和田武の発言 (経済産業委員会)

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○参考人(和田武君) 先ほども申し上げましたように、デンマークやドイツは担い手が市民主導なんですね。ドイツのことについて、十四ページを見ていただきますとお分かりいただけますように、実は全再生可能エネルギー発電設備の四六%は市民が関わるエネルギーなんです。さらに、地域主体、例えば自治体とかこういう地域主体を入れれば、電力エネルギー事業者とかあるいは企業の中にそういうものが入ってきますので、もっと高い割合、つまり市民、地域という枠組みでいいますと六割ぐらいがそういう枠組みで実施されているということなんですね。それがドイツが飛躍的に普及が進んでいる理由なんですよ。
 ドイツは決して、先ほどからドイツは比率が高いと言われますけど、ドイツは高くありませんよね。高さでいうとはるかに北欧とかあるいはオーストリアとか、そういうところの方が高いんです。低かったから一生懸命今高めようとしているんです。そういう中で、その方式として、デンマークの風力は八〇%は市民所有、その風力で四〇%の電力を賄っているわけです。それは先ほど申し上げたように、そういうことで地域から非常に歓迎されながら普及が進んでいくわけですね。
 そういうことで、十五ページには、ドイツの地域・自治体レベルでの一〇〇%再生可能エネルギーを目指す地域、こういうふうな再生可能エネルギーの利用を促進している地域が実に国土の半分以上を占めている、こういう実態があります。
 日本に関して申し上げますと、十六ページに書きましたけれども、現在、恐らく市民・地域共同発電所というものが千基ぐらいはあると思います。これは、実はFITがない前からどんどん造られてきたんです。FITがない前ですから、ほとんど市民が自らお金を出しながら、寄附だとか協力金だとかお金を出しながら造ってきたんです。
 一九九七年のCOP3の直前に私たちはそういうものを造りました。それ以来、こんなものが増えるとは思っていなかったのに、みんなお金を出しながら市民共同発電所を造り始めたんです。FITが入る以前にもう三百ぐらいになっていました。FITが入ってから更にそれが加速されるようになりました。それは当然です。市民の発電所を設置する理由は、利益ではありません。自分たちで地球温暖化防止のために貢献をしたいとか、原発のエネルギーを使いたくないとか、そういう意味合いで取り組むんですね。ですから、そういう主体に過度な利益は要らないんです。適正な利益さえ得られるようにすれば、非常に積極的にこういうところが動くわけです。そういうふうな普及の仕組みというのをつくっていく必要があると思います。
 例えば、最後に、十七ページに私が代表をしている市民共同発電所の事例を出しましたけれども、この場合、五か所ぐらいにもう発電所を造っていますけれども、そのうちの二か所は、福島の農民の方々が、もう農業をやっても食っていけない、その農地を発電所にしたいと、そういう経験がないから私たちの団体に協力してほしいという申出があって造ったんですね。そうしましたら、全国多数の市民がそれに共同出資で出資をしてくれて、もう必要経費をはるかにオーバーするぐらいの出資金が集まって、トータル二百五十キロぐらいの発電所を造りました。同時に、その経験を得て、その農民の人たちが自ら発電所を造り出して、農民連という団体の会員の家庭の全ての電力を賄えるぐらいの六メガワットの発電所をもう造っているんですね。こういうふうな、やっぱり市民、地域に依拠したやり方をやれば歓迎されるわけです。
 あるいは、もう一つ事例を申し上げますと、徳島地域エネルギーという市民会社があります。これは株式会社ですけれども、市民がつくっている会社です。この会社は、徳島のいろんな自治体と話し合って発電所を造る、その際に、その地域外の人も含めて市民から出資を募って出資をしていただく、そしてその出資をしていただいた方々にはその建設地域の特産物を、お金ではなくて特産物をお返しする、こういう仕組みをつくったんですね。それで、あちこちにそういう発電所を造っているんです。その結果、その地域はその特産物を販売できるようになってメリットが出てくるわけですね。こういう地域の発展と関わったようなやり方ができるわけです。
 私たちも、福島に造った発電所の売電収益の二%は復興基金に充てています。そういうふうな、地域に一定の利益を還元するというふうなこともこういう市民の取組の中ではやられていくわけですね。そういうふうな配慮、こういうふうなやり方が普及を非常に滑らかに、スムーズに、反対運動なくやれるやり方だと思うんですね。
 私は、ドイツやデンマーク、こういう具体的な現場を歩き回ってきました。北海に面した小さな埋立地のフリードリッヒ・ヴィルへルム・リュプケ・コークという小さな村です。この村は過疎化をしていた。そういう過疎化していた村で、この過疎化を食い止めたい、風が強いんだから風車を建てようということで建て始めた。そのことによって、その村は完全に過疎化から脱却して、今人口が増え始めている。農業の後継者難が解消されて、多くの若者がその後継者になっていっている。
 こういう事例はその村だけではありません。ローデネ村という小さな村で草原太陽光発電所を造った。その太陽光発電所のパネルは全部シャープ製ですよ、二・六メガワット。世界中の太陽電池を一年間検査して一番いいやつを選ぶということで、十ぐらいのメーカーのあれを比べた。一番がシャープ、二番が京セラですよ。そういう日本の条件を持ちながら、日本では政策が取られなかったために遅れてしまったんですね。
 様々なそういう地域の発展が再生可能エネルギーの普及によってなされるという事例を数多く見ています。今申し上げた、シュレスヴィヒホルシュタイン州というんですけれども、そこなんかはもう電力の七〇%を再生可能エネルギーで供給しています。そのうち、先ほど申し上げた事例のところの郡なんかは全電力の三・五倍以上電力を供給しています。そういうふうなやり方というのがこの再生可能エネルギー普及の基礎になるというふうに申し上げたいと思います。そういう点での仕組み上の工夫を是非取り入れていただければと思っております。
 ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 和田武

speaker_id: 25004

日付: 2016-05-19

院: 参議院

会議名: 経済産業委員会