2016-02-10
参議院
神野直彦
国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会
神野直彦の発言 (国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会)
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○参考人(神野直彦君) 私は、繰り返すようですけれども、現金給付というのには限界があるということですね。
何が問題かというと、まずベーシックインカムとか給付付き税額控除というのは、ほかの様々な社会保障を縮小していってまとめようというのとセットになっている場合が多いんです。私は、貧困とか生活の困窮というのは所得だけでは生じていない、つまり様々な複雑な事情で落ち込んでいっているんですよ。心の病を負ってしまったとか障害を負ってしまったとか様々なことで落ちていっているので、単純にベーシックインカムのように社会配当金で配れば問題は解決するということではなく、なるべくどこかで引っかかるように、障害者には障害者用のサービス様々なところで張っておいて、最後にどうしてもおっこちた人を生活保護で支えていくということが重要で、ベーシックインカムにするからこちらのいろんな公共サービスは整理していきましょうということであるとすれば、お金だけでは貧困は解決できませんよ。
それから、もう一つ重要なのは、現金給付というのはミミッキングという不正が働くんです。所得のないふりをする。これが、生活保護や何かも、実際に日本では権利があるにもかかわらず執行されていない重要な原因になっているわけですね。
お金のないふりをするというのは、お金で配るからです。もしも、先ほど言いましたように、高齢者福祉サービスを大きくして、サービス給付には不正、ミミッキングは働きません。いいですね。幼児のふりをして保育園に入ったりしたり、お年寄りのふりして老人ホームへ、何が楽しいのかということですよね。年寄りが生きているんですけれどもと、じゃ、連れていらっしゃい、私のところでちゃんとサービス給付してあげますからといえば大丈夫なんですけど、日本のように戸籍と住民票が発達しているところでは生きているふりもできるわけですよね。お金で生きているふりをしましたといって、現金給付をもらっていたということがありますので。
不正が働くと、もっと不正を厳しく監視しろというバッシングが働くんですね。これは悪循環になってきます。先ほど言いました再分配のパラドックスの一つの要因ですので、私は、できるだけ現金給付、例えば生活保護の中に入っているものは現物給付に変えていく、住宅だったらユニバーサルに変えていくというようなことをしながら現金給付でやる額を少なくしていくということの方が進むべき道じゃないかというふうに考えています。