猪熊弘子の発言 (厚生労働委員会)

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○参考人(猪熊弘子君) ありがとうございます。
 本当に、保活という言葉ができたのは二〇一一年ぐらいだったんですけれども、保活というのがすごく厳しくて、同じマンションに住んでいて、仲よくしている子供がいるママさんたちとかが、片方は入れて片方は入れないということで関係がぎすぎすしてしまうなんというのは本当によく聞く話なんですね。
 私がすごく思うのは、子供がいて、これから働き続けて、それこそ納税をしよう、そして未来の国の支える子供を育てようという希望があるときに、それを競争にしてしまう、そしてそこの中で勝ち組、負け組というような言葉が出てくる。情報が早くたくさん手に入る人が入れる、そしてたくさん動ける人、たくさんお金を使える人が入れるというような状況になってしまっていて、本当にこれでは子供がいる幸せというのを味わう暇もなく、働く喜びも味わうことができないだろうなというふうに感じています。
 ですので、もう一つ、やはり至急に対応しないといけないということと保育の質ということに関して私も非常に懸念をしています。
 私、自分の二〇一四年に出した待機児童についての「「子育て」という政治」という本の中で書いたことがあるんですけれども、ある子育て中の、それこそ保活をしているというお父さんに聞かれたことで、どうして小学校に入れない子供はいないのに保育所に入れない子はこんなにいるんですかというふうに聞かれました。そういう意味で、私も、確かに本当にそれに答えることが私の役目だと思って一生懸命調べたんですけれども、答えはやはり一つで、小学校に入る子供というのは結局憲法で守られて、法律で支えられているその権利、子供の教育を受ける権利、子供自身の教育を受ける権利というのがやっぱりあるので、受けさせないわけにいかない。どんなにマンションが増えても、どんなに家が増えても人口が増えても、建てなければいけないわけですよね。でも、今、日本では、ゼロ歳から五歳の子供について一切そういうふうな居場所の権利がないんです。
 ドイツなどでもやはり待機児童の問題とかもいろいろあるんですが、三歳以上の子供に居場所を与える権利、正式な、子供にとって一番いい居場所を与える権利というのが確立しまして、それが二〇一三年に一歳までというふうに下げられまして、要は、親が本当に保育所に入れたいんだというふうに言ったら、国がその責任を持って、法律の後ろ支えがあって、子供の権利としての保育というのを守らなければいけないというふうになったんです。
 私は、やはりこれだけ政府の方でもお金をたくさん入れていただいて、保育園を一生懸命つくっている状況も本当に分かっているんですけど、それでもなかなかできないというのは、結局その権利保障の部分が法律の後ろ支えがないというところに尽きると思うんですね。ほかの国ではそれが非常に進んでいて、OECD諸国の中でそういうものがないのは本当はっきり言って日本だけなんです。
 ですので、その部分についても、これから子供たちを守って親たちが競争することのないように、確実に安心できる居場所がいられるように、そういう権利保障につなげていただければというふうに思っています。
 ありがとうございます。

発言情報

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発言者: 猪熊弘子

speaker_id: 1071

日付: 2016-03-25

院: 参議院

会議名: 厚生労働委員会