小黒一正の発言 (国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会)

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○参考人(小黒一正君) ありがとうございます。
 藤巻先生の御質問ですけれども、端的に申し上げれば、もし仮に二%のインフレーションみたいなものが実際出てきて、そうすると長期金利が当然上がっていくと思います。今、長期金利自体はもう一%を切っていますので、利払い費が九兆円とか十兆円で収まっているという状況ですけれども、借金大体一千兆円としますと、例えば長期金利が三%若しくは二%でもなったとすると、ざっくり計算しただけでも二十兆円になると。一応、国債のデュレーションがあって借換えがありますのですぐには顕在化しないと思いますけれども、非常に厳しい状態になると思います。
 その状況で当然懸念されるのは、一時期、日本の八〇年代後半にあった話だと思いますけれども、当時、橋本蔵相がいて、日銀総裁が替わられたときに金融政策を解除しようとしたら、大蔵省がはっきり言えば止めたと。その経験があって、橋本総理になられたときに、金融政策の独立性というものを重視するという形で日本銀行の法案を、改正法案を出したという流れがあると思いますけれども、恐らくそこと似たような状況になって、どちらが強いかといえば、最終的には当然政治サイド、要するに今でいえば財務省サイドの方が強いと思いますので、御懸念のような形になるのかなと。
 ただ、その場合に、じゃ財務省がコントロールできるかというと、非常に難しいんではないかというふうに考えます。そういうようなパスが見えた場合、要するに二十兆円で利払い費が増えていくようなパスが見えた場合に、仮に名目成長率がかなり高まって同時に税収も増えていくというパスが見えれば、そこはある程度どうにかなると思うんですけれども、恐らくそこで直面するのは、歳出削減と増税をしなきゃいけないというようなパスであったりとか、そこで当然余りにも大きな歳出削減と増税になれば恐らく議会でものめないでしょうから、そうすると、ちょっとシナリオ的には絶対そうなるとは言えませんけれども、日本銀行に直接国債を引き受けさせて財政をどうにかする、予算を組むというようなことというのも当然出てくる可能性があると思います。
 そのときは、御懸念のようにハイパーインフレーションになるかそれは分かりませんけれども、二〇%とか何十%ぐらいのインフレーションが出てくる可能性があって、そのときには、河村先生が御指摘になったような場合に、日本銀行のバランスシートはゆがんでいますので、もはや日本銀行はもうインフレ率を制御できないという形になってくると。そういう形になれば、当然もっと厳しい財政再建をしなければ、財政インフレになっていますので、収めることができないというようなシナリオというのも一定の確率であり得るというような状況にあるのではないかというふうに考えております。

発言情報

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発言者: 小黒一正

speaker_id: 29026

日付: 2016-02-17

院: 参議院

会議名: 国民生活のためのデフレ脱却及び財政再建に関する調査会