和田武の発言 (経済産業委員会)

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○参考人(和田武君) 和田でございます。よろしくお願い申し上げます。
 私の方からは、再エネに関わる主要な問題についての捉え方と対応について最初にお話し申し上げて、それに基づいて今回の改正法案についての意見を申し上げたいと思っております。
 私の資料の二ページ目に、地球温暖化・気候変動問題ですけれども、この問題は、このまま進行しますと大変な重大影響、場合によっては不可逆的な環境変化までもたらしかねない、人間の生存基盤まで揺るがしかねない、そういう問題ですので、その回避に努めるということは、これは国際的な責務です。
 昨年、パリ協定が採択されましたけれども、気温上昇を一・五度から二度未満にする、そのためには二十一世紀中に温室効果ガス排出を実質ゼロにするということが目標として定められているわけですけれども、これに沿って考えますと、日本の地球温暖化対策計画で出されている目標、二〇五〇年の八〇%削減はいいんですけれども、二〇三〇年の一三年比二六%減、一九九〇年比ですと一八%減になりますけれども、これはいかにも低過ぎます。今後、これはパリ協定の下で見直していく必要があると思っております。二〇三〇年には一九九〇年比で四〇%以上の削減という目標を掲げるべきだろうと思います。
 次に、三ページ、原子力発電ですけれども、御承知のように、日本は地球のプレートのまさに境界の上にある国です。非常に珍しい、まさにそういう地理的な特徴を持っている国です。したがって、巨大地震が常に発生する、そういう国での原発稼働は、これはコストとか損得の問題ではなくて生命に関わる、そういう問題です。過酷事故が、起こりようによっては日本の存立基盤そのものを破壊しかねない、そういうものですので、原発の再稼働はやめて全ての原発を廃炉にすべきです。
 といいますのは、新規制基準が世界一厳しい規制基準だと言われていますけれども、逆に、自然の条件は、世界一厳しい自然条件です。そういう下では、いかなる対策を取っても過酷事故を回避するということはできない。このことは原子力規制委員会でも、この規制基準を満たしても絶対的な安全性が確保できるわけではありませんと、これはホームページにちゃんと書かれているわけです。そういうことですから、今言ったような意味で原発は廃止すべきだと、これは国民の意見とも合致するものです。
 それから、四ページ、三番目に、化石資源の利用、とりわけ、今、石炭火力発電所を非常に増設する計画がどんどん出ていまして、これが容認される方向に進んでいます。この発電所を造りますとかなり長期に運転することになります。そうしますと、現在のエネルギー需給見通しで出されている二〇三〇年の石炭比率の見通しを上回る勢いでさえあります。しかも、CO2の削減の目標を今後見直しを迫られるとしますと、この点についても非常に支障を来します。
 したがって、石炭火発の新設を禁止する、既設発電所は順次撤廃するという方向性をきちんと打ち出すべきです。これはもう欧米諸国の動きはそういう動きが大勢であります。
 その次、今申し上げたようなことを踏まえれば、現在の時点では、日本は再エネ中心の持続可能な社会構築という、それの実現に向かった目標と計画を明確に掲げる、方向性をきちんとした政治をやる、これが今極めて重要になっています。世界の趨勢はまさにその方向を向き始めています。この間のCOP21での再生可能エネルギーに関する議論を見ていても、そういう動きが物すごく強まってきています。
 具体的に申し上げますと、世界の発電所の新設、年間の新設量の六割以上が再生可能エネルギーです。これが三年連続してもう続いています、しかも増えていっています。EUに至っては八割が再生可能エネルギー発電です。そういう動きがどんどんどんどん進んでいるわけですから、世界の大勢はまさにこの方向に向かっていると。
 そういう視点で二〇三〇年の見通しを見たときに、再生可能エネルギー比率二二から二四%、原発二〇から二二というのが出ているわけですけれども、この再生可能エネルギー比率は低過ぎます。原発比率をゼロにして、再生可能エネルギー比率を少なくとも四五%、望ましくは五〇%以上に高めるべきです。
 こういう数字を言いますと、日本ではそんなことは不可能だという、そういう意見をよく聞きます。しかし、これは実際にほかの国では十分やれるようなことが実績でも出ているわけです。十三ページに図の参考資料を付けておきましたけれども、日本、ドイツ、デンマークの再生可能エネルギー発電量の推移を示してあります。一九九〇年比で、日本は一・五倍に対してドイツは九・三倍、デンマークは二十二・五倍になっています。
 これを、ドイツの場合について、ドイツがEEG、固定価格買取り制度ですね、このEEGを導入したのが二〇〇〇年、そこから十五年の間に再エネ比率を五倍に増やしているんですね。水力を入れて全ての再エネ比率を五倍に増やしています。水力を除いた再エネの比率は、二〇〇〇年の二・四%から二九・四%へ十二・四倍に増やしています。つまり、過去十五年間でこういうことができているんです。これからの十五年間でこれ以上のことができないはずはありません。といいますのは、以前に比べたらずっと条件は良くなっています。例えば、ドイツが固定価格買取り制度を始めたときの太陽光発電の買取りコストは電気料金の四、五倍でした。円にして恐らく百円ぐらいだったでしょう。そういう非常に厳しい条件の下でスタートして、それでなおかつこれだけのことがやれているわけです。
 ですから、この比率を仮に日本で、今言ったようなドイツで過去に十五年間にやった比率を、今後十五年間でやったとしたら、まさに六〇%とか五〇%とか、そういう数字にすることは可能なんです。ですから、その政策手段としてFITというのが最も重要な政策手段としてあるわけです。
 私自身は、もうRPS法が採用されるずっと以前からFITを採用すべきだということをずっと主張してきました。そういうことですので、FITそのものは維持しながら、もっとより良いFITにしていくべき、今申し上げた視点から、積極的に、飛躍的に普及を推進するために、改正を求めたいというふうに思っています。
 そのFITの改正案に対してですけれども、六ページから。
 まず、接続方式や認定条件について、従来法の第二章第五条、第六条を削除して、そして新たに条件付の認定方式等を導入する。こういう当面の措置、その中には地域でのトラブルを回避するための情報公開等、評価できるような項目が入っています。ですから、そういう当面の問題を解決するという点では理解できますけれども、再エネ普及を今申し上げたような意味で飛躍的に普及するという立場からすると、まだまだ不十分です。
 これを更に促進できるように、送電線設置費は送配電事業者の負担として、優先接続が可能になる改正を目指していただきたい。これはドイツを始めとして多くの国でやっていることです。
 さらに、広域連系を強化する。これに対しては国ももっともっと積極的に関与して、周波数の変換や地域間の連系、こういう設備を強化して、社会インフラ整備として位置付けて、今考えられているような期間ではなくてもっと短期間にこれをやると。数年以内ぐらいにやれば、全国で今問題になっている需給調整とかそういう体制が全国的にできるようになるわけですから。地域別でそういうことをやろうとすると大変な、九州のようなそういうことが起こるわけですけれども、もっとそういうことをきちんと全国的にやれるようにすれば、出力抑制とか接続可能量の設定等も不要あるいは減らす状況づくりをやれるわけです。それを目指す必要があると考えております。
 さらに、再エネの優先給電。これを採用することで普及を加速することができます。この点については、経産省の省令では再エネは火発より優先するということになっているわけですけれども、エネルギー基本計画においてはベースロード電源というふうに石炭火力と原発を位置付けるということをやっている。これは明らかに再エネよりもそういうものを優先するということですね。ここはやっぱり石炭火力よりも再エネを優先するということを明確にすべきだろうと思います。そして、優先接続、優先給電が確立されれば、もっともっと普及が進みますし、CO2の削減にも貢献することになると思います。
 次、七ページ、入札制度ですけれども、この改正案の条文だけで判断しますと、その対象範囲が無限定ですので、非常に広い範囲で導入することができるという可能性があります。そうなりますと再エネの普及の抑制につながりかねません。
 それから、私は、再エネの普及は、市民とか地域主体、こういうものがその担い手として中核になる。これは実はデンマークやドイツが非常に普及が進んだというのは、こういう政策が進んでいるということだけではなくて、普及の方式、普及の中心、担い手が市民なんですね、地域なんです。市民、地域が主体になりますと、再エネの普及をする際に反対運動とか批判が起きないんです。賦課金の上昇が起きても、それに対して非常に容認する姿勢が強いのは、まさに市民やそういう地域が関わって、それを通じて地域が発展していく、そういうプラスの面がいっぱい出てくるわけです。そういうふうなものがありますからそういう形になっているわけで、そういう地域主体の普及を促進するという意味でも入札というのは非常に抵抗があります。
 ただし、対象を大規模な太陽光発電に限定する、そういうふうなことであれば、これは一定容認できると考えております。
 それから八ページ、いわゆる電力多消費事業所における賦課金の減免制度ですけれども、これは、今回の改正では原単位改善というものと関係付けて申請対象とか減額をやるということについては評価できるんですけれども、本改正の趣旨である国民負担の抑制ということを考えた場合には、もう一工夫必要だろうと思います。例えば軽減率を低くするというふうなのも一法ですし、また、これは私が講演をしているときにある方から質問を受けたんですけれども、こういう対象事業所を管轄する事業者がFITを使ってメガソーラーなんかを造って非常に利益を上げている、つまり減額を受けながら一方で利益を上げていると。これは国民的には納得できないというふうなことを二回ぐらい質問で受けました。それはそうだろうと思います。ですから、この点についても何らかの対応を求めていきたいと思います。
 それから九ページ、これは改正案にはないんですけれども、FITをより効果的に普及を推進するために、どんな条件でも一定のIRRを保証できるようにしていく。
 つまり、今はかなり大ざっぱにIRRを設定して、どういう種類のものをやっても一定の適正な利益が得られるようにしているということなんですけれども、ところが細かく見ていきますと、例えばバイオマスなんかは規模別の買取り価格になっていません。太陽光発電も、十キロワット以上の非住宅用に関しては、これは規模別になっていません。規模別、つまり、大規模な発電所を造れば、これは発電コストを低く抑えられます。小規模なのは逆に高くなります。したがって、IRRは当然そういう差が出てきます。それを、やはりどの場合にもIRRは同等になるような規模別の買取り価格を設定する方式、これをきちっと確立すべきだろうと思っています。
 具体的には、国産の森林資源、日本は非常に国産の森林資源が多くて、多くの国は国産の森林資源、木質のバイオマスを発電あるいは熱利用に積極的に利用しているんですね。にもかかわらず、日本の豊富な森林資源は十分活用できていない。そこでこのFITがその手段になり得るわけですけれども、現在のFITといいますか、二〇一四年度まではこの買取り価格は三十四円一キロワット時という一律の買取り価格でした。その結果どういうことが生まれているかというと、五メガワット以上の大規模な発電所ばかりがどんどんどんどんできました。これは私自身が調達価格等の算定委員をやっていましたので、この点については初年度から、いずれそうなるだろうということを指摘していました。そのとおりになりました。そのことによって大変な不都合がいっぱい出ています。
 そもそも、大規模な発電というのは蒸気タービン方式の発電しかできません。コジェネができません。蒸気タービンとコジェネでは、エネルギー効率は全く違います。二倍ぐらい違います。つまり、日本の森林資源をエネルギー利用する際に無駄遣いしないようにするためには、小規模なものでコジェネをやる、そういうことを促進するような仕組みが必要です。二〇一五年度に一応二メガワット未満に対して……

発言情報

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発言者: 和田武

speaker_id: 25004

日付: 2016-05-19

院: 参議院

会議名: 経済産業委員会