渡邉美樹の発言 (行政監視委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○渡邉美樹君 自由民主党の渡邉美樹でございます。
 先月、四月四日に当委員会におきまして、私は中小企業政策を中心に質問をさせていただきました。本日は、過労死等の防止について質問をさせていただきたいと思います。
 最初に、過労死等の防止を質疑のテーマに選んだ理由について説明をさせていただきます。
 御存じの方もいらっしゃると思いますが、私が社長をしておりましたワタミグループにおいて、二〇〇八年、今から八年前でございます、入社二か月の女性社員が自ら命を絶ちました。本件につきましては、御遺族より訴訟が提起され、昨年十二月八日に和解に至っております。
 私が創業いたしましたワタミグループは、仕事とは時間とお金のやり取りではない、働くとは自己実現であり生きることそのものであると、人間は大きな夢を描いて一歩ずつその夢に向かって進んでいく、そのプロセスの中でたくさんのありがとうを集めて人として成長していく、それこそが幸せだという価値観を持つ会社でございます。
 しかし、社員も数千人となり、パート、アルバイトさんも数万人となり、会社の規模が大きくなる中、この価値観が独り歩きをしてしまい、一部の社員がこのような理念や働くこと自体を負担に感じるようになってしまったのも事実でございます。また、そのような中、所定労働時間を超える長時間労働、所定の休憩時間が取得できない、有給休暇を希望どおり取得できないといった労務管理の不備も重なってしまいました。そして、そのような社員に対して会社としてしっかり寄り添ってあげることもできませんでした。
 その結果、新入社員の一人が自ら尊い命を絶つという現実を迎えてしまいました。これは、企業トップとしての私の過ちでございました。私は、企業トップとして犯した過ちに向き合って、一生を掛けてこれを償っていく所存でございます。
 しかし、私は、既に三年前にワタミの経営を離れ、今はこうして政治家をさせていただいているわけであります。ですから、昨年七月二十四日に閣議決定されました過労死等の防止のための対策に関する大綱の表紙にあります過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会の実現に政治家として身を賭して取り組んでいかなければならないと、そのように考えております。
 そこで、本日は、ワタミの事例について、また自らの過ちについて示させていただきながら、過労死等の防止のための行政の在り方について質問、提案させていただきたいというふうに思います。
 お手元の資料をどうぞ御覧くださいませ。
 警察庁の自殺統計によりますと、日本の自殺者は、平成十年以来十四年連続して三万人を超え、平成十五年には過去最大となる三万四千四百二十七人を記録しております。しかし、平成二十二年より毎年減少し、平成二十七年には自殺者数は二万四千二十五人まで減少しております。これは大変良い傾向だと思います。
 一方で、遺書等の自殺を裏付ける資料により、勤務問題が原因で自殺した方は、平成二十七年で二千百五十九名おります。ピークだった平成二十三年の二千六百八十九名から年々減少しているものの、これをゼロにしなければならないと考えております。
 勤務問題が原因で自殺された方のより詳細な原因、動機に関しましては、一位が仕事の疲れ、三一%、二位が職場の人間関係、二一%、三位が仕事の失敗、一八%でございます。この統計からも、仕事の疲れ、すなわち過重労働や長時間労働が自殺に結び付くことが読み取れます。
 総務省の統計によりますと、週の労働時間が六十時間以上の長時間労働者は平成二十七年で四百五十万人もおり、平成十六年の六百三十九万人から毎年減少しているものの、いまだに全労働者の八・二%を占めております。特に三十代の働き盛りの男性では一六%、つまり六人に一人が長時間労働者となっております。
 また、業種別に見ますと、運輸業、建設業、飲食・サービス業などで週労働時間六十時間以上の社員の割合が高くなっております。これらの業種は勤務問題に起因する自殺が多い業種でもございます。例えば、平成二十七年には三十九名の飲食店店員が自ら命を絶ちました。ちなみに、サービス業全体では百五十四名となっております。
 ワタミグループを例にさせていただきますと、長時間労働を改善するために幾つかの対応策を取らせていただきました。一つは、従業員の負担を軽減するための店舗数削減や営業時間の見直しでございます。二〇一四年中に全体の店舗数の約一割に相当する六十店舗を閉鎖、撤退いたしました。店舗数の削減によって従業員を近隣の他店舗に振り分け、既存店舗の人員不足を補いました。また、百店舗以上で営業時間の短縮を図りました。また、一部の店舗におきましては定休日も導入いたしました。さらに、年間の会議、ミーティング、研修の効率化を図り、一般職の場合、それらに費やす時間数を年間で約七〇%削減いたしました。
 このような長時間労働撲滅のためのワタミグループの取組は他の飲食業でも参考になると思いますが、一方で、ワタミグループは東証一部上場企業であり、店舗数が六百を超える大企業だったからこそできる対策とも言えます。
 外食企業の多くは中小企業、零細企業でございます。中小の外食企業は損益分岐点ぎりぎりで経営している企業も多く、店舗の閉鎖や営業時間の短縮あるいは人件費増は企業経営そのものが成り立たなくなる可能性がございます。また、先ほど挙げた長時間労働の多い運輸業、建設業なども同様でございます。
 中小企業はぎりぎりの人件費で経営しているため、結果として繁忙期には長時間労働に頼らざるを得ないという現実があります。また、人を増やしたくても良い人材が採用できず、そのしわ寄せとして既存社員の長時間労働に頼っている中小企業も少なくありません。
 そこで、質問させていただきます。
 中小企業における長時間労働を撲滅するために厚生労働省ではどのような施策を実施、検討されているか、まず教えてください。

発言情報

speech_id: 119014281X00220160525_005

発言者: 渡邉美樹

speaker_id: 16934

日付: 2016-05-25

院: 参議院

会議名: 行政監視委員会