田城郁の発言 (国土交通委員会)

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田城郁君 それはそれとしてしっかり進めていただければよいと思いますが、私は、トラックドライバーの労働条件が悪化した理由の一番大きな要因は規制緩和、行き過ぎた規制緩和にほかならないと思っております。
 平成二年の規制緩和によって、全国約四万者だったトラック事業者が六万三千者まで増えました。その九九%が中小事業者だと言われております。結局、トラック事業それぞれの荷主に対する交渉力が弱まったため、マクロでは物流経費の値下げにつながったかもしれませんが、ミクロでは中小事業者や労働者にしわ寄せが来ていると、そして様々な悲劇が起きているということであろうと思います。
 典型的なのが、三月十七日に広島県の山陽道で発生したトラック多重衝突事故であります。この事故では、運転者は居眠り運転であったことが指摘をされておりますが、トラック事業者への特別監査では様々な違反事項が指摘をされました。
 トラックドライバー不足によって、過労や過積載など、トラック輸送における安全性はどんどん損なわれております。長時間労働と低賃金という労働条件の悪さを実質的に改善できなければ、少しぐらいイメージアップを図ったところでは人材確保はかなり厳しいという状況にあります。
 運輸分野における規制緩和は、競争原理という観点からしか見ておらず、スケールメリット、いわゆる規模の経済という観点を全く見落としているとしか思えません。
 規制緩和では一般的に多様な料金体系やサービスが生み出されると言われていますが、結局、それで生まれたジャスト・イン・タイムや小口輸送といった新サービスの行き過ぎに苦しんでいる背景があるからこそ、今回の法案が提出されているのだと思います。
 しかし、このような省力化を目指す法案は、物流の問題を解決する一側面でしかありません。違反なく運送事業を遂行し、労働者の福利厚生を実現するにはスケールメリットも必要です。規制緩和の見直しという根本的な原因を見直すことをしない限り、トラックドライバー不足を解決し、持続可能で安全、安心な物流を提供することは困難であると考えます。
 物流に働く労働者の労働の価値というものをもっと高めていくことを具体的にやらなければ、トラックドライバーのみならず、鉄道貨物も含めて、あるいは船舶で従事する労働者も含めて、本当にその職に就く者がいなくなる中で物流は滞るという、この根本的な原因を解決すべきだと思いますが、大臣、いかがお考えでしょうか。

発言情報

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発言者: 田城郁

speaker_id: 26936

日付: 2016-04-28

院: 参議院

会議名: 国土交通委員会