淺田正彦の発言 (国際経済・外交に関する調査会)
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○参考人(淺田正彦君) ありがとうございます。
まず最初に、人道的なアプローチとの関係でお話ししたいと思いますけれども、今、阿部参考人がおっしゃったことに近いところがありますが、非人道的であるということを強調し、その結果として、核兵器を使用すればそういう結果になるので核兵器は全廃だという、このやや私から見ると単純な結び付け方というのが現在の混乱を招いているというふうに思います。
核兵器の使用の結果が非人道的であるということは誰も否定しないわけでありまして、日本人はもちろんのことですし、アメリカ政府も否定しておりません。これを否定しているという国は私はないと思います。ですから、それをどのように次のステップに持ってくるかというところにおいてアプローチの違いがあるというふうに思います。
人道的アプローチを追求する国というのは、あらゆる場合に使用を禁止するというふうなところに行くわけで、そこで分かれてくるわけですね。西側諸国、オーストラリアを中心に、私の最初のお話でも申し上げましたけれども、西側諸国を中心に出している共同声明というのも、核兵器の使用が非人道的であるということを認めながら、しかし、あらゆる場合に即使用禁止だというところが引っかかって、そこで意見が分かれているわけでありまして、その辺りで人道性の問題というものを追求するというところは日本の外交という意味でも今後も続けていっていいのではないかと。しかも、唯一の被爆国というふうなことでありますから、その点の主張というのは今後も続けていっていいのではないかというふうに思います。
核兵器の使用と、それから使用の悲惨さというものと、それから核兵器を使った抑止というこの関係なんですけれども、この辺りは、アメリカもその辺りの主張はやっておりまして、核兵器が非人道的であるということとそれから核抑止ということというのは必ずしも両立しないというわけではないと。核抑止というのは、核兵器を使用するためではなくて、核兵器を持って威嚇をして、それによって相手方の攻撃を抑止すると。抑止すれば当然核兵器を使用することもないわけですから、必ず矛盾するというわけではないわけでありまして、しかし、その単純な論理を推し進めて、非人道的だから絶対に使用してはいけない、ないのが一番いいというふうな形で論理を進めると、今日にあるような核兵器国とそれから非核兵器国との間の分断につながるというふうに思います。
この分断の恐ろしさというのは、例えば、先ほど梅林参考人がおっしゃいました公開作業部会を設置するという提案に対して、核兵器国は全て反対しておりますね。そういうふうな状況になってくるというのはまさに逆効果ではないかというふうに思います。
私のもう一つのお話ですけれども、NPDIをどうするかということなんですけれども、星野参考人の話にもありましたが、やはりマルチの外交というのは一国ではなかなか聞いてもらえないというところがあります。私の限られた経験でも、日本は世界的にはかなり大きな国だというふうに見られておりますけれども、一国が主張するのとそれからグループが主張するのとではかなり扱いが違うわけですね。そういう観点からしますと、日本があるグループの一員となって、そのグループの中で議論したものをグループとして発言していくというのは、全体からの受入れという観点からしますと、一国でやるものと比較すると全然違うというところがあります。その点で、NPDIを軸に今後も外交を進めていくということについては正しいと思います。
もう一つNPDIのいいところは、メンバーがかなりいろんな国が交ざっていると。日本以外の国としますと、例えばドイツとかあるいはオランダのようなNATOに参加している国が入っていますし、同時に、非同盟の国として、たしかメキシコとか、あるいはUAEといった軍縮を推進する国とか、あるいは完全に途上国の一員であるというふうな国も入っておりまして、そういう中でいろいろ議論を進めていって何らかの方針を出して進めていくというのは、全体の中で日本が一国で何かを言うというよりも、日本の主張をもんで、その後にその主張を出すという観点からもいい方向ではないかというふうに思っております。
どうもありがとうございます。