPP交渉においては、重要五品目を中心に、関税撤廃の例外をしっかり確保し、関税割り当てやセーフガード等の措置を獲得しました。
 それでもなお残る農業者の方々の不安を受けとめ、昨年十一月、総合的なTPP関連政策大綱を決定し、緊急に実施すべき対策に必要な経費を補正予算に計上しました。重要品目が確実に再生産可能となるよう、交渉で獲得した措置とあわせて、引き続き万全の措置を講じていきます。
 交渉結果が国会決議にかなったものかどうかは、最終的に国会で御審議いただくこととなりますが、政府としては、国会決議の趣旨に沿うものと評価していただけると考えております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣石原伸晃君登壇〕

発言情報

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発言者: 安倍晋三

speaker_id: 26067

日付: 2016-04-05

院: 衆議院

会議名: 本会議