尾崎勝の発言 (予算委員会)
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○尾崎勝君 御質問にお答えをさせていただきたいと思います。
先ほど労働者のところでもお話をしたわけですが、全体経済の指標値、要するにマクロの指標とミクロで考えると、これは少し思惑が変わります。例えば、アベノミクスで為替が振りました、トヨタが一千億営業利益を上げましたと。片や、我々が所在しますさぬき市。さぬき市に本店所在を置いている事業者の全部の売り上げを足しても、多分一千億にはいきません。
国策としてどちらが正しいかという議論ではなくて、どちらも大事なんですが、トータルの指標値として、トヨタの、個別企業の名前を挙げて申しわけないですが、大企業が一社で営業利益を持ち上げて、足し算引き算の中で数字が残ったから日本経済は緩やかによくなっているというふうに論じられるのも、少し違うのではないかなという気がします。
例えば、経済産業省が生産性向上設備投資促進税制というものをやっています。今年度の三月で一区切りということなんですが、これは、設備投資をしたところが即時償却もしくは五%の税額控除という制度です。設備投資に対して補助金を出すという制度ではございません。ですから、潤沢に自己資金を持っているか、金融機関からお金を貸していただけるか、そういう事業所が、設備投資をしたことに対して一括償却ができるということで、恩恵にあずかるというものです。
そうしますと、中小企業が、需要がなかなか厳しい、マーケットが厳しい中でこの生産性向上設備投資促進税制を使えるかというと、実は使えません。使える企業は少ないです。ところが、大手はどんどんこれを使います。どんどん設備を導入して、一括償却をして、生産性が二割も三割も上がった設備で、マーケットが縮まっているのに、それだけ生産性の高い設備を償却コストゼロで物をつくってまたマーケットに出してきます。
僕が地元で商工会の例えば製造の事業所によく言っているのは、これを利用しないから我々は全く関係ないんだと思ってはいけませんよ、これを使った企業と皆さん方はマーケットで競合しないといけないんです、そういう中でどういうことが起きるかということを推測した上でやはり事業運営を考察してくださいということを申し上げているところです。
ですから、国の施策というのはマクロで、例えば世界的な視点で企業がどうあるべきか、あるいは、大手が数字をどんと営業利益ベースで上げるということに貢献をするであろうというところに少し厚く施策を打ち過ぎているのではないのかな。その結果として、結果論として、中小企業がやはり競争の中ではもう立ち行かないということになっていっているように思います。
ですから、もう少し中小企業が利用しやすいような、先ほどの開発補助金に至ってもそうですが、もう少し中小企業が使いやすいようなものとしてのスキームをつくって予算をつけていただくということがあれば、もう少しスムーズにいくのではないか。
ですから、中小企業の賃金が上がるかという御質問でございますが、そういう環境下の中で収益を上げるというのは非常に困難をきわめておりますので、中小企業が給与を上げられるかといいますと、答えは上げられないということかと思います。
ただ、リーマン・ショック直後のような激変と比較しますと今は少しよくなっているというのは事実ですが、いろいろな指標で緩やかに回復という表現は非常にわかりづらくて、我々の事業でいいますと、全くそういう実感は実はございません。
ある大手ゼネコンの方とお話をしていますと、二〇一四年と二〇一五年を対比して、二〇一五年の施工床面積はどういう推移をしているかというと、二〇一四年と二〇一五年ではほぼほぼ変わっていないようです。マーケットで人手が足らないということで皆さんが論じておられることと大手ゼネコンが施工量を対比したときに、実は二〇一四年と一五年ではほとんど差がない。
それで、二〇一四年度に人手がいないということでいろいろ論じられていたかというと、二〇一四年はそこまでは論じられていなかった。にもかかわらず、直近でいうと人手、人手という話になって、我々も実際にビジネスをやっている中で、これは非常にギャップを感じています。なぜそういうふうになっているのか。一部聞くと、今後、オリンピック需要に向けて少し人を温存しているというふうなこともあるようです。
実はこれは何を言いたいかといいますと、大手は、とりたいビジネスはとります、とりたくないものはスルーをいたします。とすると、中小企業がとれるものは、大手がスルーしたものを中小企業が群がってとりに行く、こういう構図はやはり否めないのではないかなというふうに思っております。
これをどうするかという施策はなかなか思い当たらないわけですが、少しミクロのところにスポットを当てた、要するに、こういう制度を設けて、あまねく利用できるんですよということを言われるんですが、実のところはあまねく使えない制度になっているということを御検証いただければ、同じ制度の中でもA、B、Cとかいう形で少し制限を分けて制度化していただくと、もっと利用しやすいものになるのではないかなということを感想としては持っています。
以上でございます。