2016-02-10
参議院
大沢真理
国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会
大沢真理の発言 (国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会)
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○参考人(大沢真理君) 格差を測るための調査というのが三年に一度しか行われておりません。直近の調査は、二〇一五年、昨年行われまして、その前は二〇一二年でございます。直近の調査の結果が出るのに一年半ほど掛かりますので、残念ながら、アベノミクスの下で格差が拡大したのかどうかに関して、同じベースのデータで回答することは現時点ではできません。ですので、事例でもって見ていくというようなことしかなかなかできないわけです。
しかしながら、先ほどのデータの中でもお示ししましたように、収入が低い子供のいる世帯ほど純負担率大きく上がってきておりますので、貧困率の結果が出れば、二〇一二年から一五年にかけて貧困率は上昇しているというふうに予測はできるわけでございます。
そのことと経済成長の関係なんですけれども、経済学の主流の学者の間では、従来、所得の格差というのはある程度あった方がやる気は出るし経済は活気付くという見方があったのでございますけれども、この二年くらいの間に、主としてOECD、それからIMFなどの実証研究に基づくまとめでも、格差が拡大している国では、経済成長率が本当であれば可能だった成長よりも下振れしていると。日本もその中に入ります。格差を縮小して潜在成長率を実現した国というのは、OECD諸国の中でもフランスとスペインぐらいしかございません。ですので、経済成長を目指すというのであれば、格差を縮小するというのが正しい政策手段ではないかと。成長してから分配すればいいという考え方はなかなか成り立たなくなってきているというふうに思います。
もう一つ、インフレとの関係ですが、残念ながらインフレは起こっておりません。物価指数をずっと経年で見てまいりますと、上がったというのは消費税の税率アップの分、プラス円安による輸入品物価の上昇、これが原油価格の低迷と相殺し合っていますので、ほぼ消費税増税分しか消費者物価指数は上がってございません。
それがここに来ていろいろ実質賃金率とか何かがもみ合いになっている状況ですけれども、しかし人によっては、やっぱり購買するもの、バターであるとか小麦粉であるとか砂糖であるとか、そういったものの価格が上がっていますので、子供がいて比較的低所得の世帯にとっては、この物価上昇というのは打撃を与えているかというふうに考えております。