2016-02-10
参議院
神野直彦
国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会
神野直彦の発言 (国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会)
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○参考人(神野直彦君) 租税負担率が高いといって、租税抵抗というお言葉を使いますが、ドイツ財政学では租税抵抗といいますが、租税抵抗の高い国は税負担率の低い国です。アメリカでも日本でも同じことですが、世界的に見ると、税負担率の低い国が税金が高過ぎると国民が言っているんですね。
それに対して、今、税負担だけでいうと、いわゆる保険料のないデンマーク一番高いんですが、デンマークとかスウェーデン、フィンランドでもいいですけれども、スカンジナビア諸国でそれほど大きな租税抵抗はありません。ないわけじゃないんですが、若干ですね。ありません。
これは何を意味しているかというと、租税負担の低い国というのは、社会保障で国民を分断させちゃうんですよ。つまり、税負担を払っている国民と公共サービスの利益を受けている国民が違っちゃう、つまり分断してしまっている。このことが一番決定的でして、簡単に言ってしまえば、ちょっとこれは語弊があるので言いづらいんですが、中間所得層の生活を公共サービスが支えている国、これが税負担率高いんですね。教育はただですよ、育児もただですよ、お年寄りの養老も全部ただでやりましょうというような国の税負担率は高くなります。
それに対して、これはもう市場でやってくださいと言ってしまって公共サービスの低い国、これは分断されるんですね。しかも、所得制限付けますから。払っている国民には何も戻ってこなくて、誰かがいい目をしているんじゃないかと疑心暗鬼になりというようなことをやりますので、プロポジションサーティーンというか、カリフォルニア州の納税者の反乱といっても、中間所得層が反乱するんですね。税金は負担させているのにサービスが何も戻ってこないじゃないか。
なので、スウェーデンや何かで税率の引上げ成功してくるのは、さっきも申し上げましたけど、具体的に保育のサービス出しますよという、サービスをどんどん充実させていくのとセットで出しているということです。
特に、日本とヨーロッパと税負担率の違いを決定付けているのは、住宅と教育に対する考え方が違うので、イギリスを除けば、教育についてはどこの国でも無償でやっていると言っても言い過ぎではありません。住宅も、これは公共財だという考え方が基本にあるヨーロッパ諸国では、家計簿を見ると僅かなんですね、出てきても。住宅はごく僅か、教育は出てこないという家計簿の国と、日本の家計簿を見ると二大支出項目になっているんですね、教育と住宅が。それで、税負担上げますよというと、これは抵抗はやっぱり出てくるということではないかというふうに思いますので、そもそも貧しい人々だけを限定、これは再分配のパラドックスといいますが、貧しい人々だけに限定をして現金給付をやればやるほどその国の格差と貧困は拡大するんですね。
そうじゃなくて、ユニバーサルに、全ての所得制限なしでやりますよというサービスの提供の仕方をやっていくと、事実上、中間所得層の生活を公共サービスが支えるんですよ。したがって、どういう出し方をするかによって税負担率は決まってくる。
だから、先ほど来お願いしているのは、国民に有り難みを今回実感させてくださいと。そうしないと、一部の人だけがいい目をしているんじゃないかというのでは税負担上がりませんということを申し上げているということでございます。